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【企業価値の底上げ】「ガバナンスの強化」とは?3つの事例からコーポレート・ガバナンスを解説!

「インターネット・ガバナンス」「コーポレート・ガバナンス」「ガバナンスを強化する」など、様々な場面で使われている『ガバナンス』という単語、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「ガバナンス」という単語はどういった意味なのか、部下や同僚に聞かれて答えられるでしょうか。

本記事では、コーポレート・ガバナンスを徹底解説していきます。

 

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ガバナンスとはどういう意味か

ガバナンスとはどういう意味か

「ガバナンス」というカタカナの単語は、英語の「govenance」に由来しています。これは統治・管理・支配という意味ですが、日本では多くの場合企業において「企業ガバナンス(コーポレート・ガバナンス)」、つまり『企業の管理体制』という意味で利用されています。[1]

 

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ガバナンスの意味とは?

 

「ガバナンス」の使い方

「ガバナンスを強化する」というと、企業の管理体制・内部統制を強化するという意味合いになります。「経営陣が取り組んでいるガバナンス強化が実を結んできた」や、「ガバナンス強化の一環で、外部CEOの選出を行った」のように使います。

また、「ガバナンスが効く」というと、管理が徹底していて、統制が取れているという意味になります。「近年の業務フロー見直しが功を奏して、ガバナンスが効いてきた」というように使います。[2]

さらにコーポレート・ガバナンスが効いており、外部から見ても企業の健全性・透明性が分かるように定められた指針を「ガバナンスコード」と呼んでいます。上場企業であれば業種や資本構成、外部取締役の人数などをまとめた「ガバナンスコードに関する報告書」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。[3]

 

コーポレート・ガバナンスが注目される背景

1960年代にアメリカで誕生したこの経営用語は、1990年代から日本でも注目され始め、2000年代に企業の不祥事が相次いだことをきっかけに脚光を浴びました。その後、企業の国際化が広まる中、株主の期待に応えられない経営陣の問題、すなわち、「エージェンシー問題」が大きく取り上げられるようになりました。[4]このエージェンシー問題への対策としてもコーポレート・ガバナンスの取り組みが強化されてきた背景があります。

 

ガバナンスとコンプライアンスの違い

ガバナンスとよく似た意味合いの言葉に「コンプライアンス」という単語があります。「コーポレート・ガバナンス」は日本語にすると「企業統治」となり、企業が不正をせずに管理・運営されていることを指します。[5]

一方、コンプライアンスは日本語で「法令順守」と訳され、法律や社内規則を守ることに重きを置いています。

そのため、ガバナンス強化のための手段の一つがコンプライアンス強化であるといえるでしょう。

 

ガバナンスとマネジメント

ガバナンスとマネジメントの大きな違いは「誰が責任を持つか」という点にあります。ガバナンスは経営者や役員の仕事であり、マネジメントはマネージャーの仕事です。マネジメントはマネージャーが従業員と共にPDCAを回して事業目標を達成するよう管理していきますが、ガバナンスでは利害関係者のニーズ評価から始まり、優先順位付けモニタリングをすることにより管理していきます。[6]

 

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コーポレート・ガバナンスに対する取り組み

コーポレート・ガバナンスに対する取り組み

コーポレート・ガバナンスは、投資家や株主、従業員などのステークホルダー(利害関係者)の利益を守るものです。[7]事業の国際化、ステークホルダーの国際化が進む中、各企業がコーポレート・ガバナンスを重要視し、強化の方針を打ち出し、取り組みを始めました。

では、ガバナンスの強化を行うための標準的な手法はあるのでしょうか。

ガバナンスを強化する方法

ガバナンスを強化するためには様々な方向から、客観的な視点を取り入れる必要があります。客観的な視点で会社運営を行うために、一般的に以下の4項目の検討が必要になります。

  1. 社外取締役や社外監査役、執行役員の設置及び強化
  2. CEO不参加の取締役会開催
  3. 判断基準を明確化した行動規範や倫理憲章の作成
  4. 業務の可視化と責任・権限の明確化

1や2では、社長1人が独断で決断をするのではなく、複数人での意思決定を行うことを推奨するものです。また、3と4はガバナンス強化の方針をマネジメント層の机上の空論として並べ立てるだけでなく、一般社員への周知を行う必要があることを示唆しています。[8]

また、2006年5月から東証では「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の提出を義務づけ、株式上場企業のガバナンス強化を目指しており、ガバナンス強化ができない企業にとって株式上場が困難になってきているといえるでしょう。

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M&Aの活用

M&Aをうまく利用するとガバナンスの強化につながるケースがあります。

「自社が買収されるかもしれない」という危機感は、より効率的な経営を行うきっかけとなります。「投資家による買収」やM&Aの一種である「経営陣によるMBO(マネジメント・バイ・アウト)買収」により、経営が正しい方向に向かうこともあります。[9]

 

ガバナンス強化の3つの事例紹介

ガバナンス強化の3つの事例紹介

日本取締役協会の主催で2015年より「コーポレート・ガバナンスを用いて、中長期的に健全な成長を遂げている企業」に対して『コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤー』として表彰を行っています。[10]2015年、2016年、2017年のコーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤーの対象に選ばれた企業は、どのような取り組みをおこなっているのでしょうか。

 

花王の取り組み(2017年)

花王株式会社は、「化粧品」「スキンケア・ヘアケア」「ヒューマンヘルスケア」「ファブリック&ホームケア」事業を展開する企業です。

受賞の理由は「守りのガバナンスでは、自己に厳しい姿勢を社内に徹底し、内部統制にも注力していること。攻めのガバナンスでは、代表取締役以下、取締役会を夢の実現の場として捉え、社外取締役との議論をエンジョイしているとこと。これは取締役会自体が機能している素晴らしい例であり、高いステージに進んでいるとみられる。」というもの。[11]ガバナンスをフルに利用し、企業価値の創造と経営力が発揮されている点が、2017年のコーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤーにふさわしい理由といえるでしょう。

 

HOYA 株式会社の取り組み(2016年)

HOYA株式会社は半導体製造用部材やHDD用ガラスディスク、メガネレンズ、コンタクトレンズ、医療用内視鏡などの製造を行っている企業です。

「社外取締役が過半を超える取締役会が、中長期的な企業価値の向上をささえている」「経営者の選解任・サクセッションプランについても、平時・非常時も含めて準備ができている」「経営者も常に社外取締役に監督され、それを自覚したうえで経営に臨んでいる」という3点が、世界標準のガバナンスモデルを実践しているとして受賞となりました。[12]

 

株式会社ブリヂストンの取り組み(2015年)

コーポレート・ガバナンス・オブ・ザ・イヤーが始まって最初の選考では、「上場企業であること」「社外取締役制度」「業績評価(ROE直近3期連続10%以上)と株主比率」「過去三年間の成長」「任意の委員会の設置」によって選出されたWinner Companyに現在の取り組みと将来の目標をヒアリングして大賞が選出されました。[13]

株式会社ブリヂストンでは10年程前に強い危機感から経営改革に着手し、ガバナンス体制を整備しています。2010年から社外取締役の設置、取締役会諮問委員会による監督体制の整備、グローバル経営執行会議によるチェック&バランス機能の強化を行ってきたことが実を結ぶ結果となりました。[14]

 

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まとめ コーポレート・ガバナンスを徹底解説!

まとめ コーポレート・ガバナンスを徹底解説!

日本企業のガバナンス強化に向けて2010年から働き掛けを行ってきた日本取締役協会の存在もあり、年々重要性を増している「コーポレート・ガバナンス」。

ビジネスの国際化が広がっていく中、今後もM&Aや敵対的買収の危機にさらされる日本企業にとって「ガバナンス強化」を利用して企業価値を高める大きなチャンスであるといえるでしょう。

 

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参照

[1]https://biz.trans-suite.jp/12800
[2]khttps://www.jpx.co.jp/equities/listing/cg/tvdivq0000008j85-att/201806_02.pdf
[3]https://bizhint.jp/keyword/160040
[4]https://afun7.com/archives/14022.html
[5]http://itgi.jp/cobit/index05.html
[6]https://bizhint.jp/keyword/160040
[6]https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11775.html
[7]https://mastory.jp/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%AC%E3%83%90%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9#contents3
[8]http://www.jacd.jp/about_us/
[9]https://www.kao.com/jp/corporate/news/2018/20180220-001/
[10]http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?template=announcement&sid=34705&code=7741
[11]http://www.jacd.jp/news/cgoy/160128_post-162.html
[12]https://www.bridgestone.co.jp/corporate/manage/governance/pdf/2016_Corporate_Governance_Code.pdf

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