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ChatGPTは商用利用できる?著作権問題と使用する際の注意点について解説

ChatGPTを使えば、自然で読みやすい文章を作成したりプログラムのコードを自動で生成したりすることができます。ChatGPTで作成したコンテンツは商用利用できるのでしょうか。

本記事では、ChatGPTをリリースしたOpenAI社の利用規約を参照しながら、ChatGPTは商用利用可能か、著作権上の問題や使用する際の注意点とあわせて分かりやすく解説します。

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ChatGPTとは?

ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社がリリースした基本無料のAIチャットサービスです。公開から2カ月で全世界のユーザー数が1億人を突破するなど、急激に利用が拡大しています。

ChatGPTは国内でも普及しつつあり、日本からは4月中旬で1日当たり746万人のアクセス数があり、アメリカやインドに次いで多い数です。(※1)

ChatGPTは大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるAIを利用しており、自然でこなれた文書を生成できます。また、C、C++、C#、Java、Python、Ruby、JavaScript、Go言語やR言語など、さまざまなプログラミング言語を使ってコードを生成することも可能です。

ChatGPTには現行のGPT-3.5と、2023年3月にリリースされたGPT-4の2種類のモデルがあります。GPT-4は有料版のChatGPT Plusに加入しなければ使えませんが、GPT-3.5は無料で利用可能です。(※2)

コストをかけずに高機能な生成AIを利用できることから、多くの企業がChatGPTの導入を検討しています。

(※1)参考:野村総合研究所. 「日本のChatGPT利用動向(2023年4月時点)」

(※2)参考:OpenAI.「GPT-4」

ChatGPTは商用利用可能?

ChatGPTで生成したコンテンツは、商用利用することができるのでしょうか。ChatGPTの利用規約(Terms of use)には、以下の文章があります。(※)

「Subject to your compliance with these Terms, OpenAI hereby assigns to you all its right, title and interest in and to Output. This means you can use Content for any purpose, including commercial purposes such as sale or publication, if you comply with these Terms. 」

日本語に翻訳すると、以下のとおりです。

「お客様が本規約を遵守することを条件として、OpenAIは、ここにアウトプット(作成したコンテンツ)に関する全ての権利、権限および権益をお客様に譲渡します。つまり、お客様は、本規約を遵守すれば、販売や出版などの商業目的を含め、いかなる目的でもコンテンツを使用することができます。」

つまり、ChatGPTで生成したコンテンツの権利はユーザーに帰属し、発生した収益もユーザーに還元されることが分かります。また、利用規約を遵守する限り、販売や出版などの商業目的で良いと記載されています。

ただし、他人の権利を侵害、悪用、または違反する方法でサービスを利用した場合や、出力したデータが人間によって作成されたものであると表現した場合は、利用規約違反となって商用利用ができません。

また利用規約の他にも、使用ポリシー(Usage policies)や共有&出版ポリシー(Sharing & publication policy)のページに利用上のルールが記載されているため、一度目を通しておきましょう。

※参考:OpenAI. 「Terms of use」

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ChatGPTにおける著作権問題

ChatGPTを利用するときに注意したいのが、著作権の問題です。

ChatGPTの利用規約には、「アウトプット(作成したコンテンツ)に関する全ての権利、権限および権益をお客様に譲渡(する)」という文章があるため、ChatGPTで生成したコンテンツに対して、運営元のOpenAI社が著作権などの権利を主張することはありません。

しかし、ChatGPTは他者の著作物を含むテキストデータを学習し、文章などのコンテンツを出力するツールです。そのため、著作権侵害と認められてしまう可能性があります。

考えられるのは以下のようなケースです。

  • 他人の著作物に基づいてコンテンツを生成し、そのまま商用利用を行った
  • 生成されたコンテンツが他者の著作権に類似しており、著作権侵害の訴えを起こされた

特に生成されたコンテンツに差別的な内容や名誉毀損に当たる内容が含まれている場合、著作権侵害の訴えを起こされる可能性が高くなります。

また、ChatGPTのプロンプト(指示)として他者の著作物を使用し、無許可で要約・改変した場合も、著作権侵害に当たる可能性があります。

著作権侵害の訴えを起こすには、コンテンツの生成過程で自身の著作物が利用されているか、生成されたコンテンツが自身の著作物と似ているかの2点を立証しなければなりません。そのため、実際に原告の主張が認められるかどうかは未知数な部分もあります。

しかし、ChatGPTによる著作権侵害が多発すると、ChatGPTのビジネス利用が厳しく規制される可能性もあります。著作権者とのトラブルを避けるため、次の項目で紹介する3つの注意点を守ることが大切です。

ChatGPTを商用利用する際の注意点

ChatGPTを商用利用する際の注意点はいくつかありますが、ここでは次の3つについて詳しく紹介します。

  • 元の情報やデータの権利者を確認する
  • ChatGPTで作成したものと類似した内容がないか確認する
  • 定期的に利用規約を確認する

元の情報やデータの権利者を確認する

ChatGPTでコンテンツを生成する場合、文章に含まれる情報やデータの裏付けをとりましょう。ファクトチェックのためだけでなく、著作権侵害を未然に防ぐ意味があります。

ChatGPTの学習データには、他者の著作物が含まれる可能性があります。ChatGPTが特定の情報やデータを参照している場合は、元の権利者が存在しないか確認することが大切です。

例えば、ニュースの引用などが含まれる場合は、必ず権利者のWebサイトの利用規約を確認しましょう。

ChatGPTで作成したものと類似した内容がないか確認する

ChatGPTで作成したコンテンツを検証し、他の著作物と類似した内容が含まれていないかを確認することが大切です。著作権侵害の意図がなくても、ChatGPTが生成したコンテンツに偶然他者の著作物が含まれる可能性があります。

目視でのチェックは時間がかかるため、コピペチェックツールを利用するのがおすすめです。ChatGPTで作成した文章を入力することで、他のWebサイトやブログの文章を無断で引用していないか自動でチェックできます。

定期的に利用規約を確認する

OpenAI社の利用規約は定期的にアップデートされています。例えば、ChatGPTの使用ポリシーは2023年5月23日に更新され、より内容が具体的になりました。

現在の利用規約では商用利用が認められていますが、この先、規約変更によって商用利用の範囲が制限されたり、商用利用が有償になったりする可能性もあります。

知らないうちに制限の範囲を超えてしまったり、有償と知らずに商用利用してしまったりしないように、ChatGPTの利用規約を定期的に確認することが大切です。自社だけで判断するのが難しい場合は、専門家に相談することをおすすめします。

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ChatGPTでできる主なこと

ChatGPTを使うと、具体的にどのようなことができるのでしょうか。以下はChatGPTの活用例です。

  • 文章の要約
  • メール文章の作成
  • 文章の翻訳
  • ソースコードの作成
  • 表計算ソフトの関数の作成
  • 企画書や資料の素案作成
  • 原稿の作成
  • 小説や脚本の作成
  • ChatGPTとの会話

ChatGPTでできる9つの作業を紹介していきます。

1. 文章の要約

ChatGPTを使えば、入力した文章の要約を作成できます。ChatGPTのテキストボックスに「以下の文章を要約してください」とプロンプトを指定し、要約したい文章を入力しましょう。

要約する文章の長さは、「短く要約してください」「長く要約してください」「1,000字程度で要約してください」など、任意にプロンプトを追加することで指定することが可能です。

2. メール文章の作成

ChatGPTは、ビジネスメールの作成にも役立ちます。お礼メール、アポイントメール、リマインドメールといったメールの目的や、メールの送信相手の特徴をプロンプトで指定すると、自動でビジネスメールを作成できます。

また、メールの件名だけが思いつかない場合、メールの文例や構成案から件名だけを生成することも可能です。

3. 文章の翻訳

ChatGPTは英語や日本語をはじめとしたさまざまな言語に対応しています。文章の作成や要約だけでなく、翻訳を行うことも可能です。

同じAIを利用した翻訳ツールとして使われるのが、DeepLです。ChatGPTの翻訳精度は非常に高く、DeepLと比較しても遜色がありません。

DeepLにもChatGPTにもそれぞれ強みがありますが、ChatGPTは単なる翻訳ツールにとどまらず、さまざまな機能を利用できます。

4. ソースコードの作成

ChatGPTには、指定したソースコードを生成する機能もあります。JavaScript、Go言語やR言語など、幅広いプログラミング言語に対応が可能です。

また、既存コードのバグをチェックしたり、ソースコードを読み込んで機能仕様書を作成したりすることも可能です。

5. 表計算ソフトの関数の作成

ChatGPTはソースコードの他にも、表計算ソフトに使われる関数やマクロ、VBAコードを作成できます。Excelなどの表計算ソフトで作業をする機会が多い方は、ChatGPTを利用してみましょう。

なお、無料アドインのChatGPT for Excelを追加すれば、Excelのワークシート上でChatGPTを利用することができます。

6. 企画書や資料の素案作成

ChatGPTは、企画書や資料の素案作成にも役立ちます。例えば、以下のような利用方法があります。

  • ChatGPTに企画書や資料のフォーマット案を考えてもらう
  • ChatGPTに企画書や資料のアイデア出しを手伝ってもらう
  • ChatGPTにキャッチコピーやネーミングの案を出してもらう
  • 引用するテキストの要約をしてもらう
  • 完成した企画書や資料の校正チェックをしてもらう

ChatGPTの使い方を工夫することで、企画書や資料を効率的に作成できるでしょう。

7. 原稿の作成

ChatGPTは以下のような原稿の作成も可能です。

  • コラムの原稿
  • スピーチ用の原稿
  • プレゼンテーションの原稿
  • Webサイトの記事の原稿

原稿のテーマや構成などの情報をプロンプトで指定する必要はありますが、原稿作成にかかる時間を大幅に短縮できます。

8. 小説や脚本の作成

同様にして、ChatGPTは小説や脚本の作成に使われるケースが増えています。創作経験があまりない方でも、プロンプトの基本的な書き方を覚えれば、簡単な小説や脚本を作成することが可能です。

小説や脚本を仕事にしている方はもちろん、趣味で楽しむ人にもおすすめの使用方法です。

9. ChatGPTとの会話

ChatGPTと1対1での会話を楽しむことができます。店員、顧客、面接官など、ChatGPTのキャラクターを設定することで、そのとおりの反応を返してくれます。

また、アプリ版のChatGPTを利用すれば、音声入力でプロンプトを入力し、会話のやりとりをすることが可能です。

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ChatGPTは商用利用可能! ただし著作権問題に注意しよう

OpenAI社の利用規約によると、ChatGPTで生成したコンテンツは商用利用することが可能です。また、ChatGPTで生成したコンテンツによって得られた収益もユーザーに還元されます。

ただし、ChatGPTで生成したコンテンツが他者の著作物に類似している場合や、他人の著作物を改変してコンテンツを生成した場合は、著作権法違反に問われる可能性があります。

ChatGPTは、文章の要約や翻訳、メール文章の作成、ソースコードの作成、企画書や資料の素案作成、日常的な会話のやりとりなど、さまざまな用途に使えるツールです。ChatGPTの正しい使い方を知り、商用利用してみましょう。

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