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人材育成に使える成長サイクルとPDCAサイクルを解説

人材育成に使えるサイクル

人材育成の必要性を感じていても、どのように進めていけば効果的なのか、具体的に想像できない担当者は多いのではないでしょうか。

実は人材育成には重視するべきふたつのサイクルがあり、これを把握しないまま進めると人材育成がとん挫してしまう可能性があります。

この記事では人材育成に使えるふたつのサイクルと、効率よく回すためのポイントを紹介します。

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人材育成は企業の成長のために必要

企業が成長するためには売り上げを増やしたり、事業を拡大したりする必要があります。

そのためには従業員を増やしたり、離職率を下げて知識やノウハウをためるなど、人材の力が欠かせません。

しかし一方で、生産年齢人口は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。

また、好景気を知らず、安定を求める「ゆとり世代」「さとり世代」、と呼ばれる層が加わったり、政府による「一億総活躍社会」が推進されたりしたことにより、多様な価値観を持った人材が労働市場に参画するようになりました。

このような企業の理想と労働市場の現状とのギャップを埋めるために、人材育成をおこない、自社にいる貴重な人材の力を最大限に発揮させる必要があります。

グローバル化やAIの登場により激化した競争を勝ち抜くためには、人材育成の重要性がますます増しているといえます。

参考:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少

成長サイクルを構成する4つのステップ

人材育成には以下のような流れでおこなわれる、効果的なサイクルがあります。

  1. 成長する必要性を感じる
  2. 課題・学ぶべきことを知る
  3. 学習する
  4. 実践する

順に解説します。

1.成長する必要性を感じる

成長サイクルの初期では、社員自身が成長する必要性を感じていることが大切です。

なぜなら自らが必要性を感じていないと、やらされている感覚になり、思うような学びや行動、効果が得られない可能性があるからです。

理想と現状とのギャップに気づかせるには、以下のような方法が有効です。

  • 企業の中長期的なビジョンを共有する
  • 日頃の仕事を評価・フィードバックする
  • 職務や社歴ごとに必要なスキルや知識、資格を明確に就業規則などに記載する

これらをおこなうことで、社員は企業の理想と自身の現状との差異を感じ、現状維持を続けていても評価されないと危機感を持ちます。

2.課題・学ぶべきことを知る

次は、何が問題で何を学んだらよいのかを社員に把握させます。

このとき企業が定めているKGI(ビジネスの最終目標)、KPI(KGIを達成するための中間目標)を達成するために個々が持ち合わせるべきスキルと、現状との差異を洗い出します。

それを社員ごとスキルマップ化し、上司から項目ごとの達成具合をフィードバックすることで、企業と社員とで問題点の認識を合わせましょう。

評価する側は主観や感情論ではなく数値化された目標を使ってフィードバックし、それを記録しておくと、のちの効果測定にて成長度を把握できます。

3.学習する

課題を把握したら次は学習する段階です。

実践にスムーズにつながるよう、自主性をつけることも意識して取り組みましょう。

育成担当者は例えば以下のように学習の機会を部下に与えます。

  • 日頃の業務における上司からの助言
  • 職種・階層別のスキルアップ研修
  • 参加希望者を募るオープンな研修
  • 社員同士が経験を共有できる場の提供
  • 資格取得制度の策定
  • 通信教育制度や書籍購入補助制度の策定

研修に参加したり、ロールモデルとなる人を見つけたり、問題解決のためにビジネス書を読んだりして成長に必要な学びを取り入れるように支援できるでしょう。

関連記事:人材育成に必要なマネジメントの方法とは|必須スキルも徹底解説

4.実践する

人は学びをアウトプットして能力やスキルが定着するため、実践は学びを強化するために重要なステップです。

例えばOJTやジョブローテーションなど、得た知識を風化させないように、積極的に実践する場を設けましょう。

企業が実践する場を提供して成功体験を与えると、実践の過程で課題が浮き彫りとなり、問題点にアプローチする方法を社員自身で創意工夫できるようになります。

人材育成のために有効なPDCAサイクルとは

PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(改善/対策)の4つのプロセスを循環させてマネジメントの品質を高める考え方です。

成長にフォーカスしたフレームワークとは異なり、業務改善が重視されています。

成長のプロセスと業務改善のサイクルのふたつをうまく使い分け、成長と改善サイクルを滞りなく回すことが企業の人材育成にとって重要です。

ここからはそれぞれの段階について解説します。

Plan:育成計画の立案

まずは育成計画の検討から始めます。

計画の立案は以下の流れでおこないましょう。

  1. 業務内容と必要なスキルを洗い出す
  2. 目標を設定する
  3. 育成の手順を設定する
  4. 5W1Hを明確にする

はじめに、企業の持続や成長に必要な業務内容とスキルを挙げます。

商品知識やプレゼンテーション能力、企画力など項目は多岐にわたりますが、実態を把握するために、現場の声を聞きながら進めるようにしましょう。

次に目標を設定します。このとき人事担当だけでなく、中長期的なビジョンを持つ経営者の意見を反映させるようにします。

計画を立てるにあたって特に大切なのは、定量的な目標の検討です。

定量面での評価ができないと人材育成計画自体がとん挫する可能性が高いため、以下のようにきちんと数字で表せる目標にしましょう。

【目標例】

  • 売り上げはキープしたまま残業時間を前年比20%ダウンさせる
  • 商品成約率30%を維持できる営業職人材を3年後までに10人輩出する
  • 自社サイトの〇〇ページ閲覧数を5,000PVにする

目標を決めるのと同時に、評価基準も決定して部下に提示しておくようにします。

そうすると、部下が期間中にやるべきことが明確になり、目標に集中できるからです。

最後に、以下のように5W1Hを明確にします。

  • いつまでにおこなうのか
  • どこでおこなうのか
  • 誰がおこなうのか
  • 何をおこなうのか
  • 何を目的でおこなうのか
  • どのような育成方法でおこなうのか

一度決めた期間や範囲、目的がぶれないように具体的なアクションを考えましょう。

Do:計画の実施

計画を立てたら次は実行する段階へと移ります。

このとき、まずは育成担当者が手本になって部下にやってみせて教えるのが大切です。

また、やりっぱなしにせず、目標を達成するためにおこなった以下の点をまとめておきましょう。

  • 計画どおりに進められた点
  • 進められなかった点
  • 定量的な結果

行動を書きとめておくと、振り返りの際に行動とその効果を検証できます。

さらには部下に対しては過程に細かく口を出したり、やり方を詳細に教えたりはしないようにしましょう。

最低限を伝えたら、あとは結果が出るまで待つことが、部下の自主性を育てることにつながります。

Check:評価

計画を実施したあとは、計画が理想どおりに進んでいるのかを定期的にチェックする段階へと移ります。

実際に人材が育っているかを評価するために、評価者と被評価者との間で目標について以下の点を話し合いましょう。

  • 目標の達成具合
  • 目標に及ばなかった点と原因
  • 今後のアクション

このとき、結果に対して数字にこだわった評価が重要です。

なぜなら、数字で表せる結果で評価すると部下が上司に評価されるために仕事に取り組むようになるため、以降の無駄な努力が減るからです。

評価する際は達成度をベースに比率を定め、評価点を決定します。

例えば目標が「前年度比20%アップの契約数」であると仮定すると、以下のように評価できるでしょう。

  • 成約数20%アップの場合……80点
  • 現状維持の場合……60点
  • 20%ダウンの場合……40点
  • 40%アップの場合……100点

評価の際には部下が自己評価し、上司がそれを承認するフローにし、評価者以外の人間から見ても妥当な評価であると客観的に認識できることが大切です。

そのようにすることで、のちに同じポジションに就く人間が努力するべき対象を判断できるからです。

そもそものチェックがあいまいであると、上司の求める結果と部下の自己評価がずれてしまうため、誰が見ても明確である数字で評価し、感情論で判断しないようにしましょう。

関連記事:マネジメントを評価する際の6つの要素【必要な3つのスキル】

Action:改善/対策

最後に評価で明らかにした問題点をもとに、さらなる行動を考える段階へと移ります。

達成ができなかった項目は「経験が少ないのか」「知識がないのか」「仕事の段取りの問題か」をはっきりさせておくと、次回計画を立案する際にも役立ちます。

例えば経験が少ないことにより未達の項目があるとしたら、次のサイクルでは「対応件数を3件増やす」「アポイント取得率を5%にする」などと設定できるでしょう。

評価でうまくいった項目があれば、その取り組み方を応用し、次のアクションに当てはめることもできます。

改善策の検討が終わったらまた企業の目標達成に近づくためのPlan(計画)を検討し、PDCAサイクルを繰り返しおこないましょう。

なお瞬発性が求められる際は、PDCAサイクルよりもOODAループが効果を発揮しやすい可能性があります。

ケースによって使い分けましょう。

関連記事:【PDCAは古い?】OODAループの効果を解説!

PDCAサイクルを効率よく回す4つのポイント

やみくもにPDCAを回すだけでは、途中から当初描いていた理想とかけ離れてしまうケースがあります。

ここからはPDCAサイクルを回すポイントを4つ紹介します。

1. 現実的な目標を立てる

変化が著しい時代では、問題に対処する際の明確な答えがないケースが多々あります。

問題に当たるたびに指示を仰いだり、社内の経験者に多くの部分で教えてもらったりするスタンスでは、過去におこなった以上の工夫ができず、企業の成長が鈍化してしまうでしょう。

人材育成のスピードを上げるためには、育成担当者は社員の能力に合った適切なハードルで目標を設定し、社員が結果に向けて自走する力を育むようにするとよいでしょう。

現状の能力をみて極端に負荷がかからない目標にすると、社員が自分が持つ権限のなかで自ら考えて進められるため、PDCAの回転を速められます。

2.目標は定量的な数値で共有する

目標の達成基準があいまいだと、社員は何に力を入れてよいのかわからなくなってしまいます。

そのような事態を避け、評価者が被評価者に数字を意識して活動させるために、育成担当者は以下のふたつに気を配りましょう。

  • 目標は多くても5つまでとする
  • 数値化して誰が見ても客観的にわかるようにする

目標を絞って定量的な数値で共有するとやるべきことが明確になり、具体的なアクションプランを立てられます。

その結果、目標の達成へと近づくでしょう。

3.成長度合いをフィードバックする

上司と部下との間に人材育成での認識がずれていると、部下に無駄な働きをさせてしまうことになります。

目標を数値化していても、部下の経験や能力によって明確さが異なるものです。

取り組むべき対象を適切に把握させるために、評価者は半期や四半期に一度など定期的に数字を使って成長度合いをフィードバックしましょう。

その結果、部下がどのようにすれば評価されるのかを把握できるため、企業が望むスキルをつけるためのPDCAサイクルが機能します。

4.考える力を伸ばすために質問する

何か新しい仕事をおこなうときに必ずしも前例や答えがあるとは限らないため、部下に自ら考えさせることが重要です。

仮説を立てて進む力をつけさせるために、上司は「次は何をする?」「うまくいかなかったのは何が原因だと思う?」などと質問するようにします。

すると部下は仮説をもとに次なるアクションを考えられる力がつき、上司の力に頼らずともPDCAサイクルを自力でスムーズにまわせるようになるでしょう。

関連記事:マネジメントサイクルとは?種類や成功・失敗のポイントを解説

人材育成のサイクルを理解して企業を成長させよう

企業の成長と人材の成長のために新たな業務を取り入れたり、社員に新しい課題を課したりする機会があるでしょう。

しかしやみくもに追加の業務を任せるだけでは時間の創出ができず、計画がとん挫してしまうことがあります。

計画的な人材育成を実現させるために、今回紹介した成長サイクルだけではなく、業務改善サイクルも意識して、企業としての理想に近づくように人材を育成しましょう。

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