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イノベーションマネジメント識学式部下管理法 2023.07.15

【識学式】イノベーションマネジメントとは?仕組みで再現する3つのステップ

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【識学式】イノベーションマネジメントとは?仕組みで再現する3つのステップ

「自由な発想を尊重すれば、イノベーションが生まれる」そう信じてメンバーに自由にやらせるほど、逆にメンバーが萎縮してしまうという現象が起きていないでしょうか。イノベーションは「自由な風土」からのみ生まれるものではなく、「仕組みによる枠組み」があることによって、むしろ生まれやすくなるものかもしれません。何をもってイノベーションと呼ぶのか、誰がどこまでの権限で挑戦できるのか、どの尺度で成否を判定するのか。この3点の定義がイノベーションマネジメントの出発点です。

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イノベーションマネジメントとは何か——基本の定義

イノベーションマネジメントとは、組織が継続的にイノベーションを生み出すための仕組みや体制を設計・運用する取り組みです。新製品・新サービスの開発にとどまらず、業務プロセスの改善、ビジネスモデルの変革、組織の仕組みそのものの刷新も含まれます。

一般的にイノベーションマネジメントは「自由な発想を促す環境づくり」「失敗を許容する風土の醸成」という文脈で語られることが多いです。しかしこの考え方には、見落とされやすい盲点があります。「自由に挑戦していい」と言われても、何をもって成功とするかが定義されていなければ、メンバーは「自分の挑戦が評価されるかどうか」を判断できません。評価の基準が見えない状態では、挑戦した結果として逆に悪い評価がなされてしまうよりも、挑戦せずに安定した成果を出し続ける方が合理的な選択に見えてしまいます。これが、自由にさせるほど挑戦が萎縮していくという逆説的な状況が生まれやすくなる、構造的な原因の一つと考えられるでしょう。

イノベーションが生まれない組織に共通する3つの錯覚

錯覚①:「自由な風土があればイノベーションが生まれる」

「自由な風土」自体は大切なものではありますが、「自由に挑戦していい」という言葉だけでは、メンバーは「どこまでやっていいか」が分からず、かえって安全な範囲でしか動けなくなることがあります。メンバーが自責をもって挑戦できる環境をつくるためには、自由の範囲(権限の境界)を先に定義することが重要です。「この範囲の意思決定は、あなたの権限で行ってよい」という定義があって初めて、メンバーは「自分が責任を持って判断できる挑戦」の範囲を認識でき、挑戦への一歩を踏み出しやすくなります。

錯覚②:「失敗を許容すればメンバーが挑戦するようになる」

「失敗してもいい」という言葉がうまくメンバーに伝わらない組織では、「何をもって挑戦と呼ぶか」「何をもって失敗と呼ぶか」「挑戦の結果どうなれば成功なのか」が定義されていないことがあります。これらの定義がなければ、メンバーは「上司から見てどう映るか」という印象評価を基準に行動しがちです。そうなると「失敗が多い人」という印象をもたれるよりも、ぎりぎりの挑戦は控え「安定した成果を出している人」という印象をもたれた方が良いと思う人も多くなるでしょう。そのため、印象で評価される環境では、失敗を許容すると言われても、挑戦は起きにくくなる傾向があります。

「〇月末までに、〇の状態を達成する」という期限と状態が明確な挑戦の目標を先に定義することで、「挑戦によって達成度がどこまで伸びたか」「挑戦によってどの数値をどこまで伸ばしたか」といった、事実として評価できる状態をつくることが重要です。

錯覚③:「経過を管理すれば挑戦の精度が上がる」

管理職がやり方に口を出して経過に介入するたびに、メンバーは「自分で考えなくても、上司が修正してくれる」「上司の意向に合わせれば責任を問われない」という認識を持ちやすくなります。この認識が定着すると、挑戦の当事者意識は薄れ、上司の指示待ちになってしまい、部下が自分で考えて進めていくことによるイノベーションは起きにくくなる傾向があります。

識学が示すイノベーションマネジメントの3つのステップ

ステップ①:「何をもってイノベーションと呼ぶか」を完全結果で定義する

「〇月末までに、現在の業務処理時間を〇時間から〇時間に削減する新しいプロセスを本番導入する」このように期限と状態が明確になっている目標を、識学では『完全結果』と呼びます。「新しいことに挑戦する」では期限と状態が明確ではないため、達成・未達の判定ができません。達成・未達の判定ができなければ、自分の足りていないところを認識できないため、次の成長に繋がらず、同じことを繰り返してしまいやすくなります。目標を先に明確にし、達成・未達の判定をして、どれだけ足りないかを認識し、それを埋めていく行動をとることで、次のイノベーションに繋げていくことが重要です。

ステップ②:「誰がどこまでの権限で挑戦できるか」を先に定義する

「プロセスの変更案を立案し、テスト環境で実施することはあなたの権限でできます。本番環境への展開は私の承認が必要です」このように権限の境界を先に定義することで、担当者は「自分が責任を持って判断できること」と「上司に確認すべきこと」を明確に区別しやすくなります。

権限の境界が定義されていない状態での挑戦は、役割の範囲を超えた行動につながるリスクもあります。権限を先に定義し、責任の所在を明確にすることは、挑戦する担当者を守るための設計にもなるでしょう。

ステップ③:「どの基準で挑戦の成否を判定するか」を先に開示する

評価基準を期初に担当者と共有することで、担当者は「何をもって自分の挑戦が評価されるか」を知った状態で取り組めます。また報告のルールも先に設定することが重要です。「毎週月曜日の10:00までに進捗を所定フォーマットで提出する」のようなルールを先に定義し、ルールに沿って情報が届いている限り管理職は経過に介入しません。担当者に行わせる必要があるプロセスがある場合は、「ルール」として先に設定することで、経過介入をせずに担当者に行わせることができます。

「経過に介入しない」原則が挑戦者の当事者意識を高める

管理職が経過に介入する組織では、担当者は「途中で修正される」「自分のやり方を否定される」というリスクを感じやすくなります。この状態では、大きな挑戦より小さく安全な提案を優先するようになってしまうかもしれません。

経過に介入されない環境では、担当者は「自分の判断で進めてよい」という確信を持ちやすくなります。この確信が、より大きな挑戦を選択できる余裕を生むでしょう。

挑戦者の当事者意識は「失敗しても多分責められないだろう」という曖昧な期待からではなく、「自分の権限範囲内で権限を行使して行った挑戦の結果は、事前に定義された基準に応じて評価される」という明確な構造から生まれやすいです。先月は未達だった目標が今月は達成できた。この変化こそ担当者が成長しているサインです。目標が先に定義されているからこそ、この変化を事実として捉えられます。

まとめ:イノベーションは「仕組みで再現するもの」である

イノベーションは特別な才能や自由な風土からいつも自然発生するものではありません。「何を達成すればイノベーションと呼ぶか」「誰がどこまでの権限で挑戦できるか(役割定義・決定権者)」「どの基準で成否を判定するか(評価基準の先行開示)」の3点が定義されていることで、仕組みとして再現できることが多いです。

まず「次の挑戦目標は、期限と状態が明確で誰が見ても達成・未達を判定できる形で書けているか」を確認してみることをおすすめします。そうなっていない目標が一つでもあれば、そこが挑戦の萎縮の起点になっているかもしれません。この原理原則が、組織のイノベーションをどのように進めていくかのヒントになれば幸いです。

関連記事:目標設定・評価制度の設計について詳しく知りたい方へ

本記事で解説した「完全結果による目標定義」「評価基準の先行開示」については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

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