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人事評価は「他者評価」が基本で「自己評価」ではない|新入社員への意識付けを

人事評価は「他者評価」が基本で「自己評価」ではない

会社が毎年コストをかけて採用する新入社員には、会社にとって高い貢献度を示す人材になってもらわなければなりません。

しかし、新入社員が入社する時点で持っている「志」は、必ずしも会社にとって最適化されていないことがほとんどです。

決定的なポイントは、「自己評価」と「他者評価」のどちらを基準として行動を決定しているかという点にあります。
言うまでもないことですが、会社に対して貢献できる人材は、「他者評価」を基軸として物事を考えることができなければなりません。

この記事では、新入社員を中心とした若い人材とマネジメントとの間の意識の乖離を明らかにしたうえで、彼らをどのようにして貢献度の高い人材へと育て上げていくかを考えてみましょう。

 

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新入社員は基本的に「自分本位」である

 


(出典:「特集 就労等に関する若者の意識」6頁
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf/b1_00.pdf

上記のグラフは、①平成29年(2017年)に16歳から29歳までの男女(有効回答数10,000)を対象として行われた調査と、②平成23年(2011年)から平成24年(2012年)にかけて15歳から29歳までの男女(有効回答数3,000)を対象として行われた調査における、「仕事を選択する際に重要視する観点」についてのアンケート結果を示しています。

アンケート結果において掲げられた項目のうち、仕事を選択する際に重要視する観点として、「とても重要」「まあ重要」を合わせて8割以上の票を集めたものは以下のとおりです。

・自分のやりたいことができること(自分の好きなことができる)
・安定していて長く続けられること
・収入が多いこと
・自由な時間が多いこと
・福利厚生が充実していること
・自宅から通えること

上記の項目を見ると、「会社への貢献」という方向性と親和的なものは皆無といって良く、新入社員の多くは自分本位の選好を入社当時において有していると考えられます。

また、同じ調査において以下のような結果も示されています。


(出典:「特集 就労等に関する若者の意識」7頁
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/pdf/b1_00.pdf

上記の円グラフによると、「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」と答えた若者の割合は、男女を通じて一貫して高い割合を示しています。
特に、平成23年度調査では全体の52.9%にとどまっていたものの、平成29年度調査では全体の63.7%に上昇しており、近年急速に「自分本位」な新入社員が増えてきていることが窺えます。

以上のことから、マネジメントや上司が新入社員をはじめとする若い社員の教育・管理を考える際には、彼らが基本的には利己的な存在であることを大前提に置く必要があるでしょう。

 

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「他者評価」を基軸に考える人でないと会社に貢献できない

 

「自分本位」の社員は、往々にして自分の仕事ぶりや能力などを「自己評価」の基準で考えがちです。

自己評価を基準として物事を考える人には、「自分が自信を持っていること」を前面に押し出して仕事をしようとするという特徴があります。

たとえば資料作成の「速さ」に自信を持っている社員がいたとしましょう。

資料作成の「速さ」は、たしかに会社や周りの上司・同僚にとって非常に助かる強みとなるケースもあります。
しかし、速く資料を作成するということは、その分ケアレスミスなどの可能性も上がるので、慎重な作成が求められる場面では逆効果となってしまいます。

この社員が、自分に求められている役割を場面ごとに明晰に自覚しているのであれば、資料を速く作成すべき場面であるのか、それともゆっくりで良いから丁寧に作成すべき場面なのかを判断して行動することができるでしょう。

しかし、多くの新入社員を含む若手社員はこのような適切な状況判断ができず、
「自分は資料を速く作成することが得意だから」
という理由で、場面を問わずひたすら雑に資料を作成するということになりがちです。

こうした社員は、「自己評価」のジレンマに陥っているといえるでしょう。

会社に貢献できる人材たり得るためには、周囲が求めていることを適切に把握し、その要求に対して合格点以上の成果を提供できることが必須になります。
そのためには、自分のやりたいことや得意なことにいたずらに固執するのではなく、「他者評価」の視点から自分に求められることをやるという姿勢を持つことが大切です。

(なお、得意分野を生かした仕事をした結果が他者評価と一致することが理想ですが、そのような適材適所の人材配置はマネジメント側の責任といえるでしょう。)

 

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マネジメントと新入社員の意識には大きな乖離がある|埋められなければ離職も

 

新入社員を中心とした若手社員の多くが「自分本位」、「自己評価」を基準とした行動原理を有しているのに対して、マネジメント側としては彼らに「他者評価」を基準とした行動をしてほしいと考えます。

このような乖離は、時として新入社員の側に強烈な違和感を与えてしまいます。


(出典:「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」(2014年12月、株式会社野村総合研究所)
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/h27/html/b2_2_2_2.html

上記のグラフは、2014年に野村総合研究所によって行われた調査における、社員が仕事を辞めた理由についてのアンケート結果を示しています。

この結果によると、就職後3年以内に退職する社員の退職理由のうちもっとも高い割合を示しているのは、「人間関係(上司・経営者)への不満」です。

新入社員などの若手社員がマネジメントや上司に対する不満を抱くのは、単純に人間的な相性が合わないというケースもあるでしょう。
しかしその多くが、実は「自己評価」か「他者評価」かという評価基準の違いに由来する要素が大きいのではないでしょうか。

自己評価を基準とする社員は、周囲の評価者が求めることではなく、それとは別のところで価値を発揮しようとします。
この場合、社員自身は「自分は会社にとってプラスの価値を提供している」と認識しているのに対して、周囲からは思ったような評価が得られないという温度差が生じることになってしまいます。

このような状況では、社員は「自分は頑張っているのになぜ評価されないんだ」と被害意識を持ち、マネジメントや上司に対して不満を募らせやすいものと考えられます。
そして、社員の不満が限界に達した場合、彼らは離職を決断してしまうのです。

 

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マネジメント・上司が主導して、若手との積極的なコミュニケーションを

 

マネジメントや上司と、新入社員などの若手社員の間の意識の差を埋めるには、双方の歩み寄りが不可欠といえます。
しかし、若手の側は自分本位の行動原理を持っていることが多いため、どうしても自分の世界にこもりがちです。

そこで、マネジメントや上司の側が、主体的に若手とのコミュニケーションを取る必要があるでしょう。

とはいえ、精神論や口先だけで若手に「他者評価」基準の行動を取るように迫っても、若手の側が簡単に変化することは期待できません。
そのため、若手社員が何を大事にしているかを把握したうえで、若手のインセンティブに訴えるようなコミュニケーションの取り方を考える必要があるでしょう。

また、若手社員の近くに、会社における仕事のやり方についてのロールモデルとなる上司や同僚を配置しておくのも有効と考えられます。

新入社員をはじめとする若手社員との接し方は、マネジメントや上司にとっての悩みの種になりがちですが、会社の発展を目指すためには不可欠な取り組みですので、試行錯誤しながら自社にとっての最適解を見つけていきましょう。

 

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