2020/12/16

従業員エンゲージメントとは?メリットや従業員エンゲージメントを高める方法を解説

従業員エンゲージメントと言うワードをご存知ですか?現在、様々な企業で従業員エンゲージメント向上についての取り組みが行われています。

今回の記事では「従業員エンゲージメントとはどういうものなのか」を解説していきます。従業員エンゲージメントを高めることによって得られるメリットや、実際に取り組みを行った企業の事例についても併せて紹介します。

 

従業員エンゲージメントとは

 

まずは従業員エンゲージメントについて見ていきます。従業員エンゲージメントの基本的な部分について解説した後、間違われやすい用語や「日本の従業員エンゲージメントが世界最低水準である理由」などを紹介します。

 

従業員エンゲージメントとは

まずは従業員エンゲージメントの定義から見ていきましょう。従業員エンゲージメントとは、従業員が企業の理念をしっかりと理解し、意欲を持って働いているかどうかを表す指標です。もう少し単純化して言えば「会社に対する愛着」を示す概念です。従業員エンゲージメントが高ければ高いほど、企業と従業員の信頼関係が強固なものになっています。

従業員エンゲージメントは、3つの重要な構成要素があり、それぞれ「理解度」「共感度」「行動意欲」と呼ばれています。

「理解度」は、従業員が会社のビジョンをしっかりと理解し、それを支持しているかどうかということです。企業にはそれぞれの経営理念があり、そして従業員にもそれぞれの価値観があります。両者が同じ方向を向いていなければ、そもそも信頼関係を築くことができません。従業員が企業のビジョンをしっかりと理解し、同じ方向を目指すことはとても重要です。

次に「共感度」ですが、これは愛社精神や帰属意識といったものになります。従業員が企業の一員として働けることを誇りに思っている状態です。誇りを持って働くことによって、日々の業務の中でも、働きがいや達成感というものが生まれます。共感度を向上させるためには、普段から積極的に従業員とのコミュニケーションをとり、質の高い意見交換をすることが重要です。

最後に見ていくのが「行動意欲」です。従業員が会社のビジョンをしっかりと理解し、それに共感した後に重要になってくるのが、従業員自身の自主性です。「理解度」「共感度」共に高い状態にある従業員は、企業の目標達成のために何が必要かを考え、自主的に行動することができるようになります。もちろんしっかりとした行動をすれば、企業に評価され、さらなるモチベーション向上につながっていきます。モチベーションが上がることによって、より愛社精神や帰属意識が高まり、従業員エンゲージメントが強固なものになっていきます。

 

従業員エンゲージメントと間違われやすい用語

次に従業員エンゲージメントと間違われやすい用語として、従業員満足度、ロイヤリティ、コミットメントについて見ていきます。

「従業員満足度」はその字面通り、従業員が会社に対してどれだけの「満足感」を持っているかを表す指標です。これは確かに混同されやすいのですが、企業に対する「帰属意識」や「愛着」を表す「従業員エンゲージメント」とは微妙に異なる概念です。

「ロイヤリティ」は、会社に対する「忠誠心」や「帰属意識」を表しています。一見しただけではエンゲージメントと同じような意味に見えますが、ロイヤリティはより会社を上位に位置付けており、「主従関係」のニュアンスが強いです。

「コミットメント」は「与えられた責任を果たす」ための意識を表します。「従業員エンゲージメントは社員自らが主体性を持って行動する」のに対して、「コミットメントは会社から従業員に与えられる」という違いがあります。

 

日本の従業員エンゲージメントが世界最低水準である理由

日本は国際的に見て従業員エンゲージメントが低い国です。もちろん各国様々な労働文化を持っており、単純比較することはできませんが、日本の従業員エンゲージメントが世界最低水準である事は歴然たる事実です。
これは日本の雇用慣行が影響しており、「欧米を中心としたジョブ型ではなくメンバーシップ型である」ということが、従業員エンゲージメントに大きく関わっているとされています。

要するに「仕事」を中心にして就職するのではなく、「会社」を見て入社するわけです。中途入社などは初めから業務が決まっていることが多いですが、特に新卒に関して言えば、入社するまではどの部署に配属されるのかもわかりません。

従業員は「ジョブ」を見て就職するのではなく、就職してから「ジョブ」を与えられるのです。こうして「受動的な状態」が作られていくことによって、「従業員エンゲージメントが低く抑えられている」という見方があります。

 

従業員エンゲージメント向上によるメリット

 

それでは次に従業員エンゲージメント向上によるメリットを見ていきましょう。具体的には「従業員のモチベーションが高まる」「離職率が下がる」「同僚や上司への信頼が高まり、社内の雰囲気が良くなる」「サービスレベルの向上、顧客満足度の向上」「業績向上につながる」の5点です。

 

従業員のモチベーションが高まる

何よりも従業員のモチベーションが高まるということが大きなメリットの1つでしょう。従業員エンゲージメントを向上させることによって、従業員と企業の間に「強い信頼関係」を作り出すことができます。この信頼関係こそが企業経営にとってとても重要な要素なのです。

従業員が企業のビジョンを理解し、共感することによって、主体的に行動をするようになります。そしてその行動が企業から評価されることによって、さらにモチベーションが高まっていき、より「愛着」「貴族精神」を抱いていくようになります。

 

離職率が下がる

従業員エンゲージメントが向上することによって、従業員のモチベーションが高く保たれることになり、そしてそれは離職率の低下につながっていきます。従業員と企業の間に信頼関係が生まれている限り、そう簡単に従業員は退職の意思を抱きません。

離職率の低下は、思っているよりも大きな影響を企業にもたらします。離職率が下がることによって、スキルを持った従業員がしっかりと定着し、経営基盤がより強固になっていくのです。

 

同僚や上司への信頼が高まり社内の雰囲気が良くなる

従業員エンゲージメントが向上すると、従業員のモチベーションが高まり離職率が低下することによって、自然と社内の雰囲気が良くなっていきます。「従業員エンゲージメントが高い」ということは、「会社に対する愛着や帰属意識が強い」ということですから、同じような人が集まれば和気藹々とした雰囲気で働くことができます。

自分のことだけを考えるのではなく、お互いに協力し合うという文化が生まれるので、企業全体から見ても大きなメリットとして数えられるでしょう。

 

サービスレベルの向上、顧客満足度の向上

従業員エンゲージメントが向上することによって、従業員は「主体性」「目的意識」を持って働くようになります。要するに「企業にはどのようなビジョンがあって、そのために自分ができることは何か」をしっかりと考えるようになります。

企業全体がそのように取り組んでいけば、当然サービスレベルが向上していくことになります。サービスレベルが改善していけば、顧客満足度も合わせて向上していきます。

 

業績向上につながる

今まで「従業員のモチベーションが高まる」「離職率が下がる」「同僚や上司への信頼が高まり、社内の雰囲気が良くなる」「サービスレベルの向上、顧客満足度の向上」と見ていきました。これらのメリットをしっかりと享受することで、最終的には「業績の向上」につながっていきます。

 

従業員エンゲージメントを高める方法

 

従業員エンゲージメントの重要性について解説していきましたが、それでは従業員エンゲージメントを高めるためにはどうすれば良いのでしょうか?この章では従業員エンゲージメントを高める方法について見ていきます。

具体的には「社内のコミュニケーションを活発化させる」「企業理念や会社のビジョンを明確に共有する」「適材適所の人員の配置」「適切な人事評価、フィードバックを行う」「働きやすい環境の整備」の5点になります。

 

社内のコミュニケーションを活発化させる

まずは社内のコミュニケーションを活発化させましょう。従業員エンゲージメントを高める上で重要になってくるのが、同僚やチームメンバー、そして上司などとの人間関係です。コミュニケーション不全が、会社の愛着の低下を招くことはよく知られています。

まずは業務時間内での交流会やイベントを主催したりして、社内のコミュニケーションを活発にしましょう。様々な人と信頼関係を築いていくことによって、「このチームのために頑張ろう」「この会社のために頑張ろう」という意識を育てることができます。

 

企業理念や会社のビジョンを明確に共有する

従業員エンゲージメントの概要部分でもお話ししましたが、企業理念や会社のビジョンを明確に共有することはとても重要です。企業理念を理解し、共感度を高めていくことによって、従業員エンゲージメントを向上させることができるのです。

会社の理念を外部に向けて発信することはよくあるでしょう。重要なのはその声を内部にも向け、企業が目指すべき方向をしっかりと共有していくことです。

 

適材適所な人員の配置

適材適所な人員の配置を忘れないようにしましょう。日本は欧米を始めとしたジョブ型雇用ではなく、メンバーシップ型雇用なので、誰にどの仕事を割り当てるのかがとても重要になってきます。要するに従業員に対してしっかりと活躍できる環境を作るということです。

的外れな人員配置を行ってしまえば、従業員は自分の力を満足に発揮することができず、活躍の場を求めて別の会社に転職してしまうかもしれません。適材適所な人員の配置は、従業員エンゲージメントにしっかりと直結することを忘れないようにしましょう。

 

適切な人事評価、フィードバックを行う

従業員エンゲージメントを高めていくために、適切な人事評価やフィードバックを行いましょう。従業員は「自分はしっかりと会社に評価されている」と感じることによって、さらにモチベーションを保って仕事をすることができます。

そのためにも会社として人事評価の仕組みをしっかりと整えておきましょう。「人によって評価の軸が違う」というようなことが起こってしまうと、従業員に不信感が募ってしまい、結果的に従業員エンゲージメントが低下していくことになります。

 

働きやすい環境の整備

それから最後に基本的なことですが、働きやすい環境の整備を忘れないようにしましょう。いくら企業理念がしっかりとしていたとしても、従業員に長時間労働を強いるような会社は、従業員エンゲージメントを高く保つことができません。

会社全体で働きやすい環境の整備をし、従業員がしっかりと仕事に打ち込めるようにしましょう。

 

従業員エンゲージメントの取り組み事例

 

それでは最後に、従業員エンゲージメント向上に取り組んだ企業の事例を簡単に見ていきましょう。今回取り上げるのは、小松製作所とスターバックスコーヒージャパンです。

 

小松製作所

小松製作所は、従業員エンゲージメントを37%向上させた企業として知られています。小松製作所はまず、「安全安心で、能力を最大限に発揮できる職場」を提供するための仕組みづくりに取り組みました。

具体的には直属の上司にスポットを当て、イノベーティブなチーム作りをするための研修とワークショップを行いました。この「上司」にスポットライトを当てたというところに、小松製作所の独自性があり、従業員エンゲージメント向上につながっています。

 

スターバックスコーヒージャパン

また高い従業員エンゲージメントを達成しているということで有名なのが、あのスターバックスです。スターバックスコーヒージャパンでは、従業員の8割ほどがアルバイトだと言われています。働く理由も、価値観も様々です。

スターバックスの取り組みとして有名なのが、接客マニュアルを作らないということです。マニュアルを作るのではなく従業員の「内発的動機づけ」に注目し、若い個性をどんどん発揮させています。その結果、一人ひとりが自発的にホスピタリティ溢れる接客を行っているのです。

 

自主性を発揮できる環境を整えよう

 

ここまで従業員エンゲージメントについて幅広く解説してきました。従業員エンゲージメントを高めることによって、従業員のモチベーションが高まったり、離職率が下がったり、良い業績向上につながったりなど、様々なメリットを享受することができます。

そのためにはまず、従業員が自主性を発揮できるような環境作りが重要になってきます。様々な企業の取り組みなどを参考にしつつ、従業員エンゲージメントを向上させる方法を考えていきましょう。

参照
組織作りベース「従業員エンゲージメントとは?取り組み事例から見る向上させるためのコツ!」
https://www.hito-link.jp/media/column/engagement
BIZHINT「従業員エンゲージメント」
https://bizhint.jp/keyword/72208
HR NOTE「従業員エンゲージメントの向上に必要な10の項目とは」
https://hrnote.jp/contents/contents-1266/

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