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トップダウンとは?ボトムアップとの違い、メリット・デメリットを徹底解説

トップダウンとは

トップダウンは、迅速な意思決定や、組織の方向性を明確に提示する場合に効果的なマネジメント手法のひとつです。

ただ、トップダウンでの管理は、部下の主体性が欠如したり、ハラスメントのリスクが発生したりする点に注意しなければいけません。

この記事では、トップダウンの定義やメリットとデメリットについて詳しく解説します。

トップダウンを上手に活用しながら、部下へアプローチする方法もご紹介しますので、マネジメントの参考にしてください。

【この記事の要約】

  • トップダウンとは「上層部の意思決定で組織を動かすマネジメント手法のこと」
  • トップダウンによる組織管理には、メリットやデメリットがある
  • 業種や職種によってはトップダウンの組織運営がおすすめ。ただし、やり方次第ではハラスメントを生むリスクがある
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トップダウンとは「上層部の意思決定で組織を動かすマネジメント手法」

トップダウンとは、組織幹部の意思決定によるマネジメント手法のことを指します。

「ワンマンなマネジメント」と表すと、わかりやすいかもしれません。

トップダウンによるマネジメントは、迅速な意思決定ができるため、業種によってはボトムアップ式のマネジメントよりも効果的な場合があります。

しかし、やり方次第ではハラスメントが発生するなど、さまざまな危険性が潜んでいる管理手法です。

今回は、トップダウンの定義からメリットやデメリット、成果を上げている企業の事例などを詳しく解説します。

自社の業務内容や職場の雰囲気などに合わせ、どのようなマネジメント方法が最適なのか、ぜひ参考にしてください。

トップダウンの定義

トップダウンを定義すると「上層部の意思決定に基づき組織運営する方法」となります。

トップダウンでのマネジメントは、一見すると高圧的に見えるかもしれません。

しかし、緊急事態が起こる可能性が高い企業や、大規模プロジェクトなどで迅速な意思決定が求められる事業などでは、トップダウンのマネジメントが功を奏する場合があります。

しかし、組織の管理者がトップダウンを多用しすぎると、部下の自主性や創造性を奪うことがあります。

トップダウンで組織を成功に導くには、迅速な意思決定をしつつも、部下からの意見のヒアリングや適切な権限移譲が大切です。

トップダウンとボトムアップとの違い

トップダウンと異なるマネジメント方法として、『ボトムアップ』があります。

トップダウンとボトムアップは意思決定のアプローチ方法が対極的であるため、比較されることの多い方法です。

トップダウンとボトムアップの特徴や、それぞれの違いについて紹介します。

  • トップダウン……上層部が指示や方向性を示すマネジメント方法
  • ボトムアップ……従業員の意見や提案を重視し組織運営する方法

組織運営において「どちらかが正解」ということはありません。

ただ、意思決定のスピード面を考えると、トップダウンのマネジメントのほうがスピード感ある運営が可能です。

スピード感を保ちつつ全員参加型の組織を目指すなら、トップダウンとボトムアップを適切に組み合わせることが求められます。

人事院資料より 公務員管理者のマネジメント方法について】

組織における一般的な意思決定方式としては、大まかに、トップダウン型、ボトムアップ型に分けられる。案件の内容や締切までの日数など、様々な要因によってどちらを選択することが適当であるかは異なってくるものであり、当然のことながら、一律的に決められるものではない。

トップダウン型の長所として、意思決定スピードの速さやトップの意思の的確な浸透が挙げられるところであるが、そればかりによることになると、部下職員である若手・中堅職員のやる気を奪い、いわゆる指示待ちタイプの職員を生み出すことにもなりかねない。

マネジメント手法については、識学総研の記事【時代遅れ?】ピラミッド型組織のメリットやデメリット、フラット型との違いを解説!も参考にしてください。

この記事では、ピラミッド型組織とフラット型組織について解説しています。

トップダウンでのマネジメントをやりやすいピラミッド型組織には、指揮命令系統が明確で混乱が起きにくい特徴があります。

一方、フラット型組織では、従業員の自立性と責任感を尊重するため、自立型組織におすすめのマネジメント方法といえます。

トップダウンの特徴

トップダウンとは、企業や組織の上層部が経営方針や構造改革などの意思決定をして、現場の従業員に展開と指示出しを行い、従業員を動かす経営スタイルのことです。

日本語では「上意下達」という意味になります。

日本の企業では昔からトップダウンスタイルの経営を行っている企業が多いため、なじみ深い経営方法といえるでしょう。

トップダウンの経営スタイルは一歩間違えるとワンマン経営になりやすく、あまり良いイメージを持たれないことも少なくありません。

しかし、スピード感を持って全社で同じ方向に向かい、組織の一体感を高められるため、意思統一を図りやすいのが特徴です。

ボトムアップの特徴

ボトムアップとは、企業の経営方針などの意思決定を行う際に、上層部の一存で決定するのではなく、現場の従業員の声を取り入れ反映させながら経営を行うスタイルです。

トップダウンとは対極的な経営スタイルで、最近ではボトムアップの経営スタイルを取り入れる企業が増えてきています。

ボトムアップを日本語に訳すると「下意上達」という意味です。

現場の従業員に裁量や意思決定権を与えるため、経営層とは異なる視点からの新たなアイデアが生まれやすくなったり、風通しのよい風土を作りやすくなったりという特徴があります。

また、アイデアや意見を提案しやすくなることから、従業員の成長を促進できるともいわれています。

関連記事:ボトムアップとは?トップダウンとの違い、メリット、適している職場を解説

トップダウンのメリット・デメリット

トップダウンには、意思決定を迅速に行えて経営効率化ができる、組織の方向性を明確にできるなどのメリットがたくさんあります。

一方で、部下の主体性を育みにくかったり、パワハラを誘発しやすかったりというデメリットも忘れてはいけません。

トップダウンのメリットとデメリットについて、細かく見ていきましょう。

トップダウン4つのメリット

トップダウンで組織を運営した場合のメリットは、次の4つです。

  • 意思決定のスピードが早く経営の効率性を追求できる
  • 組織の方向性が明確になる
  • 市場の変化に迅速に対応できる
  • 危機管理に迅速に対応できる

経営の効率性を考えると、ボトムアップよりもトップダウンマネジメントのほうがメリットが大きいといえます。

それぞれのメリットを解説していきます。

意思決定のスピードが速く経営の効率性を追求できる

トップダウン方式の最大のメリットは、意思決定のスピードを大幅に向上させ、経営の効率性を実現できる点にあります。

経営層が直接決定を下すことで、長期間の議論や合意形成のプロセスを省略し、迅速な行動が可能となります。

例えばファッション業界のZARAは、トレンドの変化に迅速に対応するためにトップダウン方式を採用している企業のひとつです。

トップダウンによりトレンドを素早く判断し、製品開発から店舗への展開までの時間を大幅に短縮できる仕組みとなっています。

組織の方向性が明確になる

トップダウン方式は、組織全体の方向性を明確にし、一貫した行動を促進します。

上層部が明確なビジョンと戦略を設定すれば、従業員は具体的な目標に向かって効率的に動けるようになります。

例えばGE(ゼネラル・エレクトリック)は、当時のCEOジャック・ウェルチの下でトップダウン方式を採用し、明確な方向性を打ち出しました。

ウェルチは「市場で第1または第2の地位を確保できない事業は売却する」という明確な戦略を掲げ、より収益性の高い事業に集中することを可能にしたといいます。

市場の変化に迅速に対応できる

トップダウン方式は、市場の変化に迅速に対応する能力を高め、競争上の優位性を維持するのに役立ちます。

経営層が素早く情報を収集し決定を下せば、市場の変動や新たな機会に対して迅速に反応できるようになります。

例えば韓国のサムスンは、市場の変化に迅速に対応するためにトップダウンマネジメントを徹底している企業のひとつです。

サムスンは、スマートフォン市場の急速な成長に対応するため、経営層が迅速に新製品の開発と投入を決定しました。

この結果、サムスンは市場シェアを急速に拡大し、競合他社に対する優位性を確立しています。

【要約:白鴎大学 経営学部 経営学科 張 承玖准教授の論文より】

<サムスンの人材マネジメントに関する一考察>

サムスンの成長の源は、一言でいうと李健熙会長の①時代の流れを読む先見性、②カリスマ的な実行力、③創業時から引き継がれている人材第一の組織力が結合して作り出された力だ。

ただし、李健熙会長は一方的なマネジメントをしているのではなく、常に下部組織の意見をくみ取った意思決定をしている。

危機管理に迅速に対応できる

トップダウン方式は、危機管理において特に効果的です。

緊急事態が発生した際には、迅速な意思決定と行動が求められます。

トップダウンで組織を運営している企業なら、上層部が迅速な指示を出し、危機を最小限に抑えられます。

例えば2011年の東日本大震災時に、トップダウン方式により多くの企業が迅速に意思決定し、危機を回避したのは顕著な例といえます。

特に電力供給やインフラ整備に関わる企業では、経営層からの迅速な指示により、被災地への支援や復旧作業を迅速に行うことができました。

トップダウンは古い?デメリットと対処法

しかしトップダウン方式には、次のようなデメリットも存在します。

  • 部下の主体性が欠如する
  • 組織内コミュニケーションが薄くなる
  • パワーハラスメントが発生しやすい

一方的なトップダウンマネジメントをやり過ぎると、上層部とメンバーとのコミュニケーション不足が発生し、場合によっては「パワーハラスメント」と捉えられるかもしれません。

部下の主体性が欠如する

トップダウン方式では、部下の主体性や創造性が抑制されることがあります。

上層部からの一方的な指示が強すぎると、従業員は自らの判断やアイデアを出す機会を失ってしまいます。

「言われたことだけをやればいい」「上司から怒られないようにやろう」と感じる部下が増え、組織全体の成長も鈍化するでしょう。

部下の主体性を重んじつつトップダウンマネジメントを実践していくには、次のような対策が効果的です。

  • 意思決定への参加……上層部の意思決定の場には従業員も参加してもらい、アイデアを募る
  • 成果報酬……成果に基づく報酬制度を導入する
  • フィードバックの提供……定期的に部下のパフォーマンスを評価しフィードバックする
  • 全体目標と個人目標の整合性を合わせる……上層部が決めた目標と個人目標を連動させ、組織が向かうべき方向性を一致させる

組織内コミュニケーションが薄くなる

トップダウン方式は、組織内のコミュニケーションを弱めてしまう可能性があります。

上層部と現場との間に情報のギャップが生じ、従業員が組織の方向性を理解しにくくなることがあります。

この問題を解決するためには、定期的なミーティングやフィードバックの機会を設けるようにしましょう。

具体的には次のような施策が効果的です。

  • タウンホールミーティングの開催……経営層と従業員とが直接意見交換できる場を設定する
  • 内部コミュニケーションツールの活用……社内報などを利用し経営層の意思を現場に伝える
  • 社内イベントの活用……社内イベントの開催により、従業員と経営層とのコミュニケーションを促す

パワーハラスメントが発生しやすい

トップダウンマネジメントは、パワーハラスメントのリスクを高めることがあります。

上層部の意見を一方的に、かつ高圧的に浸透させようとすると、部下からは反感を買ってしまうかもしれません。

幹部が権力を乱用し、「部下からの意見は一切聞かない」となると、不当な圧力と捉えられることもあります。

部下の意見を聞きすぎて意志決定が揺らいでしまうのは避けたいところですが、オープンな会議の場で意見を聞く機会は設けたほうがいいでしょう。

また、一方的な指示にならないよう、常に部下との面談を通じて、コミュニケーションをとりながら現場を指揮していく姿勢も大切です。

パワーハラスメントは、部下のモチベーションダウンだけではなく、長期的な離脱や退職につながり、場合によっては労災など大きなトラブルを発生させます。

「自分は部下とコミュニケーションが取れているから」「部下から信頼されているから」などといった感情は捨てて、誰に対しても敬意を持った対応をするよう心がけましょう。

ボトムアップのメリット・デメリット

ボトムアップにもトップダウンと同様に、メリットとデメリットがあります。

ボトムアップのメリットは、従業員に主体性や責任感が生まれ、モチベーションアップや成長感が感じられやすくなる点です。

ただし、現場からはさまざまな意見が出ます。

意見をまとめられる人材がいなければ、統一性のない施策が乱立してしまうでしょう。

その結果、ガバナンスが効かないリスクがある点はデメリットといえます。

トップダウンが向いている企業や職種の特徴

トップダウンで組織を管理する手法は、一部の業界や職種で、特に効果を発揮します。

迅速な意思決定や危機管理が求められる金融業界や、市場の変化が激しいIT業界などは、ボトムアップよりトップダウンが向いています。

より詳細に見てみましょう。

金融業界は危機管理と迅速な意思決定が求められる

金融業界では、市場の変動に迅速に対応する必要があり、トップダウンマネジメントが特に重要です。

例えば2008年のリーマンショックでは、多くの金融機関で迅速な意思決定が求められました。

緊急時にボトムアップで意見を集めていたのでは、危機回避は難しかったかもしれません。

アメリカにある世界有数の金融機関「JPモルガン・チェース」のCEOジェイミー・ダイモン氏は、当時の金融危機を回避するために競合他社の資産買収を決め、そのあとの金融危機を乗り越えることに成功しました。

ただし、スピーディーな意思決定が求められる金融業界でも、多角的な視点から意思決定すべき場面もあります。

中長期的な成長を目指すなら、トップダウンマネジメントの利点を活かしつつ、従業員の意見も適宜取り入れる、バランスの取れたアプローチが望ましいといえるでしょう。

IT業界はスピード経営と迅速なセキュリティ対策が必要

IT業界も技術の進化と市場の変化がとても速いため、迅速な意思決定やセキュリティ対策などが必要な業界といえます。

トップダウンで組織を運営しているIT企業なら、上層部からの迅速な指示により、セキュリティ対応策などを講じることができるでしょう。

現場からの意見を集約していて対応が遅れると、データ漏洩やシステム障害などの被害が大きくなり、金銭的な補償義務が発生するかもしれません。

Apple社のスティーブ・ジョブズが、常に自身の感性と先見性をもとに意思決定し、iPhoneなどのヒット商品を次々と投入して成長させたのは、トップダウンマネジメントの顕著な成功例といえます。

しかし、トップダウンマネジメントは、従業員の自主性や創造性が失われるリスクに注意しなければいけません。

IT業界では、革新的なアイデアや技術の開発が重要ですが、トップダウンに偏り過ぎると、従業員の創造的なアイデアが上層部に届きにくくなることがあります。

製造業は品質向上と生産効率アップのためスピーディーな意思決定が必要

品質管理と生産効率の向上が極めて重要な製造業では、ときにトップダウンマネジメントが成功への鍵となります。

例えば、市場の需要変動や原材料の供給問題が生じた際、トップダウン方式を採用している製造業企業なら、生産ラインの変更や調整を素早くおこなえるでしょう。

また、品質問題が発生した場合にも、上層部からの迅速な指示により、問題の早期解決と品質維持が可能となります。

ただし、トップダウンマネジメントには、従業員の創造性やモチベーションの低下というリスクが伴います。

緊急時にはトップダウンでの指示が重要となりますが、日常の現場においては、従業員が持つ実務知識や改善提案を経営層へ届ける仕組みも大切です。

トップダウンが適している状況

トップダウン経営の向き不向きは、企業や職種以外にその時々の状況によっても左右されます。

トップダウンが適している状況として挙げられるのは、新規事業を立ち上げるときや未知の分野でのプロジェクトを進めるときなどです。

このような状況では、短期間に目標に向かって推進する力が求められるため、トップダウンが向いています。

また、経営理念や戦略が現場の従業員レベルまで浸透しておらず、主体的に行動できる従業員が少ない場合もボトムアップがうまく機能しないため、トップダウンが適しています。

その他、災害や感染症の流行など外的要因によって迅速な判断が求められる場合、トップダウンが向いているでしょう。

ボトムアップが向いている企業や職種の特徴

ボトムアップが向いているのは、現場の声を活かした方が組織運営にメリットが得られるような企業や職種です。

例えば、デザインや開発などクリエイティブな事業を行っていたり、現場の従業員が専門的なスキルを持っていたりするような企業はボトムアップに向いています。

そのような企業は現場の裁量が大きいため、ボトムアップスタイルの経営が円滑に実施できるでしょう。

また、これまでの企業体制を変えてイノベーションを起こしたいと考えている企業にも、ボトムアップは適しています。

ボトムアップが適している状況

ボトムアップが適している状況としては、新たなアイデアや創造性のあるサービスや製品を開発したい場合が挙げられます。

現場の声を拾い上げることで、これまでにない新鮮な視点のアイデアが見つかるかもしれません。

その他、柔軟性や専門性が高いプロジェクトを進行しているとき、複数のタスクやプロジェクトが同時進行しているときなどにもボトムアップが向いています。

これから事業を多角化したい場合にもおすすめです。

スケジュールや予算に余裕があると、ボトムアップ化に取り組みやすいでしょう。

トップダウン方式で組織を成功に導いた企業事例

トップダウン方式で組織を成功に導いた、実際の企業事例も見ていきましょう。

業種や状況が異なるかもしれませんが、自社の組織運営に参考になる部分があるかもしれません。

経営層がオープンイノベーション専門部署を設立|競争力強化に効果「東レ」

ひとつ目の事例は、経営層がオープンイノベーションを推進するために重要な決断を下した東レ株式会社の事例です。

同社では、経営層が研究所内にオープンイノベーション専門部署の設立を決定し、外部のスタートアップや研究機関との積極的な協業を開始しました。

この決断により、東レは従来の事業領域にとどまらない新しい分野への進出を果たし、技術革新を加速させています。

参考:独立行政法人経済産業研究所「中小企業のオープンイノベーション戦略」

参考:東レ公式サイト「総合力を活かした研究・技術開発」

トップダウンマネジメントでビジネスモデルを刷新|作業効率化とコスト削減を実現「コマツ」

次の事例は、建設機械市場の変化に対応するため、経営層が新しいビジネスモデル「スマートコンストラクション」を導入したコマツの事例です。

同社では、この決断により、ドローンを使用した建設現場の地形解析や、ICTを活用した効率的な建設計画の策定が可能になりました。

結果、作業の効率化とコスト削減を実現し、市場での競争力は大幅に向上しています。

さらに、従来の建設機械製造業からデータ駆動型のサービス提供業へと事業領域を拡大することに成功。

コマツのこの取り組みは、経営層の明確なビジョンと決断が、組織全体のイノベーションと成長を牽引する好例となっています。

参考:独立行政法人経済産業研究所「中小企業のオープンイノベーション戦略」

新時代のトップダウン経営とは?

上層部からの一方的な指示や、パワハラにつながりかねないトップダウンマネジメントですが、これからの新時代におけるトップダウンマネジメントの使い方についても考えてみたいと思います。

新時代のトップダウン経営は、一方的なアプローチではなく、ボトムアップとの融合やデータを活用した意志決定が必要です。

トップダウンとボトムアップの融合

これからのトップダウン経営は、トップダウンとボトムアップの融合が重要なポイントといえるでしょう。

従業員からのアイデアを経営戦略に反映させることで、より幅広い視点からの意思決定が可能になります。

ただし、部下の意見を「聞き過ぎてしまうこと」はおすすめできません。

部下の意見に耳を傾けてしまうがあまり、マネジメントの軸がブレないよう注意しましょう。

トップダウンとボトムアップを融合させたバランスの良い組織運営を心がけ、柔軟な意見や革新的なアイデアを尊重することが大切です。

関連記事:識学総研「マネジメントコントロールとは?3つの手法と成功のポイントを紹介」

AIやビッグデータを活用した意思決定

新時代のトップダウンマネジメントでは、AIやビッグデータを活用するといいでしょう。

AIやビッグデータを利用して顧客の購買行動や嗜好を分析し、解析データから新しい戦略を立案するのは、いまでは当たり前となっています。

人材育成の面では、従業員のパーソナルデータが反映できる最新のHRシステムなどを活用し、タレントマネジメントを実践していく方法もおすすめです。

まとめ

トップダウン方式は、迅速な意思決定と明確な組織の方向性を提供しますが、部下の主体性や組織内コミュニケーションに影響を与える可能性もあります。

これからは、データを活用しながら、ボトムアップと融合させた「新時代のマネジメント」が求められているといえるでしょう。

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