業績を伸ばすためにはチームワークが必要なのは誰しもがわかっているでしょう。
しかし、チームワークは数字で可視化できるものではないため、どのように向上させればいいかわからないという意見をよく耳にします。
そこで本記事では、マネジメントにおけるチームワークや、部下をどのように管理すればいいのかを解説していきます。
目次
マネジメントに必要なチームワークとは?
現在、マネジメントにおけるチームワークの重要性が高まっていますが、そもそもチームワークとは具体的にどういったものを指すのでしょうか?
チームワークの意味を一言で解説するのであれば、「各メンバーが同じ目標に向けて行動すること」となるでしょう。
これは簡単なようで難しいことだといえます。
なぜなら、従業員はみんなそれぞれ働き方や価値観が異なっているからです。
多様な個性を持ったチームメンバーを一つの方向に導くのは簡単ではありません。
しかし、チームメンバー全員がチームのために合理的に行動することができれば、マネジメントの成功率は高まり、結果的にビジネスが成功するようになるでしょう。
識学的見解:リーダーがやるべき仕事とは?
この記事では一般論をまとめています。
そのため、弊社「識学」では必要としていない「モチベーション」や「部下の士気」を高める方法を紹介しています。
しかし、読者の方の中には、そもそも社員にモチベーションがなくても、仕事をしてもらうのが当たり前だと考えている方はいませんか?
弊社でも同様、社員にモチベーションは必要ないと考えています。
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チームワークをマネジメントに活かすメリット
チームワークをマネジメントに活かすメリットは以下の4つです。
- 生産性の向上
- モチベーションの向上
- サポート関係の構築
- 問題解決能力の向上
それぞれ詳しく解説していきます。
生産性の向上
チームワークをマネジメントに活用することで、チームの生産性を向上させることができます。
これは、各メンバーが同じ方向性を持って業務に取り組むので、ズレが生じにくくなるからです。
また、チームワークが活性化するとチーム内のやり取りもスムーズになるため、効率的に業務を進められます。
結果的にパフォーマンスを最大化させることに繋がるのです。
関連記事:生産性向上の本質とは?メリットや施策、注意するべきポイントを解説
モチベーションの向上
チームワークをマネジメントに活かすと、各メンバーのモチベーションが向上します。
チームワークが活性化されることで、メンバー同士の結びつきが強くなるからです。
また、チーム全体の一体感が生まれるので、目標達成へのモチベーションも強まります。
そしてモチベーションが向上すれば、各メンバーの意欲も高まり、結果的に生産性も向上するでしょう。
サポート関係の構築
チームワークをマネジメントに活かすことで、互いのサポート関係を構築できます。
生産性向上や離職率の低下が見込めるでしょう。
例えば部下Aの仕事が順調で部下Bの仕事が芳しくない時、サポート関係が構築できていれば部下Aが部下Bの仕事のヘルプに入る、ということができるようになるのです。
信頼関係が構築できれば、お互いのことをよく理解するようになります。
そして結果的にチーム全体の効率化が進んでいくでしょう。またこれは、生産性向上や離職率の低下も期待できます。
問題解決能力の向上
チームワークをマネジメントに活かすことで、問題解決能力が向上します。
メンバー間のやり取りが円滑になるため、課題解決に割ける時間が増えるからです。
また、方向性が一致しているため意思決定に迷いが生じず、チームメンバーに対して疑問を持つこともないので、自分の作業に集中できるようになります。
各々が最大限の力を発揮できるようになるので、それぞれが課題を解決していけるのはもちろん、チーム全体での解決能力も高まるのです。
関連記事:ロジカルシンキングによる問題解決方法とは?論理的思考のための4つのプロセスを徹底解説!
チームワークが悪い時のデメリット
チームワークが悪い時のデメリットは以下の5つです。
- 生産性の低下
- ぶら下がり社員の登場
- モチベーションの低下
- 責任のなすりつけあい
- 意見の衝突が発生
それぞれ解説していきます。
生産性の低下
チームワークが悪い時は生産性が低下します。
メンバー間のやり取りがスムーズに進まず、業務に支障が出るためです。
例えば、チームワークが悪い状態では、部下が情報共有しなくなったり、仕事のヘルプに入らなかったりすることがあります。
また、メンバーが個人で勝手に判断して、チームのための行動をしなくなる可能性も出てくるでしょう。
ぶら下がり社員の登場
チームワークが悪い時は、「ぶら下がり社員」が登場することがあります。
「ぶら下がり社員」とは、モチベーションやコミットが弱く、与えられた仕事をこなすだけの社員のことです。
チームのことを考えずに、自分がどれだけ楽できるかを考えるので、チームの業務に大きな悪影響を及ぼすことになるでしょう。
このような場合、ぶら下がり社員に対しても役割をしっかり与えることが大事だといえます。
モチベーションの低下
チームワークが悪い時は各メンバーのモチベーションが低下します。
チームに対するコミットが弱まり、メンバーと協力する必要性が薄れてくるためです。
そしてモチベーションが低下すると、結果につながらないのはもちろん、職場の雰囲気が悪くなったり離職率が高まったりと良いことがありません。悪循環が発生してしまいます。
責任のなすりつけあい
チームワークが悪い時は、責任のなすりつけあいが頻繁に発生するようになります。
各メンバーが自分本位になるため、責任を自分以外の誰かに転嫁させたいと考えるようになるのです。
責任のなすりつけあいが発生してしまえば人間関係が悪化し、チームの雰囲気は非常に悪くなります。
ギスギスした雰囲気で、まともな仕事はできません。
関連記事:人間関係もマネジメント職の重要課題!問題の原因と解決法を伝授
意見の衝突が発生
チームワークが悪い時は、責任転嫁だけでなく、意見の衝突が発生します。
各メンバーの目標に対する認識が一致していないためです。
各メンバーが「自分の意見やアイデアは正しい」と考えているため、目標設定を改善しない限りはいつまでたっても解決することはないでしょう。
チームワークを向上させるためのマネジメント手法
チームワークを向上させるためのマネジメント手法として、チームマネジメントが挙げられます。
これはその名の通り、チームリーダーやマネージャーがメンバーを適切に管理・指示するマネジメントのことです。
各メンバーの生産性を向上させるだけでなく、チーム全体の生産性を向上させることが目標となります。
関連記事:生産性と結果につながる「チームマネジメント」とは?実践方法も解説
チームマネジメントにおけるリーダーの仕事は?
チームマネジメントにおけるリーダーの仕事は以下の通りです。
- チームの目標設定
- メンバーのタスク設定
- タスクの進捗管理
- メンバー同士の意見交換が活発になる環境構築
それぞれ解説していきます。
チームの目標設定
チームマネジメントにおけるリーダーの仕事として、チームの目標設定が挙げられます。
ここで目標を明確化することができれば、各メンバーの方向性や目的が一致し、自然とチームワークが向上するようになるでしょう。
逆に曖昧な目標を設定してしまうと、メンバーの方向性が食い違い、意見の衝突が生まれるようになってしまいます。
メンバーのタスク設定
各メンバーのタスク設定も、チームマネジメントにおけるリーダーの仕事の一つです。
目標設定をした後に、その目標を達成するためのタスクを各メンバーに設定する必要があります。
また、その際に各メンバーに振り分けたタスクをチーム全体に共有することも重要です。
こうすることで、各メンバーがチーム全体の動きを把握できるようになるでしょう。
関連記事:マネージャーなら絶対身につけておくべき「タスクマネジメント」とは?
タスクの進捗管理
チーム全体のタスクの進捗管理も、チームマネジメントにおけるリーダーの仕事です。
プロジェクトにおけるタスクの進捗状況をその都度確認することで、目標達成からズレてきていないかを確認することができます。
また、メンバーの進捗具合が芳しくない時は、余裕があるメンバーにヘルプを依頼することも可能です。
メンバー同士の意見交換が活発になる環境構築
メンバー同士の意見交換が活発になる環境構築も、リーダーの仕事の一つです。
せっかくチームを組んでいるのですから、メンバー同士でお互いの意見を交換できるような仕組み・環境づくりをし、相乗効果を生み出すべきです。
そのためには、発言が活発になるオープンな環境を構築することが効果的でしょう。
そのためには積極的にコミュニケーションを取ったり、調子が悪いメンバーとの1on1での相談の場を設けて悩みを聞いたりするなど、リーダーから改革を実践する必要があります。
目標を達成するためにチームワークで求められる要素とは
目標を達成するためにチームワークで必要な要素は以下の5つです。
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ能力
- チーム志向能力
- バックアップ能力
- モニタリング能力
それぞれ解説していきます。
コミュニケーション能力
チームワークにおいて最も重要なスキルがコミュニケーション能力です。
コミュニケーションが上手くいかなければ、チームメンバー同士でスムーズに意見交換することができません。
特にチームリーダーは各メンバー全員とやり取りする必要があるため、優れたコミュニケーション能力が必要になるでしょう。
リーダーシップ能力
チームワークを向上させるためにはリーダーシップ能力が求められます。
これは、チームを引っ張るような存在が必ず必要だからです。リーダーシップ能力は、チームリーダーだけでなく各メンバーにも求められる能力だといえます。
業務全体のリーダーはチームリーダーかもしれませんが、雰囲気作りや業務遂行においては各メンバーが引っ張っていかなければならない局面もあるものです。
誰かに任せるのではなく、ひとりひとりが自分でチームを引っ張っていく、という気概が求められます。
チーム志向能力
チームの目標を達成するためにはチーム志向能力が求められます。
チーム志向能力とは、どれだけチームにコミットできるかの能力のことです。
チーム志向能力が高ければ、チームのための合理的な行動を選択できるようになります。
この際、自分の個性や得意なことを殺す必要はありません。
自主性を保ちながらチームのために行動できる、チーム志向能力の高い人材が求められています。
バックアップ能力
チームで行動する以上、バックアップ能力も求められるでしょう。
複数人で行動するので、どこかしらの局面で仕事が上手く進まないメンバーが出てくるはずです。
その際にどれだけバックアップしてあげられるかが、チーム全体の業務効率に繋がってきます。
自分の仕事はもちろんのこと、他メンバーの仕事にも気をかけられるようにしましょう。
モニタリング能力
目標を達成するためにチームワークで求められることとして、モニタリング能力も挙げられます。
各メンバーの仕事の進捗具合やコンディションをモニタリングすることで、適切なタイミングでヘルプに入ることができます。
また、チーム全体をモニタリングできれば、「自分がやっている仕事が合理的なのか」の判断も可能となるでしょう。
チームワーク強化のマネジメント事例
Fringe81の事例
SaaS企業であるFringe81は、賞賛と評価を可視化する取り組みを行っています。
これにより、目に見える成果を挙げている従業員だけでなく、目で見ることができない良い仕事をする従業員を評価できるようになりました。
例えば、メンバーのコンディションを陰で支えていた従業員が評価されるようになったのです。
また、各従業員で報酬を与え合うピアボーナス制度も導入しています。
これにより、各従業員は他の従業員を自然とモニタリングするようになりました。
この取り組みによりFringe81はエンジニアの離職率がゼロになり、東証マザーズへの上場を果たしています。
日本オラクルの事例
ソフトウェア開発企業であるオラクルの日本支部である日本オラクルは、中途社員を組織に定着させるために、受け入れプロセスを体系化させました。
具体的には、中途社員に対してナビゲーターとサクセスマネージャーを設けたのです。
ナビゲーターは現場の先輩社員が担当し、経費精算などの企業独自の習慣が根付いている細かい業務のサポートをします。
そしてサクセスマネージャーは中途社員全員と高頻度でミーティングを繰り返し、上手くいっている部分とそうでない部分を全体にフィードバックするのです。
一般的に即戦力として扱われる中途社員ですが、その分、組織からすぐ離れてしまうことが多いのがネックとなりがちです。
日本オラクルのように中途社員の組織定着を促す施策は、現代の変化の激しい社会で求められる大切な要素だといえます。
株式会社JAMの事例
組織コンサル事業を手がける株式会社JAMは、現場に最も近いファーストラインマネージャーの強化が、強い組織を作るために必要なことだとしています。
特に若手メンバーのチャレンジを後押しできる姿勢が、マネージャーに求められる要素だとしているようです。
また、頭が切れすぎる部下に対しては、組織の明確な軸を提供する必要があるとしています。
数多くの企業の管理職育成を手掛けている企業なので、説得力があります。
マネジメントにおけるチームワークのよくある質問
ここでは、マネジメントにおけるチームワークのよくある質問に解答していきます。
チーム目標の具体例を教えてください
チーム目標の具体例としては以下が挙げられます。
- 1年以内にチームで商品Aを1万個売る
- 10月末までにサービスをローンチする
- 1年後にPVを200%アップさせる
マネジメントを成功させるには、チーム目標を具体的に設定することがポイントです。
特に、「期限」と「数字」は必ず設けるようにすべきでしょう。この2つを設けることができれば、中間目標も設定しやすくなります。
また、あまりにも高すぎる目標を設定しないようにしましょう。
現在の能力が100%だとするなら、120%ほどの能力で達成できると考えられる目標を設定すべきです。
チーム外のメンバーとも会話すべき?
はい、チーム外のメンバーとも会話すべきです。
結局のところ、チームは組織の中に組み込まれている要素の一つなので、組織全体の目標達成のためにチームが存在しています。
そのため、組織全体の目標達成のために、各チームで連携する局面が必ず出てくるはずです。
また、自分が所属するチームの業務進行が芳しくない時は、他チームにヘルプを求める必要がでてくることもあるでしょう。
そのためにも、チーム外のメンバーとも積極的にコミュニケーションを取り、もしもの時に備えることをおすすめします。
まとめ
マネージャーにとって、チームワーク向上のための施策は必要不可欠な要素です。
チームワークが上手くいけば、全てが上手くいく好循環が期待できます。
可視化しやすい業務遂行やタスク管理だけでなく、オープンな環境づくりに取り組むべきでしょう。