自己評価は、組織が従業員の働きぶりや課題を可視化するのに欠かせない評価制度です。
従業員にとっても人事評価において自己評価は非常に重要で、自分の仕事ぶりを客観的に見つめ直せるいい機会にもなります。
一方で、どのように自己評価を書けばいいのかわからない方がいるのも事実です。
そこで本記事では、最初に自己評価は何のために行われるのかという目的とメリットをおさらいし、全部で10職種における自己評価の例文を紹介していきます。
自己評価の書き方に困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、被評価者だけでなく評価者向けの例文も紹介しています。
それにあわせて、自己評価の目的や、自己評価を書くときに意識した方がいいことも解説しました。
人事担当者や上司の方にもおすすめの記事となっています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
人事評価の3つの目的
人事評価の目的としては、以下の3つが考えられます。
- 昇進・昇給を適切に実施するため
- 企業風土をスムーズに形成するため
- 従業員のモチベーションを向上させるため
それぞれ詳しく解説していきます。
目的①:昇進・昇給を適切に実施するため
人事評価の目的としてまず挙げられるのが昇進・昇給の公平性の確保です。
人事評価は昇進・昇給を適切に実施するための根拠になります。
人事評価を公平に実施できれば、従業員から不満が出ない昇進・昇給を決定できるでしょう。
また、人事評価をオープンにすることで、不平感も解消できます。
目的②:企業風土をスムーズに形成するため
人事評価の目的として、企業風土をスムーズに形成することも挙げられます。
人事評価の項目は、企業風土によって大きく異なります。例えば、実力主義の企業であれば結果を重視するはずです。
ポテンシャルを評価する際も、企業が求める人物像によって評価項目は変動するでしょう。
人事評価の項目を明確に設定すれば、それだけ企業風土も明確にイメージできるようになります。
目的③:従業員のモチベーションを向上させるため
人事評価の目的として、従業員のモチベーション向上も挙げられます。
人事評価の項目を明確に設定できれば、従業員がやるべきことをイメージしやすくなるので、目標に向かって前に進みやすくなります。
また、人事評価と報酬を結びつけることで、強力なインセンティブも働きます。
そのため、人事評価制度を上手く構築できれば、従業員のモチベーションも上がり、結果として生産性も向上するのです。
自己評価を実施するメリット
人事評価において自己評価制度を取り入れることは、組織だけでなく従業員にもメリットが多くあります。
ここでは従業員から見た自己評価のメリットについて解説します。
自分の課題を明確化できる
自己評価を行うことで、従業員は自分自身の課題を見つけられるようになります。
自分自身を客観視して、自分に今何が足りないのか、何が課題なのかが明確に分かれば、次の成長へとつなげられるでしょう。
また、自己評価は定期的に行われるため、次の評価までの間に課題をクリアにすることを目標に設定できます。
次の自己評価で課題に対する達成度の振り返りを行えば、より精度の高い評価ができるようになるはずです。
自己評価と他者評価の乖離を埋められる
上司からの評価に不満がある場合、自己評価と他者評価との間に乖離があるともいえるでしょう。
しかし、自己評価を通して客観的に自分を見つめ直し、上司と面談を行うことで自己評価と他者評価との乖離を埋められる可能性があります。
他者評価との乖離を埋めた結果、自分は正しく評価してもらえると感じられれば、成長意欲や主体性が向上します。
自分の強みもわかるので、チームのなかで自分が取るべき行動も明確になり、業務で高い能力を発揮しやすくなるでしょう。
自分の成果をアピールできる
自己評価は、自分の成果を上司にアピールできる場でもあります。
売上のような目に見えてわかりやすい成果がない人やコミュニケーションがあまり得意でない人は、他者評価だけでは評価が低くなりがちです。
そこで自己評価によって、表面には現れにくい自分の成果をアピールできるのはメリットでしょう。
スキルアップのために資格を取得した、業務改善のためのマニュアルを作成したなど、見た目ではわからない成果を上司にアピールして正当な評価を得てください。
人事評価の3つの評価要素とは
自己評価を書くにあたって、様々な基準を意識する必要があります。
自己評価は具体的指標を用いて上司にアピールする機会でもありますが、どうでも良いことをアピールされても上司は困ってしまいます。
この章では「どのようなことを考えながら自己評価を書くべきか」について見ていきましょう。
成果基準
まずは成果基準です。
要するに組織がどのような目的を持っていて、「目的を果たすために自分はどのような成果をあげたか」ということです。
目標管理制度(MBO)では、「組織が目的を果たすために個々人が達成するべき定量的な成果基準」が設けられています。
「組織の成功のために、自分はこういう成果を上げることができました」と説明できれば十分です。
あくまでも「定量的」であることが重要なので、営業成績などの分かりやすい成果がいいでしょう。
能力基準
これは見ての通り「能力」に対する評価基準です。
たとえば職務知識や判断力、企画力など、会社が能力のレベルを設定しており、「それをどれだけ達成できたか」ということが評価基準になります。
たとえば何か専門性が求められる業務をこなしたり、イレギュラー時にしっかりと対応したりすることが、確かな評価へとつながっていきます。
こうした「能力基準」を意識することによって、自己評価シートを書く際に、アピールの方向性を固めやすくなります。
情意基準
少し見慣れない単語ではありますが、要するに「勤務態度」と考えておくと分かりやすいでしょう。
能力基準は純粋に労働者の技能を見るのに対し、こちらは「どれだけ業務に真摯に取り組んできたか」ということが評価対象になります。
基本的にはこれら3基準を想定しながら自己評価を書いていきます。
「それぞれの評価基準に対して自分がどのような成果をあげたか」を考えながら書いていくといいでしょう。
自己評価シート(被評価者)の書き方のコツ・ポイント
それでは次に、自己評価を書く時のポイントについて見ていきましょう。
具体的には
- 「自己評価を客観的に行う」
- 「成果を具体的な数字で表す」
- 「良い結果だけではなく、失敗や問題点も報告する」
- 「改善点を記載する」
の4点です。
自己評価を客観的に行う
何よりも重要なことは「自己評価を客観的に行い、なるべく過小評価や過大評価が発生しないようにする」ことです。
そのためにも「過度にネガティブ」「過度にポジティブ」な態度を捨て、できるだけフラットな気持ちで臨みましょう。
それから先ほどご紹介した3つの基準を想定することによって、より客観的に自分を分析することができます。
詳しくは後述しますが、求められているのは「具体的な数字」であり「分析の客観性」です。
客観的視点を忘れないようにしましょう。
成果を具体的な数字で表す
成果を具体的な数字で表すことはとても重要です。
たとえばあなたが「かなり良い営業成績をあげることができた」と自己評価に書くとします。
もしも皆が同じように「良い営業成績をあげることができた」と書いたら、上司は頭を悩ませることになります。
というのも、良い営業成績をあげたことは確かかもしれませんが、具体的な数字は皆ばらばらのはずだからです。
必ず成果は「具体的な数字」で表し、評価側が評価をしやすいようにしておきましょう。
良い結果だけでなく、失敗や問題点も報告する
上司の視点で考えてみると、「自分の良いところしか報告してこない部下」には、少し懐疑的なものを感じてしまいます。
良い結果を伝えてアピールすることも大事なのですが、必ず失敗や問題点も報告するようにしましょう。
「悪いところを伝えて何の意味があるのか?」と思うかもしれませんが、裏を返してみれば、むしろ「自分の悪いところや課題をしっかりと洗い出すスキルがある」というアピールにもなります。
改善点を記載する
自己評価というものは、もちろん待遇の根拠としてもらうための営みでもありますが、他方で「自己成長」のための試みでもあります。
そこで重要になってくるのが「改善点」を記載し、「自分はどうすれば良いのか」を考えることです。
自己評価は一回きりのものではありません。それは定期的に繰り返されるものであり、その度に「自分は前回立てた目標に近づけたかどうか」を確認するのです。
「自己評価は定期的に繰り返されるもの」という意識を忘れず、次につなげる思いで自己評価を書いていきましょう。
【職種別】人事評価シートの書き方・例文を紹介
それでは最後に職業別の、自己評価の例文を見ていきましょう。
営業職の例文
営業職は、自社の商品やサービスを顧客に提案・販売する職種なので、結果が数字という形で一目瞭然なのが特徴です。
あらゆる職種の中でも、比較的定量的な評価がしやすいと言えます。
また、結果を出すためにプロセスをどのように改善したのかを自己評価するのもポイントです。
部下(被評価者・自己評価)の場合
営業は、これから紹介する職種の中で最も「数字」が問われるもののひとつです。
そのため、他の職種よりも自己評価が書きやすい傾向にあります。
以下が例文です。
【例文】
売り上げ100万円、新規顧客15件を目標にし、売り上げ100万円、新規顧客10件を達成。既存顧客に力を入れ、より確実な売り上げを意識した。
新規顧客に関しては目標を達成できなかったため、既存顧客と新規開拓のバランスが課題になる。
上司(評価者)の場合
評価者は、部下の数字だけでなく、業務に対する姿勢やプロセスについても注目しましょう。
以下、例文です。
【例文】
〇〇は今期も目標を達成し、特に新規顧客の開拓における成果が目覚ましかった。特に、クライアントとの関係構築に優れている。
改善点としては、複数のタスクが重なったときの進捗の遅れが挙げられる。効率的なスケジュール管理を意識できれば、更なる成長が期待できるだろう。引き続きチームをリードしてほしいと思う。
販売職・接客業の例文
販売職は営業職と同じように「数字」が結果となって現れる職種です。
営業職に比べて「売り上げ」に特化しているため、どうしても数字を中心に考えてしまいがちになります。
ただし、将来的な成長を考慮すると、やはり業務プロセスについてもしっかり評価する必要があります。
部下(被評価者・自己評価)の場合
販売職も営業職と同じく「数字」で勝負する職種であるため、ある程度自己評価は書きやすくなります。
以下が例文です。
【例文】
売り上げ20%増を目標としており、売り上げ15%増を達成。セールやコラボの企画により、普段とは違う層をターゲットにしたことが売り上げにつながった。
売り上げを増やすための線を何本か用意し、より多角的なアプローチを試みるのが課題。
上司(評価者)の場合
営業職と同様に、数字だけでなく、業務プロセスや裏方の取り組みについて注目していきます。
以下が例文です。
【例文】
〇〇は、今期も接客スキルを発揮し、顧客満足度の向上に大きく貢献した。また、売り上げ目標を確実に達成し、店舗のチームワークに良い影響をもたらしている。
一方で、在庫管理に問題が見られるため、精度向上が求められる。在庫管理がスムーズにいけば、更に商品が売れるようになっていくだろう。
事務職の例文
企業を裏から支える事務職は、正確性が求められます。
営業職や販売職に比べて、数値化が難しいものの、作業時間やミスの回数などで、生産性をある程度算出することは可能です。
また、「自分だけ良かれ」ではなく、同僚も仕事しやすい環境を作れているかも重要になります。
部下(被評価者・自己評価)の場合
事務職は営業職などの場合と違って、成果を定量的に表現しにくい職種です。
なので、通常業務の取り組みを数値化していくのが基本的な流れになります。
以下が例文です。
【例文】
残業時間削減50%を目標にし、残業時間削減40%を達成した。アクションプランとしては「部署内に目標を周知」し、「定期的に進捗を確認し合い、業務のシェア」を徹底。
業務のシェアにより、残業が偏らなくなったことは良かったものの、「早急に業務を終わらせるインセンティブ」がなくなってしまった。もう少し多角的に残業時間削減を考えることが重要。
上司(評価者)の場合
事務職は定量化しづらい職種なので、労働時間などの生産性に注目する必要があります。
以下が例文です。
【例文】
〇〇は、残業時間30%削減という目標を達成し、チームの生産性を大きく向上させた。具体的には、データ入力や書類管理の業務プロセス改善に貢献し、他のメンバーからの一定の信頼も得ている。
一方で、業務の優先順位付けに時間がかかりすぎることがあるので、今後はスピーディーな意思決定が求められる。
技術職の例文
製品の企画・設計・開発・保守に携わる技術職は、やはり営業職に比べて数値化が難しいものの、作業時間や貢献度である程度は数値化できます。
特に、ものづくりの鍵を握る技術職は「生産性」が非常に重要なので、労働生産性をしっかり算出しておくのがいいでしょう。
部下(被評価者・自己評価)の場合
技術職は比較的成果を数値化しやすい職種です。会社への貢献度を具体的に示す指標を利用しましょう。
たとえば各種コストの削減や、製品の質の向上などを数値化できれば理想です。
以下が例文です。
【例文】
品質の向上が以前から問題になっていたため、不良品率の50%削減を目標にし、30%削減を達成。テスト工程を増やしたことにより、あらかじめ欠陥を発見しやすくなった。
上司(評価者)の場合
上司目線では、部下の仕事ぶりがどれだけ企業に影響を与えているかに着目し、その度合いに応じて適切な評価を実施した方がいいでしょう。
以下、例文になります。
【例文】
〇〇は、専門的なスキルを有しているが、今期に関しては納期に遅れが見られた。また、問題解決に対する取り組みが不足しており、改善される見込みが薄い。上司や同僚含めてサポートすることで、〇〇の意識を改革していく必要があるだろう。また、ポテンシャルを発揮できるように、一定のプレッシャーを与えることも必要かもしれない。
エンジニアの例文
ITシステムやアプリを開発するエンジニアは、人によって生産性が大きく異なるため、比較的定量化しやすい職種です。
ただし、エンジニアを評価するには、それ相応のIT知識が必要になります。
最新技術を常にチェックできるエンジニアが、評価者を担当した方がいいでしょう。
部下(被評価者・自己評価)の場合
エンジニアが自己評価する際は、自分の仕事ぶりだけでなく、チームとしてどのような結果を出せたのかに注目するようにしましょう。
例文は以下の通りです。
【例文】
今期は担当プロジェクトにおいて高いパフォーマンスを発揮し、新しい技術の導入でシステムのパフォーマンスも大幅に改善できた。また、コードの品質向上にも注力し、他のメンバーからの信頼も得られた。
今後も最新技術を積極的に取り入れながら、チームの技術力向上のために、社内の技術勉強会を主催していきたいと思う。
上司(評価者)の場合
エンジニア職で部下を評価する際は、チーム全体に影響を及ぼすプロジェクト管理に注目するといいでしょう。
例文は以下の通りです。
【例文】
〇〇は、今期も新しい技術を積極的に学び、特に生成AIを用いた効率的なコード設計にチャレンジしていたのが印象的だった。まだバグが多いが、長期的な目線で見るとおもしろい人材になりそうである。
一方で、リリース直前に修正を要するケースが多いので、もう少しプロジェクト管理に余裕を持たせて欲しい。
コンサルタントの例文
顧客の課題解決のために様々なアドバイスをするコンサルタントに関しては、売り上げで評価することが可能です。
コンサルタントは基本的に個人プレーなので、営業職よりも「結果」が重視される傾向があります。
また、売り上げだけでなく、実際にクライアントの業績が向上しているかどうかも評価するといいでしょう。
部下(被評価者・自己評価)の場合
コンサルタントが自己評価する際は、自分の行動がどのようにクライアントの貢献に繋がっていくのかを振り返ります。
例文は以下の通りです。
【例文】
今期はクライアントの潜在ニーズを引き出し、それに基づいた提案ができたと考えている。また、クライアントとの関係を深め、新たな案件を受注できたのが売り上げに繋がった。
一方でデータ分析や論理展開が十分でなく、何回かクライアントから折り返しがあったのが課題だと思う。今後はより質の高い提案を安定して提供できるようにしたい。
上司(評価者)の場合
上司は被評価者に比べて客観的な視点を持っているので、クライアントがどのように感じているかを中心に評価するといいでしょう。
例文は以下の通りです。
【例文】
〇〇は、クライアントの関係構築において優れたコミュニケーション能力を発揮した。特に今期のプロジェクトでは、クライアントのニーズを的確に捉え、現実的な戦略提案を行うことができた。
一方で、提案書の作成において、ロジカルな視点がまだまだ足りず、私やクライアントから追加の説明が求められることがあった。今後はさらに精度を高めるために、リサーチの質を向上させてほしい。
マネージャーの例文
従業員を管理するマネージャーにも自己評価が必要です。マネージャーの場合、部下やチームの業績が、そのまま結果となります。
また、マネージャー自らがどれだけ現場に参加しているかも評価項目に含まれます。
部下(被評価者・自己評価)の場合
マネージャーが自己評価する場合は、具体的にどのような行動でチームを回していったのかを記載していきます。
例文は以下の通りです。
【例文】
今期は新プロジェクトの立ち上げでリソースの割り振りと進捗管理に注力し、メンバーの能力を最大限引き出せたと感じている。また、フィードバックを通じて、チーム全体の成長をサポートできた。
一方で、目標達成が遅れた件については早急に改善する必要がある。具体的には、リソースの再分配など、思い切ったリスケジュールが求められると感じる。
上司(評価者)の場合
マネージャーを評価する際は、チーム全体の業績とマネージャーの立ち振る舞いについて注目していきます。
例文は以下の通りです。
【例文】
〇〇は、チーム全体のモチベーションを高めるリーダーシップを発揮できていた。特にプロジェクトの進捗管理で、適切かつスピーディーに指示を出し、複数のタスクを効率的に進めていた。また、部下に対するフィードバックも積極的に実施し、チーム全体のスキル向上に貢献した。
ただし、今期は一部のプロジェクトで納期遅れが見られたため、今後は優先順位の明確化に注意してほしい。
公務員の例文
教師、消防士、裁判官、警察官などの公務員は、ビジネスで活躍する人材ではないものの、可能な限り数値化して評価することに変わりありません。
職種によって評価内容が大きく異なり、特に消防士や警察官は労働時間が変動的なので注意が必要です。
部下(被評価者・自己評価)の場合
公務員とひとくちに言っても、消防士も公務員ですし、役所勤めの人間も公務員です。ここでは省庁や役所の事務職員を想定します。
公務員も事務職と同じように成果を数値化しづらいため、日常の業務でできることを書いていきましょう。
以下が例文です。
【例文】
「〇〇市グリーン期間」の取り組みとして、コピー用紙の使用削減20%を目標にしており、実際に20%を達成することができた。アクションプランとしては「両面印刷の徹底」。しかし時折無駄遣いをしている人がおり、もう少し周知に力を入れるべきだと感じた。
上司(評価者)の場合
公務員は、どうしても「生産性」が見過ごされることが多いため、利用者への対応だけでなく、実務面にも注目していきます。
以下、例文です。
【例文】
〇〇は、利用者に対して真摯なサービスを提供しており、利用者や同僚から高く評価されているようだ。
ただし、今期はチーム内での情報共有が不足しており、プランに遅れが生じることもあった。今後は、仕事に対する姿勢だけでなく、実務的な生産性の改善についても試行錯誤してもらいたい。
介護職の例文
介護職は、介護における知識やスキルが求められる職種です。
ホームヘルパー、介護福祉士、ケアマネージャーなど、介護関連の資格がいくつかあります。まずは資格取得が1つの基準になるでしょう。
また、被介護者からアンケートを集めて、評価に役立てるのもいいかもしれません。
部下(被評価者・自己評価)の場合
介護職の場合は「利用者さん第一」の目線で考えることがとても重要になってきます。
こうしたサービス業は、具体的な数値で成果を記すことはほとんど難しいでしょう。
そこで利用者さんに対して「自分が何をできたのか」を書いてみると良いでしょう。
以下が例文です。
【例文】
明るく挨拶をすること、不機嫌な利用者さんに対してもとにかく笑顔で接することを目標にした。とにかく明るく接することによって、笑顔を返してくれる利用者さんも多くなり、上手く意思疎通が図れるようになった。
上司(評価者)の場合
介護職は、日頃の取り組みに焦点を当てて、利用者や同僚からどのように評価されているかをチェックしましょう。
以下、例文になります。
【例文】
〇〇は、利用者に対して丁寧なサービスを提供しており、その優しい対応が評判になっている。特に認知症の利用者への対応で、安心感を与える対応が目立った。
一方で、夜勤時におけるミスが数回あり、翌日の業務に支障が出たケースがあった。今後は自己管理に努めて、常に高いパフォーマンスを発揮して欲しいと思う。
保育士の場合例文
赤ちゃんや子どものお世話をする保育士は、極めて数値化が難しい職種です。
ただし、保育士はリスクマネジメントが極めて重要なので、日頃からどのようにリスクを回避しているのかに注目すれば、一定の評価は可能です。
部下(被評価者・自己評価)の場合
保育士に求められることは「子どもたちが元気に過ごせる」「親御さんが安心して子どもを預けられる」、そういった空間を作ることです。
こちらも具体的な数字で書くことは難しいので、目標をどのようにこなしていったかを書くと良いでしょう。
以下が例文です。
【例文】
数ある業務の中でも「子どもたち一人ひとりの状態をチェックすること」を一番の目標にし、それを常に意識した。なるべく全員に定期的に話しかけ、細かい体調の変化にも気がつけるように工夫した。保護者に対しては、口頭と連絡帳を用いて子どもの様子を説明した。
上司(評価者)の場合
保育士は、子どもたちだけでなく、保護者に対するコミュニケーションも重要です。
上司の経験に基づいたフィードバックを心がけましょう。
以下、例文になります。
【例文】
〇〇は子どもたちに対する愛情深い対応が印象的で、特に新入園児に対するケアがスムーズだった。
一方で、連絡帳の記載が不十分だったり、質問に対する対応が遅れたりなど、保護者とのコミュニケーションで課題がある。保育士は、子どもたちだけでなく、保護者との会話も非常に重要だ。迅速な情報共有を心がけて欲しい。
まとめ 自己評価は人事評価に欠かせない
自己評価は、人事評価に欠かせない要素です。
自己評価を実施することで、客観的に自分の仕事ぶりを見つめ直せます。
また、上司目線では、部下が普段どのように考えているのかを垣間見れるチャンスです。フィードバックに役立てましょう。
自己評価は「昇進・昇給を決定するための材料」という側面がありますが、それ以上に、フィードバックの材料であることを忘れてはなりません。
自己評価を通じて、より高みを目指していければ、いずれ結果もついてくるでしょう。
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