社内インセンティブ制度とは?導入のメリット・デメリット・導入事例を徹底解説

経営者

社内インセンティブ制度って本当に必要?
実は、諸刃の剣でもあるのです。本記事で詳しく解説しますね。

専門家

社内インセンティブという言葉を聞いたことがあるでしょうか?社内インセンティブとは、社員のモチベーションを上げるための手法のひとつです。

  • 社員のモチベーションが低い
  • インセンティブ制度を導入したが形骸化している
  • 若手をより成長させたい

上記のお悩みをお抱えの際は、社員の動機付けとなる「社内インセンティブ」の導入を検討してもよいかもしれません。

適切な社内インセンティブを設定するために、本記事では社内インセンティブの種類、メリット、導入時の注意点をわかりやすく解説します。

今後、社内インセンティブの導入を検討している方にはおすすめの記事となっていますので、ぜひご一読ください。

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社内インセンティブとは?

社内インセンティブは、社員のモチベーションを上げるために活用される制度です。企業が成長するためには社内で優秀な人材を確保し、人材の流出を防ぐ必要があります。

仮に優秀な人材が流出してしまえば、企業の原動力が失われ、思ったように成長できなくなってしまうリスクがあります。

こうしたリスクを回避するために社内インセンティブが導入されています。

「インセンティブ」と聞くと、役職者が査定をし現金で給与やボーナス支給するものを想像しがちです。

しかし、社内で使える独自のポイントや、成果級を従業員同士で送り合う制度など、現在ではさまざまな形の社内インセンティブが存在しています。

自社に合う社内インセンティブを理解するためにも、まずは社内インセンティブ制度の種類を確認しましょう。

専門家

社内インセンティブの種類

インセンティブには「動機付け」という意味があります。

このため、動機付けやモチベーションの向上に繋がる制度はインセンティブに含まれます。

社内インセンティブが以下の5つに分けられます。

物的インセンティブ「お金」や「もの」などの形が存在するもの
評価的インセンティブ人前での称賛
人的インセンティブ職場の人間関係
理念的インセンティブ企業理念への共感
自己実現的インセンティブ夢の実現

物的インセンティブ

物的インセンティブとは、給与、ボーナスなどに成果が反映されるインセンティブの中で最も想像しやすい制度のことです。

上記の他に、テーマパークのチケットや商品券などの物品も物的インセンティブに含まれます。

評価的インセンティブ

評価的インセンティブとは、人に称賛されたり、他の社員の前で表彰される制度などが挙げれます。

人事評価で適切な評価がなされれば、物品がなくとも「会社に認められている」という認識から、社員のモチベーションに繋がることがあります。

人的インセンティブ

職場の人との人間関係が豊かな場合、人的インセンティブが発生しやすいと言われています。

人に貢献しようという意欲が湧き上がり、結果として会社の業績に貢献するのが人的インセンティブです。

理念的インセンティブ

理念的インセンティブは、会社の理念に共感した際に発生する動機付けのことです。

経営者の掲げるビジョンに一致している際には、理念的インセンティブが発生し、使命感を持って仕事に取り組むことができます。

自己実現的インセンティブ

自己実現的インセンティブとは、自身の使命感や自身の理想の姿が原動力となり、仕事の動機付けに繋がることを指します。権限を一部部下に譲渡することで、自己実現的インセンティブが向上することがあります。

社内インセンティブとボーナスの違い

社内インセンティブボーナス
対象個人・チーム会社全体
支給品動機付けに関わるもの全て賞与(お金)

ボーナスが会社全体の業績に応じて賞与金額を決めるのに対し、社内インセンティブは動機付けに関わるもの全てを指します。

実務的には、会社の中にはボーナスに成果給が含まれるケースもあるため、社内インセンティブの中にボーナスが含まれることもあります

専門家

社内インセンティブとモチベーションの違い

社内インセンティブが外発的に動機付けを行うのに対し、モチベーションは内発的に引き起こされるものです。

したがって、社内インセンティブがなくても、モチベーションがあれば会社の業績は向上する傾向があります。

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社内インセンティブのメリット

社内インセンティブは企業の売上を向上させられるひとつの手段です。他にも、社内インセンティブを活用することで、以下のメリットがあります。

  • 社員のやる気を引き出すことができる
  • 評価基準が明確になる
  • 社員が努力するようになる

それぞれについてわかりやすく解説します。

社員のやる気を引き出すことができる

社内インセンティブが動機付けとなり、社員のやる気を引き出すことができます。

例えば、給与の不平等感を感じていたから社員のやる気が起きない場合には、わかりやすく物的インセンティブを導入することで、やる気を引き出すことができるでしょう。

また、人的インセンティブを向上させる取り組みをすることで、企業経営の要である「人と人との協力体制」が築かれ、社内のコミュニケーションが社員のやる気を引き出すことがあります。

評価基準が明確になる

社内インセンティブを設定することで、曖昧だった評価基準が改善される可能性があります。人事評価は社員のモチベーションと直結する大切な項目ですが、企業によっては精度が整っていない会社もあります。

社内インセンティブの導入には、不公平感が生まれないようにしっかりとした基準が必要となるため、インセンティブ導入時に人事評価の見直しを実施することで、社員にとって平等な基準が策定できます。

社員が努力するようになる

社内インセンティブが明確になることで、インセンティブ獲得を目指して社員が努力するようになります。また、そうした他の社員の仕事への姿勢に感化され、仕事に熱心に取り組む社員が増える可能性があります。

このように、会社全体の組織風土を改善するために、社内インセンティブを活用することができます。

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社内インセンティブのデメリット

経営者

もちろんデメリットもあるんだよね?

社内インセンティブを導入することで、社員のやる気を高め、仕事に熱心に取り組む社員を増やすことができますが、なかにはストレスやプレッシャーを感じ、会社全体に悪影響を及ぼす危険性もあります。

したがって、社内インセンティブを導入することによるデメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。

短期的利益の追求

社内インセンティブを導入することで、社員が短期的利益を追求するようになることもあります。

例えば、会社の成長においては、成約に近い顧客を獲得することも大切ですが、利益を追求するあまり顧客のナーチャリングに力を入れなくなる可能性があります。

短期的利益の追求による会社の長期的な成長が見込めなくなっては、本末転倒になりますので、インセンティブの設計をしっかりとする必要があります。

強いプレッシャー

社員の中には、インセンティブ制度をプレッシャーに感じてしまい、本来の能力を発揮できなくなる可能性があります。

したがって、自社の社員はどういった傾向・性格の社員が多いのかを確認し、インセンティブの導入が自社に適しているのかを判断する必要があります。

導入にはコストがかかる

社内インセンティブの導入には費用がかかります。

評価制度の設計、インセンティブ導入の企画、実際のインセンティブ支給には費用がかかるため、そもそも費用対効果が高いのかどうかを検討し、導入に踏み切る必要があります。

自社での導入が自社リソース的に難しい場合には、他社のインセンティブ制度導入のサービスを活用するのもひとつの方法です。

経営者

自社で導入する方が結果としてコスパが良くなるのか、それとも他の会社に依頼した方が安くなるのかの予算取りは必須だね。

社内インセンティブ導入時の注意点 

社内インセンティブを導入する際には3つのポイントに注意しましょう。

  • 評価対象を検討する
  • 評価基準を明確にする
  • 持続性を重視する

それぞれについて解説します。

評価対象を検討する

社内インセンティブを導入するためには、まずは評価対象を検討します。

組織には「2:6:2の法則」があります。

集団が形成された際に、会社の業績を支えるのは上位の2割という法則のことで、働きアリの法則と表現されることもあります。

社内インセンティブを導入する際は、上位2割のハイパフォーマーを対象にするよりは、残りの8割のやる気を引き出すインセンティブを設定することが推奨されます。

また、インセンティブは楽に達成できる目標でも、難易度が高く達成できない目標でもない、中間的な目標を的確に設定することが求められます。

評価基準を明確にする

評価対象を設定したら、具体的な評価基準を決定します。

評価基準は具体的なほど不公平感がなくなるためよいのですが、一方でで成果ばかりに注目してしまうと、社内の仲間がライバルとなり、ノウハウが共有されないリスクがあります。

会社の目的は、チーム全体の意識を高めて、社員のやる気と能力を底上げすることですので、メンバーへの貢献度や育成についても基準を求め、インセンティブの評価基準に組み入れる必要があります。

持続性を重視する

評価基準を決定したら、その評価基準に持続性はあるかを確認します。

例えば獲得した案件の売上や利益を重視した設定にしてしまうと、顧客ナーチャリングなどの会社の今後の基盤への営業が評価されず、全社的に短絡的な利益を追求する組織風土ができあがってしまいます。

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社内インセンティブを取り入れた企業事例 

社内インセンティブを導入した企業事例として、成功例と失敗例を以下わかりやすく解説します。

  • 保険代理店
  • 飲食店
  • 不動産会社

それぞれの事例を確認しましょう。

【成功例】保険代理店A 

保険代理店として国内に数十の拠点を持つ大手保険代理店会社には、元々社内表彰制度がありました。

したがって、評価的インセンティブは既に導入されていたのですが、表彰される難易度が高く、それも営業成績にのみ与えられた制度だったことで、目標達成はできる営業マンのトップ層だけでした。

こうした背景もあり、営業を支える職についている社員は評価される可能性がなく、社員のやる気が落ち込んでしまったという課題がありました。

そこで、日々の見えない努力をインセンティブに導入することを決定。全社員に個人レベルでインセンティブを付与する制度をはじめました。

結果として、会社全体としてやる気を高めて仕事に取り組むことが可能になり、営業の稼働率は従前の2倍まで向上。年間で掲げていた会社の目標も達成することができました。

会社の残り8割にも焦点を当てることで、会社全体の士気を上げた好事例です。

【成功例】飲食店B

社内インセンティブを導入したことで、会社の全体として残業時間が減らし、業務改善化に繋がった例もあります。

ある飲食店Bでは従業員の残業による人件費の増加に悩まされていました。

仕事が終わらないから残業をしなければならないという社員の声を鵜呑みにしていたところ、残業時間は増加し、会社全体の生産性が落ち込むという危機的状況でした。

そこで、社内で独自に使えるポイント制度を導入。定時までにタイムカードを切れた社員には独自ポイントを付与することで、早期退社を促しました。

この結果、社員がなるべく早期退社をしようと工夫をこなし、自社の現在の問題点がボトムアップで上がり、その問題に会社で対処することで業務改善が図れました。

【失敗例】不動産会社C 

不動産会社Cは社内インセンティブを導入したことで、社員の間に溝を作ってしまいました。

売上向上のために導入したインセンティブでしたが、その評価設計は短絡的な「成果」にのみ力を入れたもので、各種企画をし、会社の戦略立案をしていた人物が全く評価されない評価制度になってしまっていたのです。

この結果、企画をしていたDさんは不動産会社を去ってしまいました。

Dさんを失った不動産会社は社内をまとめ上げる人物がいなくなったことで売上が一時激減。

現在、売上は戻りましたが、このように評価設計を誤ると陰で会社を回している人物を外へ追いやるきっかけにもなります。

社内インセンティブでよくある質問

社内インセンティブを導入する際によくある質問は以下の2つです。

専門家

  • 社内インセンティブ制度はバイトにも適応できますか?
  • 社内インセンティブはお金以外には何がありますか?

それぞれの質問にお答えします。

社内インセンティブ制度はバイトにも適応できますか?

社内インセンティブ制度をバイトに適応することは可能です。

具体的には、バイトの中で一目置かれている存在をバイトリーダーにすることで、バイトのモチベーションの向上に繋がります。

また、社員との関係も改善する傾向があります。

社内インセンティブはお金以外には何がありますか?

社内インセンティブにはお金以外に、自社内外で使えるポイントの配布、テーマパークチケットの配布、自社内での表彰などがあります。

まとめ

本記事では社内インセンティブ制度をわかりやすく解説しました。社内インセンティブには社員のやる気をあげることもできますが、ときに会社全体の士気を下げる諸刃の剣ともなります。

このため、自社にとってインセンティブ導入が妥当かをまずは判断することが大切です。

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