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正しいリストラとは?種類や確認すべきこと、不当解雇にならない要件を解説

突然ですが、このような疑問を感じてはいませんか?

  • 「リストラのやり方が知りたい」
  • 「リストラにはどのような種類がある?」

会社の経営をしていると、業績が思うように伸びず、社員をリストラしなければならない状況になることも少なくありません。しかし、リストラは正しく・適切に実施しなければ「不正解雇」などの問題となる可能性があります。

そこで本記事では、リストラに関する基本的な知識から、種類、行う前に確認するべきことを解説していきます。

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リストラとは?

「リストラ」と聞くと多くの人がクビや解雇、人員整理をイメージするのではないでしょうか? 1990年代にバブルが弾けたときは、メディアで何度も目にした言葉ですが、まずはこのリストラという言葉について正しく把握しておくべきでしょう。

リストラとは正式には「リストラクチャリング(restructuring)」と言い、これを略してリストラと呼ばれています。リストラクチャリングとは「再構築」という意味を持つ英単語で、広い意味で「事業の再構築」を指しています。

したがって、人員整理だけがリストラの改革手法ではなく、リストラとは事業を効率化するために会社組織を再構築することを表しているのです。

日本において「リストラ=人員整理」というイメージになった理由

しかし、日本においては解雇によって人件費を減らす企業が多いため、日本では「リストラ=人員整理」や「リストラ=整理解雇」というイメージが持たれるようになりました。

さらに、1980年代の日本では国鉄を民営化する際に実施された人員整理や、1990年代初期にバブルが崩壊した際に実施された人員整理で、リストラという言葉が何度も用いられたことも原因です。

人員整理だけじゃないリストラ4種類

上記でも見てきたように、本来リストラは人員整理だけを意味する言葉ではなく「再構築」を意味しています。具体的には、一般的にイメージされがちな「解雇」以外にも、

  • 降格
  • 転籍
  • 配置転換
  • 退職の勧奨

といったこともリストラとして行われます。これ以外にも希望退職者を募ることで社員の自主退職を促し、解雇するよりも低コストで人員を減らす方法もリストラとして扱われます。

それぞれ、どのようなものか簡単に見ていきましょう。

降格

従業員の地位や役職を下げる降格は、プライドの高い従業員に効果的とされています。一般的に降格が行われると、変わるのは肩書きだけではなく役職手当や待遇なども同時に変更されます。

従業員にとっては雇用条件に不利な変更がなされるため、細心の注意を払う必要がありますが、プライドが高い従業員の場合は自身のプライドが許さないため、すぐに退職する可能性が高いのです。

企業が求める成果を挙げられない従業員に対しては、降格を行うのがよいかもしれませんね。

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転籍

グループ会社がいくつか存在する場合には、転籍が効果的となります。転籍とは、籍をほかの所属に移籍することです。

人事においては現在の労働契約関係を解消し、新たに他の企業と労働契約を結ぶことを指しています。

主にグループ会社の人事戦略として用いられることが多いです。勤続年数に見合った役職を用意できないベテラン労働者に対して、出向元企業が解雇する必要がなく雇用調整ができる点がメリットといえるでしょう。

なぜなら出向とは違って子会社に転籍した場合、その従業員は出向元の従業員ではなくなり完全に転籍先の従業員となるため、出向元の給与経費の負担を軽減できるためです。

配置転換

企業が辞めてもらいたい従業員や、評価が低い従業員に対して配置転換を行うこともリストラといいます。

勤続年数が長い割に役職についていなかったり、新人に積極的に教育をしないなど意欲の低い従業員ほど効果的です。不採算部門から仕事が忙しい部署に配置転換をすることで、そこでしっかりと能力を発揮できるかどうかを見定めることができます。

しかし、そこでも同じようにモチベーションが低いままで、仕事に身が入らないようであれば、自主的な退職に誘導しましょう。忙しい部署で心が折れてしまっている場合には、次に紹介する退職の勧奨がすんなり進む可能性が高くなります。

退職の勧奨

退職の勧奨とは、会社が辞めてもらいたい従業員と交渉し、自主退職を促すことを指しています。退職を勧める行為として、いわゆる「肩たたき」とも呼ばれているものです。

一方的に労働契約を解消させる解雇とは異なり、退職の勧奨をされても会社を辞めるかどうかを最終的に決めるのは従業員自身となります。

解雇の際に求められる「解雇予告手当て」や「解雇予告」、「就業規則の定め」なども必要ないため、労働の勧奨は労働法などの規制に縛られることなく、比較的簡単に実施できる点がメリットです。

リストラと解雇の違いとは?

解雇には主に下記の4種類があります。

  • 普通解雇
  • 懲戒解雇
  • 不当解雇
  • 整理解雇

これらはリストラとはどのように異なるのでしょうか?

それでは1つずつ解説していきます。

普通解雇

一般的に「解雇」と言う際には、「普通解雇」を指しています。解雇には「懲戒解雇」や「整理解雇」が存在しますが、これ以外の解雇のことを「普通解雇」と言います。

そして、普通解雇とはやむを得ない事由がある際に、企業が一方的に労働契約を解消することです。しかし解雇が認められるのは、その解雇が「社会通念上相当であること」が条件です。

具体的には「労働能力の低下」、「労働適性の欠如」、「職務能力の欠如」、「病気や怪我によって回復が難しく、長期間復職できない」といった理由が挙げられます。しかし、このような理由がない解雇が行われることも少なくないため、しばしば問題になります。

また、普通解雇の場合は、企業側は解雇する従業員に対して最低でも30日前までに解雇することを伝えなければなりません。もし伝えていない場合は30日分以上の平均賃金を支払う必要があります(労働基準法第20条)。

懲戒解雇

懲戒解雇とは、従業員が悪質な違法行為や非行を行った場合、または重大な規律違反がなされた際に行われる解雇を指しています。

懲戒処分には軽いものから、

  • 戒告
  • けん責
  • 減給
  • 出勤停止
  • 降格
  • 諭旨解雇(諭旨退職)
  • 懲戒解雇

がありますが、このなかで最も重い処分が懲戒解雇です。

また、懲戒解雇の事由としては、

  • 雇用の際に重要となる学歴や逮捕歴といった経歴の詐称をした場合
  • 長期に渡る正当な理由のない無断欠勤と、出勤の督促を無視した場合
  • 賭博やハラスメント行為によって職場規律を乱して、従業員に悪影響を与える場合

などが挙げられます。

とはいえ、懲戒解雇も懲戒処分のひとつであるため、実施の際には「労働者に理由の告知・弁明の機会が与えられなければならない」といった、懲戒に関するルールに基づくことが必須となります。

不当解雇

解雇には4種類あると解説しましたが、正確には不当解雇は解雇にはあたりません。しかし、解雇において最も問題が起こる可能性が高いのが不当解雇です。

不当解雇とは企業側が法律や就業規則を破って、一方的に労働契約を解消する行為を指しており、下記のような例が不当解雇にあたります。

  • 内部告発をした従業員に対する報復的な解雇
  • 合理的な理由もなく退職を強要する
  • 解雇予告を行わずに解雇をする
  • 性別を理由とした解雇

整理解雇

整理解雇は普通解雇のひとつであり、法律で定められた用語ではありません。事業継続が難しくなった際に実施され、企業側から雇用契約を解消されることを指しています。

一般的な解雇や懲戒解雇と異なる点は、解雇の事由が従業員の側ではなく企業側にあることです。

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リストラ(整理解雇)が認められる4つの要件

リストラ(整理解雇)を効果的に進めるには、一般的な解雇と同じように客観的な合理性があり、社会通念上相当なものでなければなりません。整理解雇が認められる要件は下記の4つです。

  • 人員整理の必要性
  • 解雇回避努力義務の履行
  • 被解雇者選定の合理性
  • 手続きの妥当性

それでは1つずつ解説していきます。

人員整理の必要性

まず1つ目の要件は、企業存続のために人員整理が必要であることです。

どの程度必要性があれば良いのか、といった明確な基準は設けられていませんが、「客観的にみても企業がかなりの経営危機に陥っており、解雇によって人員整理をすること以外に解決策がないと認められる場合」とされています。

解雇回避努力義務の履行

2つ目の要件は、解雇を避けるための努力をすることです。

解雇する前に上記で解説したリストラ手法のひとつである降格や転籍、配置転換、退職の勧奨をして、できるだけ解雇以外の方法で状況を打開することを試みる努力をしていることが求められます。

希望退職者を募ったにも関わらず、経営者の報酬は高額のまま引き下げられず、整理解雇された従業員には少ない退職金を渡した事案があります。

この事案においては解雇回避努力義務が不十分であるとされ、整理解雇が無効になった裁判例があるため、十分な努力をするようにしましょう。

被解雇者選定の合理性

3つ目の要件は、整理解雇の対象となる労働者が、客観的な合理性がある選定基準によって選ばれていることです。

どのような基準が「客観的」で「合理的」なのかは明確になってはいません。

かし、これまでの欠勤、遅刻など勤務成績や企業への貢献、勤務態度といった要素をもとに整理解雇をしていれば、一般的には客観的な合理性がある選定基準として認められる傾向にあります。

手続きの妥当性

そして4つ目に必要なのが、手続きの妥当性です。

人員整理がなぜ必要なのか、人員整理をする時期や補償、方法に関する説明を丁寧に行い、手続きに妥当性があることを労働者に納得してもらう必要があります。

このために、事前に社内規定や労働契約に、解雇同意条項や解雇協議条項といったものを記載しておくことが重要です。

リストラをする前にチェックしておくべきこと

リストラをする前には下記のようなポイントをチェックしておくのを忘れないようにしましょう。

  • 解雇予告の実施
  • 解雇理由の正当性の確認
  • 危機感の共有
  • リストラ後の人員配置の検討
  • 新規採用の停止と派遣契約の打ち切り

それでは1つずつ解説していきます。

解雇予告の実施

労働者の解雇の際には労働基準法第20条によって、解雇予告をしなければなりません。

(解雇の予告)第二十条

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

引用:労働基準法 第二十条 解雇の予告丨電子政府の総合窓口e-Gov

上記のような解雇予告に関する法令を事前にチェックしておくことが重要です。

解雇理由の正当性の確認

労働者を解雇するためには、正当な理由が求められます。

そのためにはまず、「なぜリストラをしなければならないのか?」という理由を明確にしておきましょう。例えば、「余剰人員の整理」や「人件費の削減」といったように会社の都合でリストラするのか、もしくは「勤務態度の問題」といったように特定の従業員自身の問題なのか、といった点を明らかにします。

この時、会社都合による解雇の場合は従業員に原因がないため、認められるかどうかはかなり厳しい判断となるため注意しましょう。

リストラ後の人員配置の検討

社員を解雇をする際は、リストラをしたあとの人員配置についてあらかじめ考えておく必要があります。なぜなら、解雇前に行っていた業務を、解雇したあとの人員ではスムーズに行うことが難しくなるからです。

したがって、どのように人員配置をして事業を進めるのかといった、将来の組織表や配置図を作っておく必要があります。

解雇したあとも事業内容に変化がないのであれば、解雇前と同じ業務量を解雇後は少ない人員でさばかなければなりません。この際も、解雇したあとにどのように業務を進めていくのかを検討することが重要です。

危機感の共有

例えばリストラをする際に、自社の危機的な経営状況について日頃から従業員と共有してこなかった場合、突然「経営が危ないので解雇します」や「会社のために辞めてください」と言っても、従業員からすれば急のことなので簡単には対応できません。

したがって、リストラをする際は会社がどのような経営状況にあるのか、ライバルとの関係はどうなっているのか、といったことについて朝礼や会議で日常的に共有して危機感を共有しておくことが重要です。

新規採用の停止と派遣契約の打ち切り

人員削減をする際に必ず考えておかなければならないのが「新規採用の停止」と「派遣社員の契約の打ち切り」です。

例えば、正社員を解雇している一方で、新規採用をしていたり契約社員がいたりすると、従業員からの理解を得られずリストラが難航してしまいます。

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まとめ

この記事では、リストラに関して解説しました。日本では「リストラ=クビ」といったイメージで使われている用語ですが、実際にはそういった整理解雇以外にも、転籍や配置転換、降格などを含めた事業再構築の手法です。

また、整理解雇を行う際にはそもそも「解雇以外の方法で状況を打開する努力」が求められるため、上記の手法を知り、自社の状況に応じて適切な方法を実践することも重要です。

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