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【事例有】タックマンモデルとは?チームビルディング事例も徹底解説!

タックマンモデルとは

「タックマンモデル」は、チーム形成(組織づくり)の過程を4段階で表し、チームの解散段階を加えた5段階でチームの状態を表したモデルのこと。

各段階は次のように定義される。

  1. 形成期(Forming):チーム結成の初期状態、チームの目標などを模索している。
  2. 混乱期(Storming):チームの目標などを巡り混乱や意見の対立が生じる。
  3. 統一期(Norming):目標や役割などの認識が一致し、チームが安定する。
  4. 機能期(Performing):チームが成熟し、チームの力が十分に発揮される。
  5. 散会期(Adjourning):目標達成や時間的な制約などにより、チームが解散される。

チームは、形成しただけでは機能しない。形成後に混乱期などの段階を経て、期待通り機能するようになる。混乱期はチームづくりに必要な段階であり、混乱期を避けずに、早く混乱や意見の対立を解消することが重要である。

また、新たなメンバーを加入させたチームは、形成期の状態に戻ることを認識する必要がある。リーダーは特にこのことに気を付けなければならない。

なお、提唱者のタックマンが発表したモデルには、5の散会期は含まれていないが、現代では散会までの5段階で表されることが多くなっています。

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タックマンモデルは企業を強くする

タックマンがモデル化したタックマンモデルは、チームビルディング(組織進化)に関するものです。このタックマンモデルを学ぶことで、チームの成長とリーダーがその時に打つべき対策が明確となるのです。

能力が高いメンバーを集めて作ったグループでもチームとして機能しないこともあり得ます。正しく導かれたチームは崩壊することなく、求められた成果あるいはそれ以上の成果を出すことが可能なのです。

タックマンモデルにおけるチーム形成の4段階モデル

タックマンモデルにおいては、チームの成長を「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」という4つの期間に分けられています。この期間を一つ一つ乗り越えることにより、チームをより強く、効率的に働かせることができるといわれています。[1]

形成期から混乱期における探り合いと衝突

「形成期」にはチームメンバーの多くがお互いのことをほとんど知らない状態です。それゆえ「これを言って何かされたらどうしよう」や「いわないほうがいいのかな」と自分の意見を言わずに相手の意見を待つという状況が多く見られます。不安と緊張が高まる時期でもあり、本音での議論はできません。多くのメンバーはリーダーに指示や説明を求めようとするでしょう。

この形成期から少し進むと「混乱期」に入ります。形成期とは異なるメンバー同士、互いのことや自分の仕事が少しずつ分かるようになって、メンバーの発言に本音が出始めるようになります。目的や目標、進め方にも差が出てきて、更に利害関係も絡み合いさらに緊張が高まります。リーダーの役割はメンバーの意見を聞きながら客観的に分析し、チームをあるべき方向・目指すべき目的へと導いていくことです。[2][3]

統一期から機能期にかけてチームとして動き出す

混乱期を超えたチームには「統一期」が訪れます。統一期のチームではメンバー同士の理解が進み、互いの価値観や意見を受け入れられるようになります。自らの業務、そしてメンバー内での立ち位置を理解し、チームの課題に対してオープンな議論を行うことができるようになります。リーダーの役割は、メンバーが出した結論に問題がないかどうかをジャッジすることとなります。

そして統一期を過ぎると「機能期」と呼ばれる時期に入り、チームが一丸となって課題に取り組むことができる時期が来ます。ここまでくるとチームは完成形といってもよいでしょう。何か指導をしなくとも、メンバーが自ら考え協力し、課題を解決していくことができます。機能期におけるリーダーの役割は、メンバーを今後どのように育成していくか考えることです。

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タックマンモデルを利用したチームビルディングの事例

タックマンモデルにおける4段階のモデルとチームの役割についてご説明しましたが、実際どのようにしてこのモデルを活用していくのでしょうか。実際にタックマンモデルが当てはまる事例及び、活用された事例がありますのでご紹介します。

事例1:サッカーワールドカップ2010年南アフリカ大会

2010年南アフリカ大会に出場した岡田ジャパンは、ベスト16という素晴らしい結果を残しました。その一方で、2010年2月に行われた東アジアカップでは、非常にふがいない結果に終わっています。このときチームは形成期から混乱期にかけての非常に不安定な状態でした。

その後、ワールドカップ前の親善試合でも4連敗という不安な結果を残しています。選手は様々な戦術を試しましたがどれもうまくいきません。この時期は監督への信頼も揺らぎ、完全に方向性を見失っている混乱期であったといえます。このような中でも岡田監督は「本気でベスト4を目指したい」「ベスト4を本気で目指す人とサッカーがしたい」と訴え続けたといいます。[4]

その後親善試合での4連敗を機に選手たちが、じっくり本音で話し合いの機会を設けました。戦い方に関する議論が出たのもこの時で、インタビューにおいても選手の口から「自分たちのサッカー」というキーワードが聞こえ始めます。この時期が統一期です。

そして迎えたワールドカップ本番の時期に機能期を迎えます。これまで負け続きだったチームに、粗削りながらもカメルーン戦で一勝がもたらされます。続くオランダ戦では、有効だと思っていた戦術がうまく機能しないと気づき、各選手がフィールド内で対応しました。これまでには見られない「チームとしての動き」です。そして最後のデンマーク戦ではチームとしての組織力を生かした試合を展開したのです。[5]

最終的に機能期を迎えられたのも、混乱期をきっかけに皆が本音をさらして話し合いを行い、同じ方向に向かって動き始めたことが大きな要因でした。

事例2:小学校のクラスにおける指導

小学校の6年1組は男女15人ずつの30名のクラスです。6年生になる際にクラス替えがあり、互いのことをあまり知らない生徒が多いのが特徴です。

4月には互いに緊張していたのか、もめ事が少なかったクラスですが、5月末ごろから女子グループの対立や仲間外れなど、様々な人間関係の問題が浮上してきました。この時期は「混乱期である」といえるでしょう。

この問題を受けて、担任講師は1人1人の生徒にヒアリングを行い、将来の夢や趣味、起こっている問題についてなどを聞いていきました。その間も、もめ事が起こるのですが「なぜ喧嘩になったのか」「どうすればよかったのか」「相手に手を出さずに解決する方法はないのか」「相手がどういう気持ちになるのか」など、当事者同士や時にはクラス全員で時間をかけて話し合いました。話し合いでの禁止事項は1つだけ、「個人攻撃や人格否定をしないこと」です。何度も話し合いを重ねるうちに、徐々に本音と見られる意見が多くなってきました。

7月の夏休みを前に、10月に行われる運動会での応援旗を制作することになりました。何度も話し合いは脱線して中断しましたが、そのたびに担任講師は「みなが納得して制作できる応援旗作り」を目指して指導を重ねました。皆が納得できる案が出るまで話し合いを重ね、8月の夏休み中であったにもかかわらず、生徒がローテションで定期的に登校し、応援旗づくりを進めていきました。この時期が「統一期」です。

応援旗は予定通り完成し、9月からは運動会での優勝に向けて練習を積み重ねました。個人競技である徒競走や障害物競走においても得意な生徒が苦手な生徒に走り方を教えたり、一緒に練習したりなど、5月に混乱期であったクラスが嘘のように一つにまとまりました。そのおかげもあり、このクラスが所属するチームは運動会で優勝することができたのです。運動会に向けて成果を出そうと一つにまとまったこの時期が、このクラスにとって「機能期」であるといえるでしょう。

4月に新しく編成したクラスが「運動会」という学校行事に向けてまとまっていく様は、チームビルディングの良い例ではないでしょうか。

事例3:中途社員を迎えた企業Aの商品企画部

9月1日に他業界からの30代中途社員を迎えた商品企画部は、部長、係長、そして社員5名の総勢7名の部署です。社員5名の内、新しく入社した中途社員以外の4名は20代後半の新卒入社の社員で、よく仕事帰りに飲み会などをしているようですが、中途社員とは年齢が離れていることもありなかなか打ち解けられないようです。

10月中ごろになり、係長が部員にヒアリングをしたところ、中途社員と社員たちはあまりコミュニケーションをとっていないことが分かりました。また、中途社員が定時で帰宅している点や、業務への消極的な態度について不満を持っている社員もいました。この時期は互いへの無関心及び水面下の不満を持ち、さらに社員同士に心理的な距離があることから「形成期から混乱期」といってよいでしょう。

12月半ばからの主力商品リニューアル業務において、全課員がリニューアルに関する業務を分担して進めていくことになりました。部長からこのリニューアルの目的や会社の方針、課員に対して期待していること、誰がどのようにリニューアルを進めていくのかという説明を行う機会を設けました。この機会が、混乱期にあった社員への良い刺激となったようです。

さらに係長からの提案で「決起集会」を行うことになり、全部員をあつめてバーベキューをした後、腹ごなしに近所の公園でバトミントンをしました。中途社員と社員Bは運動が苦手ということもあり、意気投合している様子です。中途社員と社員Cには共に5歳になる子供がいることが分かりました。

決起集会後「部の雰囲気が良くなった」という意見があったため、定期的に部員全員で飲み会などのイベントを行うことにしました。

イベントを行い始めてから、互いの業務進捗を気にするなどの変化が出てきました。また、週次ミーティングでは「このフォーマットを利用してはどうか」などと、業務改善に関する提案も出るようになりました。

翌年の2月になると部員たちが自主的に、リニューアルに関する話し合いを行うようになりました。この時期はメンバーの協力的な行動から「機能期に差し掛かかりつつある統一期」といえるでしょう。

リニューアルを無事に終えて通常業務に戻った部員たちですが、現在も良好な協力関係が続いています。社員Cが育休産休取得をした際や時短業務となった際も、業務サポートについて話し合い、業務分担をしました。社員Cも皆のサポートに感謝しており、早く通常業務に戻りたいといっています。

混乱期に「言い争い」という状態でなく、社会人によくある「互いへの無関心」という形で突入した企業のチームビルティング例です。

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チームビルディングの方法

タックマンモデルが実際にどのように利用されたのか、どの様に当てはまるのか、実例を通すとわかりやすいですよね。3つの実例に共通する重要な点は「混乱期をどう乗り越えたか」ということです。実例1では混乱期に岡田監督が「本気でベスト4を目指したい」「ベスト4を本気で目指す人とサッカーがしたい」と訴え続けています。監督からのこの訴えが、選手たちを本気にさせ、1つのチームとして混乱期を乗り越えさせたといっても過言ではありません。

このように、混乱期を乗り越えられるように手綱を取るというのがリーダーの役割です。

混乱期の乗り越え方

混乱期を乗り越えるためには不満を内に溜めさせないことが重要です。表立っては平和に見えるチームでも、仲良しグループで行く飲み会で不満を並べているのはいただけません。仕事への考え方、価値観、個人の事情などを意識的にぶつける場を持つことで、効果的に混乱期を作り出す必要があります。

そのための素地として、互いの仕事や人間性を理解しあえるよう、形成期から飲み会や食事会の実施や、研修プログラムを受講するのが効果的です。研修プログラムは目指す形によって様々で、チームとして売上アップを目指している場合にはチーム戦のゲームを実施、メンバーの相互理解を深めたい場合には一緒にスポーツをするといったものです。上司と部下の関係が希薄な場合には、面談を行ったりして互いをよく知る機会を設けます。[6]

リーダーはチームが混乱期に突入したと思ったら、「私はこうしたい」「私はこう思う」という形でメンバーに自らの意見を共有するように導きます。「あなたはこうするといい」という形の提案ではなく、主語を「私」にすることにより、他者批判につながりづらくなります。他者批判を避けて意見交換をすることは混乱期に有効な手段であるといえます。[7]

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まとめ タンクマンモデルで強いチームビルディングをしよう!

チームビルディングを行うには「混乱期を乗り越えること」は必須であり、その時期のリーダーの役割も重要になってきます。

タックマンモデルは部署をまとめるリーダーや管理職にとって、自らのチームがどの段階にあるかを判断する指標になります。

タックマンモデルは、自らのチームを強くするために積極的に学びたいチームビルディングの一つです。

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