企業にとって非常に重要なポジションである企画職には「事業企画」があります。また、似て非なるポジションの「経営企画」も人気です。
「事業企画」と「経営企画」の主な仕事やそれぞれ違いはどのようなところにあるのでしょうか?このポジションにつくには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?
ここでは、今後ますます重要性や需要が増し、将来性の高い仕事でもある事業企画について解説していきます。
この記事を読むことで、
- 事業企画と経営企画の意味や仕事内容がわかる
- 事業企画をする際に求められるスキルがわかる
- 事業企画への転職やキャリアパスについてわかる
ようになります。
また、事業企画の将来性についても解説しているので、事業企画や経営企画について少しでも気になっている方は、ぜひご参考になさってください。
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目次
事業企画の「事業」の意味とは
まず、「事業企画」とは何かを理解するために、そもそも「事業」とはどのような意味なのか明確に把握しておかなければなりません。
事業とは、企業や組織が計画や目的にそって利益を生み出す経済的活動全般を指します。企業は事業によってお金を生み出すことで、はじめて企業として存続していくことができます。
「企業にとって最優先事項は利潤を追求すること」ですが、昨今どのような業界においてもグローバル化やIT化、コンプライアンスの厳格化など変化が激しく、さらに今後は新型コロナウイルスにまで対応しなくてはなりません。
このような目まぐるしく変化する社会のなかで同業他社との競争を勝ち抜くためには、自社の強みを生かして他者との差別化を図れる、優れた事業の企画や立案をしていく必要があります。
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事業企画とは
事業企画とは、経営方針に基づいて事業の目標や課題を作成したり、その事業の計画や推進などの実行を担う仕事です。
企業は事業を運営していくことでお金を生み出しているため、企業にとって「事業」は命綱といっても過言ではありません。
変化の激しい現代社会で、需要が高まりつつある仕事でもあります。
しかし、事業企画の役割を担うには非常に高度なスキルや豊富な経験が求められることを覚えておきましょう。求められるスキルについては後述しますのでご参考ください。
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事業企画と経営企画との違いとは
企業の企画職に関係する役職には事業企画に加えて「経営企画」があります。
経営企画と事業企画は何が違うのでしょうか。
わかりやすくいうとその名の通り、企画の対象が「経営」と「事業」とに明確に分けられています。
経営企画は企業全体の運営にかかわる業務を企画する
事業企画は事業レベルで考えて、その事業の成否を担う重要な仕事です。一方で経営企画は、その名の通り「経営の成否」を担う、さらに重要な仕事だといえます。
例えば、経営会議や株主総会の実施、運営をすることも経営企画の仕事です。
経営企画とは簡単に言えば、企業そのものをより良い方向へ導くことを考えて、中長期的な戦略を計画立案し、実行していく仕事です。一つの新規事業を企画する事業企画を含めた全体が対象となるので、範囲は経営企画の方が大きくなります。
「どのような企業を目指すのか」といった自社のポジションや経営方針を決める役割にもなるため、必然的に企業のトップに近い人物がアサインすることになります。
経営企画の職を全うするには企業の持つ経営理念、ビジョン、ミッションをより深く理解し、経営に関する経験と知識が豊富なことはもちろん、現状や社会を鋭く観察する力が必要です。
事業企画は立ち上げる事業に焦点を当てて企画する
企業全体を見る経営企画とは違い、事業企画では、その新規事業をより良い方向へ進めるためにどうすれば良いかを考える役割になります。
冒頭でも述べたように、企業は事業からの収益で成り立っているため、新規事業を企画立案し、実行していく事業企画は非常に重要な役割です。
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事業企画に必要なスキルとは
重要な役割である事業企画の役割を担う人物には、下記のようなスキルや能力が要求されます。
- マーケティング力
- ITスキル
- マネジメント力
- コミュニケーション力
- 営業力
- リーダーシップ
- プレゼンテーション力
- 財務管理力
それでは1つずつ詳しく解説していきます。
マーケティング力
まず、事業企画をするならマーケティング力が必要です。
事業企画は新しい事業を成功させなければならないので、収益をあげられる販売方法の確立や値付けをしていかなければなりません。そのためには市場調査を実施したり、市場の規模を調べたり、ターゲットのニーズ、ウォンツを把握することが必要になります。
また、マーケティングは本で学んだ知識も重要になりますが、それ以上に経験が重要になるスキルです。時代や状況によって、取るべきマーケティングの手法や考えも変わっていくため、柔軟な対応や迅速かつ正確な実行力が求められます。
ITスキル
IT化が進んでいる現代で、ITスキルは事業企画にとって必要不可欠です。先ほど解説したマーケティングでも、現代ではwebマーケティングが主流となっています。現代でwebやSNSなどのコンテンツを全く介さずマーケティングを成功させるのは、非常に困難と言えるでしょう。
また、急速なIT化に伴って、ITに関連していない企業でもIT関係の新規事業が立ち上がることも少なくありません。その際、ITに関する知識がなければ、何が正しいのか判断を下すことができないため、事業を成功させることは困難です。
さらに、新型コロナウイルスの影響によるDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応が急務な今、ITスキルの重要性は日増しに高まっています。
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マネジメント力
事業企画では高度なマネジメント力が求められます。
なぜなら、事業を成功させるには社内の各部署との協力が必須だからです。事業企画では非常に多くの社員を巻き込んで事業を立ち上げることもあるため、そのチームを統率することができるマネジメント力のある人が求められます。
また、マネジメントの対象は「人」だけではありません。社内リソースには「人」以外に、製品等の「物」、資金や予算等の「金」、市場調査や業界情報等の「情報」、期限や納期等の「時間」が対象となってきます。どれも「事業企画」ではマネジメントすべき対象です。
このように同時にいくつもの要素を管理していかなければならないため、高度なマネジメント力が求められます。
コミュニケーション力
多くの人と協力して仕事を進める事業企画では、コミュニケーション力はあらゆる素養の基盤となるスキルです。
他部署と打ち合わせをする際や、経営陣と交渉する際など、あらゆる場面で必要です。また、事業を立ち上げて軌道に乗せる際に、社内で仲の悪い部署や派閥があればそれは事業の成功の妨げとなります。
そのような場合のためにも、社内の関係は良好にしておけるだけのコミュニケーション力が必須です。
また、企画を進める中で多くの問題が発生したり、チーム内で衝突したりすることもあります。その中で、適切なコミュニケーションを取ることによって事態を収拾させていかなければなりません。
営業力
事業企画で求められる営業力とは、一般的な営業職が行っている「物やサービスを顧客に提供する営業」とは異なります。事業企画に必要な営業力は、事業の成功に必要な提案をしたり、魅力をアピールしたりすることです。
つまり社外に対する営業活動だけではなく、社内の人間に対して営業をするためにも必要なスキルになります。
例えば新規で事業を立ち上げるためには、まず社内の協力が必要不可欠です。したがって、経営方針に沿った緻密な計画を練っていたとしても、社内に理解されなければ意味がありません。
立ち上げる新規事業によっては、社内の他部門の協力が必要となる場合があります。その際に、新規事業について適切な説明ができなければ協力を得られなくなり、事業が頓挫してしまうかもしれません。
リーダーシップ
事業企画を担う人材には、強いリーダーシップが必要です。事業企画では一人だけで仕事を進めることはありません。企業の新規事業を立ち上げるということは、必ず多くの人と企画を進めることとなります。したがって、協力者やメンバーを先導するスキルが必要となるのです。
マネジメント力と混同されがちですが、リーダーシップでは「目標を常に意識し、そこに向かって行動していく力強さ」が求められます。管理するだけではなく、自ら率先して決断、実行していくことによって周囲の人からの信頼を得ることが重要です。
プレゼンテーション力
経営陣に納得してもらうためにも、他部署から協力を仰ぐためにも、プレゼンテーション力は必須です。なぜなら、事業について適切なプレゼンができなければスタートを切ることすらできないからです。
新規事業を企画するということは、多くの経営資源を投資することになります。失敗して多額の損失を避けるためにも、経営陣はより慎重な対応にならざるをえません。
その中で必要なのは、経営陣を納得させる説得力のあるプレゼンです。市場調査のデータを基に論理的な説明ができ、かつ感情的に共感と納得を得られるストーリーを持たせるといった高度なプレゼンテーション力が必要になります。
財務管理力
事業が成功しているかどうかは売上や利益として、全て数字に表れます。したがって、財務管理力があれば事業企画を立案から、軌道に乗せるまで円滑に進めることができます。
予算や資金等の財務状況を正確に読み取る感覚を持つことで、より正確な判断をすることが可能です。
具体的には、新規事業の「立案」の際に特に必要になります。事業が「何をもって成功とするのか」という目標は売上や利益などの数字となるからです。
事業や経営方針に沿った事業目標(KGI)と、達成するための指標(KPI)は、事業企画において必要不可欠です。
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事業企画に将来性はあるのか?
結論から言うと、事業企画の将来性は高いです。
企業自体の規模や企業の成長による影響も大きいですが、会社存続の一端を担っている重要な仕事なので、今後も活躍が期待できます。
事業企画のこれからを読み解くうえで大切なポイントは、ここまで何度か触れているグローバル化とIT化です。
グローバル化
日本に海外企業が参入するようになってからかなり時間が経ちますが、最近では逆に日本企業が海外進出をするのが新たなトレンドとなっています。
その背景には、下記のような要因がありました。
- すでに飽和状態の日本市場
- 少子高齢化による需要の伸び悩み
- 島国という地理的条件による市場発展の困難さ
- 日本語のみの独自の文化による市場発展の困難さ
このような背景があり、日本市場で勝負するのはもはや難しくなってきています。
そこで新たな市場を求めて海外進出をする企業が増えてきており、そこでは全く新しい事業を展開することが可能です。したがって、グローバル化は事業企画の高い将来性のポイントになります。
IT化
海外進出と並んでトレンドとなっているのでIT化です。DXの推進もあり、昨今では日に日にIT化が進んでいます。
そのなかで期待をされている分野がAIやVR、ARなどのテクノロジーを用いた事業です。ITはどのような事業とも連携ができるため、あらゆる事業が創出されることが考えられます。
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事業企画への転職やキャリアパス
何の経験もスキルもなくいきなり事業企画に携わることは非常に難しいと言えます。
なぜなら、事業企画は先程も解説したように、多様かつ高度なスキルと経験が求められているからです。マーケティング力のように、知識よりも経験が重要視されるスキルも必要なため、未経験から関わるチャンスはなかなかありません。
起業したばかりのベンチャー企業であれば、未経験からでも事業企画を任せられることもありますが、多忙で不安定な生活を余儀なくされるでしょう。
したがって、事業企画に興味があるのなら、求められているスキルや経験を培うことが可能な役職に就くキャリアパスが推奨されます。
キャリアパスの一例を次項で紹介します。
営業力とコミュニケーション力が養える営業職で経験を積む
営業職に就けば、営業力とコミュニケーション力を身につけることができます。
それだけではなく、営業は会社・組織としての考えや動きを理解しながら業務に務めなければなりません。したがって、自然と事業企画と親和性の高い仕事の進め方を習得することが可能です。
また、単純な営業部署で働くのであれば、難易度が高くないことも良い点だと言えます。ここで大切なのは、営業部署の中で出世を目指すことです。
部署をまとめる役職ならマネジメント力を磨くことも可能となり、組織の中で企業経営に近いポジションで業務経験を積むことで、事業企画に必要な素養を習得することができます。
エンジニアとしてITスキルを培う
IT企業のエンジニアとしてITスキルを身につける道もあります
ITスキルは他のスキルと異なり、ITに携わる仕事をしなければ経験を積むことが難しいスキルです。
また、意外にもITではリーダーシップやマネジメント力等のスキルが求められます。エンジニアはチームで仕事を進める仕事なので、技術力だけではなくチームをまとめることができる人材の需要が非常に高いのです。そのため、マネジメントの経験を積むこともできます。
PM(プロジェクトマネージャー)としての経験が事業企画に活きる
ITエンジニアのキャリアパスの一つにPM(プロジェクトマネージャー)というポジションがあります。これは、一つのプロジェクトを成功に導くためにプロジェクト全体のマネジメントを担う仕事です。
高いマネジメント力と一緒に、リーダーシップ、プレゼンテーション力が求められます。
このPMは事業企画と業務が近いこともあり、経験を積むには非常に適した仕事です。エンジニアとしてPMを目指してスキルを磨き、PMとなることで事業企画へのキャリアパスになると言えます。
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まとめ 事業企画について
企業の生命線ともいえる事業の成否を担う重要な事業企画。
この仕事を進めるには多様かつ高度なスキルと経験が求められますが、そのポジションにつく難易度も高い職です。
とはいえ、難しいからといって諦めるのはもったいないくらい魅力のある仕事でもあります。また、これからどんどん需要が高まるポジションでもあるため、少しでも気になるようなら今すぐ行動を起こすべきです。
まずは挑戦をしてみて、自分の能力を高め、市場価値を上げていくことが重要です。
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