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バリュープロポジションキャンバスとは?図式の見方や作成方法を解説

近年、マーケティング戦略の一環として注目されているフレームワークがバリュープロポジションキャンバスです。

バリュープロポジションキャンバスの活用により、自社が提供する製品やサービスと顧客ニーズのずれを把握できます。大きな収益を図るためにも、積極的にバリュープロポジションキャンバスを活用していきましょう。

本記事ではバリュープロポジションキャンバスの図式構造や、図式の作成方法を解説します。

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バリュープロポジションキャンバス(VPC)とは

バリュープロポジションキャンバスとは

バリュープロポジションキャンバスとは、自社が提供する価値と顧客のニーズを可視化するためのフレームワークです。ここではバリュープロポジションの意味や、バリュープロポジションキャンバスの概要を解説します。

バリュープロポジションとは顧客に提供する独自の価値

バリュープロポジション(Value Proposition)とは、企業が顧客に対して提供する価値を意味する用語です。ここでの価値とは、顧客がその商品やサービスを利用したことで得られる明確で実証可能な利益を示しています。

利益を生むのに必要な要素は、競合他社との差別化です。さまざまな製品やサービスが溢れる現代では、どのような事業においても競合が存在します。並みいる競合の中から抜け出すためには、他社にはない独自の価値で顧客のニーズに応えなければなりません。

つまり、バリュープロポジションとは分かりやすくいえば、自社だけが持つ強みです。現代のビジネスでは、他社にはない唯一の価値の提供が重要であると考えられています。

バリュープロポジションキャンバスは自社の提供価値と顧客ニーズを1枚にまとめた図

バリュープロポジションキャンバス(Value Proposition Canvas)とは、自社の提供価値と顧客のニーズを可視化するためのフレームワークです。略してVPCとも呼ばれます。

このフレームワークは、ビジネスモデルキャンバスの開発でも知られるアレックス・オスターワルダーにより提唱されました。

バリュープロポジションキャンバスは、1枚の用紙の中で自社の提供価値(バリュープロポジション)と顧客のニーズや状況(顧客セグメント)をまとめて図式化している点が特徴です。

バリュープロポジションと顧客セグメントを対比して表示することで、顧客に提供する価値が適切であるかどうかを検討しやすくなります。

なお、バリュープロポジションキャンバスのフレームワークは、新規事業の立ち上げはもちろん、既存事業の見直しを図る際にも有効です。

その事業が掲げるバリュープロポジションや対象とする顧客セグメントの見直しを図ることで、製品やサービスのブラッシュアップにつながります。

バリュープロポジションキャンバスが重要視される理由

バリュープロポジションキャンバスが重要視される理由

近年、バリュープロポジションキャンバスが重要視されているのは、このフレームワークによって自社の提供価値と顧客ニーズとのずれが認識できるためです。

優れたアイデアを盛り込んだ製品やサービスであっても、それが顧客のニーズとマッチしていなければ成果は望めません。

競合との競争に勝つためにはバリュープロポジションの独自性が重要です。しかしながら、企業活動では独自性を意識するあまり、自社のプロダクトに顧客ニーズとかけ離れた機能やサービスを盛り込んでしまう失敗も見られます。

効果的なバリュープロポジションを確立するためには、顧客目線に立って自社のプロダクトを見つめ直すことが重要です。

バリュープロポジションキャンバスのフレームワークを活用すれば、顧客ニーズの可視化により常に顧客視点を意識しながら自社の提供価値を考えることができます。

製品やサービスを提供する側にいると、勝手な思い込みから顧客ニーズを読み違えてしまうことは珍しくありません。バリュープロポジションキャンバスを効果的に利用し、顧客ニーズに沿った自社の提供価値を探していきましょう。

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バリュープロポジションキャンバスの図式構造

バリュープロポジションキャンバスの図式構造

バリュープロポジションキャンバスの図式は、大きく左右に分けられます。図式の右側が顧客セグメント、左側がバリュープロポジションに関する項目です。

ここでは会員制のスポーツジムを運営する企業を例に、バリュープロポジションキャンバスの図式の基本構造を解説します。

図式右側:顧客セグメント(Customer Segment)

バリュープロポジションキャンバスの図式の右側に記載されるのは、顧客セグメント(Customer Segment)とそれに関連する項目です。

通常、顧客セグメントは顧客を性別や年齢、地域、行動などの傾向で分類したグループを指しますが、ここでは自社のバリュープロポジションの対象となる人物像(ターゲット顧客)と捉えると分かりやすいでしょう。

また図式の右側には、顧客セグメントをより具体的にするため、以下の項目も設定されています。

  • Customer Job:顧客が解決したい課題
  • Pains:顧客の悩み、課題解決の妨げになる要因
  • Gains:顧客の利得、課題解決にあたってあるとうれしい要因

以下は会員制スポーツジムを想定した場合の記載例です。

  • 顧客セグメント:都内在住で中間管理職として働く30代会社員
  • Customer Job:定期的な運動の習慣を身に付けたい、ダイエットをして身体を引き締めたい
  • Pains:ジムに通う時間がない、取引先との接待で食事の量が減らせない
  • Gains:無駄な出費は押さえたい

図式左側:バリュープロポジション(Value Proposition)

図式の左側にはバリュープロポジション(Value Proposition)とそれに関連する項目を記載します。

バリュープロポジションは既に説明したとおり、自社が顧客に提供する価値です。ここでは事業や製品のバリュープロポジションの他、それを構成する要素として以下の項目についても掘り下げて設定していきます。

  • Products & Services:自社の製品やサービス
  • Pain Relievers:顧客の悩み(Pains)を取り除くもの
  • Gain Creators:顧客の利得(Gains)をもたらすもの

ポイントとなるのは、図式右側のPainsと図式左側のPain Relievers、図式右側のGainsと図式左側のGain Creatorsが対の関係である点です。Pain RelieversがPainsを打ち消し、Gain CreatorsがGainsをもたらすことで顧客のニーズに応えていきます。

図式右側と同様に、会員制スポーツジムを想定した場合の記載例です。

  • バリュープロポジション:低価格で利用できる24時間制トレーニングジム
  • Products & Services:会員制のトレーニングジム
  • Pain Relievers:24時間いつでも利用可能、専属トレーナーが食事内容を指導
  • Gain Creators:サブスクリプション型の料金体系

バリュープロポジションキャンバスの作成方法

バリュープロポジションキャンバスの作成方法

ここからは実際にバリュープロポジションキャンバスを作成する手順を解説します。バリュープロポジションキャンバスの作成手順は大きく4ステップです。

ステップの順番を間違えると効果的な分析ができない可能性もあるため、なるべく手順どおりに作業を進めましょう

ステップ1. 顧客セグメントとバリュープロポジションを設定する

初めに、図式の左右それぞれの上部へ、対象となる事業やプロダクトの顧客セグメントとバリュープロポジションを記入します。これにより、誰に対してどのような価値を提供するのかが明確になります。

なお、ここで記載する内容は簡潔にまとめたもので構いません。飲食店のバリュープロポジションであれば、安くておいしい料理を提供するなどです。一方で、顧客セグメントについてはターゲットとする顧客のペルソナをしっかりと定義しておくことが重要です。

ステップ2. 図式右側を埋めて顧客ニーズを洗い出す

次に、図式の右側(顧客セグメント側)にある以下の項目について埋めていきましょう。

  • Customer Job(顧客が解決したい課題)
  • Pains(顧客の悩み)
  • Gains(顧客の利得)

これらの項目について考え得る限り書き出して整理することで、ターゲットとする顧客の人物像や自社のプロダクトに求められている要素が見えてきます。

ステップ3. 図式左側を埋めて自社の提供価値を洗い出す

続いて、図式の左側(バリュープロポジション側)にある以下の項目を埋めていきましょう。

  • Products & Services(製品やサービス)
  • Gain Creators(顧客の利益をもたらすもの)
  • Pain Relievers(顧客の悩みを取り除くもの)

これらの項目を掘り下げていくことで、顧客のニーズに対して自社が提供できる価値が見えてきます。

なお、ここで注意すべき点は、図式左側(バリュープロポジション側)の項目を埋める前に、図式右側(顧客セグメント側)の項目を完成させておくことです。

この手順を間違えると顧客目線を見失い、企業本位のバリュープロポジションになってしまう可能性があります。

ステップ4. 顧客セグメントとバリュープロポジションの各項目のずれを確認する

最後に顧客セグメント側の各項目とバリュープロポジション側の各項目を照らし合わせましょう。特に右側のPainsと左側のPain Relievers、右側のGainsと左側のGain Creatorsがそれぞれ対の関係になっているかを確認することが重要です。

これらの項目の内容に関連が見られない場合、ターゲットとして想定する顧客のニーズと自社の提供価値にずれが生じていると考えられます。

事業を継続するためには、ターゲットとする顧客層を変更するか、事業内容を見直し新たな提供価値を創造するなど、何かしらの対応が必要となるでしょう。

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バリュープロポジションキャンバスで顧客ニーズとのずれを認識しよう

バリュープロポジションキャンバスは、企業の提供価値(バリュープロポジション)と顧客ニーズのずれを把握し、修正するために用いられるフレームワークです。自社が提供する価値と顧客ニーズが合致していないと、大きな収益は望めません。

バリュープロポジションキャンバスを活用して、自社の製品やサービスが顧客ニーズにマッチしているか確認してみましょう。

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