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緊急対応型ワークシェアリングとは?労使の「痛み分け」でコロナ禍を乗り越えよう!

ついに緊急事態宣言が発令されました。
後世に語り継がれるような日々を、今、私たちは生きています。
新型コロナ・ショックが瞬く間に世界を覆いつくし、平穏な日々は消え去りました。
経済的な損失も計り知れず、企業倒産や大量解雇のニュースが連日、報道されています。

でも、ただ下を向いているわけにはいきません。
過去の事例に学び、支え合いながら、しぶとくしなやかに長期戦を闘いぬき、なんとか持ちこたえて夜明けを迎える―こんなときだからこそ前を向いて、そんなビジョンを描いてみませんか。

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 ワークシェアリングの本質は「痛み分け」

 

相撲は勝敗がつくまでとことん戦いぬく武術です。
勝負が長くなって双方が疲れたら、水入りを挟んで、仕切り直し。
それでも勝敗がつかないうちにどちらかが負傷して、もうそれ以上、勝負を続けられないことになったら―そのときは行司が負傷していない方の力士に打診します。
不戦勝か、それとも痛み分けか、どちらを選ぶのかと。

不戦勝を選べば星ひとつ。
痛み分けなら、自分も半星、相手も半星。

相手の痛みを半分引き受け、文字どおり痛みを分かち合うのが「痛み分け」です。
それは、「お互いさま」にも通じる考え方。
ワークシェアリングの本質はここにあるといってもいいのではないでしょうか。

1つのパイを2人で分け合うというのは極端ですが、パイが足りなくなりそうなとき、限られたパイを再分配して、多くの人に行き渡るようにする、それがワークシェアリングの考え方です。
そして、それを良しとする精神性が私たちには備わっています。

その際、痛みを分け合うのは、誰と誰でしょうか。
それは、企業と労働者であり、労働者と労働者でもあります。
また、現在のような緊急時にあっては、政府も当然、そこに加わる必要があります。

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 緊急対応型ワークシェアリングとは

 

ワークシェアリングが始まったのは、1980年代のヨーロッパです。
当時は景気が後退し、雇用状況が悪化していました。
そんなとき、どのようにしてワークシェアリングが始まったのか、ワークシェアリングによって経済危機を脱したオランダの事例をみてみましょう [1]。

1982年に始まったオランダのワークシェアリングは、労働組合、企業、政府の3者が政策合意し、経済再生を目指したものです。
労働組合は賃金抑制に協力する、企業は雇用確保や時短に努力する、そして政府は減税を実施して労働者の所得減少を緩和する―そのように3者が協力し、痛みを分け合った結果、1983年に11.9%だったオランダの失業率は、2001年には2.7%になり、「オランダ病」といわれた経済危機を克服することに成功しました。

ワークシェアリングは「緊急対応型」と「多様就業型」に大別されますが、このようなタイプは「緊急対応型」、あるいは「雇用維持型(緊急避難型)」(以下、「緊急対応型」)と呼ばれています。
その目的は、その名のとおり、厳しい雇用情勢にあるとき、緊急避難措置的に社内でより多くの雇用を維持することです [2]。

日本では、1999年(平成11年)の半ば頃から、急激な生産量の減少に対応するため、労働時間を短縮し、雇用を維持しようとする企業がみられるようになりました。
そこで、政労使による検討会議が開催され、2002年3月末に「ワークシェアリングに関する政労使合意」が発表されました [3-1]

厚生労働省は、「緊急対応型ワークシェアリング」を以下のように定義しています [3-2]。

厚生労働省による「緊急対応型ワークシェアリング」の定義

一時的な生産量や売上げの減少により余剰人員が発生した企業が、当面の緊急的な措置として、労使の合意により、生産性の維持・向上を図りつつ雇用を維持するため、所定労働時間の短縮とそれに伴う収入の減額を行う取組み

従来、企業は景気の悪化などにより事業活動を縮小せざるを得ない場合、一時的な操業短縮や一時休業により雇用調整措置を講じてきました。
その場合、一定の要件を満たせば事業主に雇用調整助成金が支給され、休業補償が受けられることになっています。

現在は、緊急対応期間を定め、全国で全ての業種の事業主を対象に、新型コロナウイルスに対応した雇用調整助成金の特例措置が実施されています [4-1]。

厚生労働省「雇用調整助成金ガイドブック(簡易版) [4]

これは、通常時の雇用調整助成金に比べ、事業主や従業員などの対象要件が緩和されるとともに、助成率、支給限度日数なども増率・増加され、さらに計画届の提出も事後提出が可能と、さまざまな点で特別措置を講じるものです。
支給時期も申請後1カ月とスピーディーな対応を目指しています。

また、営業自粛要請に応じた中小企業向けに、東京都のように「協力金」を支給することを発表した自治体もあります [5]

新型コロナウイルスの影響で客数が減少したり、国や地方自治体の営業自粛要請を受けるなどした企業は、雇用維持のために、これらの助成金や協力金を早急に活用する必要があるでしょう。

一方、こうした助成金や協力金の対象要件を満たすことができない企業や、助成金などの支給期間を越えてもなお経営状態が回復しない企業は、リストラに踏み切る前に、緊急型ワークシェアリングを検討してみる余地があるのではないでしょうか。

緊急対応型ワークシェアリングでは、労使が十分に話し合い、その方法論を構築して合意を見出し、当事者が納得した上で、就業規則や労働協約等を変更し、労使協定を締結します。
そうやって所定労働時間を短縮し、それに伴う収入の減額を行いますが、時給単価自体は減額せず、あくまで時短による減額を図るというところがポイントのひとつです。

また、一時休業と異なり、一定以上の休業補償は必ずしも必要とされていないため、取り組み方次第では、企業にとって、より大きな人件費の削減効果が期待できます。
そのため、深刻な需要の落ち込みなどの危機的な状況にあっては、雇用維持のための有力な選択肢となり得るのです。
さらに、生産体制の再編成が必要な場合に、そのためのリードタイムを確保するためにも活用できます [3-2]。

もうひとつの大切なポイントは、労使間の協議と協定です。
さきほどお話しした雇用調整助成金の給付にも、労使間の協定は必要ですが、その場合の協議では休業するかどうかが焦点となります。

一方、ワークシェアリングは、実施方法や期間、体制など、より多岐にわたって労使が話し合いを重ね、双方の合意に基づいて実践します。
そのため、その実践が適切に行われれば、労使の信頼関係強化につながり、現在の暗い状況に一条の光をもたらすのではないでしょうか。
それは、後ほどご紹介する事例からも窺われます。

こうした特徴をもつ緊急対応型ワークシェアリングは、現在の厳しい経済状況、景気の不況を乗り切るために有益な方策だと考えられます。

以下の図1は、緊急対応型ワークシェアリングと一時休業との違いを、表1は緊急対応型ワークシェアリング等に活用できる補助金・給付金をまとめたものです。

図1 緊急対応型ワークシェアリングと一時休業の違い

出典:*3-2 厚生労働省(2004)「ワークシェアリング導入促進に関する秘訣集およびリーフレットについて;第3章  ワークシェアリング導入のための検討ガイド;2.緊急対応型ワークシェアリング」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2d.html

 

表1 緊急対応型ワークシェアリング等に活用できる補助金・給付金
出典:[3-3 ]厚生労働省(2004)「ワークシェアリング導入促進に関する秘訣集およびリーフレットについて;第4章 施策の推進に活用できる各種助成制度」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2e.html

ただし、現在、新型コロナウイルスに関連したさまざまな施策が検討され、随時、発表されているため、活用できる制度については、今後の動向にも留意する必要があります。

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 企業・従業員の意識と導入にあたっての留意点

 

企業と従業員の意識をみることで、導入する際の留意点を把握することができます。
緊急対応型ワークシェアリングに対する企業と従業員の意識はどのようなものでしょうか。
厚生労働省が行った調査結果をみていきましょう。

まず、緊急対応型ワークシェアリングのメリットについてどのような意識が見られるでしょうか。
企業(以下の表2)と従業員(表3)に分けてみてみましょう。

表2  正規従業員数別 緊急対応型ワークシェアリングのメリット (企業調査・複数回答)

出典(表2-表5)厚生労働省(2001)「ワークシェアリングに関する調査研究報告書」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0426-4.html

この表をみると、企業全体では、約半数の企業がリストラを回避し、雇用を確保することで自らの社会的責任を果たせると考えていることがわかります。
また、「他の雇用調整策より受け入れられやすい」と考える背景には、従業員側も方法論構築のための話し合いのテーブルにつくという、緊急対応型ワークシェアリングの方向性が反映しているのではないでしょうか。

ただ、「従業員の士気が向上する」は企業規模によって割合が大きく異なる項目で、従業員が99人以下の小規模な企業の割合は、全企業の平均値の3倍以上に上っています。
小規模な企業では経営者と従業員との距離が近く、経営者には従業員1人ひとりの「顔」が見えているということかもしれません。

従業員の士気については、後ほど、事例をとおして改めて考えてみたいと思います。

次に従業員の意識をみてみましょう。

表3 性・年齢別 緊急対応型ワークシェアリングのメリット (従業員調査・複数回答)

この表をみると、「余暇時間が増える」と「雇用保障により安心感が得られる」がそれぞれ約半数を占めていることがわかります。
「余暇時間が増える」の割合は性別・年齢によって差異があり、30代未満の若い女性従業員は70%に上っていますが、それは彼女たちの結婚・育児期というライフステージが反映している可能性が高いことが推測できます。

もしそうだとすると、ワークシェアリングがワーク・ライフバランスの推進に貢献するという別の可能性もみえてきます。
それは、現在、政府や自治体が要請・推奨しているテレワークにも通じる特徴ですが、これらのことは「多様就業型」という、ワークシェアリングの異なる類型に関わる問題なので、ここではこれ以上、深入りしないことにします。

次にデメリットに関する意識をみてみましょう(以下の表4、表5)。

表4 正規従業員数別 緊急対応型ワークシェアリングのデメリット (企業調査・複数回答)

この表から、企業の一番の懸念は費用対効果であること、従業員を能力にかかわらず一律に扱うことに躊躇していることがみてとれます。

次に従業員の意識をみてみましょう。

表5 性・年齢別 緊急対応型ワークシェアリングのデメリット (従業員調査・複数回答)

この表をみると、従業員の不安要素はまず賃金の低下であり、次が実質的な負担増であることがわかります。
企業側が懸念している一律の扱いに関しては、企業より従業員の方がやや割合が低いことがみてとれます。

以上のことから、緊急対応型ワークシェアリングの導入について、企業側、従業員側の双方が雇用確保、雇用保障について肯定的に捉えていることがわかります。
その反面、企業は費用対効果に懸念を抱き、従業員は賃金の低下を最も心配しています。

したがって、緊急型ワークシェアリングに関して労使が話し合う際、時短に伴う賃金減額に関してどのような合意を見出していくかが重要であることがわかります。

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 導入にあたっての検討事項と先駆的な導入事例

 

では、実際に緊急対応型ワークシェアリングに取り組む場合、その実践に関してどのようなことを検討する必要があるでしょうか。

検討しなければならないことはたくさんあります。
導入部署、対象従業員、導入方法、実施期間、給与の扱いなどですが、厚生労働省の以下のガイドに、検討すべきこととその事例が豊富に紹介されています。

厚生労働省  ワークシェアリング導入のための検討ガイド [3-2]

ここでは、緊急対応型ワークシェアリングを導入して成果を挙げた、A社の先駆的な事例 [3-1] をご紹介し、どのような取り組みがどのような成果につながったのか確認したいと思います。

半導体業界大手のA社は、2001年(平成13年)に入り、ITバブル崩壊による急速な景気の落ち込みの影響を受け始めました。
それから半年後、そうした状況の長期化が避けられない見通しとなったとき、「緊急非常事態における対応策」の検討に入り、雇用維持の具体策の一つとして「工場週3休制」を打ち出しました。
対象は国内にある工場すべてで、3カ月を予定に実施されました。

その時短の方法は、出勤日であった金曜日と土曜日のうち4日間を「休業日」とし、そのうち、1ヶ月に1日、最終週の「休業日」に該当する日に、有給休暇を一斉取得するというものでした。

表6 A社の休業日の設定方法

10月 12日(金)、13日(土)、19日(金)、26日(金)   *26日は有休一斉取得日
11月 02日(金)、09日(金)、16日(金)、30日(金)   *30日は有休一斉取得日
12月 07日(金)、14日(金)、22日(土)、29日(土)   *29日は有休一斉取得日

出典(表6-表8):[3-1 ]厚生労働省(2004)「ワークシェアリング導入促進に関する秘訣集およびリーフレットについて;第2章  わが国におけるワークシェアリングの実践例」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2c1.html

この間、工場では週のうち2日分程度の仕事量しかなかったため、余裕が出た工場ラインを活用し、若手従業員を対象に研修カリキュラムを実施しました。
その目的は、緊急事態収束後をにらんでの従業員の能力開発と社内の士気を高めることです。

その後、景気回復が予想より遅れたため、3カ月の予定をもう3カ月延長し、さらに対象を全社に拡げましたが、それは社内の公平性に配慮した措置です。
追加部門の対象者は従業員の1割にあたる約50名で、一斉休業ではなく、個別に休業日を設定して交代で休む方法が採られました。

給与の取扱いは、有給休暇を除く月あたり3日分について、ノーワーク・ノーペイの原則で休業日の給与を一旦控除しましたが、会社都合による休業補償として日割り給与の80%を支給するというものでした。
具体的な計算式は以下のとおりです。

表7 A社の休業補償の算出のしくみ

  一時休業中の給与=休業による控除後の給与+休業補償

1. 休業による控除  (基本給+役付手当+調整給)÷20×休業日数(最大3日)
2. 休業補償  (基本給+役付手当+調整給)÷20×0.8×休業日数

このワークシェアリングの対象者は従業員の半数にあたる約250名でした。
給与の減額幅は計算上3%、対象となった従業員の平均は1日あたり2,000円強、月あたり7~8,000円の減額となりました。

管理職はワークシェアリングを開始した月から部長クラスは5%、課長クラスは3%の減給、役員はワークシェアリングに先だって報酬を50%~10%減額しました。
次に、企業側はこの取り組みについてどう評価しているかみたいと思います。
まず、この取り組みが社員の理解を得られた理由として以下の4点を挙げています。

表8 従業員の理解が得られた理由

1. 1日2,000円強(平均)の減額で週3休制による余暇の利用拡大に繋がった
2. 毎週金曜日、月4日の休業のうち最終週の金曜日は、有給休暇の一斉付与日にした

(100%給与支給)ことにより会社の社員に対する想いの理解を得た

3. 1時間当たりの賃金単価がUP(100%の休みで80%の賃金補償)した
4. 希望退職(人的リストラ)より雇用確保を実行しているという会社の意思表示が肌で理解を得た

先ほどみたとおり、従業員にとっての一番の不安要素は賃金の低下でしたが、休業日の1日を有給休暇にすること (2) や賃金補償すること (3) によって賃金単価はむしろアップし (3)、1日2,000円強の減額と引き換えに余暇が有効利用できた (1) という方法が功を奏したといえるでしょう。

また、雇用確保という企業の姿勢を従業員に皮膚感覚で伝えることができたのも大きな成果といえます。

次に会社にとってのメリットをみてみましょう。

表9 会社にとってのメリット

1. 社員のリストラをしないことで需要が好転した時、いち早く対応でき得る体制を維持できた
2. 受注の減少による社員の志気(モラル)の低下を防ぐことができた
3. 雇用維持の会社方針によって、社員との信頼関係の強化が図れ、製造部門のOJT研修(マルチスキルの修得)等がカリキュラムどおり実行できた
4. 光熱費等の経費の削減に微力ながら効果
5. 給与カットによる人件費の削減に効果

まず、ランダムになりますが、4と 5について少し詳しくみたいと思います。
実はこれらの経費削減については絶大な効果があったとはいえません。

月当たり3日分の休業による給与総額の減額はおよそ200万円から300万円、工場の経費削減効果は1日あたり50万円程度でした。
その結果、給与と光熱費等の削減経費の総額はワークシェアリング実施全体で1千数百万円ほどでした。
これはA社のような大手企業にとってはさほど大きな額とはいえないかもしれません。

ただ、それ以外のメリットはそれを上回るものでした。

まず、1と3については、業界の復活を信じ、雇用を維持しつつ、従業員の能力開発に注力して、需要回復後の生産性向上に積極的に取り組んだ点に注目すべきでしょう。

なにごとにも終わりは来ます。
現在の難局を乗り切った先を見据え、需要の落ち込みによる余暇をそのときのための準備にあてるという姿勢から多くを学ぶことができるのではないでしょうか。

次に2と3も重要です。
現在のような厳しい状況ではとかく士気が低下し、社内も暗い雰囲気になりがちです。
でも、労使の関係がよく、信頼関係がより強固になれば、それが大きなモティベーションにつながり、やがて業績にも反映されます。
それは、雇用維持と時短への協力という「痛み分け」の大きな成果ではないでしょうか。

 

 精神論に堕してはならない

 

冒頭で、「痛み分け」こそ緊急対応型ワークシェアリングの本質だと書きました。
でも、それはこの事態を精神論で乗り越えようという意味では決してありません。

今こそ私たちに備わった精神性に改めて目を向け、支え合うという方向性でこの難局を乗り切っていけないだろうか。
その方策のひとつとしてワークシェアリングは検討に値する取り組みではないか。
それが筆者の主張です。

労使が協議し協力して、どれだけ実際的かつ有益な方法論を構築することができるか、そしてそのプロセスや実践において培われた信頼関係と体制を機動力として、事態収束後にどのような事業展開が図れるか―ワークシェアリングの有効性は、そこにかかっているといえるでしょう。

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参照
[1]内閣府 「ワークシェアリングの成果 ―オランダ、ドイツ、フランス」
https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sh02-01/pdf/sh02-01-02-02.pdf
[2]厚生労働省(2001)「ワークシェアリングに関する調査研究報告書」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/0104/h0426-4.html
[3]厚生労働省(2004)「ワークシェアリング導入促進に関する秘訣集およびリーフレットについて」https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2.html
[3-1]「第2章  わが国におけるワークシェアリングの実践例」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2c1.html
[3-2]「第3章  ワークシェアリング導入のための検討ガイド;2.緊急対応型ワークシェアリング」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2d.html
[3-3]「第4章 施策の推進に活用できる各種助成制度」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/06/h0630-2e.html
[4]厚生労働省(2020)「雇用調整助成金:新型コロナウイルス感染症について:雇用調整助成金 ガイドブック(簡易版) ~雇用維持に努力される事業主の方々へ~」(2020年4月13日現在)」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
[5]東京都(2020)「小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年4月10日)」https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/governor/governor/kishakaiken/2020/04/10.html

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