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絶対知っておくべき「戦略とマネジメント」の違いとは

戦略としてのマネジメント

企業活動において、戦略とマネジメントは非常に重要な要素です。

しかし、その重要性を感じながらも、2つの違いを理解していない人が多いのも事実です。

本記事では戦略とマネジメントの違いや、それぞれの領域でどのような業務があるのかを解説していきます。

今の自分に何が求められているのか、考えるきっかけにしてみてください。

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戦略とマネジメントの違い

戦略とマネジメントの違いを簡単に表でまとめると以下のようになります。

戦略 マネジメント
視野の長さ 2〜5年程度 1年程度
担う人 経営者・役員 管理職
やること 利益の最大化、ビジョン実現のための計画・目標立案 目標遂行のために部下を適切に動かす

企業活動は戦略→マネジメントの順番で物事が流れていることがわかります。

戦略とは?

戦略とは、企業が進むべき方向を定めることを指します。

また、進むべき方向に進むための具体的な手法や計画を立案することも含まれるでしょう。

そして戦略は、普段の業務を改善するだけでなく、現状をしっかり分析した上で、新たな課題を見つけ出し、それを解決するまでの道筋を示す必要があります。

つまり、論理的思考で物事を深掘りしながらも、クリエイティブな発想も求められる領域です。

基本的には経営者や取締役によって決定され、それを基に組織が運営されていきます。

マネジメントとは?

マネジメントとは、目標達成のために業務を遂行するにあたって、組織や部下を管理することを指します。

そのため、まず戦略が存在している前提でマネジメントが存在することになるでしょう。

マネジメントには様々な領域がありますが、どの領域でも部下を上手にコントロールすることが求められます。

目標達成・利益最大化のために部下を適切に管理するのです。

くわえて、部下のモチベーション管理にも努めなければいけません。

基本的には部長や係長といった中間管理職がマネジメントを担当し、経営層が打ち立てた戦略に基づいて行動します。

関連記事:マネジメントの知識とは?管理職なら知っておきたいマネジメントの知識総まとめ

経営戦略で定めるもの

経営者や取締役が経営戦略会議で定めるものは以下の5つです。

  • 企業理念
  • 企業戦略
  • 競争戦略
  • DX
  • SDGs

それぞれ解説していきます。

関連記事:失敗しない経営戦略の立て方とは

企業理念

まずは企業理念を明確にします。

企業理念は経営戦略において最も重要な要素であり、企業全体の軸になる部分です。

ここがブレてしまうと、ステークホルダーからの信用がどんどん失われていきます。

企業理念はなるべく具体的に、かつ魅力的なものにする必要があります。

なぜなら抽象的だと理解されづらく、魅力的でなければ会社の存在意義が保たれないからです。

例えば日本最大の企業の一つであるトヨタ自動車のミッションは「わたしたちは、幸せを量産する」です。

それに続いて「だから、ひとの幸せについて深く考える。だから、より良いものをより安くつくる。だから、1秒1円にこだわる。だから、工夫と努力を惜しまない。だから、この仕事は限りなくひろがっていく。」と続いていきます。

非常にトヨタらしい企業理念です。

また、日本が誇るゲーム会社である任天堂も「任天堂の商品やサービスを通じて、世の中の人々を笑顔にすること」を使命としています。

どちらの企業も、自分達の商品・サービスによって人々を幸せにすることを企業理念としています。

ビジョンを打ち立てる以上、社会全体を巻き込むような美しい思想が必要になるでしょう。

関連記事:ビジネスにおける理念とは?企業理念・経営理念の目的やメリット、混同されがちな言葉との違いを解説

企業戦略

企業理念を打ち立てた後は、それを達成するために企業としてどのような戦略が必要なのかが決定されます。

ここでは以下の項目について議論されます。

  • どのような事業が必要なのか?
  • 事業をどのように進めるべきなのか?
  • 事業を進めるためにどのように資本を分配すべきか?
  • 必要な事業と不必要な事業をどのように扱うべきか?

まずはどんな事業が必要なのかが議論されます。

既存の事業の見直しだけでなく、必要によっては新規事業立案も検討されるでしょう。

次に、事業の進め方が検討されます。

ここではどのようなプランで、どれだけのリソースを投下し、誰をターゲットにすべきかなどが決定されます。

その後、事業を進めるために必要な資本をどのように分配し、また、資本をどのように調達するのかも決定しなければなりません。

そして、必要な事業と不必要な事業をどのように扱うべきかが議論されます。

特に不必要な事業に関しては、一刻も早い対応が迫られます。資本を投下して立て直しを図るのか、それとも売却してしまうのか。

どちらにせよ、企業戦略は多くの従業員にとって大きな影響を与えることになります。

競争戦略

企業戦略だけでなく、競合企業との兼ね合いも考えなければなりません。

なぜなら、企業における最大の存在意義は、ビジョンの達成ではなく、利益の最大化だからです。

株主に利益を還元するためにも、業界内で有利なポジションをキープする必要があります。

そして、そのための競争戦略として有名なのが、アメリカの経営学者であるマイケル・ポーターが提唱した「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」です。

DX

近年は、デジタル技術の進化と少子高齢化の影響もあり、DXが注目を集めています。

DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで、デジタル技術を活用してビジネスモデルや企業文化を変革することを指します。

ここで注意が必要なのは、「業務をデジタルに置き換えること」がDXではない、という点です。

DXとはデジタル技術を活用して『組織構造を変革させること』を指します。

そのため、必要に応じて人員を削減し、コストを最小化させることが、DXの本質なのです。

例えば在庫管理であれば、在庫を自動制御するツールやドローンを活用することで、人員を削減可能です。

また、バックオフィスでもRPAツールやSaaSを活用することで、大半の人員を削減できるでしょう。

関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)化とは?

SDGs

DXと並んで近年注目されているのはSDGsです。

SDGsは持続可能な開発目標のことで、企業としてはクリーンな事業展開が求められています。

製品製造における温室効果ガス発生を抑制したり、オフィスに発電設備を導入したりすることで、SDGsの声に応えることが可能です。

SDGsの取り組みは売上向上や利益最大化に直結しません。

しかし、株主を含めたステークホルダーの信頼を得るために必要不可欠な要素であり、これからの時代を生き抜くためにも注力しなければいけないテーマです。

関連記事:SDGsとは?SDGs時代のリスクマネジメントや注目の理由、メリットなどを解説

マネジメントで考えるもの

マネジメントで考える必要がある要素は以下の4つです。

  • ヒトの管理
  • カネの管理
  • モノの管理
  • 情報の管理

それぞれ解説していきます。

関連記事:「ヒトモノカネ」「情報」は経営とマネジメントに必須!組織が成長するために必要なこととは?

ヒトの管理

マネジメントにおいて最も重要であり、かつ最も難しいのがヒトの管理です。

どの業務にどのような人材を配置するかを決定し、それを実行します。

また、人事評価、採用活動、人材育成など、やらなければいけないことが数多くあり、そのどれもが重要な業務です。

そのうえ、ヒトを取り扱う以上、繊細に業務を進める必要があります。

ヒトの管理は売上に直結することはありません。

しかし間接的に売上に影響を与えることに加え、そもそも組織はヒトによって成り立つものです。

こういった理由で、非常に重要度が高いのです。

カネの管理

企業にとってカネは体力です。

そのため、カネをどのように使いどのように守るかが、企業にとっての生命線となります。

具体的には、決算書の作成、キャッシュフローの管理、財務分析、節税、新規事業や他者への投資などがカネの管理に当てはまるでしょう。

毎日のようにコストカットに取り組み、それで浮いたカネを投資に回す。

この攻めと守りの循環がカネの管理で大切なことです。

モノの管理

製造業や販売業のように在庫を抱える必要のある企業では、モノの管理が非常に重要になります。

また、オフィスなどのインフラもモノにあたるので、ほとんどの企業でモノの管理が求められるでしょう。

モノの管理に当てはまる項目としては、生産計画、原材料調達、価格交渉、品質管理、在庫管理、需給予測など幅広い業務があります。

モノの管理は、ミスの数を少しでもゼロに近づけ、秒単位で生産スピードを追求する地道な作業の連続です。

しかしこれが積み重なっていくことで、成長に少しずつ繋げることができます。

トヨタ自動車の「トヨタ生産方式」は、モノの管理の一つの完成形といえるかもしれません。

情報の管理

近年になってからヒト・カネ・モノに加えて、情報も経営資源に加わるようになりました。

現代の情報社会において、情報の管理は必要不可欠です。

情報の管理における情報とは以下の項目を指します。

  • 個人情報
  • 顧客情報
  • セキュリティ
  • 取引先情報
  • ノウハウ・技術
  • 研究技術

これらはどれも、漏洩してしまったら大問題です。

それを防ぐためにも、セキュリティを充実させる必要があるでしょう。

また、外部企業のノウハウを入手するためにM&Aを実行するという選択も考えられます。

多くの管理職に必要なのは、戦略ではなくマネジメント

管理職のマネジメントは、経営層のトップマネジメント、中間管理職のミドルマネジメント、現場リーダーのロワーマネジメントに分けられます。

この内、戦略に携わるのはトップマネジメントのみで、ミドルマネジメントとロワーマネジメントなどの大多数の管理職に求められているのは、マネジメント能力です。

もちろん、戦略はしっかり理解すべきでしょう。

なぜなら戦略が前提条件として成り立っている上でのマネジメントだからです。

しかし、多くの管理職に求められているのは実践的なマネジメント能力です。

自らのキャリアを成長させるために、まずはマネジメントの習得・強化から始めるべきでしょう。

関連記事:中間管理職とは?役割や必要なスキル、優れたミドルマネジメントの育成方法を解説

オペレーションと戦略との違いとは?

戦略やマネジメントと似た言葉として、オペレーションがあります。

オペレーションは、戦略やマネジメントよりもさらに下流に位置する工程で、現場でどのように実行するかが問われます。

そのため、基本的には一般社員がオペレーションを担当します。

また、オペレーションは戦略やマネジメントとは異なり、今その時点で何ができるかを考え、実行に移すために求められる領域です。

そのため、時間軸としては「戦略→マネジメント→オペレーション」となります。

しかし現状として、多くの管理職がオペレーション思考に陥ってしまっている傾向があるようです。

管理職はマネジメントに集中して、オペレーション業務は部下にちゃんと回すようにしましょう。

まとめ

それでは本記事をまとめていきます。

  • 戦略は長期的な視点で経営層が担当するもの
  • マネジメントは中期的な視点で管理職が担当するもの
  • マネジメントではヒト・カネ・モノ・情報を管理することが求められる

戦略、マネジメント、さらにオペレーションの役割を理解することで、今の自分に何が求められているかが理解できるはずです。

また、現場社員であればマネジメント、管理職であれば戦略を意識することでメタ認知能力を高めることができ、出世に大きく近づきます。

もちろん、実践的なスキルを身につけることが先ですが、このように上の立場の人間が何を考えているのかを理解できるとよりよいでしょう。

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