「中途採用を検討しているけど、リスクが怖くて募集に踏み切れない」と悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。
特に初めて中途採用をする際は、リスクを懸念しがちです。
この記事では、中途採用のリスクの一例と回避方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
本記事を最後まで読むことで、リスクを恐れない中途採用を実現できるでしょう。
▼識学マネジメントTips「良い採用、悪い採用のたった3つの違いとは?」
目次
中途採用には4つのリスクが潜んでいる
中途採用のリスクは、以下の4つです。
ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
- 採用後すぐに退職する可能性がある
- 従業員の高齢化が加速する可能性がある
- 既存社員との関係が構築できない可能性がある
- 会社の文化形成が崩される可能性がある
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採用後すぐに退職する可能性がある
中途採用者は「新卒入社で長年勤めて終身雇用を希望している」人とは違い、自分のやりたいことや求める条件に一致する場所を探していることが多い傾向にあります。
そのため、採用後にすぐ退職してしまう可能性があるのです。
例えば、採用してすぐにミスマッチを感じて、以下の理由で早々に退職する可能性を秘めています。
- 勤務条件や社風が聞いていたイメージと違った
- 同僚との人間関係が合わない
上記の理由から早期退職されてしまうと、企業側は採用に掛けたコストが無駄になるだけでなく、欠員がでて仕事が回らなくなることもあり得ます。
従業員の高齢化が加速する可能性がある
多くの中途採用者を採用すると平均年齢が高くなり、社内の高齢化が加速する可能性があります。
新卒採用の若手より中途採用の中堅以上が増えることで、若手の居心地が悪くなったり、若手が就くはずだったポストが少なくなったりします。
そのため、若年層のモチベーション低下や離職につながるのです。
即戦力を増員して会社の成長を促すことも重要ですが、若手がのびのびと働ける環境を守ることも大切です。
既存社員との関係が構築できない可能性がある
新しく採用された人は、既存社員との関係構築ができない可能性があります。
中途採用者は知り合いがいない環境にもかかわらず、即戦力として期待されている存在であることが理由です。
期待に応えようと業務にまい進する姿が、既存社員からいぶかしく感じられてしまう可能性もあります。
また、自分のやり方や考えで進めたことが原因で周囲と揉めたり、無理に合わせよう、なじもうとしたりすることがストレスになることもあるでしょう。
社員同士が関係を築けない状況が続くと、中途採用者だけでなく、既存社員の退職にもつながります。
関係を築けるよう、社員交流会や、こまめにヒアリングを実施するなど、適切なケアを心がけるようにしましょう。
関連記事:人間関係もマネジメント職の重要課題!問題の原因と解決法を伝授
会社の文化形成が崩される可能性がある
社員の入れ替わりや中途採用による増員が続くと、多くの新たな文化が持ち込まれることになり、形成してきた企業文化を崩されてしまいかねません。
新卒社員が相手であればイチから会社の文化を浸透させられたとしても、中途採用者はすでに自分の中に根付いている考え・価値観があるため、文化や風土を受け入れるのが難しい場合もあるでしょう。
文化形成がうまくできずにまとまりがない集団になってしまうと、退職、人材の入れ替わりを加速させてしまいます。
「会社」は「人」という個によって構成されており、「人」をおろそかにしていては「会社」の成長はありません。
まずは自社でしっかりと企業文化を形成させて、バランスよく中途採用者を採用していくことで、無理なく自分の会社「らしさ」を作れるでしょう。
悪いことばかりではない?中途採用の魅力とは
このようなリスクがあるものの、中途採用は悪いことばかりではなく、素晴らしい魅力があります。
中途採用の魅力は、以下のとおりです。
- 即戦力の獲得
- 新しいノウハウの獲得
- 狙ったスキルの獲得
即戦力の獲得
中途採用の魅力とメリットは、採用した人材が即戦力になることです。
なぜなら、すでにスキルを保有していて、スムーズに業務に参画してくれるためです。
新規プロジェクトの立ち上げや人員補充など、ひとりでスムーズに仕事を回せる人材を必要とする場面は少なくありません。
そのため、即戦力となる人材を確保できるというのは非常に大きな魅力です。
新しいノウハウの獲得
中途採用者を加えることで、本来では知ることができなかった他社のノウハウを新たに獲得できます。
新しい風を送り込むことで企業の新陳代謝も活発化し、古い考えで凝り固まった状態から、活気のある会社へと舵を切れるでしょう。
閉ざされた社内で試行錯誤を繰り返しているだけでは光明が見えず、伸び悩んでいた社員や会社もあるでしょう。
それらを新しいノウハウで成長させられるのが中途採用のメリットです。
狙ったスキルの獲得
中途採用の場合は、希望するスキルを狙い撃ちで募集できます。
これから育てていくことを前提とした新卒採用とは異なり、明確なポストを想定して募集するのが特徴です。
企業側は求めるスキルや人材像を具体的にイメージして採用活動することで、ミスマッチを減らせます。
転職サイトでは、登録者のプロフィールからスキルや経験を確認し、求めている人材像とマッチした人を探せます。
そのため、気になる人材をピンポイントでスカウトできるのです。
関連記事:すごい経歴の中途採用者に活躍してもらえる人材採用とは
中途採用におけるリスクを軽減するには
これらの中途採用におけるメリットを享受する際には、中途採用におけるリスクを軽減することも重要です。
考えるべきポイントは、以下の2つです。
- 人の意見を取り入れられる柔軟性があるか
- 自社の風土になじめる人間性か
関連記事:中途採用の目的と失敗しないために必要なポイントを紹介
人の意見を取り入れられる柔軟性があるか
中途採用におけるリスクを軽減させるには、採用する人材に「人の意見を取り入れられる柔軟性」があるか、見極める必要があります。
いくらスキルが高くても自分なりのやり方や考え方に固執しすぎて、人の意見を聞き入れられない人も少なからず存在します。
そういった人材は、採用しても既存の社員と衝突したり、業務の進め方においてもトラブルの原因になる可能性があります。
面接時には、前職を辞めた経緯や新たな環境になじんでいく自分なりの方法などを聞きながら、どのような判断や行動をするのか、しっかりと見極めることが重要です。
例えば、面接時に「前職でも我を通しすぎて社員と衝突したなどの理由で、自ら退職している」などの退職理由が出てきたら、リスクのもととなる人材だと言えるでしょう。
人の意見を取り入れられるかは、周囲にも影響をもたらすため、採用における重要なポイントです。
自社の風土になじめる人間性か
会社が喉から手が出るほど求めているスキルを持った中途採用希望者でも、人間性や考え方が自社の風土になじめるかをしっかりと見極めるようにしましょう。
自社の風土になじめない人は、スキルを持っているにもかかわらず、生かせない可能性があるためです。
持っているスキルを使いこなせなければ混乱したり、ストレスがたまったりすることで、退職するおそれがあります。
面接の際には、自社の風土になじめる人なのかを見極めるため、業務以外の部分、求職者の価値観を深掘りするなども必要です。
どういった答えが返ってくるかだけではなく、話し方や受け答えの雰囲気などからもさまざまなことがわかるでしょう。
全体を俯瞰しながら人となりを多角的に観察することで、ミスマッチを減らせるでしょう。
まとめ
中途採用のリスクは、入社前とのイメージの違いや、既存社員との関係が構築できないなどの理由で、採用後にすぐ退職してしまうというリスク、その他、今まで積み上げた文化形成を崩されるなどのリスクを抱えています。
少しでもリスクを軽減するために、採用時にしっかりと、人の意見を取り入れられる柔軟性や自社の風土になじめる人間性を持ち合わせているか、見極めるようにしましょう。
適切に対処することでリスクの多くは回避できます。
中途採用で、企業の成長につながる、適した人材を確保できるでしょう。