【OSS】オープンソースソフトウェアとは?定義や注意点、有名なOSSをわかりやすく解説

経営者

オープンソースソフトウェアって何のこと?
本記事でわかりやすく解説します。

専門家

私達の生活に必要不可欠となったオープンソースソフトウェア(OSS)は、さまざまな形でWEB上に掲載されるようになりました。よく知られているJavaやPythonなどのプログラミング言語や、SDWebimageなどのライブラリ等などがOSSになります。

しかし、OSSの実体や定義についてしっかりと理解している人は少ないのではないでしょうか。

OSSを活用することで、ソフトウェアの構築にかける時間を大幅に短縮でき、様々な機能を付与することができます。

そこで今回は、OSSの大まかな概要や定義などの解説、有名なOSSの紹介をします。

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オープンソースソフトウェア(OSS)とは?

経営者

オープンソースソフトウェアって何?

オープンソースソフトウェア(Open Source Software)はOSSと略され、ソースコードが無料で公開されている改変可能なソフトウェアです。それに対して改変制限されているソースコードのソフトウェアを「プロプライエタリソフトウェア」といいます。

基本的にプロプライエタリソフトウェアは有料で販売され、ソースコードの改変ができません。その点OSSは汎用性が高く、多くの人に利用されています。

また、企業はOSSを利用してサービスや製品を開発し、開発者コミュニティにも参加します。例えば、IBMはEclipseなどをOSSとして公開しています。

オープンソースソフトウェア(OSS)の歴史

1950年代、学術機関のコンピューターソフトウェアのソースコードは、パブリックドメインで共有されていました。1970年代に入り、そのソフトウェアは商売として成立しはじめ、再配布を禁止するプロプライエタリソフトウェアが誕生しました。

その後、1980年代にソフトウェアのソースコードを自由に編集できないことに不満をもっていた開発者たちが、フリーソフトウェア財団やオープンソース・イニシアティブを創立させ、OSSの文化が構築されました。

オープンソースソフトウェア(OSS)の定義

オープンソースは単に「ソースコードを公開しているソフトウェア」ではありません。日本の総務省はOSIのオープンソースの定義を満たすソフトウェアをOSSと定義しています。OSIが定義したOSSの基準は、全10項目あります。

  1. 再頒布の自由
  2. ソースコード(ソースコード公開も含む自由な利用)
  3. 派生ソフトウェア
  4. 作者のソースコードの完全性
  5. 個人やグループに対する差別の禁止
  6. 利用する分野に対する差別の禁止
  7. ライセンスの分配
  8. 特定製品でのみ有効なライセンスの禁止
  9. 他のソフトウェアを制限するライセンスの禁止
  10. ライセンスは技術中心でなければならない

参考:オープンソースの定義 (v1.9) 注釈付 | 一般社団法人オープンソース・グループ・ジャパン

オープンソースソフトウェア(OSS)のライセンス違反は著作権侵害

ダウンロードしたOSSを社内で使用することは著作権侵害に当たりません。しかし、OSSを含んだ製品を外部に出荷すると再配布することになり、著作権の許諾を得なければ、著作権侵害になります。

この許諾の条件が記されたものがOSSライセンスになるため、OSSの条件に従わなければ製品を出荷した段階で著作権侵害に当たります。

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OSIによるライセンス管理

OSSの改変や再配布ができる範囲はライセンスによって制限されます。このライセンスを「オープンソースライセンス」といいます。そして、オープンソースライセンスを管理しているオープンソースイニシアティブ(Open Source Initiative )、通称OSIが管理し、OSSの定義をしています。

OSIは、オープンソースの認知団体として活動し、オープンソースの誤理解を防いでいます。

オープンソースソフトウェア拡大の背景とメリット

OSSは、誰でも自由に改変・再頒布できるため、世界中の人がソースコードのバグを発見、修正できます。したがって、ソフトウェアの安全性が高くなり、低コストで高品質な開発が行えることでOSSの機能は拡大しました。

OSSのメリットは無料で扱える点だけではありません。今回はそんなメリットの内の3つを紹介します。

  • 安定性と信頼性
  • どのようにプログラムが作動しているのか監査可能
  • 選択可能なサポート機能

それぞれについて解説します。

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安定性と信頼性

プロプライエタリソフトウェアは、提供している企業のサービス終了などの影響により打ち切られる可能性があります。しかし、OSSはユーザーが存在する限り、メンテナンスを継続でき、安定した利用が見込めます。

また、不正なプログラムなどが公開ソース上で常に確認できるため、修正が早く信頼性が保証されます。

そのため、プロプライエタリソフトウェアよりOSSを積極的に活用している企業も多く、商用利用可能なOSSを自社製品やサービスに導入するケースも多いです。

どのようにプログラムが作動しているのか監査可能

プロプライエタリソフトウェアは、プログラムがどのように動作しているのか分かりませんが、OSSでは監査することが可能な点がメリットとして挙げられます。

バグや脆弱性が発見されたとしても、開発者でしか確認、修正を行えないプロプライエタリソフトウェアとは違い、OSSは第三者機関に監査を依頼することができます。

選択可能なサポート機能

OSSのサポートは2種類あります。

  • コミュニティ版
  • 商用版

コミュニティ版は、OSSの導入から運用までをサポートする機能です。一方の商用版は、バグや脆弱性への対応、保証などのサポートにコミットします。

システムの重要度や用途に応じてサポートを選択できる点がOSSのメリットになります。

オープンソースソフトウェア(OSS)ライセンスの種類

OSSのライセンスは3つに分類することができます。

専門家

この分類は、著作権を守ったまま、全ての利用者が改変、再頒布等をできるようにする概念、「コピーレフト」の適応状況によって以下に分類されます。

  • コピーレフトタイプライセンス
  • 準コピーレフトタイプライセンス
  • 非コピーレフトタイプライセンス

これらの種類を区別する重要なポイントは以下の2つになります。

  • ライセンシーの派生物にまで同じライセンスの適用を要求する点
  • ライセンサーが提供するOSSを、ライセンシーが他のソフトウェアと組み合わせた場合、ライセンサーはライセンシーのソフトウェアにまで同じライセンスの適用を要求する点

ライセンサーとは、実施許諾者のことでIPや商標の保有者を指します。

またライセンシーとは、実施権者のことでIP使用権を供与されたメーカーや小売業者などを指します。

それでは、各コピーレフトタイプの解説をします。

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コピーレフトタイプライセンス

コピーレフトタイプライセンスは、利用者とライセンシー(実施権者)の派生物に同一のライセンス適用を要求します。

例えば、コピーレフトライセンスで公開されているOSSを利用して、第三者がソフトウェアを開発し、公開した場合は、第三者が開発したソフトウェアにも利用したOSSのライセンス適用が求められます。

ライセンスが伝搬するイメージです。コピーレフトタイプは、この伝播性が高いのが特徴です。

コピーレフトタイプの代表的なライセンスはGLP(GNU General Public License version2、version3)です。

準コピーレフトタイプライセンス

準コピーレフトタイプライセンスとは、Mozilla Foundationによって作成されたMozilla Public Licenseと基本的な内容が類似するOSSライセンスのことです。

類似したライセンスはいずれも準コピーレフトになり、コピーレフトタイプと比較しライセンスの伝搬性が弱いのが特徴です。

準コピーレフトタイプの代表的なライセンスはMLP(Mozilla Public License)です。

非コピーレフトタイプライセンス

非コピーレフトタイプライセンスとは、University of California, Berkeleyによって作成されたBSD Licenseと基本的な内容が類似するOSSライセンスです。非コピーレフトタイプライセンスの特徴は、全く伝搬性を持たない点です。

経営者

非コピーレフトタイプの代表的なライセンスはBSD Licenseだね。

オープンソースソフトウェア(OSS)を使用するときの注意点

次にOSSを取扱う上での注意点を解説します。

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適用されるライセンスに準拠しなければならない

OSSを導入するときは、ソフトウェア毎にライセンスに準拠して利用しなければなりません。ライセンスの種類は非常に多く、現在70種以上あるといわれています。

オープンソースソフトウェア(OSS)のライセンス違反は著作権侵害でも解説しましたが、このライセンスに準拠せずに出荷してしまうと著作権侵害にあたる可能性があるので、十分注意しましょう。

バグ修正が行われないケースもある

誰でも自由にソースコードが改変できるため、通常に作動していたOSSが急なバグによって正常に実行されなくなる可能性があります。有料のソフトウェアの場合は、開発元にバグの修正の義務がありますが、OSSの場合は義務はありません。

そのため、OSSはバグが残ったままの状態で使い続ける可能性があります。

一方で、世界的に利用者が多いOSSの場合、甚大な影響がでるので開発者がバグを修正するケースもあります。

専門家

有名なオープンソースソフトウェア(OSS)

最後に、非常に多くの種類があるOSSの中でも有名なOSSを紹介します。

  • Ruby
  • Rocket.Chat
  • GIMP
  • EC-CUBE
  • WordPress

それぞれわかりやすく解説します。

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Ruby

Rubyはクックパッドやクラウドワークスなどのサービスで使用されている、国産のプログラム言語です。Rubyはシンプルな文法かつ高機能なプログラムを簡潔に記述できる特徴があります。

バックエンドでもフロントでも利用できるRubyの汎用性は高く、アプリケーション開発でも積極的に利用されています。

また、島根県や福岡県などはRubyを核とした地域ソフトウェア産業振興施策に取り組んでいます。

参考:しまねIT産業振興事業 | 島根県

Rocket.Chat

Rocket.Chatは、OSSのビジネスチャットのソフトウェアです。オープンソースなのでRocket.Chatは無料で使うことができ、課金の心配がなくビジネスチャットに参加できます。また、グループを作って会話することができるので、シチュエーションに応じた運用が可能です。

スマートフォンや電子端末からもチャットルームの会話を確認し、返信することができるので、外出中でも見逃すことなくオンタイムで確認できます。

GIMP

GIMPは画像の作成や編集ができるオープンソースです。画像編集ソフトの代名詞であるPhotoshopはサブスクの定額料金ですが、GIMPはそういった有料画像編集ソフトの引けを取らない機能性をもっています。

EC-CUBE

EC-CUBEはECシステムを無料で用意することができるオープンソースです。日本では最も普及しているECのオープンソースで、数多くの決済方法やプラグインが提供されています。

また、大手が提供しているレンタルサーバーを使えば、簡単にEC-CUBEをインストールできる管理画面が付随してくるので、誰にでもインストールができます。

分からないことがあると、開発コミュニティのフォーラムや多くの開発者が書き込んでいる掲示板があるので、情報の入手がしやすいメリットがあります。

WordPress

WordPressはオープンソース型のCMS(Contents Management System)です。CMSとは、WEBサイト運営を構成するHTMLやCSSの書き換えなどの手間のかかる作業を、管理画面を通して登録、更新できるシステムになります。

CMSを導入せずにWEBサイトを制作することも可能ですが、定期的に訪れる更新作業が非常に大変になります。一方でCMSを導入していれば、一箇所変更するだけで他の項目も自動的に更新されるので、非常に便利です。

WordPressは日本でも知名度が高く、全世界の42.9%がWordPressで作成されています。

経営者

確かにWordPressは有名だね。

参考:Usage statistics of content management systems | W3techs

まとめ

OSSは誰でも2次利用できるため、多くの人に利用されています。開発者以外でもソースコードを改変できることから、有名OSSは安定性が高く信頼性に長けています。また、ライセンスに準拠していれば商用利用可能なOSSをもとに自社製品も開発できます。

本記事では、OSSの概要や定義、ライセンスの種類、有名OSSの解説を行いました。ぜひ、この記事を参考にしてみてください。

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