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OLPの意味とは?Amazonの全く新しいリーダーシップ理論を徹底解説!

OLPの意味とは?Amazonの全く新しいリーダーシップ理論を徹底解説!

インターネット黎明期に書籍のECサイトとしてスタートし、今や世界最大のインターネット通販サイトとなったAmazon.com。

1995年のサイトオープンから25年以上にわたる快進撃を続け、2018年に創業者のジェフ・ベゾスを世界長者番付1位に押し上げた驚異的なAmazonの成長の陰には、全部で14の項目からなる独自のリーダーシップ理論(OLP)がありました。

Amazonの企業文化の根底に流れる、「社員全員が実践するリーダーシップ」の正体に迫ります。

 

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Amazonのリーダーシップを構成するOLPの14項目

Amazonのリーダーシップは、「Our Leadership Principles(OLP)」という14の原則から構成されています。[1] OLPは、チームを持つマネージャーだけでなく、社員全員がリーダーであるとする考え方です。
そしてその考え方は、世界中のアマゾニアンが共通して実践するものです。
これらのリーダーシップは、社員全員の行動規範であるとともに、長年の実践によってAmazonのカルチャーそのものを形作ってきました。

この章では、OLPの14項目を一つずつ解説します。

 

1.Customer Obsession

Amazonの顧客第一主義を象徴する、「カスタマーを起点に考えて行動する」というリーダーシップです。

リーダーは事業を推進する上で、つい競合他社に打ち勝つことを主眼に置いてしまうもの。
しかし、Amazonが一番に目を向けるのはカスタマーの存在です。
顧客を中心に考え、彼らからの信頼を獲得・維持することがリーダーの何よりの課題なのです。

 

2.Ownership

全社員は、いつも自分の仕事に責任感と当事者意識を持つ必要があります。

仕事への責任とは、短期的な成果だけでなく、長期的な視野を持ち、自分の手を離れた後も価値を生み続ける成果を追求することです。

すべてのメンバーが会社全体の未来を思い、あらゆる問題と課題を「自分ごと」として強い当事者意識で解決に取り組むとき、その会社は常識を超えた飛躍的な成長を遂げるでしょう。
社員全員のオーナーシップこそが、Amazonの全世界的な拡大を支えてきたのかもしれません。

 

3.Invent and Simplify

新たな価値を発明するだけでなく、できるだけシンプルで実践しやすい方法を模索するのもリーダーの仕事です。Amazonが展開する多くのサービスは、どれも革新的なアイディアと誰でも利用できる簡便さの双方を備えています。

サイトがオープンしてからわずか1年ほどの間に、カスタマーレビューや購入履歴に基づくおすすめ機能など、Amazonは発展途上にあった電子商取引の常識を次々と塗り替えました。

近年も、即日無料配送や動画コンテンツなどを楽しめる有料の会員サービス「AmazonPrime」や、クラウドコンピューティングサービスの「Amazon Web Services(AWS)」など、Amazonは時代を革新するさまざまなサービスを世に送り出しています。時勢をキャッチしたAmazonのアイディアは止まるところを知りません。

 

4.Are Right, A Lot

多くの場合において正しい判断を下す人、それがリーダーです。

強い判断力のためには、多様な経験と深い洞察が必要です。また、さまざまな考え方を考慮に入れ、自分の考えをも覆す度量も求められます。
常に正解を選ぶことはできなくても、正解に近づくための最大の努力を払うことはできるでしょう。

 

5.Learn and Be Curious

いつも学び続け、好奇心旺盛に新たな可能性を模索する人。自分の資質と能力を磨くために労を厭わない人こそ、いつも新しい価値を提供できるリーダーとなります。

 

6.Hire and Develop The Best

最高の人材を雇用し、真摯なコーチングによって、組織のために次のリーダーを育成することも、リーダーの重要な役割です。
Amazonは、「今のメンバーよりも優秀な人材を採用する」という創業当初からの考え方を元に、採用や昇進の際に求めるパフォーマンスの基準を引き上げ続けています。

 

7.Insist on the Highest Standards

商品やサービスにおいて、最高の水準を追求し続けること。
問題を迅速かつ確実に解決し、少しでも良くない点が放っておかれることがないようにすること。
Amazonの未来を担うリーダーには、弛まぬ改善の姿勢も求められています。

 

8.Think Big

大きな成果を得るために、長期的な視野で事業をとらえ、今までとは違う大胆なアプローチで将来的な利益の可能性を追求する。
インターネット黎明期に、手探りではあるものの長期的な成功を見据えてECサイトをオープンさせたジェフ・ベゾスのDNAは、世界的企業へと成長した今も変わらず受け継がれています。

 

9.Bias for Action

スピーディーな意思決定も、リーダーの重要な資質の一つです。
分析や検討に時間をかける前に、ある程度のリスクは許容して行動に移すことが求められる場合もあります。
たとえ間違っていたとしても、あとで方向修正すれば良いのですから。

 

10.Frugality

Amazonは創業時から、徹底した倹約の精神で不要なコストを削減してきました。
人材や予算などのリソースが少なくても、工夫を凝らすことで多くの成果を出すことは可能です。
使える資源が少ないことは、発明やアイディアの材料にもなるのです。

 

11.Earn Trust

信頼できるリーダーは、メンバーと真摯に会話し、どんな場面でも誠実に対応します。
自分の非を素直に認め、最高の水準を目指して切磋琢磨するリーダーこそ、自分と周囲の価値を最大限に高めることができるでしょう。

 

12.Dive Deep

誰よりも深く業務に没頭し、詳細まで抜かりなく確認していくのが、真のリーダーの責任です。
描いた地図を実現するためには、事業の大局を俯瞰するとともに、局所にも気を配る必要があります。

 

13.Have Backbone; Disagree and Commit

気になる点があっても、反対意見を真っ向からぶつけるのは、日本人には難しいことかもしれません。
しかし、自分が同意できない場合に反対意見を述べるのは、周囲に対する敬意の表れでもあります。

たしかに、異論を唱えることがトラブルを引き起こす可能性もあります。
しかし、妥協や馴れ合いを越えた徹底した議論があってこそ、結論として下された結果に全員が心からコミットできるのです。

 

14.Deliver Results

どんな困難にも立ち向かい、期待された結果をもたらすこともリーダーの責務です。品質に妥協せず、できる限り迅速に問題に対処する必要があります。

以上、Amazonのリーダーシップを構成する14の原則は、世界中で100万人を超えるアマゾニアンに実践されています。
顧客を中心に据えた徹底的な価値の追求、一人ひとりの強い当事者意識、常に成長と改善を目指す姿勢…。
爆発的な成長を遂げたAmazonの経営の秘密が、少しだけ垣間見えるような気がしませんか?

 

「地球上で最もお客様を大事にする企業」Amazon.com

OLPの一行目を飾る「Customer Obsession」は、「注目するのは顧客であって競合他社ではない」が口癖のジェフ・ベゾスが最重視した、『顧客第一主義』に通じるリーダーシップです。

ジェフ・ベゾスは、Amazonのサービスがもたらす価値とは、「物を売ること」ではなく、「顧客の判断を手助けすること」だと考えていました。[2] だからこそ、カスタマーレビューや購入履歴に基づくおすすめ機能といった、真の意味で顧客の役に立つサービスが次々と生み出されたのです。

その後も、さまざまな商品やサービスをリリースし、事業を大きく発展させる中で、Amazonが最重視してきたのが「Customer Experience(顧客体験)」の充実です。[3] カスタマーサービス部門が集約するお客さまの声を元に、サービスの最適化を目指した改善が日夜進められています。

 

「長期的視野」と「倹約」|意外にも堅実なベゾスの生き方

「OLP」の14の原則のうち、「Ownership」と「Think Big」はAmazonの経営方針の根幹である「長期的視野」に関するものです。

実はこの「長期的」というキーワードは、創業時からAmazonの経営戦略の核を担うものでした。
Amazonが最古参のインターネット企業として名乗りを上げ、シンプルな書籍のECサイトをオープンさせた創業時から、ジェフ・ベゾスは現在の「エブリシング・ストア」の構想をすでに抱いていました。

25年以上にわたって維持されてきた長期的なビジョンこそ、次々に生まれては消えていった他のインターネット企業とAmazonが一線を画した理由でもあります。
さらなる未来を見据えるAmazonは、近年は人工衛星を用いたブロードバンド通信サービスへの参入に向けて動いているようです。[4]

また、「Frugality」=倹約もジェフ・ベゾスの経営の特徴です。
20年前に彼がドア用の木材で手作りした机は、今だにコスト削減のシンボルとして会議室に用いられています。[5]

 

まとめ AmazonのOLP

 Amazonのリーダーシップを構成する14の原則のなかでも、この記事で取り上げた「顧客第一主義」、「長期的視野」そして「倹約」は、すべての会社で活かされるべきリーダーシップです。
また、業務への強い責任感と当事者意識や、提供できる価値の向上を追求する姿勢も、業種や職種を問わず、あらゆるビジネスパーソンに求められるマインドセットといえます。

経営者やマネージャーだけでなく、すべての社員に同じ基準のリーダーシップを求めること。
それこそが、驚異的な成長を続けるAmazonの快進撃を支えてきた、まったく新しいリーダーシップ理論「OLP」なのです。

 

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アマゾンの成長とCEOジェフ・ベゾスの「ビジョナリー・リーダーシップ」

 

参照
[1]出所)amazonjobs「リーダーシッププリンシプル」
https://www.amazon.jobs/jp/principles
[2]出所)「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」ブラッド・ストーン著(p.52)
[3]出所)リクナビNEXT「企業インタビュー(アマゾンジャパン合同会社)
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/10503/
[4]出所)日本経済新聞「アマゾン、3000基超の衛星打ち上げを計画 高速通信参入へ」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43377630V00C19A4EA3000/
[5]出所)「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」ブラッド・ストーン著(p.14)

 

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