チームのパフォーマンスを引き出すための取り組みであるチームビルディングは、対面形式で実施されるのが一般的でした。
しかし、リモートワークが普及している現代においては、オンラインで実施できるチームビルディングが求められています。
そこで本記事では、オンラインで実施できるチームビルディングの手法を紹介していきます。
チームビルディングをオンライン開催するメリットや注意点も解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、その名の通り、チームを構築するための手法です。
ビジネスの場においては「成果を上げるチームを作る」という目的で実施させることが多いでしょう。
チームビルディングの目的としては、ほかに以下が挙げられます。
- チームの親睦を深める
- チームのモチベーションを高める
- チームのビジョンを共有する
- チームメンバー同士の理解を深める
チームビルディングはゲーム感覚で楽しめるので、人間関係を構築し直すことができます。
結果として、仕事においても成果につながる可能性が高いと考えられています。
※弊社「識学」がチームビルディングを推奨しているわけではありません。あくまでも、チームビルディングの一般記事としてお楽しみください。
関連記事:チームビルディングとは?目的・実施方法などを徹底解説!
チームビルディングをオンライン開催するメリット
チームビルディングをオンラインで開催するメリットは以下の3つです。
- コミュニケーションが増える
- コストを削減できる
- 場所を問わず参加できる
それぞれ詳しく解説していきます。
メリット①:コミュニケーションが増える
リモートワーク環境下では、どうしてもコミュニケーションが途切れてしまうものです。
特に、コロナ禍で新卒入社したリモートワーク中心の新人社員にとっては、非常にやりづらい環境だと言えるでしょう。
オンラインでチームビルディングを実施することの意義は、ここにあります。
リモートワーク環境下でもチームの親睦を深められるようになるので、パフォーマンスが向上するのはもちろんのこと、従業員のメンタルヘルスにも良い影響を及ぼすはずです。
リモートワーク環境下でもっとコミュニケーションを促進させたいのであれば、チームビルディングをオンライン開催するのがいいでしょう。
関連記事:経営者のリモートワークの悩みは「コミュニケーション」と「評価制度」識学が経営者の課題調査結果を公表
メリット②:コストを削減できる
オンラインでチームビルディングを開催することで、コストを削減できる可能性があります。
対面形式の場合、会議室を抑えたり、たくさんの食べ物・飲み物を準備したりする必要があるでしょう。
しかし、オンラインでチームビルディングを開催する際は、有料のゲームでない限り、基本的にはコストが発生しません。
Web会議ツールさえあれば、場所を抑える必要もないので、諸経費も節約できます。
コストを削減したいのであれば、チームビルディングをオンライン開催するのも選択肢の一つになるでしょう。
メリット③:場所を問わず参加できる
オンライン形式のチームビルディングは、場所を問わず参加できるのがメリットです。
近年はリモートワークが普及したことで、自宅で仕事したり、旅しながら仕事したりするケースが増えています。
このような環境下でチームビルディングを実施するのであれば、やはりオンライン形式しかありません。
もちろん、インターネットさえ繋がればどこでも参加できるので、海外から参加することも可能です。
そのため、グローバル規模でチームビルディングを実施できるのも、オンライン開催のメリットだと言えます。
チームビルディングをオンライン開催する際のポイント
チームビルディングをオンライン開催する際のポイントは以下の3つです。
- PC・ネット環境を整えておく
- 全員が会話できるようにする
- 参加者の都合を考慮する
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント①:PC・ネット環境を整えておく
チームビルディングをオンライン開催する際は、従業員のPC・ネット環境を事前に整えておきましょう。
まずは要件を設定します。
具体的にはPCまたはスマホの処理性能と、通信スピードです。
通信スピードに関してはNetflixが提供しているfast.comを用いて、あらかじめ目安の通信スピードを設定しておきましょう。
一般的に、Web会議で必要な通信スピードは3〜5Mbpsです。
そして可能な限り、PC・ネット環境の整備のための支援を実施しましょう。
月に3,000円から1万円程度の補助があれば、チームビルディングのための十分な環境は構築可能です。
オンラインとはいえ、チームビルディングの肝はコミュニケーション。
可能な限り、対面と同じレベルでスムーズな会話ができるようにすべきです。
PC・ネット環境はしっかり整えておきましょう。
ポイント②:全員が会話できるようにする
オンラインでチームビルディングを開催する場合は、全員が会話できるようにすることを心がけましょう。
具体的には、まずグループを可能な限り小分けにします。
例えばZoomであればブレイクアウトルーム機能で、グループを別途作成できるようになっています。
この機能を用いて、まずは4人ほどの規模のグループを複数作るようにしましょう。
そしてできれば、各グループに進行係を配置するのが望ましいです。
これは、参加者に進行係を担当させるのでも構いませんし、進行側が各グループに参加する方法も考えられます。
どちらにせよ、ファシリテーターを設けて、全員が会話できるような仕組みを構築することが大切です。
ポイント③:参加者の都合を考慮する
オンラインでチームビルディングを開催する場合は、各参加者の都合を考慮するようにしましょう。
例えば自宅から参加する人の場合、プライバシーの関係で家の中を映すことができないこともあれば、海外にいる従業員であれば時差の問題もあります。
少々レアなケースですが、通信環境が劣悪な場所(キャンプ場など)に滞在している可能性も無くはありません。
オンラインでチームビルディングを開催すると、自然と参加者のプライバシーやライフスタイルに片足を突っ込む状態になります。
対面形式よりも、参加者の都合を考慮すること、プライベートに踏み込みすぎないことを意識した方が良いと言えます。
オンラインでできるチームビルディング10選
ここからは、オンラインで実施できるチームビルディングを紹介していきます。
オンラインでできるチームビルディングは以下の通りです。
- リモ謎
- リモBako
- NASAゲームオンライン
- 人狼ゲーム
- 条件プレゼン
- MGオンライン
- デジタルツアー
- アクティブ・ブック・ダイアローグ
- オンライン運動会
- オンラインエクササイズ
それぞれ詳しく解説していきます。
関連記事:チームビルディングにおすすめのワークショップを紹介!
リモ謎
リモ謎は株式会社IKUSAが手掛けるリモートワーク謎解きチームビルディングです。
主に以下の7つのプランがあります。
- 閉ざされた電脳都市からの脱出
- 燃え盛る本能寺からの脱出
- 終わらないリモート会議からの脱出
- 出口のない電脳迷宮からの脱出
- 2つのパラレルワールドからの脱出
- 崩れゆく会議室からの防災謎解き脱出
- オンラインSDGs謎解き ある惑星からのSOS
基本料金は30名〜で30万円〜となっており、数百人規模での実施も可能となっています。
実際に有名企業の利用実績があり、料金体系を見ても、大企業におすすめのチームビルディングだと言えるでしょう。
リモBako
リモBakoは、先ほど紹介したリモ謎と、オンラインイベント開催プラットフォームであるreBakoがコラボしたサービスです。
一般的なゲーム内容はリモ謎と同じですが、これに加えて、デジタル世界を自由に移動できるreBakoも利用できるのが特徴となっています。
まるでリアルイベントのような「出会い」を体験することが可能です。
また、料理やドリンクを自宅に配送するフードデリバリーサービスや、オンラインビンゴ大会もセットで実施できるので、パーティイベントに近い形で開催したいのであれば、リモBakoが選択肢に挙がってきそうです。
NASAゲームオンライン
NASAゲームオンラインは、有名なコンセンサスゲームであるNASAゲームのオンライン版です。
NASAゲームとは、月面で母船から離れてしまった場所に不時着してしまった宇宙飛行士を救い出すために、アイテムに優先順位をつける合意形成ゲームです。
NASAが科学的に導き出した模範解答も存在しているため、アイデアだけでなく、論理的思考も必要なゲームとなっています。
やろうと思えば自社でシステムを構築することも可能ですが、株式会社ハートクエイクが既にサービスとして提供しているので、こちらを利用するのもいいかもしれません。
人狼ゲーム
人狼ゲームは、市民側と人狼側に分かれて、自分の陣営を勝利させるゲームです。
人狼ゲームのメリットは、自然と相手の顔や口調に注意を払う必要がある点が挙げられます。
人狼ゲームでは、真実や嘘を見破るために、ちょっとした言動からさまざまな要素を推察する必要があります。
その中で自然と相手をいつも以上に見るようになるので、仕事の時では得られなかった気づきを得ることがあるのです。
人狼ゲームは無料で提供されているものがあり、手軽に始められるでしょう。
ゲームの性質上、大規模開催には向かないため、もし人狼ゲームを実施するのであれば、チームごとに開催するのが良さそうです。
条件プレゼン
条件プレゼンは、あらかじめ決められた3つの言葉を用いてプレゼンやストーリーを作るゲームです。
例えば「宇宙・りんご・戦国時代」という全く異なる3つの言葉を用意します。
そしてこの3つの単語を織り交ぜたプレゼンやストーリーをチームで考えるのです。
当然、メンバーはさまざまなアイデアを用いる必要があるでしょう。
この過程で、コミュニケーションが促進されるというわけです。
非常にシンプルなゲームなので、手間やお金もほとんど発生しません。
MGオンライン
MGオンラインは、40年前にソニーが開発した経営者育成ゲームのオンライン版です。
とある製造企業の経営者となって、意思決定をしていくゲームで、意思決定能力やマネジメント能力を育てる目的でもプレイされます。
少人数から楽しめるのが特徴となっています。
また、MGオンラインは企業研修に出される助成金を活用して受けることもできるため、費用を可能な限り抑えた形で開催できるのも魅力です。
デジタルツアー
デジタルツアーは、参加者が自分の部屋や住んでいる街を紹介するチームビルディングです。
もちろんプライバシーの問題があるので、事前に確認を取る必要があります。
デジタルツアーであれば、コストもほとんど発生せず、かつ参加者の人間性を垣間見ることができるので、お互いのことを知りたいときに活用するのが良さそうです。
また、参加者が自分の部屋や街の魅力を紹介する過程で、プレゼン能力も養うことができます。
アクティブ・ブック・ダイアローグ
アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)は、1冊の本を分割して、チームで分担して読んでいくチームビルディングです。
ABDでは1冊の本を複数人が分割して読んだ後に、それぞれのメンバーが自分が読んだパートの要約や感想を発表していきます。
これにより、アウトプットとインプットをチームメンバー全員が実施できるため、本の内容を効果的に学ぶことができ、かつチーム力向上に繋がるというわけです。
ドラッカーの『マネジメント』などの語り継がれるビジネスの名著や、あえて小説を分割読みしてみるのも面白そうです。
オンライン運動会
オンライン運動会は、リモート環境上で実施される運動会のことです。
具体的な種目としては以下が挙げられます。
- 10秒ぴったりチャレンジ
- クイズ
- 借り物競争
- ものしりとり
- ダンス
ただし、1時間以上オンライン運動会を実施し続けるのは、身体的にも精神的にも厳しいので、チームビルディングの最初だけ取り入れるなど、アイスブレイク的に短時間で実施してくのが良さそうです。
オンラインエクササイズ
オンラインエクササイズは、リモート環境下で一緒に運動するチームビルディングです。
散歩、ランニング、筋トレ、ストレッチ、ヨガなどを、リモート接続しながら実施していきます。
オンラインエクササイズであれば、従業員の健康も増進され、運動を習慣化しやすくなるでしょう。
また、オンラインエクササイズを応用して「散歩しながら会議する」など、運動しながら仕事を進めることも可能です。
まとめ
今回はオンラインで実施できるチームビルディングを紹介していきました。
リモートワークは非常に多くのメリットがある一方で、メンバーとの距離感が遠くなりがちというデメリットも抱えています。
それを解消できるのが、オンライン形式のチームビルディングです。
リモートワークを推進していくのであれば、それにあわせて、オンラインで実施できるチームビルディングを取り入れるのがいいかもしれません。