皆様の会社では日々の業務を行う中で、部署内での情報共有や部下から上司への報告・連絡・相談が行われていることと思います。
ビジネスの世界では基本中の基本である「報連相」。
しかし、その報連相は、果たして正しく行えているでしょうか。こう聞くと、そもそも正しい報連相とはどのようなもの?と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。
実は、報連相には押さえておくべき鉄則とコツがあります。
そしてこのコツをつかむためには、報連相の必要性を正しく理解する必要があります。
そこで今回は、なぜ報連相が必要なのか、また、正しい方法と鉄則・コツを併せて解説していきます。
「報連相」について、識学上席講師の大熊憲二が解説!YouTubeにて是非ご覧ください
目次
報連相とは
報連相とは、30年以上前に誕生したビジネス用語で「報告・連絡・相談」の頭文字を取った用語です。
それぞれの意味を確認していきましょう。
- 報告:仕事の進捗状況や、業務における結果や成果などを先輩社員へ伝えること
- 連絡:業務に関連する情報や、自分のスケジュールなどを先輩社員へ伝えること
- 相談:業務において質問や不明点、トラブルや課題などが発生したときに、先輩社員からアドバイスを聞いたり、意見を求めること
報連相は、社内やチーム内の情報を共有し、上下や横のつながりを強化することが目的です。
報連相の必要性
会社には組織が出来上がっているため、上の役職から、部長、課長、係長、一般社員というように上下関係が成り立ちます。
例えば、社長や役職のある方々は、現場で働く社員や中間管理職より高い位置にいることになります。
つまり、より遠くを見ながら判断する必要があります。
この判断は非常に重要で、場合によっては会社が傾いてしまう可能性があるほど重要な役割です。
一方で、より遠くを見ることを注視していることで、逆に現場の社員がどのような仕事をしているのか、といった現場で働く社員がしている業務、つまり手前にある状況の詳細は見えてこなくなります。
手前にある情報が見えなくなると、部下が実際にしている業務の情報が正しく入手できなくなるため、遠くを見て判断する上司は采配を間違えてしまう恐れがあります。
例えば、あなたが飲食店を経営する経営者だと仮定して、自分の経営する飲食店で実際に働いている社員がどのような業務をしているか、現状はどのようであるかが見えない場合、食材は足りているのか、人員配置は正しいか、不足していないかなどの判断が正しく行えなくなります。
このことから、現場で起こっている正しい事実情報が部下からきちんと報連相できていないと、上司が正しく判断、指示することが出来なくなるため、正しい報連相が必要なのです。
報連相のメリット
報連相を行うことで以下のようなメリットがあります。
- 業務の効率化
- ミスの低減
- コミュニケーションコストの増加
業務の効率化
指示を受ける部下が適切なタイミングで報連相を行うと、上司は必要な情報を把握しやすくになり、業務をスムーズに進められるようになります。
例えば、進捗や状況の把握が楽になり、次に自分がすべき行動を準備しておくことができたり、上司であればサポートに入るという意思決定をしたりすることができます。
また、業務が円滑に進むと生産性の向上も期待できます。
報連相を徹底して行うことで、上司は部下の進捗を確認しにいく時間を省くことができ、社員の自律性や主体性を損なうようなコミュニケーションを取らずに済みます。
ミスの低減
報連相をしておけば、ミスが起こりかけていることに周囲のメンバーが気づきやすくなります。
そのため未然に防ぐことが可能になり、ミスの低減につながります。
コミュニケーションの増加
報連相では社員間で話すことが多いため、コミュニケーションを増やすチャンスと言えるでしょう。
コミュニケーションが増えれば、社員同士の距離感が縮まり、会社に馴染みやすくなり、仕事もよりスムーズに進められるようになるはずです。
また、特に相談を丁寧に行うことは、互いの意見を交え、双方が納得する意思決定を行うことになります。コミュニケーションが増えることで人間関係も良好になるでしょう。
あくまでも仲良しの組織になるという話ではなく、相手の大事にしていることや思考性が掴めるので、尊重のあるコミュニケーションを取れるようになっていきます。
正しく報連相をするためのコツ
では、報連相が必要な理由を抑えたところで、正しく報連相するためのコツについて紹介します。
正しい報連相を実行できるようにするためには、上司側、部下側の両方が正しい報連相のコツを知る必要があります。
部下側
部下が上司へ報連相を行う際の鉄則は、事実情報を正しく伝えることです。
個人的な見解や、主観は必要なく、実際に起きた事実を、取りこぼすことなく正確に上司へ伝えることが重要です。
たとえば、ミスをごまかしたり、事実と違った情報をつたえたりすることはしてはいけません。
仮に、内容が良くない報告であったとしても、「これを報連相すると、上司に叱られるのではないか」と思い、ネガティブな事実情報をごまかして伝えてしまう、なんてことは考えてしまう人も多いとは思います。
しかし、この行為は報連相をする上で絶対にしてはいけない行為です。
なぜなら、事実とは違う情報を報連相すると、上司はその違った情報を下に指示をするため、さらに事態が悪化しかねないからです。よって、このような事態を避けるためにも、事実情報を正しく報連相することを心がけることが重要です。
上司側
上司が部下からの報連相を受ける際にもコツがあります。
それは、部下からネガティブな情報を得たときこそ冷静に受け取ることです。
一般的に、良い情報やポジティブな情報は割と簡単に上司へと情報が渡りやすいですが、対して、言いにくい情報、ネガティブな情報は上司へと渡りづらい傾向にあります。
また、ネガティブな情報を上司へ報連相した時、なぜできないのだと責めるような問いをしてしまうと、「ネガティブな情報を伝えると叱られる」という考えになってしまいます。
よって、結果的にネガティブな情報を報連相しづらくなり、事実情報とは違った内容を伝えられてしまうようになったり、そもそも情報が上がってこないという状態になってしま可能性もあります。
そのため、部下からの報連相を受ける際、特にネガティブな情報に対しては感情的にならず、冷静に現状把握をするよう心掛けましょう。
さらに質の高い報連相をするために重要なこと
ここまでは、正しい報連相をするための鉄則について解説しました。
では、さらに質の高い報連相をして、円滑で正確な指示・行動をするためには、どんな方法があるのでしょうか。
- 結論を先に述べる
- 関係者全員へ報連相する意識を持つ
結論を先に述べる
その結果に至るまでの経緯があったとしても、報連相を受ける上司は、結果どうなったのかを知りたいはずです。
そのため、結論から述べ、その後に特記事項としてできるだけ簡潔に経緯や補足をすることで、上司が部下へ円滑で迅速な指示を出すことが出来るようになります。
関係者全員へ報連相する意識を持つ
関係者全員への報連相をしない場合、情報を得た人、得ていない人が混在し、指示をする上司が混乱してしまう恐れがあります。
関係者全員へ報連相をすることで、何度も報連相をする手間が省けるとともに、チームが円滑に状況把握できるようになります。
まとめ
今回は、報連相が必要な理由と、円滑かつ正確な判断・指示をするために必要な鉄則について解説しました。
報連相は、思っているより重要な業務であり、どんな方法でも良いから相手に伝えれば完了というわけではありません。事実情報を正しく、簡潔に伝えることが出来れば、上司から正確な判断、迅速な指示を受けることが出来ます。
今回解説した鉄則は、今から心がけることが出来ます。
皆様の報連相の方法について一度振り返り、改善点や課題を解決するための参考にしてみてください。
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>>本記事は株式会社P-UP neo様からの寄稿記事です。