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モチベーションを高めるために知っておきたい「ライフワークの見つけ方」とは

モチベーションを高めるために知っておきたい「ライフワークの見つけ方」とは

時代の変化とともに、何が自分にとっての幸福なのかという価値観も変化していくものです。

1980年代からは、「ものの豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める人が増えてきました。[1]

最近では、新型コロナウイルスの影響により、働き方も大きく変化するなど、仕事のあり方も大きく変わってきています。

そのような激しい変化の中で、自分の人生の意味を見い出すライフワークを見つけるにはどうすればいいのでしょうか。

 

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人には絶対に変えられない「自分らしさ」がある

 

厳しい就職活動の末に、大企業や公務員としての職を得ても辞めてしまい、アーティストになったり、塾や学校の先生になったり、独立して起業する人もいます。
そこまで踏み込んだ決断をできなくても、モヤモヤした感じを抱えている人もいるかもしれません。

一方で、やりたいことを探して最初から就職をしないという選択をする人もいます。

日本では1990年代末から2000年の初頭にかけて、正規雇用につかないフリーターが急増し、社会的に問題視されるようになりました。[2]

これは、以下に示すように、1980年代に入ってから心の豊かさを求め、「やりたいこと志向」を持った人が増えたことも関係していると考えられます。


引用)厚生労働省「平成20年版 労働経済の分析」P89
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/08/dl/02_0001.pdf

では、自分がやりたいこととは、どのようなものなのでしょうか?

組織心理学者のシャインは、洗脳に関する研究を通して、人には外部からの圧力によって変えることのできない「自分らしさ」があることを発見しました。

それは、職業やキャリアにおける自己概念(セルフイメージ)で、キャリア・アンカーと呼ばれるものであり、次の8種類が知られています。[2]

①専門・職種別コンピテンス:自分の専門性や技術が高まること
②全般管理コンピテンス:組織の中で責任ある役割を担うこと
③自律と独立:自分で独立すること
④保障、安定:安定的に1つの組織に属すること
⑤起業家的独創性:クリエイティブに新しいことを生み出すこと
⑥奉仕・社会献身:社会を良くしたり他人に奉仕したりすること
⑦純粋な挑戦:解決困難な問題に挑戦すること
⑧生活様式:個人的な欲求と、家族と、仕事とのバランス調整をすること

このキャリア・アンカーに沿ったキャリアを歩んでいない場合には、何かモヤモヤした感じが生じてしまい、しっくりくるまで転職を繰り返してしまうことになります。

したがって、自分のキャリア・アンカーは何なのかを把握しておくことが重要になってきます。

 

どうやってライフワークを見つけ出せばいいのか

 

自分らしさについて知るためには、自分の価値観について知ることが必要です。

ライフワークを見つけるにあたって重要になってくるのが、ライフテーマと呼ばれるものです。
ライフテーマは、職業生活のもっとも主観的な部分に関わるものであり人々の職業行動に意味を与え、なぜその仕事で働くのかを明確にします。

また、ライフテーマは解決されるべき問題や到達する必要のある価値を表します。

キャリア理論家のサヴィカスは、ライフテーマを明らかにするために、次の5つの質問を用意しています。[2]

①大人になる時、誰を尊敬していましたか。その人について教えてください。

②あなたは、定期的に、何か雑誌を読んだり、テレビ番組を見たりしていますか。どちらか1つだけですか?そうした雑誌やテレビのうち好きなものは何ですか?

③あなたの好きな本は何ですか?どんな話か教えてください。

④あなたの好きなことわざやモット―を教えてください。

⑤あなたのいちばん最初の思い出は何ですか。あなたが思い出せる出来事についてお話を3つ聞きたいと思います。3~6歳ぐらいの出来事、もしくは、あなたが覚えているいちばん初めの出来事についてお聞かせください。

まず①の質問については、尊敬する人について聞くことで、「かくありたい」という自己概念について知ることができます。
また②~④の質問については、自分の価値観が表れる部分です。
さらに⑤の質問については、過去の記憶をだどることで、自分が持っている先入観やこだわりについて知るヒントが隠されています。

なんだか答えにくいなと感じる場合には、日記、SNS、家計簿やレシートなど身近なものを活用する方法もあります。
日記やSNSでは、自分が書き留めたものや「いいね!」をしたものが、自分の価値観を反映しています。

また、SNSでどんな相手をフォローしているのか、あるいはフォローされているのかを見れば、その相手を通して自分を知ることができます。
家計簿やレシートについても、何にどれだけお金を使っているのかを調べれば、自分の価値観がわかります。

ライフワークを見つけるとなると難しいことのように見えるかもしれませんが、意外と身近なところに、そのヒントがあります。

 

ライフワークで大切にしたい意識

 

近年、「SDGs」という言葉をよく見聞きするようになりました。

SDGsとは、持続可能な開発目標を意味し、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
貧困や飢餓を無くすことや、教育や性別の不平等を無くすことなどの持続可能な社会に向けた17の目標が定められています。[3]

今や目先の便利さや快楽ばかりを追求するのではなく、地球全体のことを考えた循環型社会の実現に向けた行動が求められています。

キャリア理論家のハンセンも、個々人は、各自の決定が人類や環境全体にもたらす影響を考慮すべきであることを主張しています。
その中で、重要な人生課題として、以下の6つを挙げています。[4]

①グローバルな状況を変化させるためになすべき仕事を探す。
②人生を意味ある全体像のなかに織り込む。
③家庭と仕事の間を結ぶ。
④多元性と包括性を大切にする。
⑤個人の転機(transition)と組織の変革にともに対処する。
⑥精神性(spirituality)、人生の目的、意味を探求する。

ライフワークを見つけるうえでは、自分がやりたいことばかりを考えるのではなく、全体とのつながりを意識することも重要です。

全体とのつながりを意識するという点において注目したいのが、アドラー心理学です。

アドラー心理学では、「共同体感覚」と呼ばれる、自分は家庭、地域、職場などの一員だという感覚を持っている状態を高めることを重視しています。
共同体感覚のある人は、自分を理解し、長所も短所も欠点も含めた、ありのままの自分を認めて受け入れることができるとされています。[5]

つまり、アドラー心理学の観点から見ても、幸福を感じるためには、共同体に貢献する生き方が大事になってくるのです。

ライフワークというと、自分のやりたいことをやって悔いなく生きるということをイメージしがちです。

ただ、そのような生き方では、自分の存在意義を見い出すのは難しいかもしれません。
人は誰であれ、何らかの共同体の一員です。
ライフワークを通して幸せになるためにも、ぜひそのことを意識されてはいかがでしょうか。

 

人生の「意味」と「価値」を見い出す

 

自分のやりたいことに全力で取り組む人生は、一見すると幸福であるかのように見えます。

しかし、欲望は一度満たされてしまうと、さらに強い欲望を満たしたいという気持ちが出てきてしまい、いつまでたっても安定した満たされた状態になるということがありません。

戦時中、強制収容所での体験を描いた『夜と霧』の作者である心理学者のフランクルは、そのような欲望を満たそうとする人生観から、意味と使命に生きる人生観への転換を訴えています。

「私は、この人生で何をすることを求められているのだろう」

「私のことをほんとうに必要としている人は誰だろう。その人は、どこにいるのだろう」

「その誰かや何かのために、私にできることは、何があるだろう」

フランクル心理学では、絶えず、このように自問しながら生きていくことが勧められています。[6]

この問いに答えることで、欲望や願望が中心の生き方から、意味と使命中心の生き方に転換され、生きる意味と使命の感覚に満たされた人生に変わるとされています。

フランクルは、戦時中に収監されていた強制収容所内において、自殺を考えていた二人の囚人に対し、生きる意味を問いかけました。
その結果、一人の囚人は、外国で父親の帰りを待つ子供がいることに気づき、研究者であったもう一人は、あるテーマの本をまだ完結させておらず、それは自分にしかできないことに気がつきました。
そして、二人の囚人は、絶望の中にあっても自殺を思いとどまりました。[7]

単に自分がやりたいことをやるだけの人生であれば、そのやりたいことができなくなってしまった時に、生きる意味を失ってしまいます。

しかし、自分のことを必要としてくれている「何か」や「誰か」の存在に気づき、生きる意味や価値を見い出せたなら、どんな困難にも耐えられるのです。

強制収容所でのフランクルの体験は、そのことを証明しています。

「自分らしさ」を大切にしつつ、共同体感覚を持ち、人生に「意味」と「価値」を見い出す。
ライフワークを考えるうえで、ぜひとも大事にしたいことです。

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参照
[1] 参考)厚生労働省「平成20年版 労働経済の分析」P88~89
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/08/dl/02_0001.pdf
[2] 参考)「新時代のキャリアコンサルティング」労働政策研究・研修機構編著 P50,68~69,92~93
[3]参考)外務省「持続可能な開発のための2030アジェンダ」p1~2
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/000270935.pdf
[4] 参考)「新版キャリアの心理学第2版」渡辺三枝子著 P210~211
[5]参考)「人生が大きく変わるアドラー心理学入門」岩井俊憲著 P38
[6] 参考)「生きていくことの意味」諸富祥彦著 P42
[7] 参考)「夜と霧」ヴィクトール・E・フランクル著 P134

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