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パーキンソンの法則とは?定義や種類、残業との関係性を徹底解説!

パーキンソンの法則とは

生産性の高い組織を目指したいと思いながらも、どのようにしたらよいのかがわからない方も多いのではないでしょうか。

実は、人には「パーキンソンの法則」という「時間やお金を必要以上に使ってしまう癖」があります。

気付かないうちに組織でもこのような事態が起きていることは珍しくありません。

この記事ではパーキンソンの法則の意味や事例、対処法を紹介します。

内部にある無駄に気付き、省くことで適切な箇所にリソースを割ける組織を目指しましょう。

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参考:「働きアリの法則」とは?「できない人」と「できる人」の仕事の違いも徹底解説!

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目次

パーキンソンの法則とは?わかりやすく!

パーキンソンの法則とは

パーキンソンの法則とは「タスクが期日ギリギリまで広がってしまうこと」、「収入が増えても支出も同様に増えること」を意味します。

「パーキンソンの法則」は以下2つの法則から成っています。

  • 第1法則「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
  • 第2法則「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」

もう少しわかりやすくしてみると、第1法則は「人間は時間を与えられると、それを全部使い切ってしまう」ことを表現しています。

つまり8時間という時間を与えられると、仮に4時間で終わるような仕事でも、8時間まるまる使い切って遂行するということです。

第2法則は「時間」を「お金」に変えただけのことです。

つまり「収入があるとそれをすべて使い切ってしまう」ということです。

これは「貯金ができない」という話と関係しており、たとえ収入が増えようが、増えた分を他のことに使い切ってしまうことを表しています。

第1法則、第2法則については、後に詳しく見ていきます。

パーキンソンの法則は1957年に公刊された

『パーキンソンの法則:進歩の追求』

パーキンソンの法則を提唱したのはイギリスの歴史・政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンです。

この法則は、1957年に公刊した『パーキンソンの法則:進歩の追求』で注目を集めました。

当時取り上げたのは主に以下の2つの事例です。

  1. 公務員は出世するために部下を増やす必要があるため、仕事が同量であったとしても人を増やす
  2. 国家は国の予算を決めてから税金を決定するため、増税は止むことがない

この他にも、パーキンソンは海軍に勤めていたことから、当時の海軍組織の非効率性についても言及しています。

参考:仕事ができる人は「因数分解」がうまい『ビジネスパーソンの成功のコツ』

パーキンソンの法則の第1法則:仕事の量と時間

パーキンソンの法則の第1法則:仕事の量と時間

パーキンソンの法則の第1法則について詳しく見ていきましょう。

先ほども触れたように、第1法則は「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものです。

具体例を交えつつ、この第1法則について考えてみましょう。

Aさんは上司に「会議の資料を14:00までに作っておいて」と頼まれました。少し量は多いですが、多少多めに見積もっても30分ほどで終わる仕事です。

しかしAさんが時計を見てみると、現在時刻は12:55。「作っておいて」と頼まれた時間までには約1時間あります。

結局Aさんは、30分で作成できる資料を1時間かけて作り、上司に渡しました。

このように第1法則の言いたいことは、仕事量がどれだけ少なくても、「完成のために与えられた時間をすべて満たす」ように膨張するのです。

今のAさんの例で考えてみれば、30分で出来る仕事量が、1時間をすべて満たすように膨張したというわけです。

ここで何が起こっているかと言うと、まず考えられるのは「時間に余裕がありすぎて、集中力が欠けてしまい、結局業務の効率が下がってしまう」ということ。

それから「時間に余裕がありすぎて、業務に取り組むまでに時間がかかってしまう」ということです。

もっと分かりやすい例で言えば、「夏休みの宿題」があります。

小学生や中学生など子どもたちにとっては嬉しいイベントである夏休み。

しかしそんな夏休みに釘を刺すように存在しているのが夏休みの宿題です。ですが、子どもたちに与えられる夏休みの時間は膨大です。

大抵の子どもたちは夏休みの宿題に後ろ髪を引かれつつも、日々遊び呆け、そして宿題のことをすっかり忘れてしまいます。

そして夏休みも終盤に近づき、もう時間に余裕がないとなったところで、急いで課題に取り組むのです。

これはビジネスのケースとは違いますが、まさにここには「パーキンソンの法則の第1法則が働いている」と言って良いでしょう。

パーキンソンの法則の第2法則:支出と収入

次にパーキンソンの法則の第2法則を見ていきましょう。

先ほども見てきたように「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」というものです。

第1法則を見てきたので、割と理解しやすいのではないでしょうか。

第1法則と第2法則を比べてみると、「仕事の量」が「支出」に、そして「与えられた時間」が「収入」にそれぞれ対応しています。

後の章でも触れていきますが、例えば月収20万で生活をしているBさんについて考えてみましょう。

Bさんは収入をほとんど使ってしまう有様で、まったく貯金ができていませんでした。

「もう少し給料が高ければ貯金ができるのに」とBさんは考えていました。

Bさんは転職することによって月収が30万円になりました。収入が10万円増えたわけですから、今までの生活に10万円の余裕ができたわけです。

しかしBさんは結局30万円をすべて使い切ってしまう生活になり、貯金を増やすことはできませんでした。

このように、収入が増えてもその分をすべて使い切ってしまう、すなわち「支出が増大する」ということこそ、パーキンソンの第2法則の本質です。

これは「Bさんがだらしない」という話で済むかもしれませんが、人間は誘惑に弱い生き物ですから、多くの人に当てはまる可能性があります。

実は「日本でもっとも老後破産しやすい年収」は、700万円ほどの層だと言われています。

年収700万というのは、世間的には高収入の部類に入りますが、その分「生活レベルを下げにくい層」でもあるのです。

老後は基本的に現役時代に比べて生活レベルは低下することになりますが、ここで生活レベルを下げられずに破産するというケースが多いのです。

このように第1法則、第2法則とともに、「人間本来の弱さ」に注目したものになっています。

そしてそれがビジネスに悪影響を及ぼす、というのが、今回解説していきたい点でもあります。

<<あわせて読みたい>>

逃げ癖のある人に共通する特徴とは?逃げ癖がある人の心理や6つの克服方法

パーキンソン第1法則の具体例

パーキンソンの法則を理解し、それを避けるためには、法則が働く具体例を知っておくことが大切です。

ここからは、職場でよく見られるパーキンソン第1法則の具体例を紹介します。

ついつい見逃してしまうようなこともあるため、自分や社内の人がこのような状態に陥っていないかを確認しましょう。

終了時間いっぱいまで使い会議する

会議はあらゆる人が参加するという性質上、あらかじめ時間の枠が設定され、終了時間も決められています。

しかし、会議時間の見積もりよりも実際の話し合いがスムーズに進んだ場合、もしくは議題が少なかった場合などでも、終了時間までダラダラと話し続けてしまうときがあります。

これは参加者が「割り当てられた時間を最大限活用すべき」と思い込んでいるからです。

話が脱線するくらいなら、早めに切り上げたほうが手元の仕事を片付けられます。

しかしそのような場合でも、誰からも終了の声が上がらないことで、効率的な時間活用を妨げているのです。

必要以上に残業をしている

企業においては実際の業務量に関係なく、残業時間が一定量発生する現象が見られます。

例えば、早めに仕事が終わっても残業代の欲しさから「まだ仕事をしているように見せなければ」と思い、不必要に職場に残るケースがあります。

また「忙しさ=価値」という誤った認識から、意図的に仕事のペースを遅くするだけでなく、本来不要な作業を追加して残業時間を作り出してしまうときもあるでしょう。

こうして必要以上にオフィスに残ってしまうことは、与えられた労働時間に合わせていつの間にか仕事量が膨張する典型例です。

締め切りぎりぎりまで仕事に取りかからない

仕事の企画書や成果報告書など、提出の締め切りが設定されているタスクに関して、人は「まだ時間がある」という安心感から着手を先延ばしにするときがあります。

結果として、締め切り間際になって時間に追われたことがある人もいるでしょう。

これは自分に用意された膨大な時間を有効活用できずに、食い潰してしまうパターンです。

早めに着手すれば効率的に進められた作業も、先延ばしにしたせいで、結果として「時間がない」というプレッシャー下で作業せざるをえない状況になってしまいます。

人員を増やしても残業時間が減らない

企業では業務効率化を図るために人員を増強しても、期待したほど残業時間が削減されないケースが多々あります。

チームに新しい人員が加わることで、かえって会議や報告の機会が増え、コミュニケーションに要する時間が膨らむ可能性がある点に注意しなければなりません。

仮に人員が増えて余裕ができた場合でも、その分、本質ではない箇所に時間を費やしてしまうのが人間です。

「人手が増えたから、より質の高い成果を」という意識が働き、結果として自然と仕事量が増加してしまいます。

時間を与えられると細部に時間を費やしてしまう

パーキンソンの法則が働くと、時間が与えられた際にその時間すべて使おうとする心理が働きます。

例えば、プレゼンテーションの資料を作成する際に重要なのは構成や内容です。

しかし、フォントの選択やレイアウトの微調整など、重要度の低い部分に多くの時間を使ってしまいます。

すると、肝心な推敲や内容をブラッシュアップする時間が不足してしまうこともあるでしょう。

さらに完璧主義的な傾向があると、すでに十分な品質に達しているにもかかわらず、些細な修正を繰り返して不必要に時間を消費してしまうことがある点に注意しなければなりません。

パーキンソン第2法則の具体例

パーキンソン第2法則では、お金を与えられるとそれをすべて使い切ってしまうという心理が働くことで、しばしば失敗が生じます。

そこでここからは、パーキンソン第2法則の具体例を紹介します。

具体例を知ることで、あらかじめ予想できるリスクを避けましょう。

昇進して生活レベルも上がってしまう

企業で昇進して収入が増えると、それに比例して支出も増加するケースはパーキンソン第2法則の典型例です。

例えば、今までは控えていたような高級な飲食店での食事や、ブランド衣類の購入、居住環境のグレードアップなどが挙げられます。

それだけに留まらず、周囲の目を意識して高級車を購入したり、贅沢な趣味を持ったりすることで、固定費が大幅に上昇するでしょう。

このように昇進前と比べて可処分所得が増えているにもかかわらず、実質的な貯蓄率は変わらず、むしろ減少するというケースも少なくありません。

売上が上がるとコストも増加する

企業の成長期によく見られる現象として、売上増加にともなう経費の膨張があります。

例えば売上が伸びると、より広いオフィスへの移転や最新のIT機器の導入、福利厚生の充実化などが進められます。

さらには取引先との関係強化という名目で接待費や会議費が増大し、結果として利益率が低下する事態に陥るケースもあるでしょう。

費用をかけることでさらに売上増加につながるのであれば、支出の意味もあります。

しかし収入の増加に比例してコストも上がり、必ずしも純利益の向上につながらない状況が生まれる場合もあると、心に留めておく必要があります。

予算が余ると使い切ろうとしてしまう

年度末が近づくと、多くの部署で予算消化のための支出が増加する傾向があります。

なぜなら、今年度の予算を消化しないことにより次年度の予算が減らされてしまう事態を避けるためです。

例えば、必要性が低い備品の購入や、豪華な懇親会が行われるケースがあります。

その他にも、研修予算が余っている場合は社員にとって効果の検証が不十分なセミナーへの参加を促したり、普段なら選ばないような高額なサービスを導入したりするケースもあるでしょう。

結果として、組織全体の資源が非効率に利用されている事態を招いているのです。

働きやすいオフィスに変更しても売上げは横ばいのまま

売上が好調な企業は、さらなる成長のために社員の働きやすさを追求することがあります。

そのうちのひとつが、働きやすいオフィスにするためのリフォームです。

例えばリラックスできる休憩スペースを設置したり、最新の設備を導入したりしても、従業員の生産性や創造性が劇的に向上するわけではありません。

むしろ、快適な環境が「ぬるま湯」となり、適度な緊張感が失われる可能性もあります。

それだけでなく、オフィスのグレードアップにより維持費や光熱費が増加するケースもあるでしょう。

結果として見た目は立派になったものの、実質的な企業価値の向上には結びつかないという状況が生まれます。

仮払いした経費を使い切ってしまう

企業は従業員が出張や接待へ向かう際に、経費を前払いするときがあります。

こうして前払いされた経費は、不思議と使い切られてしまう傾向があります。

例えば出張時の宿泊代として上限額が設定されている場合、より安価なホテルでも十分体力を回復するための機能は満たすものの、上限額に近いホテルを選んでしまうケースがあるでしょう。

接待費で必要以上に豪華なコースを選んだり、お土産を追加したりすることで、与えられた金額を消化しようとするのも、パーキンソンの法則が働く一例です。

余らせるのはもったいないという心理が働き、本来なら節約できたはずの経費が、必要以上に使用されてしまう典型的な例です。

パーキンソンの第1法則の対策

それでは「パーキンソンの第1法則」に対抗するためにはどうすれば良いのでしょうか。

ここでは第1法則の対策方法について見ていきます。具体的には

  • 「仕事の期限を自分で決めて生産性を高める」
  • 「仕事を細かいタスクに分ける」
  • 「作業時間を明確にする」
  • 「会議ではゴールを明確にする」
  • 「あえて人員を減らし生産性を高める」

の5点です。

仕事の期限を自分で決めて生産性を高める

期限を決める

まずは仕事の期限を決めるという方法です。なぜダラダラと仕事を続けてしまうかというと、「膨大な時間が余ってしまっているから」です。

たとえ納期に余裕があったとしても、自分でよりタイトな期限を決めることによって、無理やり生産性を高めることができます。

ここで重要になってくるのが「少し余裕がないくらいの期限」を設定することです。

人間はどうしても楽をしたい生き物で、何かと余裕を持って期限を設定してしまいがちですが、そこをどうにかストイックにやっていくことがポイントです。

仕事の期限を自分で決めてしまうことによって、「そこから逆算して何をすれば良いか」を考える癖が身につきます。

あとは自分の計画に沿って業務を進めていくだけで、以前とは見違えるほどの生産性を達成できるでしょう。

仕事を細かいタスクに分ける

仕事を細かいタスクに分けるということも重要です。仕事というものをひとつの長いプロジェクトのようなものとして捉えてしまうと、どうしてもメリハリがなくなってしまい、結果的に集中力の欠如を招いてしまいます。

仕事と一口に言っても、そこにはさまざまな工程が存在するはずです。

それをひとつひとつのタスクに分割することによって、いわゆる「中だるみ」というものを防止できます。

ひとつのタスクを終えたら次のタスクへスムーズに進んでいくことで、全体の作業効率を上げることが可能になります。

作業時間を明確にする

「集中力が切れてしまう」「業務に取り掛かるまでに時間がかかる」という現象は、「作業時間が明確になっていない」ことから発生します。

先ほどの残業の例でも確認しましたが、「最初から定時で終わらせる気がない」人は、「作業時間の感覚」も欠如しているのです。

タスクを細かく分解したら、ひとつひとつの作業時間を明確にし、しっかりとしたビジョンを描きます。

作業時間が明確になることによって、「今自分は何をするべきか」がはっきりし、意識的に作業に取り組めるようになるのです。

これは「自分で仕事の期限を決める」という話にもつながってきますが、あくまでも厳しめの目標を想定することが重要です。

あまりにも楽な作業時間を設定してしまうと、パーキンソンの第1法則に支配されることになってしまいます。

会議ではゴールを明確にする

無駄な会議がなぜ起こるかというと、「会議のゴールが明確になっていない」からです。

もし会議のゴールがしっかりと決められていれば、「〇〇は決まったので今日は解散」ということになります。

しかしゴールが明確になっていないと、いつまでもダラダラと会議を続ける羽目になります。

会議をすればもちろんメンバーの仕事が止まります。ダラダラと続ける会議は百害あって一利なしと言っていいでしょう。

会議のゴールをあらかじめしっかりと設定しておき、そこから逆算して「どのように会議を進めればいいか」を考える必要があります。

会議のゴールは、参加メンバー全員に共有しておく必要があります。

全員がゴールをしっかりと把握することによって、会議にひとつの適正な「流れ」が生まれていき、スムーズにゴールに向かって進んでいけるようになります。

あえて人員を減らし生産性を高める

「パーキンソンの第1法則」は元々役人の話として書かれています。

第二次世界大戦前の「イギリス帝国」は縮小していたのにも関わらず、役人の数はどんどん増え続けていたわけです。

そして「なすべき仕事の量に関係なく役人が増え続けていく」とパーキンソンは喝破します。

なすべき仕事の量に関係なく人員が増えていけば、それはいずれ生産性の低下をもたらします。

そこであえて人員を減らすことによって生産性を高め、「パーキンソンの第1法則」からの支配を免れることが可能になるのです。

参考:先延ばし癖を改善すべき4つの理由と改善するための8つの方法

パーキンソンの第2法則の対策

それでは第2法則の対策法について見ていきましょう。具体的には

  • 「貯蓄分をカウントしない」
  • 「別口座を作る」
  • 「支出をしっかりと明らかにする」
  • 「支出の基準を決める」

になります。

貯蓄分は「ないもの」として考える

まず貯蓄分は「ないもの」として考えるという意識改革についてです。

例えば月収20万円で暮らしていた人が月収30万円になった場合、差分の10万円は「貯蓄分」です。

しかしこれを収入ととらえてしまうと、様々な誘惑に駆られてしまうことになります。

この手法は、そうした貯蓄分を「収入としてカウントしない」ことで、無意識な散財を減らすことができるというものです。

もちろんこれは意識改革なので、当人の意思の強さが重要になってきます。まずは貯蓄分を「ないもの」とし、確実に無駄遣いを減らしていきましょう。

目的を明確にした「別口座」を作る

目的を明確にした「別口座」を作ることも有効に働きます。

夫婦が子どもの学費のための口座を作るという事例がよくあるように、目的がはっきりしたものを「別口座」として新しく作ると、モチベーションを維持しやすくなります。

例えば貯蓄専用口座を作ることによって、月収の超過分をそのまま口座に入れることができ、無駄遣いを減らすことができます。

また、貯蓄口座は通常の口座と比べて「引き出しづらい」という点もポイントです。

このように口座を目的別に作ることも、パーキンソンの第2法則から逃れる効果的な一手です。

支出を明らかにして無駄な出費に気づく

よく家計簿をつけている方がいらっしゃいますが、あのように「支出を明らかにしておく」と、「無駄な出費に気づく」ことができます。

つまりこれは一種の自己分析であり、現在の支出状況の「適正さ」を測ることができるのです。

無駄遣いをする人は、収支バランスの意識なくお金を使ってしまいます。

お金を使ったことによるある種の快楽も相まって、当人は「自分が無駄遣いをしていること」に気づきません。

家計簿でも何でも良いですが、支出をすべて網羅することによって、「この出費は無駄だったな」という「冷静な振り返りの時間」を設けることが重要なのです。

振り返った結果、自分の生活をしっかりと俯瞰でき、無駄な支出を減らしていくことができます。

支出の基準をちゃんと決める

なににどれぐらいお金をかけるのか、支出の基準をしっかり決めておくことも重要です。

効果的にお金を使って、効果的に幸せになれる癖が身についていれば、余計な無駄遣いもせずに済みます。

具体的には「支出の割合を自分が納得できるように決める」ということです。

人によっては「美味しい食べ物を食べた方が幸せ」という方もいれば、「本や運動などで自己研鑽に励むことが幸せ」という方もいます。

幸福の形は人それぞれですから、自分の納得できるような基準を設けることが大事です。

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パーキンソンの法則の対策によって得られる効果とは

これまで解説したように、パーキンソンの法則が働いてしまうと時間や費用を無駄に使ってしまうことになりかねません。

すると企業の成長を止めてしまう可能性があるため、きちんと対策するようにしましょう。

ここからは、パーキンソンの法則を対策することによって得られる効果を紹介します。

残業時間が少なくなる

パーキンソンの法則への対策ができていると、「時間感覚」をしっかりと身につけ、有効な時間の使い方ができるようになります。

すると常に時間を意識するようになり、残業時間を減らせるでしょう。

さらには、「残業=熱心」という誤った価値観から脱却することで、時間内での効率的な業務遂行が評価される文化が育まれます。

これにより、従業員のワークライフバランスが改善され、心身の健康維持にもつながるでしょう。

結果として、短時間で質の高い成果を出せる組織になり、生産性の向上が実現します。

企業に価値のあるものへ投資できるようになる

パーキンソンの法則に対処することで予算管理が適正化され、真に必要な投資への資金配分が可能になります。

例えば、これまであったような年度末の無駄な予算消化が抑制されることで、人材育成や研究開発など、長期的な企業価値の向上につながる分野への投資を増やせるでしょう。

また、余分な消費がなくなり適正化されることで、投資の費用対効果を正確に評価できるようになります。

すると、それを踏まえて、さらに戦略的な資金配分が可能になります。

このように、単なる経費削減ではなく、将来を見越した積極的な投資戦略が実現できるようになるのです。

新たな価値を作るための余裕ができる

パーキンソンの法則に対処すると、以前よりも時間と資源が効率的に使えるようになります。

こうした管理によって生まれたリソースを、新しいアイデアの創出やイノベーションの追求などの創造的な活動のために振り分けられます。

例えば従来は忙しくてできていなかった部門間の連携を強化したり、他企業と交流したりすることで、今まで持っていなかった視点・知識が得られ、新しい価値の創造が促進されるでしょう。

こうして企業のイノベーション能力が向上することで、市場における競争優位性の確立につながります。

適正な人員配置ができる

パーキンソンの法則が働くと、実際の業務量に対して多くの人員を抱え続けてしまう場合もあります。

対して、業務にかかる時間の割り出しをすることや従業員ごとの成果の違いを把握できていると、業務量と人員を適正化できます。

例えば、個々の従業員のスキルや適性を考慮した配置により生産性の向上が図れたり、業務の繁閑に応じた柔軟なシフト作成により組織の効率性が高まったりするでしょう。

従業員一人ひとりがより高い付加価値を生み出せる環境が整えば、組織と従業員の成長が期待できます。

会議時間が減り意思決定スピードが上がる

会議時間を確保すると、与えられた時間を目一杯使おうとしてしまうのが人間です。

そのような際にはゴールを決め、必要最小限の人数で開催することで、話が違う方向へ進んでしまう事態を防げます。

その他、オンラインの会議ツールを活用することにより、場所や時間を気にせずに必要な意思決定ができます。

すると、意思決定のスピードが上がり、市場の変化に対する素早い対応ができるようになるでしょう。

ビジネスチャンスを逃してしまう事態を防ぎ、スピード感に関して競合企業をリードできるでしょう。

顧客対応速度が上がる

パーキンソンの法則に対処できていると、見積もった時間を無駄に上限まで使ってしまう事態を避けられます。

業務に対して適切に時間を使い、効率良く作業することで、一つひとつの業務遂行時間は短縮されます。結果的に、時間に対する成果が大きくなるのです。

すると、日々多く寄せられる顧客からの問い合わせや要望に対して、迅速な対応が可能となります。

企業のブランディングや顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

パーキンソンの法則と残業の関係

パーキンソンの第1法則が働くと、しばしば残業をしやすい状況を作ってしまうことがあります。

例えば、短期間に大量のタスクをこなさないといけないような際に、あらかじめ残業ありきでスケジュールを組んでしまうケースがあるでしょう。

このとき、手を早く動かせば見積もりほど時間がかからなかったとしても「時間はとってあるから」と、ゆっくりと作業してしまうことがあります。

「定時で上がる」という気持ちがなく「残業すればなんとかなるだろう」と思ってしまう結果、その考えが習慣化してしまうのです。

パーキンソンの法則に対処するための時間管理の法則

パーキンソンの法則に対処するためには、時間管理の方法を知り実践すると良いでしょう。

ここからは、以下の代表的な時間管理の方法を紹介します。

  • ポモドーロテクニック
  • タイムボクシング
  • アイゼンハワーマトリクス

組み合わせて使うことで、タスクを効率良くこなしましょう。

ポモドーロテクニック

ポモドーロテクニックは25分の集中時間と5分の休憩を1セットとし、これを繰り返す時間管理手法です。

なお、こちらを4回繰り返したら15〜30分の長めの休憩をとります。

こちらは 作家であり起業家のフランチェスコ・シリロにより考案された手法です。

時間配分について何度も試行錯誤した結果、25分という時間が導かれましたが、人により集中力に差があるため、自分にとって最適な時間を見つけることが理想です。

人はつい時間いっぱいまで作業してしまう気持ちが働く生き物ですが、このテクニックを使うことで、メリハリがつき集中力を維持できます。

タイムボクシング

タイムボクシングとは、制限時間と優先順位を設定してタスクに取り組む時間管理の手法です。

すべての活動に時間枠(タイムボックス)を設定し、そのなかで作業を完了させます。

ポモドーロテクニックでは仕事の進捗にかかわらず時間で区切る点が特徴ですが、タイムボクシングではタスクごとに見積もった時間で区切る点で違いがあります。

時間が来れば作業が終了となることから、何か集中して取り組みたい内容がある際に有効な手段です。

与えられた締め切りまでの期間にボックスを作り、予定を組むことでタスクを完遂できます。

アイゼンハワーマトリクス

アイゼンハワーマトリクスは、緊急度や重要度に応じてタスクを整理し、優先順位をつけて取り組むタスクマネジメント手法です。

こちらの手法では、以下の4つのようにタスクを分けます。

  • 重要かつ緊急
  • 重要だが緊急ではない
  • 重要ではないが緊急
  • 重要でも緊急でもない

それぞれのタスクを上記の順番で行うことによって急な依頼を受けたときや、期限がタイトな案件を進める際に対応の遅延を防げます。

多くのタスクを抱えているときでも優先度を意識して適切に他者に依頼したり、完成の見積もりができたりするでしょう。

まとめ

指示を明確にする

時間や予算を与えられると、それを使いきるような行動に出てしまうのは人間が無意識に持っている癖です。

組織は人が動かしているため、このような事態が常態化していることが多々あります。

目には見えづらいため難しいかもしれませんが、パーキンソンの法則が働くことで本来他の分野に使えたリソースが余計なところに使われ続けている可能性があるのは事実です。

社内全体で会議の仕方や業務の進め方を見直すことで、生産性が高く市場の競争に勝てる組織を目指しましょう。

 

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