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テレワークによる働き方改革 イノベーションに成功しつつある企業は何が違うのか

テレワークによる働き方改革 イノベーションに成功しつつある企業は何が違うのか

ある日の午後、知らない番号から着信がありました。
出てみると、顧問先の総務担当で、テレワークなので自分の携帯からかけてきたとのこと。
意外だったのは、彼女の声のトーンでした。
実際に会った彼女は、必要最低限のことだけを話す、どちらかというと物静かな女性でした。
しかしこの日は、テンション高めで言葉数も多く、周囲を気にせず会話を楽しんでいました。

自宅でのテレワークは、洗濯物を片付けながら、ソファでくつろぎながら、会社ではできない「仕事への向き合い方」の連続だそう。

もし今、テレワークと出社と選ぶならどちらか尋ねると、
「うーん、まだ始まったばかりだから分からないけど、半分くらいは会社へ行きますね」
と答えてくれました。
その理由は
「やはり会社での仕事に慣れているから、そのほうが落ち着く」
とのこと。

新型コロナウイルスの影響により、早急な対応を迫られたわけで、慣れるまでに時間が必要なのは当然といえます。

書類確認の依頼をされた筆者が
「ビデオ通話で確認しましょうか?」
と提案すると、
「ダメです!メイクもしていないし、部屋着なので」
と即答で断られました。
これも女性ならではの「テレワークあるある」かもしれません。

 

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テレワークの実施で見えてきた変化

 

図1は、パーソル総合研究所が実施した、緊急事態宣言(7都府県)後のテレワーク実施率の調査です。
3月半ばの時点では13.2%だったテレワーク実施率が、一か月で2倍以上となりました。
国勢調査に基づく簡易計算では、テレワークを行っている人が一か月で400万人ほど増加したため、約760万人が実施していることになります[1]。


図1:パーソル総合研究所/緊急事態宣言(7都府県)後のテレワーク実施率
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/telework.html

つぎに、テレワークを行っている人の「不安」をグラフ化したものが図2です。

1位は

「非対面のやりとりは、相手の気持ちがわかりにくく不安(37.4%)」
で、慣れない環境でのコミュニケーションに苦戦している様子がうかがえます。

2位は
「上司や同僚から仕事をさぼっていると思われていないか不安(28.4%)」
です。
これは、仕事の評価が「業績評価」ではなく、日ごろの行動から評価される「情意評価」や、広義的にはプロセス評価であることを示唆しています。


図2:パーソル総合研究所/テレワークを行っている人の不安
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/telework.html

興味深い結果は、「テレワークの課題」の調査です(図3)。

断然トップは「運動不足を感じる(73.6%)」という回答で、“仕事に関すること”ではありませんでした。
今後、テレワークが長期化した際の課題として、ICT環境の整備や業務内容の見直しよりも、「運動環境の確保」が優先課題であることを念頭に置く必要があります。


図3:パーソル総合研究所/テレワークを行っている人の課題
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/telework.html

最後に、「テレワーク実施前後の変化」について、図4で示されています。
「上司・同僚とのやりとりが減った」がおよそ半数。
会社で同じ空間にいたころと比べてコミュニケーションが減ったということは、フィジカルな環境の重要性につながる結果かもしれません。

良い変化としては、「生活の満足度が増えた(19.2%)」で、同調査で唯一、大幅な増加が確認できます。
また、労働時間や業務量について、テレワークの実施者の3分の1以上が「減った」と感じています。


図4:パーソル総合研究所/テレワークを行っている人の変化
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/telework.html

そもそも「テレワーク」は、働き方改革の目玉ともいえる取り組みで、「多様で柔軟な働き方の確保」や「生産性の向上」、「労働力人口の確保」といった、就業者・企業・社会にそれぞれメリットをもたらすものとされます。

そのため、厚生労働省[2]や経済産業省*3は、テレワーク導入の際の費用を一部助成する事業を行っています。

今後のテレワーク拡大に向けて、各種助成金の活用とともに、今回の調査結果から得られる「テレワーク実施者の声」を考慮し、より効果的なワーク・ライフ・バランスを期待します。

 

CEOからの相談/人事評価制度の見直し

 

冒頭の、総務担当の企業のCEOから電話がありました。
彼も出社はしておらず、自宅でテレワークを実施しています。

「話し相手もいないので、ちょっと相談がてら聞いてください」

普段は威厳に満ちた態度のCEO。
自宅では、気軽に雑談ができる社員もいないため、筆者を指名してもらえたことは光栄です。
そして“他愛もない会話や雑談がストレス解消になる”という効果は、少なからず「ある」と感じました。

テレワークに切り替えて、CEOは仕事がはかどるようになったとのこと。
「では、テレワークのままでいいですか?」と続けると、

「実はその件でご相談です」

50人超の社員が勤務するこの企業は、都内の一等地にオフィスを構えています。
新型コロナウイルスで売上げが減少するなか、テレワークで対応できるのであれば、現在のオフィスを移転させたい、という相談でした。

オフィスの規模を縮小し、かつ、交通費も削減できれば、かなりのコストダウンが見込めます。

さらに、人事評価制度についても相談がありました。
これまでの人事評価は、「情意(行動)評価」と「能力評価」が中心でした。
しかし、テレワークの実施にともない、「情意評価」が困難であることが発覚しました。
評価者(上司)と被評価者(部下)のフィジカル接点がないため、評価対象となるプロセスが見えにくいためです。

また、「能力評価」についても、コンピテンシー評価の傾向が強いため、既存の行動特性モデルをそのまま使うことはできません。
そうなると、「業績(成果)評価」の導入を検討せざるを得ません。

テレワーク下では、ある程度の「定量的な評価」が必要となります。
そして、定量的な評価は、アウトプット(成果物)による評価となるでしょう。
もちろん、テレワークの場合にすべてが成果主義となるわけではありません。
しかし、公平性や正確性を重視した場合、定量的な評価は必要といえます。

人事評価制度については、今後のテレワーク実施度合いにより、大きな改革となる可能性があります。

 

HR(Human Resources)担当からのメール/モチベーションの変化

 

これまで、当該企業のHRマネージャーとメールをするときは、「cc」にCEO含む全役員を連ねての送受信でした。
そして、当然のことながら、ビジネスメールの典型といえる“無味乾燥な文面”でした。

しかし、テレワークに切り替えてからのHRマネージャーのメールは、人間味が増しました。
これまでのメールにはない、「!(エクスクラメーションマーク)」が多用されているのです。
さらによく見ると、ccから役員の名前も消えています。

「テレワークになってから、HRに関する業務はすべて、僕にお任せください。CEOからもそう言われているので!」

トップから任された職責への意気込みが、「!」に現れていたようです。

この、HRマネージャーの変化を分析するのに「ハーズバーグの二要因理論」が最適です。

「仕事の満足」に関する要因が、動機付け要因
「仕事の不満足」に関する要因が、衛生要因

つまり、
「仕事への責任が増すことによる高評価や達成感、満足度が上がることで、仕事のモチベーションも上がる」
という、これが動機付け要因です。

一方、最低限守られていないと「仕事の不満足」につながるのが衛生要因です。
給与や福利厚生、対人関係など、「仕事環境に関する部分」が不十分だと、労働者に不満足感が生まれます。

これまで、会社のトップたちの監視下で業務を遂行してきたHRマネージャー。
それが、テレワークにより物理的に開放され、かつ、職務権限を与えられたことにより、彼のモチベーションが急上昇したことは間違いありません。

「給与は変わらず仕事が増えた。その結果、やる気が出た」
この矛盾ともとれる現象こそが「動機付け要因」の特徴です。
今後、テレワークの浸透により、職務内容も変化するでしょう。
企業は労働者をより信頼し、ある程度の権限を与えたうえで、職務遂行させることが重要となります。

 

「ソーシャルディスタンス」に倣うこれからの社会的距離

 

新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的で使用される、「ソーシャルディスタンス」という言葉。
社会的な距離を確保することにより、フィジカル環境下での監視からの脱却や、人間同士のつながりの大切さについて、改めて問題提起してくれます。

冒頭の総務担当の女性から、数週間後に電話がありました。

「先生に聞かれた『テレワークと出社とどちらを選ぶ?』という質問。
考えたのですが、働き方はテレワークのほうがいいですが、メリハリをつけるためにも、週に1回くらいは出社したいです」

テレワークの日々に慣れた結果、このような結論にたどり着いたのだと思います。

非常事態宣言解除後も、テレワークは続きそうなので、この先の「テレワーク実施者」の変化が楽しみです。

 

参照
[1]参考:パーソル総合研究所/緊急事態宣言(7都府県)後のテレワーク実施率
https://rc.persol-group.co.jp/research/activity/data/telework.html
[2]参考:厚生労働省/働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html

[3]:経済産業省/IT導入補助金2020
https://www.it-hojo.jp/2020emergency/

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