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バランススコアカードとは?経営管理に必要な4つの視点と5つのプロセスをわかりやすく解説!

皆さんは、経営管理の手法の1つである「バランススコアカード(BSC)」についてご存知でしょうか?バランススコアカードが発表されたのは1990年代のことですが、現代でもさまざまな企業で活用されている画期的な手法です。

今回はバランススコアカードの概要に始まり、「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という4つの視点、注目される理由とメリット、5つのプロセスについてわかりやすく解説します。

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バランススコアカードとは

バランススコアカード(BSC)とは、企業の経営や業績評価において重視される「財務」の視点に加え、「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という3つの視点を取り入れた業績評価システムです。

従来の企業は、売り上げや利益などの財務指標が評価の基準となっていました。しかし、多角的な視点でプロジェクトや企業の業績を定義・マネジメントすることで、経営状況の変化に気付くことができ、現代的な企業経営にも適合できるようになると考えられています。

1992年に発表されたバランススコアカードは、ロバート・S・カプラン教授(ハーバード・ビジネススクール)を中心に考案されました。このフレームワークが生まれた背景には、「ビジネスの複雑化」という問題があります。1990年代前半はIT・テクノロジーが急速に発展した時代です。

これにより、あらゆる市場においてベンチャー企業などの競合が増え、安定していた業界にも「不確実性」が生まれるようになりました。企業が生き残るためには、プロジェクトごとにリソースを分散させてリスクを減らすことや、戦略目標の細分化が必要となったのです。

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バランススコアカード(BSC)の4つの視点

バランススコアカードには重要な4つの視点があります。順を追って説明します。

財務

この項目では、財務に関する目標を達成するために、チームや従業員が何をするべきか指標を定めます。経営戦略におけるゴールとして、企業の「純利益」「営業利益」「純資産額」「投資収益率」などのキャッシュフローを細分化する必要があります。利益の算出方法は「売り上げ-コスト」であるため、売上高ばかりに注視せず、コストのミニマム化も考慮しましょう。

顧客

企業経営において大切なのは、利益を追求することだけではありません。顧客に対する行動指標を設定して、それを実現することがビジネスの成果に繋がります。「顧客にどのような価値を提供できるのか」「収益に繋がる現実的な価格設定であるか」という自社視点、顧客満足度を客観的に見た顧客視点の2つをもとに指標を作成しましょう。顧客価値は経営の質にも大きく作用するポイントです。

業務プロセス

「財務目標の達成」や「顧客満足度アップ」を実現するためには、業務プロセスの再構築が必要です。これまでの業務を見直し、「無駄な作業や不要なコストを削減できているか」を基準に指標を設定します。業務プロセスの改善は、効率性や生産性のアップに繋がり、財務面にも良い影響を与えてくれます。企業における業務は、「開発」「オペレーション」「アフターサービス」の3段階に大きく分けられます。各業務にかけた時間や費用などのコスト、割いたリソース、導入ツールなどをチェックしておきましょう。

学習と成長

この項目では、「組織や個人をどのように育成し、スキルアップを図るのか」といった指標を設定します。会社全体のビジョンをもとに、「各々に身につけてほしいスキル」「目標達成のための育成方法」などを選び、自社における理想的な人材像を明確にしましょう。人材の成長度を具体化するためには、各従業員の「リーダーシップ指標」「資格の保有数」「労働時間」「こなした仕事量」「仕事のクオリティ」などを把握しておく必要があります。

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バランススコアカードが注目される理由とメリット

日本においても、IT技術の発達や独占市場への参入緩和により、中小・大手を問わず企業の課題は複雑化しました。単一の事業や部門にリソースを集約することはハイリスクであるため、プロジェクトの多角化に挑む企業が増えています。

従来のピラミッド型経営が成り立たなくなった企業は、ミッション共有型経営に移行するようになりました。バランススコアカードを採用した経営手法は、コストダウンや人材育成にも有効的であるため、各業界からの注目度が高まっていると考えられます。

バランススコアカードのメリットは主に3つあります。1つ目は、経営陣が持つビジョンや戦略を従業員に把握・浸透させられること。2つ目は、業績の評価指標を「見える化」することで、社内のPDCAを適切に回せること。そして3つ目は、従業員のモチベーションアップや、業務プロセスの見直しに効果があることです。

バランススコアカードを利用することで、長期的な戦略と短期的な戦略を結びつけられるほか、時代にそぐわないマネジメントシステムにおける課題も解決しやすくなります。つまり、バランススコアカードは業績評価システムとしての機能に加えて、戦略マネジメントシステムや企業変革のフレームワークとしても活用できるのです。

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バランススコアカードの5つのプロセス

バランススコアカードを設定する際の5つのプロセスについて説明します。

ビジョンの設定

まずはプロジェクトの方向性を定めるためにも、各ミッションの定義やコア・バリューの定義を明確にする「企業ビジョンの設定」を行います。「ミッション」とは、企業における組織としての存続理由を指します。各部門の必要性や存在理由、価値の提供方法などを明確にし、戦略作りに活かします。その後、顧客・世間から見た企業の存在価値とは何なのかを再認識しましょう。

続いて、3年から10年程度にわたる将来的な目標を「企業ビジョン」とし、組織として掲げている使命や方針を定めます。ビジョンを設定する際は、創業者の起業動機やプロジェクトを立ち上げた人物の想いをベースに考えることで、方針がブレてしまう事態を防げます。

「コア・バリュー」とは、企業の価値観のことです。明確にしたミッションやビジョンと、企業の中核となる価値観を結びつけましょう。企業の価値観を「戦略」として打ち出すことで、競合企業との差別化も図れます。また、企業が長期的に成長していくためにも、自社の強みや個性を明らかにしておくことが大切です。

戦略の設定

企業のミッションやビジョンを設定した上で、企業戦略の方向性を可視化させます。「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」という4つの視点から、社内外の強みや弱み、企業に訪れそうな機会や脅威を分析し、戦略マップを作成しましょう。

戦略マップ作成のポイントは、一つひとつの因果関係を視覚化して繋げていくことです。目標を一つ達成したら、次の目標を達成するまでのステップが連鎖するように「行動テーマ」を定めます。初期段階の行動テーマにはじまり、段階ごとに上位の目標を達成していき、最終的に企業が目指す「ゴール」に到達するのが理想です。もちろん、数々の目標を達成するための「重要成功要因」も、マップに落とし込んでおく必要があります。

KFSの設定

KFSとは、ビジネス成功や事業戦略においてキーとなる「重要成功要因」です。KSF(Key Success Factor)と呼ばれることもあります。バランススコアカード作成にあたっては、社内外の状況を分析しつつ、商品やコスト管理、チャネル(集客経路)などあらゆる要因をチェックすることが大切です。

戦略の開発には、企業全体や各部門の外部・内部分析を多角的に行う分析ツールが役立ちます。分析ツールは多数ありますが、重要成功要因の策定ツールとしては「SWOT分析」がおすすめです。「Strengths(強み)」、「Weaknesses(弱み)」、「Opportunity(機会)」、「Thread(脅威)」という4つの要素から、自社の内外環境を分析できるツールです。

KPI・KGIの設定

続いてのステップは、重要業績評価指標(KPI)の設定です。KPIとは、KGI(最終目標)を達成する過程での「中間目標」を指すビジネス用語です。例えば、飲食店のKGIを「売上高」とした場合、「客の数」や「回転率」などがKPIとなります。4つの視点ごとに複数のKPIを設定し、ゴールに向かう指標を設定していきましょう。

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アクションプランの設定

KPIの達成に向けて、取るべきアクションを具体的に設定するステップです。ロードマップをもとに、どのようなペースでアクションを起こしていき、どのようにKPIを達成するのかを考えます。アクションプランの具体化は、目標達成において重要なポイントです。

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まとめ バランススコアカードで多角的に経営を評価しよう

バランススコアカードは経営を多角的に評価するために有効な手法です。バランススコアカードを採用することで、戦略目標をしっかりと立案でき、バランスの良い企業経営が期待できます。

例えば、売り上げが目標を達成しなかった場合でも、顧客の流出を防ぐことに成功していれば、次期以降の収益が見込めます。

また、業務プロセスの向上や人材の成長は、直接的に業績アップに作用することでしょう。バランススコアカードを上手に活用し、戦略的な経営を進めていきましょう。

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