2020/06/24

うちの会社がたった4年で上場できた理由

私たちの会社は、設立から4年で上場しました。

普通、上場をする場合はベテランのCFOをヘッドハンティングして来たり、外部のコンサル会社を入れたり、結構いろいろなことをやります。それだけやっても意外とできないのが「上場」というものです。

私たちの場合は、上場経験者が社内に一人もいませんでした。

コンサル会社をがっつり入れたわけでもなく、プロパーだけでスッと実現した。スケジュールも狂わず4年で到達することができたのです。

さらっと行き過ぎて山あり谷ありのストーリーがまったくないので、上場に対する感動が薄いことだけが悩みだったりします。

 

評価されたのは「改善」の速さ

 

私たちが上場準備の審査を受けているとき、いちばん評価が高かったのが「指摘事項に対する改善の速さ」でした。

私たちの会社は、何をするにしても速いのが特長です。

どんどん行動して、どんどん修正していく。試行回数が増えれば、当然それに伴って改善回数も増えていきます。これを突き詰めた組織運営をしているため、自ずと勝てるのです。

地味でも着実に改善を重ねていけば、組織は成長を続けていきます。その先にただ上場があった、というだけなのです。

私たちの社員はリーダーの決断に躊躇なく従います。経営者である私が「右だ」と言ったら、みんな右にパッと動きます。

もちろん私もすぐに「正解」を導き出せるわけではありません。天才でも神さまでもありません。「最初は右だと言ったけれど、やっぱり左だった」「いや、実はこっちかも」というようにつねに試行錯誤します。社員は、そのたびにパッと方向を変えて着いてきてくれます。

他の多くの会社では、社員に右に行く理由を説明したり、右に行っていいかどうか聞く必要があったりします。何をするにも社員の顔色を伺う会社もあります。社員の同意を得てから判断するため、どうしても時間がかかり、スピードは落ちる。

私たちの会社では、そんな「お伺い」を立てる必要がありません。

スピードの遅い経営者が2回試行しているあいだに、私は3回失敗できます。だから結果として私が先に正解を見つけて勝てます。組織運営はその積み重ねに尽きるのです。

 

部下の「トライアンドエラー」を大切に

 

私たちの会社が4年で上場できた理由。それは「スピード」です。

ただ「スピードを重視すること」と「失敗をしないこと」は同じではありません。「なるべく失敗しないほうがいい」「組織には無駄がないほうがいい」「ロスが少ないほうがいい」と考えてしまうと、思わぬ落とし穴があります。

スタッフや部下のトライアンドエラーを「ロス」ととらえ、スピードを速くするために、最初から正解を教えたり、手取り足取り教えたりしてしまう。

この考え方は、絶対にNGです。

なぜなら、経験とともにしか人は成長しないからです。将来的に速度が上がるための経験であれば、「ロス」だったとしてもそれは「成長の材料」になります。そこは「ロス」に感じたとしても、必要なもの。そこには時間を使うべきなのです。

部下の成長にかかる時間をロスタイムと思ってしまう上司は多いのですが、それはそもそもロスタイムではありません。これも誤解のひとつです。

手取り足取り教えたり、最初から答えを教えたりしてしまうと、そのときは早いような気がします。しかし結果として全体的な速度は遅くなる。部下が成長しないので、長い目で見ると速度は落ちるのです。

 

変化の時代だからこそスピードを重視せよ

 

会社経営の将来予測はどんどん難しくなっています。特にこの数ヶ月で不透明感は増しています。

「未来に何が起こるのか」はこれまでの時代と比べても不透明です。だからこそ絶対に速度を高めたほうがいいのです。

これからは「どれだけ早く変われるか」「早く動けるか」「早く改善できるか」に勝敗がかかっています。おおむね方向性さえ正しければ、あとは改善がものを言います。

一日中会議をやっている会社も多いですが、会議は何も生みだしません。1on1のミーティングを30分も1時間もやっている会社もありますが、そこで利益が生まれるわけではありません。

もちろん決起会もやりません。毎日ダラダラと会議や打ち合わせをやっているような会社と、私たちのように”ピッピッ”と動いている会社のどちらが勝つか? それは明白だと思います。

また、速度が上がることで組織はいくらでも間違えられるようになります。トップも間違えることを恐れなくなります。すると改善回数が他社に比べて圧倒的に多くなります。すると、もともとの能力が劣っていたとしても、勝てるようになるのです。

 

人の集合体が機能的に動く仕組みは変わらない

 

高度経済成長期はどんどん経済が成長していたので、目先の利益を追い求めていればよかったでしょう。目先の利益が大きかったから、そこに照準が合わせていれば、正しい組織運営ができていた。

当時は、製造業が主要産業だったので工場で働く人が多かったという事情もあります。今はある程度成熟して知的労働者が増えたため、組織運営の難易度が上がってきた、ということは言えるかもしれません。

そんななかで「ティール組織が必要だ」「フラットな組織が強いのだ」といった言説が生まれては消えていきますが、それこそ幻想です。

どれだけインターネットやAIが発展しても「人の集合体が機能的に動く」仕組みは変わりません。人間自体が変わっていないのだから、未来永劫変わることはないのです。

私たちの組織マネジメント法は古いのではないか? 昭和的ではないか? などと言われることもたまにありますが、まったく違います。私たちは「本質」に基づいたマネジメントを行ないます。

どれだけ時代が変わっても、人間は変わりません。生物としての人間が集まっている以上、組織が機能的に動く仕組みは変わらない。人の集合体である以上、本質的な部分が変わるはずがないのです。

 ̄ ̄ ̄

引用元:安藤広大/株式会社識学 代表取締役社長note「組織にルールを。」
https://note.com/kodaiando