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アントレプレナーとは?起業家精神を育むための5つのステップ

アントレプレナーとは

アントレプレナーシップは「起業家精神」とも呼ばれ、革新的な思考や新しい価値を創造する考え方のひとつです。

また、アントレプレナーシップを持ち合わせた人材である「アントレプレナー」は、新しいビジネスを立ち上げるときに必要な存在といえます。

この記事では、アントレプレナーやアントレプレナーシップの定義、そしてアントレプレナーに必要なスキル習得方法について、詳しく解説します。

【この記事のポイント】

  • アントレプレナーの定義がわかる
  • ビジネスの世界でアントレプレナーが求められる理由がわかる
  • アントレプレナーになるために必要なスキルや習得方法を知れる
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アントレプレナーとは「起業家精神をもった人」のこと

アントレプレナーとは「起業家精神をもった人のこと」です。

アントレプレナーに求められるスキルについて触れる前に、まずはアントレプレナーの定義や役割について詳しく理解しましょう。

アントレプレナー(entrepreneur)の歴史や語源

アントレプレナーという用語は、フランス語の「entreprendre(始める)」に由来し、18世紀の経済学者によって使われ始めました。

当初は起業家を指す言葉でしたが、最近ではビジネスの世界で革新的に行動するビジネスパーソンを総じて「アントレプレナー」と呼ぶケースも増えてきています。

【関西学院大学資料「イノベーション研究におけるアントレプレナーの位置」より 】

  • アントレプレナーシップ「Entrepreneur ship」という言葉は、前半がフランス語で後半が英語でつくられた造語である
  • 18世紀のフランスの経済学者カンティヨンが、新しい産業の担い手を総称してアントルプヌア(アントレプレナー)と呼んだ
  • 現代における「アントレプレナー」は、「イノベーションを完遂する個人」という認識をもつ人がほとんどである

参考資料:関西学院大学商学部 安田准教授著「イノベーション研究におけるアントレプレナーの位置」より

アントレプレナーやアントレプレナーシップの定義と役割

アントレプレナーは、新しいビジネスの創造や、既存ビジネスの革新において中心的な役割を果たします。

産業経済論やイノベーション論を専門分野とする「大阪商業大学の明石芳彦 教授」は、大阪市立大学で書いた論文「事業経営の視点からみたソーシャル・アントレプレナーシップ研究」で、アントレプレナーの定義について次のように述べています。

【要約:明石 芳彦 教授 論文より】

  1. アントレプレナーは、社会問題の解決を目的とする使命感を持っている
  2. 社会的イノベーションにおけるアントレプレナーの役割は、政府が解決できなかった社会問題について積極的に取り組むことである
  3. アントレプレナーは、純粋に社会的価値を生み出すことはもちろん、経済的な価値を生み出すことも目的としている

参考:明石 芳彦 教授著「事業経営の視点からみたソーシャル・アントレプレナーシップ研究」

これを読み解くと、アントレプレナーは単に自分の利益を追求して起業する人ではなく、社会課題解決と利益を両立している人といえるでしょう。

なお起業家精神を学ぶためのインタビューについてはこちらをご覧ください。

組織に属するビジネスパーソンにもアントレプレナーシップが必要

アントレプレナーシップは、起業家だけではなく、組織に属するビジネスパーソンにも必要な考え方といえます。

変化の激しい市場において、さまざまな事柄に迅速に対応し、新しいビジネスを生み出すには、アントレプレナーシップの考え方は必要不可欠です。

さきほどの明石教授が書いた論文のなかには、組織内のアントレプレナーシップの必要性について、次のような記載があります。

【要約:明石 芳彦 教授 論文より】

  1. 社会目標の達成と事業の持続性を両立するには、組織内でアントレプレナーが重要な役割を担っている
  2. 企業経営に関連する様々な課題を克服するためには、他社差別化などが求められ、アントレプレナーのスキルと革新的なアプローチは必要不可欠である

参考:明石 芳彦 教授著「事業経営の視点からみたソーシャル・アントレプレナーシップ研究」

アントレプレナーシップを兼ね備えたビジネスパーソンは、組織内でも必要な人材といえるでしょう。

ビジネスでアントレプレナーが求められる3つの理由

現代のビジネス環境では、アントレプレナーの役割がますます重要になってきています。

ビジネスの世界で、アントレプレナーが求められる理由は次の3つです。

  1. イノベーションと新規市場への参入が求められている
  2. 雇用創出が急務
  3. 社会的課題の解決と持続的可能性の実現が必要

イノベーションと新規市場への参入が求められている

イノベーションと新規市場への参入が求められている現在の企業において、アントレプレナーは貴重な存在といえます。

変化の激しい市場環境下では、アントレプレナー精神を持つ従業員が、企業の成長と革新において重要な役割を果たすでしょう。

アントレプレナーは、市場の変化に迅速に対応し、既存の製品やサービスを革新するスキルを持っています。

アントレプレナーシップの考え方があれば、新しいビジネスアイデアを生み出し、厳しい市場環境でも競争優位に立てるのです。

さらにアントレプレナーは、未開拓の市場や新しい顧客層を発見する場面で、優れた能力を発揮します。

既存の市場や顧客に留まることなく、企業の収益源を多様化させることにも貢献できるため、組織内でもアントレプレナーは重宝されるでしょう。

組織内でイノベーションをおこすための仕事の進め方については、関連記事識学総研「「シリコンバレー」に学ぶイノベーションを生むためのマネジメントのあり方」も参考にしてください。

雇用創出が急務

アントレプレナーが求められる理由のふたつ目は、雇用機会の創出です。

若年層の労働人口が減っていくなか、働き口を探す高齢者層の雇用機会創出は、最近の日本における緊急課題といえます。

また、非正規雇用者が増えている日本では、多くの労働者が働ける雇用機会を創出しなければいけません。

そのような背景があるなか、アントレプレナーは新しいビジネスの立ち上げや、新たな雇用創出に貢献できるため、組織においても貴重な存在といえます。

社会的課題の解決と持続的可能性の実現

アントレプレナーは、環境問題や社会的不平等などの問題に取り組むケースが多いため、CSR活動を進める企業にとっても必要な人材といえます。

再生可能エネルギーに関する技術開発や廃棄物処理、少子高齢化社会における教育問題や多様性への対応など、現代の企業には問題が山積みです。

アントレプレナーは、持続可能な未来を築くための創造的かつ実行可能なアイデアを持っているため、企業の成長と社会課題解決の両方に必要な存在といえます。

【J-Net21 中小機構公式サイトより「企業の社会的責任(CSR)について教えてください」】

経済面だけでなく、社会・環境面に配慮したCSRへの積極的な取り組み姿勢が、ステークホルダー(社員、顧客・消費者、取引先、金融機関、地域社会、監督官庁、株主など貴社を取り巻く利害関係者)からの経営に対する信頼性を高め、発展する一助にもなるように思われます。

引用:中小機構公式サイト

アントレプレナーに求められるスキルと習得するための5つのステップ

アントレプレナーには次のようなスキルや知識が求められます。

  • イノベーションを促進する創造的思考
  • マーケット分析に関する知識
  • ビジネスプランの作成スキル
  • 資金調達のノウハウや、投資家へのアプローチに関するスキル
  • リスク管理に関するノウハウ

ここからは、アントレプレナーに必要なスキルと、スキル習得の具体的な方法をご紹介します。

国や大学によるアントレプレナー育成に関する取り組みも、ぜひ参考にしてください。

イノベーションを促進する創造的思考を鍛える

アントレプレナーには、従来の枠を超えた創造的思考が必要です。

新しい市場のニーズを予測し、それに応じた革新的な製品やサービスを開発する能力も求められます。

創造的思考を鍛えるには、次のような方法がおすすめです。

  • 多様な視点を持つ……異なる業界や文化、専門分野の知識を学び、幅広い視点から物事を考えるクセをつける
  • 問題解決のためのブレインストーミング……チーム内でのブレインストーミングセッションを定期的に行い、自由な発想を促進する
  • 失敗を恐れない……失敗を学びの機会と捉え、次のイノベーションに活かす姿勢を常に心掛ける
  • 技術革新に敏感になる……最新のトレンドや技術の進展に常に目を光らせ、自分のビジネスやアイデアにどう組み込むかを考える

創造的思考は、新しいビジネス機会の発見や、競争上の優位性を確立するために不可欠なスキルです。

マーケット分析に関する知識を学ぶ

アントレプレナーには、マーケット分析に関する知識が求められます。

マーケット分析の知識はビジネスの成功に不可欠であり、市場の機会を見極めリスクを最小限に抑えるために重要です。

市場分析のスキルを習得するには、次のような方法があります。

  • 市場調査の基本を学ぶ……市場調査の基本的な方法論を理解する。顧客のニーズや行動、競合他社の分析スキルを習得する
  • データ分析能力を養う……統計学的手法やデータビジュアライゼーションの技術を使い、市場分析する方法を学ぶ
  • 競合分析……競合他社の戦略や強み、弱みを分析するスキルを身につける

これらのスキルがあれば、アントレプレナーとして市場の変化に迅速に対応し、効果的なビジネス戦略を立てられるようになります。

ビジネスプランの作成スキルを学ぶ

ビジネスプランの作成スキルは、アントレプレナーにとって必要不可欠なスキルのひとつです。

ビジネスプランを作るには、次のような知識が必要となります。

  • 事業計画や収支計画……事業の方向性を決め中長期的な収支計画(収益予測、費用計算、キャッシュフローの管理)を立てるスキル
  • 戦略の策定……ビジネス目標の達成に必要な戦略を考えるスキル(製品やサービスの開発計画、マーケティング戦略、販売戦略など)
  • 実行計画の策定……ビジネスプランを実行に移すための具体的な計画を立てるスキル(責任分担やリソースの配分などを決めるなど)

ビジネスプランの作成スキルは、投資家やステークホルダーに対し、事業価値と可能性を伝えるためにも必要なスキルといえます。

資金調達のノウハウや投資家へのアプローチに関するスキルを備える

アントレプレナーには、資金調達能力や投資家に効果的にアプローチする能力が求められます。

具体的には、資金調達のノウハウや、投資家から理解を得るためのプレゼンテーション技術が必要です。

これらの資金調達スキルを身につけるには、以下の方法があります。

  • 投資家との人脈を広げる……エンジェル投資家やベンチャーキャピタリストとの人脈を広げ、関係を構築する。イベントやセミナーなどを通じて、投資家との接点を増やす
  • 資金調達方法を把握する……エンジェル投資やクラウドファンディングなど、さまざまな資金調達方法を把握しておく
  • 財務知識の向上……収益予測、キャッシュフロー管理など基本的な財務概念を理解し、投資家に対して自信を持って話せるように準備する

上記のスキルや知識があれば、アントレプレナーは投資家に対して自身のビジネスアイデアを効果的に売り込めるようになります。

国が支援する最新のベンチャー支援(新事業育成資金)などについては、中小企業庁資料「起業・ベンチャーを支援します」を参考にしてください。

リスク管理に関するノウハウを学ぶ

アントレプレナーは、リスクを想定し管理する方法を知っていなければいけません。

リスク管理のスキルを身につけるには、以下のアプローチが効果的です。

  • リスクの基本を学ぶ……ビジネスにおけるさまざまなリスク(市場リスク、財務リスク、運営リスクなど)を理解する
  • シナリオ分析スキルを学ぶ……ビジネスシナリオを想定し、それぞれのリスク要因を分析するスキルを備える
  • リスク軽減の方法を学ぶ……リスクを軽減するための具体的な方法を学ぶ(保険の利用、リスク分散、契約管理など)

これらのステップを踏めば、アントレプレナーはビジネスにおけるリスクを効果的に管理し、不測の事態にも柔軟に対応できるようになります。

リスク管理は、ビジネスの持続可能性と成長を支える重要な要素です。

国や大学のアントレプレナー育成の取り組みを参考にする

国や大学などの公的機関では、アントレプレナーの育成に力を入れています。

公的機関が提供するプログラムやリソースを活用すれば、上記のようなアントレプレナーシップのスキルを効果的に習得できます。

例えば、次のような取り組みが参考になります。

文部科学省公式サイト「次世代アントレプレナー育成プログラム

神奈川大学公式サイト「YOXOアントレプレナー育成プログラム

京都産業大学「アントレプレナー育成プログラム

アントレプレナーの精神を社内で活かす方法

アントレプレナーシップは、自身が起業する場合に関わらず、組織内の一員としても非常に価値がある考え方といえます。

また、将来起業を目標としているビジネスパーソンなら、まずは社内でアントレプレナーシップを活かす方法について考えてみてもいいでしょう。

リーダーシップを発揮しアグレッシブな目標を達成する

アントレプレナーシップは、組織内でのリーダーシップや目標達成において重要な役割を果たします。

アントレプレナーシップを兼ね備えた人なら、革新的な思考と行動力で、高い目標にも果敢に挑めるでしょう。

また、組織内に属するアントレプレナーは、チームを鼓舞しアグレッシブな組織目標にも挑戦します。

社内でイノベーションをおこしたり、困難なプロジェクトを成功に導いたりするには、アントレプレナーシップを兼ね備えたリーダーが必要不可欠です。

新しい市場に挑戦する

アントレプレナーシップは、新しい市場へ挑戦する場面でも大きな役割を果たします。

アントレプレナーシップがあれば、市場のニーズを敏感に察知し、それに応じた新しい製品やサービスを開発できるでしょう。

組織を成長させるためには、リスクを恐れずに新しい機会を探求していく考えが必要となります。

社内のマーケティング戦略に活用する

アントレプレナーシップは、社内のマーケティング戦略においても大きな価値をもたらします。

社内で活躍するアントレプレナーは、消費者のニーズや市場のトレンドを先読みし、効果的なマーケティング戦略を立案するスキルを備えています。

アントレプレナーと混同される用語の解説

アントレプレナーは、他の類似した用語と混同されることがあります。

最後に、アントレプレナーと間違われやすい用語についても解説しておきます。

アントレプレナーとイントレプレナーの違い

アントレプレナーとイントレプレナーには、大きな違いがあります。

アントレプレナーは、独立して新しいビジネスを立ち上げる人々を指し、イントレプレナーは既存の組織内で革新的なプロジェクトを推進する人々を指します。

先ほどの「社内でもアントレプレナーが必要」という表現は「イントレプレナー」が正解かもしれません。

アントレプレナーとインフォプレナーの違い

インフォプレナー(Infopreneur)とは、「情報(Information)」と「起業家(Entrepreneur)」を組み合わせた造語です。

インフォプレナーは、情報や知識を商品化し、ビジネスを展開する人のことを指します。

インフォプレナーは、「情報や知識をもとに特定のサービス提供に特化している人」と理解するといいでしょう。

まとめ

アントレプレナーは、単なるビジネスの立ち上げだけではなく、経済と社会課題解決の両面で価値を生み出す力を持っています。

組織内でアントレプレナーシップを育むことは、ビジネスの成長と革新に不可欠です。

起業することを目標にしている人もそうでない人も、アントレプレナーシップは、変化の激しいビジネス社会で勝ち残っていくために必要不可欠な考え方といえます。

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