あなたは部下に対してどのようにフィードバックをしていますか?
ビジネスにおいて適切なフィードバックができれば、さまざまなメリットをもたらします。
本記事では、部下の育成やモチベーションを引き出すのに役立つ効果的なフィードバックについて解説していきます。
なお、本記事でお伝えするのは一般論です。
一般的に、傾聴ができる、モチベーションを高めることができる上司は「有能な上司」と言われていますが、弊社、識学ではそうは考えていません。
詳しくは、下記の資料をダウンロードし、ご覧ください。
目次
そもそもフィードバックとは
フィードバックとは、相手がした行動やその結果に対して改善点や評価を伝えて、次の行動で軌道修正ができるようにすることです。
適切に実施できれば、部下の成長を促し、モチベーションを引き出す効果があります。
しかし、間違った方法で実施すると逆効果となり、部下のエンゲージメントや意欲を下げることにつながる可能性があるため、注意しなければなりません。
フィードバックが注目される背景
近年、ビジネスシーンにおいてフィードバックが注目されるようになってきています。
では、なぜ注目を集めているのでしょうか? その背景を見ていきましょう。
上司と部下の交流が減った
働き方改革の推進の結果、「部下の労働時間の管理」「リモートワークや勤務間インターバルへの対応」「生産性向上への対応」など、管理職の負担が増えてしわ寄せを受けています。
激務となった管理層は、部下とコミュニケーションをとる時間が減りつつあります。
そこで、上司と部下がお互いに理解しあう機会としてフィードバックが注目されているのです。
価値観が変わった
若手とベテランの価値観の乖離が激しいことも関係しています。
年功序列制度や終身雇用制度などが崩れつつあるなか、若手社員の企業への帰属意識は薄れつつあります。
また、ハラスメントにも敏感であるため、ベテランからの指導が困難になってきているのです。
若手の管理職が増えた
近年、優秀な若手が管理職に昇進するケースが増えつつあります。
しかし、管理者としての能力が不十分なまま昇進してしまうことで、部下への指導力が身についていないため、指導が困難になっています。
関連記事:フィードバックとは?人材育成で失敗しない4つのポイントを解説!
部下にフィードバックする目的とは
部下に適切なフィードバックをする目的は、下記のようなものが挙げられます
人材育成
上司が部下の課題を見つけ、本人に課題を伝えて改善を促すことで、部下の人材育成につながります。
業務に求められる能力を部下が1人で全て習得することは困難です。
そこで、スキルや知識がある上司や先輩からフィードバックを受けることで、それまで気づけなかった課題の発見や気付きを得られます。
モチベーションの向上
適切にフィードバックを行うことで、部下のモチベーションを引き出すことができます。
部下が目標に向かって努力しているにもかかわらず、上司からのレスポンスがなければ、部下は「上司は自分のことを何も見ていない」と感じ、やる気を無くすケースがあります。
そこで、「あなたの頑張りは把握している」というメッセージを伝えるためにも、適切なフィードバックを行いましょう。
組織目標の達成
部下の行動や業務の進捗状況などを、組織にとって最適な状態へと促すことによって、組織内の目標を達成しやすくなります。
もし、部下の業務への取り組み方が目標とは異なる方向に進んでいる場合、上司がその都度指摘して、軌道修正をすることが重要です。
また、目標達成のためには上司からだけではなく顧客からのフィードバックも重要であり、それをもとにどのように修正をするべきか、検討する必要があります。
部下へのフィードバック方法の種類
フィードバックは大まかに下記の2種類に分けられます。
ポジティブ・フィードバック
ポジティブな言葉や側面を意識して行うフィードバックです。
肯定的な言葉を使うことで部下の承認欲求が満たされ、モチベーションを引き出すことができます。
しかし、抱えている課題や問題点を伝えなければ、部下は現状に満足して努力しなくなる可能性があるため、肯定するだけではフィードバックの目的は果たせないでしょう。
ネガティブ・フィードバック
ネガティブな意見や側面をあえて伝えることで、部下の向上心に火をつけてパフォーマンスを最大化させます。
課題解決力や困難な状況に陥っても諦めない粘り強さなどを引き伸ばし、適応力が高い人材へと育成できるでしょう。
しかし、ネガティブなメッセージを伝えることで、「自分はダメなんだ」と落ち込む可能性があります。
したがって、相手の人格を否定するような言い方は避け、客観的に伝えることが重要です。
関連記事:【簡単に】ネガティブフィードバックとは?効果的な伝え方や注意点をわかりやすく解説!
フィードバックでよく用いられるフレームワーク
フィードバックのフレームワークはいくつかありますが、ここではよく用いられるものを見ていきましょう。
SBI型
- Situation:部下の状況
- Behavior:部下の行動
- Impact:生じた影響
の頭文字をとって「SBI」です。
上から順に
- 「どのような状況で」
- 「何をしていたことが」
- 「私には○○に感じたけど、どう思う?」
といったように順を追ってフィードバックします。
FEED型
FEED型は、
- Fact:部下の行動
- Example:行動の指摘と理由
- Effect:行動の影響
- Different:次回の改善案
の順に行うフィードバックです。
部下の行動から改善案まで整理して伝えられる点がメリットです。
KPT型
KPT型は、
- Keep:継続すること
- Problem:現状の課題
- Try:改善すること
の順で伝える手法です。
上司と部下がコミュニケーションを取りながら行われるケースが一般的です。
関連記事:リフレクションとは?フィードバックや反省との違いも解説
まとめ:本当に優しい上司とは??
ここまで、一般的な「正しい」フィードバックについてお伝えしてきました。
しかし、本当に正しいフィードバックとは、部下を褒め、部下のモチベーションを上げられる上司なのでしょうか?
いいえ、違います。本当に優しい上司とは、部下を成長させるために、部下を変化させることができる上司なのではないでしょうか?
弊社識学では、部下を無駄に褒めることはしません。
コミュニケーションも最低限です。さらに、上司から働きかけるのではなく、基本的には部下から声を上げることが多いです。
上司は部下の相談役ではありません。
傾聴により、正しい位置関係が崩れるからこそ、上司に納得しないから「上司のいうことをきかない」といったような部下が現れるのです。