あなたの職場に「仕事をしない上司」はいませんか?
上司とは率先して仕事をし、部下に発破をかけるようなイメージですが、「まったく仕事をせず周囲に迷惑ばかりかける上司」も少なからず存在するのが実情です。
そこで今回は「仕事をしない上司」にスポットライトを当て、「仕事をしない上司の特徴」について解説します。
また、「仕事をしない上司」への対策で大切な「メンタルを正常に保つ3つの方法」も合わせて見ていきましょう。
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目次
仕事をしない上司は多い
まずは仕事をしない上司について見ていきましょう。良質な職場環境にいる方はなかなか気づきにくい話ではありますが、実は「仕事をしない上司」は意外と多いのです。
仕事をしない上司は周りにストレスを与えている
上司はそもそも仕事の中心ともなるべき人物で、その当人がしっかり仕事をしないとなれば、周囲に多大な迷惑をかけることになります。
部下は基本的に上司を見ながら仕事をしていますから、「上司の仕事に対する姿勢」はそのまま部下へと伝染し、チームメンバーのモチベーションにも関わってくるでしょう。
そしてもちろん上司が仕事をしないとなれば、周囲の人間は段々とストレスを溜めていきます。当然、上司と部下の信頼関係にもヒビが入ることになり、組織がまるで機能しなくなってしまうでしょう。
上司が仕事をしないのに評価をされる謎の理由とは
しかし上司は「上司になっている」わけですから、当然「組織の中ではある程度評価をされている人物」ということになります。なぜ上司が仕事をしないのに評価をされるのでしょうか?
組織の観点から見てみましょう。組織にとっては「上司がしっかり働いたかどうか」はどうでもよく、「部署の成果がきっちりと上がっているか」どうかが重要です。
つまり上司がまったく仕事をせず、部下に任せきりになっていたとしても、そこで成果が上がっていれば上司の手柄になるのです。
パレートの法則で考えてみる
ここで1つ補助線を引いてみましょう。それはパレートの法則です。パレートはイタリアの経済学者で、このパレートの法則という統計モデルを打ち出しました。
簡単に言うと、パレートの法則とは、ある数値の大部分は「全体を構成しているうちの一部が生み出している」という法則です。例えば売上高で考えてみると、売上高と言う数値は、「全体を構成しているうちの一部が生み出している」というように適用できます。
要するに売上高は、一部の優秀な社員によって、その大部分が生み出されているというわけです。
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なぜ上司が仕事をしない・できないのか
それでは次に「なぜ上司は仕事をしないのか」、また「どうして上司は仕事ができないのか」ということについて見ていきましょう。仕事をしない上司といっても、その事情は様々です。
過去に自分の頑張りは無駄だと感じてしまったため
過去に自分の頑張りが無駄だと感じてしまった上司は、仕事をしない場合が多いです。もちろん1つの組織の中で上まで登りつめているわけですから、当然長いことその会社に勤めていたということになります。
1つの会社に長くいると、その会社の良いところも悪いところもすべて見えてきて、「一種のあきらめ」のようなものを抱きながら仕事に取り掛かることがあります。
手抜きをすることが習慣化しているため
これは上司の性格の問題ですが、手抜きをすることが習慣化していると言う場合もあります。周りより上の立場になってしまうと、人間どうしても気を抜いてしまう部分があります。
もちろん上に立場に立ったからこそ、今まで以上に責任感を持って仕事に取り組むのが理想なのですが、そうした人間ばかりではないのが実情です。一旦手抜きをするとその快楽を覚えてしまい、だんだんと習慣化してしまうことになります。
年功序列で上がってきただけ
会社が徹底した年功序列である場合は、特に何かを成し遂げていない場合でも昇進するということがあります。この場合は上司の性格的な問題ではなく、そもそも上司に上司たる能力が備わっていないという技術的な問題になります。
年功序列で上がってきただけの上司は、当然何か成果を出したわけでもないので、そもそも部下をまとめる能力を持っておりません。
自分は仕事ができると思い込んでいる
仕事をしない上司・仕事ができない上司の特徴としてよく挙げられるのが、「自分は仕事ができると思い込んでいる」というものです。一旦偉い立場になってしまうと、自分を過大評価してしまう人間も一定数います。
「自分は仕事ができる」と思い込んでいるのですが、実際はまったくパフォーマンスを発揮できていないため、周囲に大きな迷惑をかける存在になります。
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仕事をしない上司の特徴
それでは本題である「仕事をしない上司の特徴」について見ていきましょう。具体的には
- 「部下に仕事を丸投げしている」
- 「とにかく仕事ができない」
- 「社員の教育を全くしない、関わろうとしない」
- 「忙しいフリだけしている」
- 「役員や上層部にはペコペコしている」
- 「責任逃れだけはうまい」
- 「なぜか給料が高い」
の7点です。
部下に仕事を丸投げしている
仕事をしない上司は、とにかく部下に仕事を丸投げし、自分自身は楽をしようとします。「それで組織が回るのか」という疑問があるかもしれませんが、「優秀な一部の社員だけで会社が回る」というのはよくある話です。
ともかく組織が回っているので、上司は現状を改善しようとせず、仕事の丸投げをやめません。もちろん負担は、その一部の部下に集中することになります。
とにかく仕事ができない
仕事をしない上司は、とにかく仕事ができない人間であることも多いです。先ほども確認したように、成果を上げて昇進してくる人もいれば、年功序列で上に上がってくるような人もいます。
前者はともかくとして、後者は仕事の能力もないのに上司という立場まで登りつめています。もちろんそうなってしまえば、部下をまとめることもできず、「とにかく仕事ができない上司」という烙印を押されることになります。
社員の教育を全くしない、関わろうとしない
優れた上司は同時に良き指導者でもあり、社員の教育を徹底して、組織のパフォーマンスを向上させます。しかし仕事ができない上司、仕事をしない上司は、社員の教育に関わろうとしません。
これには様々な理由が考えられますが、最もよくある事例としては、「そもそも自分が仕事をちゃんとやっていなかったので他人に教えられない」ということです。
当然そうなれば部下は育っていかないので、組織全体のパフォーマンスは上がっていかないことになります。
忙しいフリだけしている
仕事をしない上司は、とにかく忙しいフリだけをして、実際はまったく仕事をしていません。そもそもこうした上司は、立場だけ偉いものの技術が伴っていないので、忙しいフリをせざるを得ないのです。
当然忙しいフリだけをしているとなれば、ほとんどの業務は部下がやることになります。当然その負荷は部下たちに集中し、組織全体のモチベーションやパフォーマンスが低下していくことになります。
役員や上層部にはペコペコしている
仕事をしない上司の特徴としてよく挙げられるのが、部下に対しては偉そうに接するものの、役員や上層部にはペコペコしているということです。
普段はまったく仕事をしないくせに、役員や上層部の命令にはしっかりと従い、人が変わったように仕事を始めます。しかし当然仕事の能力がないので、そのしわ寄せは現場に集中することになります。
責任逃れだけはうまい
上司という立場にまで登りつめている人は、どんなに能力がない人であろうとも、なんだかんだで世渡りが上手な人が多いです。特に仕事ができない上司は、うまく責任逃れをして、自分の評価を下げないように立ちまわっています。
しかし当然部下たちはこうした哀れな営みに気づいており、この時点で「上司と部下の信頼関係」はほぼ崩れ去ると言って良いでしょう。
なぜか給料が高い
仕事をしない上司の特徴として最後に見ていくのが「なぜか給料が高い」というトピックです。たとえば年功序列の傾向が強い会社では、勤続年数に応じて給料が上がっていきます。そして大体そういう会社は、能力がなくても、勤続年数に応じて昇進していきます。
部下にとってもこれは深刻な問題です。「もしかしたら自分よりも能力がないような上司」が「自分の倍の給料をもらっている」とわかれば、働いているのが馬鹿らしくなってしまうでしょう。
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ボスマネジメントとは
ここまで仕事をしない上司の特徴について見ていきました。そこで重要になってくるのがボスマネジメントという概念です。この章では、ボスマネジメントについて確認していきましょう。
ボスマネジメントとは
マネジメントとは、基本的には上の立場に立つ人間が、部下をしっかりまとめるための手法として捉えられています。しかし昨今では、「逆に下の立場の人間が上司をしっかりコントロールする」というボスマネジメントが注目されています。
簡単に言えば、ボス(上司)をしっかりとコントロールし、成果を上げたり、自分の昇進のために利用していくという方法です。そう言ってしまうとなんだか聞こえが悪いですが、駄目な上司に自分のキャリアを潰されるよりは、「逆に上司を利用してやろう」という気概を持った方が良いでしょう。
ボスマネジメント4つのステップ
それではボスマネジメントの4つのステップを見ていきましょう。まず1つ目のステップは「信頼関係を築く」ということです。信頼関係はすべての基本ですから、まずはしっかりと上司に気に入られるようにしましょう。
2つ目のステップは「上司の性格に合わせて行動する」ということです。信頼関係を築くステップで上司の性格を見抜き、上司が喜ぶように行動していきましょう。
3つ目のステップは「上司の好みに合わせて行動する」ということです。仕事のやり方など上司の好みに合わせて進めていき、最後の4つ目のステップである「上司に提案する」につなげていきましょう。もちろんボスをマネジメントしなければならないわけですから、しっかりと上司にもメリットがあるように提案をしていきましょう。
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仕事をしない上司への対策方法
それでは次に仕事をしない上司や対策方法について見ていきましょう。具体的には
- 「ボスマネジメントを駆使する」
- 「上司をおだてながらうまく使う」
- 「自分が出世をして上司を追い越す」
- 「より職責上位の人に相談する」
- 「部署異動願いを出す」
- 「耐えられない場合は転職を考える」
の6点です。
ボスマネジメントを駆使する
仕事をしない上司への対策方法として有効なのが、先ほども紹介したボスマネジメントです。前の章で詳しく解説したのでここでは簡単に触れますが、上司を上手くコントロールして、自分の出世のために利用するという手法です。
ボスマネジメントには「信頼関係を築く」「上司の性格に合わせて行動する」「上司の好みに合わせて行動する」「上司に提案する」という4つのステップがあります。人間観察力が求められる手法ですが、その分有効なので、ぜひ積極的に活用していきましょう。
上司をおだてながらうまく使う
これはボスマネジメントとも若干つながる話ではありますが、上司をおだてながらうまく使うことも有効です。上司といえどもひとりの人間ですから、おだてられるとつい調子が良くなってしまいます。そこにつけ込むようにして自分の提案を通し、上手に出世していければ理想です。
どこまで落ちぶれても、上司は決裁権を持っています。仕事は自分でし、決裁権だけを上司に補わせるという手法も効果的です。
自分が出世をして上司を追い越す
自分自身が出世をして、上司よりも上の立場に行くこともまた有効です。そもそも上司よりも偉くなってしまうわけですから、今度は自分自身が上司を好きなように操ることができます。
もちろん出世をして上司を追い越すのは簡単なことではありません。そして自分の出世のためには、現在の上司の評価も重要になってくるので、かなりハードルが高い方法ではあります。
より職責上位の人に相談する
仕事をしない上司に困っているときは、その上司よりも偉い立場の人に相談するのも効果的です。上司は部下に対して威張り散らしていながら、自分よりも上の立場の人間に対してはペコペコする傾向にあります。
自分自身の行動で解決する気がしない場合は、より職責上位の人の判断を仰いでみましょう。散々苦労していた問題があっさり解決する場合が多いです。ただ職責上位の人と上司が親しい場合は、相談を避けたほうがいいでしょう。
部署異動願いを出す
仕事をしない上司に困っており、いろいろな手を尽くしてみたがやはりどうしようもない場合は、部署異動願いを出すという方法もあります。部署が別になるわけですから、その上司と仕事をする必要は、とりあえずなくなるわけです。
ただ異動が多い会社の場合、その後の人事異動で、また上司と顔を合わせる可能性もあります。部署異動願いを出すときは、そのリスクを考慮する必要があるでしょう。
耐えられない場合は転職を考える
仕事をしない上司に悩まされ、もうどうしようもないと言う場合は、転職を考えてみるのも1つの手です。もちろんこれは最終手段であり、「このままではどうしても心身が持ちそうにない」という人に向けた方法です。
昨今では精神を病んでしまう人も増えています。特に職場の人間関係が原因となることも多く、一度心が壊れてしまうと、二度と元に戻らないとも言われています。必ず無理をせず、耐えられない場合は転職を考えてみるようにしましょう。
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仕事をしない上司に対するメンタルを保つ3つの方法
部署異動願いや転職という方法を紹介しましたが、基本的には「そのまま上司と一緒に仕事をする」という場合が大半でしょう。そこで最後に「仕事をしない上司に対するメンタルの保ち方」について解説します。
具体的には
- 「とにかく気にしない」
- 「仕事をしない上司を反面教師として学ぶ」
- 「自分の人生において関係がない人として割り切る」
の3点です。
とにかく気にしない
とにかく気にしないというのが一番理想でしょう。上司が仕事をしなくても、部下だけで仕事を回すことができれば、組織を維持することができます。上司の存在を無視し、仕事ができる人だけで業務を回していきましょう。
仕事をしない上司を反面教師として学ぶ
「仕事をしない上司は、反面教師として自分たちに身をもって教えてくれているんだ」と言う意識も重要です。つまり仕事をしない上司に対して腹を立てたり、ストレスを感じたりするのではなく、むしろ反面教師として感謝をするという心の持ち方です。
この方法の優れたところは、上司の横暴さが増せば増してくるほど、様々な学びがあるということです。また「このような人になってはいけない」という意識は、ある意味で組織に一体感をつくることになります。
自分の人生において関係がない人として割り切る
もちろん自分の上司ですから、自分の人生とまったく関係がないかと言われれば否ですが、「自分の人生において関係がない人」として割り切るのも1つの手です。
「上司は仕事をしないままどんどん落ちぶれていくが、自分は仕事をしっかりとこなして出世をしていく」という意識を持てると、上司に対する考え方がかなり変わってくるでしょう。「上司がどうなろうが知ったことではない」というマインドは、仕事をしない上司と付き合っていく上で重要になってくるでしょう。
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まとめ 仕事しない上司への対策は万全に
いつの時代にも、そしてどの職場にも、仕事をしない上司というものは存在します。上司を選べるわけではないので、仕事をしない上司を避けるということは難しく、「むしろその上司とどのようにして付き合っていくか」を考えていくのが重要です。
とにかく仕事をしない上司にとらわれ続けると、自分のことがおろそかになってしまい、最悪の場合メンタルに異常をきたすことになります。
ぜひこの対策方法を活用し、自分の仕事に集中していきましょう。
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