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BPRとは?進め方5つのSTEPや分析手法をわかりやすく解説!

BPRはビジネスプロセス・リエンジニアリングの頭文字を取ったものです。

働き方改革などによって、昨今、業務改革であるBPRがにわかに注目を浴びています。今回の記事では、「BPRとはそもそも何なのか?」「BPRの目的は?」「業務改善と何が違うのか?」「BPRのメリットは何なのか?」ということについて解説します。

BPRについて詳しく知りたい方は、本記事をぜひ参考にしてください。

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BPRについて!BPRの基礎知識

BPRの基礎知識

まずはBPRについて基礎的なところから見ていきたいと思います。BPRについて確認した後、その目的や定義について細かく見ていきます。

BPRとは

冒頭でも述べたように、BPRとは、「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」の頭文字を取ったものです。現在の業務フロー(ビジネスプロセス)を分析し、再設計(リエンジニアリング)することを指します。

歴史的には、マイケル・ハマーとジェイムズ・チャンピーの『リエンジニアリング革命』の中で提唱されていたもので、1993年に刊行されてから徐々に企業間に浸透しました。

BPRの目的って?

それでは何のためにBPRをするのでしょうか。小さな業務改革ならどこの会社でもやっているはずです。しかしBPRはそうした小手先の改革ではなく、「ビジネスプロセス」全体を見た改革なのです。

BPRの目的は大きく分けて二つ存在します。

まず一つ目は、「既存のビジネス構造を再検討する」ことです。ビジネスの形は時代の流れに沿って変わっていきます。現状のビジネスフローを分析し、業務や組織、価値観などを根本から見直していくことが大きな目的の一つです。

二つ目の目的は業績的なもので、「根本的な見直しを通じて企業価値を上げる」ことです。ビジネスの最終的な目標は「大きな利益をあげる」ことですから、BPRは当然「企業価値を向上させ、多くの顧客を得られるような企業に成長させること」を想定しています。

ここで重要になってくるキーワードは「根本的」や「抜本的」といったものです。小手先の、部分的な業務改革ではなく、まさにビジネスの根底を見つめていくのがBPRなのです。

BPRの定義

ここまでBPRの概要とその目的について眺めていきました。最後にBPRの定義を見ていこうと思います。

『リエンジニアリング革命』の中では、BPRの定義は、「コスト、品質、サービス、スピードのような、重大で現代的なパフォーマンスを劇的に改善するために、ビジネスプロセスを根本的に考え直し、抜本的にそれをデザインし直すこと」とされています。

先ほど「根本的」「抜本的」というワードが重要だと説明しましたが、「劇的に」というのもまた注目すべきワードです。この「劇的に」という言葉も、BPRが単なる部分的な業務改革ではないということをよく表しています。

『リエンジニアリング革命』が書かれたのは1993年ですが、当時は、分業や業務の細分化がかえって生産性を落としているという批判がありました。『リエンジニアリング革命』では、ビジネスプロセスの単純化が提唱され、その中でもITが重要な役割を担うとしました。

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BPRと業務改善の違い

BPRと業務改善の違い

それでは次にBPRと業務改善の違いについて見ていきましょう。まずはBPRと業務改善のそれぞれの特徴について見た後、その相違点を解説していきます。

BPRの特徴

前章でも触れたように、BPRはビジネスプロセスを根底から作り直すというところに最大の特徴があります。顧客にとってのバリューが低い部分をすべて取り除き、抜本的かつ劇的な改革を目指すのがBPRです。

例えば「あの部署のあの部分を見直そう」というような改革はBPRではありません。あくまで「全体」を「根本的に」見つめ、大きく再構築するということを忘れないようにしましょう。

業務改善の特徴

さて、この章ではBPRと混同しやすいワードとして「業務改善」を設定しています。それぞれの細かな相違点は後述するとして、「業務改善にはどのような特徴があるのか」について少しだけ触れていきます。

業務改善の特徴は、ビジネスプロセスはそのままに、部分的な変更を行うことです。

例えば特定の部署に仕事が集中しており、業務量のバランスが問題になっていたとします。その場合「業務改善」として行うことは、システムや人員リソースなどを見直し、従業員数を増やしたり、仕事をほかの部署などに回したりすることです。こうして「部分的かつ漸進的」に解決を図っていくのが業務改善の特徴です。

このように業務改善の目的はあくまでも「業務の効率化」であって、BPRのような「抜本的改革」とはまた別になるのです。

BPRと業務改善の違いとは

ここまでBPRの特徴と、業務改善の特徴をそれぞれ眺めてきました。最後にBPRと業務改善の相違点を詳しく見ていきましょう。

それぞれの特徴を見て分かる通り、BPRは「ビジネスプロセスを根本的に見直す」ものであり、業務改善は「ビジネスプロセスはそのままに部分的な改善を行う」ものです。

また「劇的な」というキーワードからも分かるように、BPRは短期間で大きく改善することを目指します。対して業務改善は、漸進的に変化を加えていきます。

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BPR導入の2つのメリット

BPR導入のメリット

まず一つ目のメリットは、現状のビジネスプロセスの分析を行うので、業務フローの把握ができるということです。仮に変更を加えなかったとしても、分析をすること自体に大きな意義があります。

ビジネスプロセスは良くも悪くも「強み」と「弱み」のごった煮であり、BPRを導入することによって、プロセスの強みと弱みがしっかりと見えてきます。そうした分析はしばしば、新しい価値を創出するための重要なヒントを与えてくれるのです。

二つ目のメリットは、プロセスが抜本的に見直されることによって、顧客満足度が上昇し、企業価値が向上していくことです。さらに「プロセスの見直し→運営体制の効率化→顧客満足度の上昇→企業価値の向上→従業員満足度の上昇」というサイクルに会社を置くことができます。

BPRを導入するメリットについて確認したところで、「実際にどうやってBPRを進めていくか」を見ていきましょう。

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BPRの進め方と5つのステップ

BPRの進め方と5つのステップ

それではBPRを実際にどう進めていくのかということについて見ていきたいと思います。BPRの進め方は大きく分けて5つのステップで考えることができます。どれも重要な項目なので、最後までしっかり確認していきましょう。

検討

最初のステップは「検討」です。「検討」では、目的や目標設定を上層部が共有するところから始まります。人によって見えている景色が違うというのはよくある話で、だからこそ最初にお互いの思考をすり合わせておく必要があるのです。

また、対象業務の範囲を設定するのもこの段階です。重要になってくるのは「いかに範囲を明確にできるか」ということです。対象をしっかりと決めずに進めてしまっては、抜本的な改革もちぐはぐに終わってしまいます。具体的なプロセスを想定しておくことによって、BPRの成功率は格段に高まるでしょう。

十分な「検討」を終えたら、次は実際に「分析」をしていきます。

分析

「分析」では、実際にツール等を用いて、ビジネスプロセスを根本的に見直していきます。現状のプロセスの「強み」「弱み」を徹底的に洗い出し、後述の「設計」のための材料にします。

分析ツールはABC手法やBSC手法がおすすめです。ABC手法は、活動原価計算という方法を使って、コストの観点からBPRの効果を測定するものです。またBSC手法は、コスト以外の要素も評価します。

このようにしてビジネスプロセスの分析やBPRの効果を測定し、次の「設計」というフェーズにつなげていきます。

設計

「分析」ではビジネスプロセスを徹底的に見直し、そのプロセス自体がはらんでいる課題などを洗い出しました。こうして見出した課題などをもとに、実際に「設計」をするための方針を決めていきます。

この段階で「バラバラになっているビジネスプロセスの標準化」も検討します。序盤に少しだけ触れましたが、BPRは「ビジネスプロセスの単純化」を想定しているのです。

ツールなどを使って測定した効果データをもとに、効果の高そうなものから優先して具体的なビジネスプロセスを再設計していきます。要するに顧客満足や競争優位を実現するということを念頭に置きながら、しっかりプロセスを練っていくのです。

こうして設定したものは、上司部下限らず、全員が意識的に共有していきましょう。

実施

ここまで「検討」「分析」「設計」と続けてきましたが、これらはBPRの準備段階でした。そしてこの「実施」で、今までに準備してきたものを実際にやってみる、というフェーズに入ります。

ここで頭に入れておきたいのは「BPRは抜本的かつ大規模な改革のため、目的を達成するのにかなり時間がかかる」ということです。軌道修正を忘れず、目的をしっかりとクリアしているかどうかを常に確認しましょう。また目標が遠いようであれば、中間目標をいくつか設定し、短期的に実施の効果を見直せる機会を作っておくと良いでしょう。

ビジネスプロセスの変革は生やさしい作業ではありません。必ず会社での共有を怠らないようにし、一丸となって目標を達成できるような体制を作っておきましょう。

モニタリング・評価

「検討」「分析」「設計」「実施」のあとは、効果を測定するために「モニタリング・評価」を行います。これまで長々とやってきましたが、この「モニタリング・評価」によって、BPRのプロセスを終えることになります。

「モニタリング・評価」において測定すべき点は、主に以下の三つとなります。

①設計したビジネスプロセスがしっかりと機能しているか
②問題が発生した場合、どのような因果関係になっているか
③従来のビジネスプロセスと比べて、どれほどの成果があったか

さて、BPRの流れを概観していきましたが、次の章ではその主な手法について見ていきます。

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BPRの主な手法

BPRの主な手法

最後にBPRの手法について見ていきましょう。BPRの手順については前の章の通りですが、さらにそれを深堀りしていきます。

業務分析による業務の仕分け

それではBPRの主な手法について確認していきましょう。まずは業務分析による業務の仕分けが挙げられます。これはBPRの中でも最も一般的な手法になります。

業務の仕分けでは、業務を隅から隅まで見直し、それに優先順位をつけていきます。優先度の高い業務はそのまま続けていき、優先度の低い業務は廃止するかアウトソーシングをすることによって、重要性の高い業務の足を引っ張らないように調整します。

業務の優先順位が明確になることによって、かなり戦略が立てやすくなります。BPRを想定している場合は、まずこの事業仕分けをしっかりとしていきましょう。

ERPの導入

ERPシステムの導入も重要な手法になります。ERPシステムとは基幹系情報システムのことで、上層部の意思決定をサポートすることに利用します。財務会計管理、予算管理、人材管理、在庫管理など、幅広い業務に利用できるシステムです。

なぜERPのような幅広い業務に対応したシステムの導入がおすすめかというと、BPRを行った後に日々の業務の管理が容易になるからです。

BPRをすること自体も大事なのですが、BPR後の会社としての立ち振る舞いも重要です。ERPシステムは、業務改革の後のことも考えて導入を検討するべきでしょう。

アウトソーシング

先ほどの事業仕分けのトピックで、「優先順位の低い業務はアウトソーシングすべき」と書きました。ここではアウトソーシングについて少しだけ確認していきます。

BPRの全体像を見てみると、「ITで解決する」か「人手で解決する」という方法があります。そして「人手で解決する」という項目の中に、アウトソーシングという選択肢があるのです。

もちろんアウトソーシングというのは、業務を外部委託することですから、コスト的には変わらないのではないかという批判もあります。しかしアウトソーシングをすると、その業務の中の「中間業務」まで削減されるため、結果として効率的になるとされています。

BPO

BPOはビジネスプロセスアウトソーシングの略です。アウトソーシングと混同しやすいワードとしてありますが、まずはアウトソーシングの違いについて簡単に見ていきます。

アウトソーシングは突発的な問題を、一時的に外部委託をすることによって解決するものです。対してBPOは、定常的に外部委託をすることです。この「定常的」というのがミソで、コスト削減はもちろん、社員が中核業務に集中できる環境を作ることができます。

デメリットとしては、定常的に外部委託をするため、業務に関するノウハウが蓄積しないことがあげられます。また情報漏洩リスクが高まるという点も指摘されています。

とはいえ、BPOは最近のトレンドであり、需要も大きいです。外部先とどのような契約・関係性を築くのかが重要になってきます。

シェアードサービス

シェアードサービスは、言葉通り、似通った業務を集約させて一つにしてしまうというものです。これは「ビジネスプロセスをより単純化する」ことを目指すBPRの理念と合致します。プロセスを効率化し、コーポレートガバナンスを強化できるのが、シェアードサービス最大の魅力です。

BPOの問題点として「情報漏洩リスクがある」ということを説明しましたが、ある業務をそれに近しい業務と統合することによって、リスクヘッジと効率化を両立することが可能になるのです。

シックスシグマ

シックスシグマは、顧客満足と品質改善のために統計学を利用する手法です。統計学におけるシグマ(標準偏差を表すσ)がもとになった造語です。定義としては「事業経営の中で起きるミスやエラーを最小限(3.4/1,000,000)に抑えるための手法」ということになります。

主に製造業や製造部門で使われる手法ではありますが、営業や企画部門でも利用されます。元々はアメリカで生まれ発展したものですが、東芝への導入をきっかけに、日本にも浸透していきました。

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【まとめ】BPRを行う目的を明確にしよう

まとめ BPRを行う目的を明確にしよう

BPRは「根本的」「抜本的」「劇的」に業務改革を行なっていきます。確かに工程は多く、かなり負担のかかる作業なので、準備段階から計画的に進めていくことが重要です。

「BPRを行う目的」をしっかりと明確にし、それをすべての従業員と共有しなければ、効果的なBPRというものは実現できません。「従業員一丸となって改革に取り組む」というマインドが、BPR成功への第一歩となるでしょう。

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