コロナ禍以降、在宅勤務を採用する会社は明らかに増えました。
一方で、マネジメントの難しさから在宅勤務制度を廃止した、もしくは大幅に制限した会社も多いのではないでしょうか。
今回は、在宅勤務におけるマネジメントの注意点と対処方法について解説します。現在、在宅勤務下のマネジメントに悩んでいる方、在宅勤務の導入に踏み切れていない企業にも参考になる内容です。
目次
在宅勤務と通常勤務の違い
オフィスに全員が出社して勤務する通常の勤務と在宅勤務では、組織マネジメント上どんな違いがあると思いますか。
大きな違いとして、以下の二つのポイントが挙げられます。
①物理的に会社とは異なる環境下(家庭内)にいること
②勤務している姿を周囲が確認できないこと
それぞれの違いが引き起こす、マネジメント上の課題を解説します。
会社への所属意識が希薄化しやすい
人は会社というコミュニティ以外に、家族や仲の良い友人関係などさまざまなコミュニティに所属しています。
その上で自身の行動を決定する環境がどのコミュニティなのかを都度判断しながら、自分が今何をしなければならないかを決め、行動しています。つまり、自らが会社というコミュニティの環境下にいると認識しているからこそ、自身の業務に集中することができるのです。
通常勤務の場合には、物理的に会社の環境下にいますが、在宅勤務はその名の通り自宅にいるので、勤務時間であっても、会社という環境下ではなく、家族というコミュニティの環境下にいることになります。
そのため、会社への所属意識が希薄化しやすいというマネジメント上の難しさが生じてしまいます。
プロセスを評価・管理できない
マネジメントする立場においては、通常勤務であれば部下が今何の業務に取り組んでいるか確認しようと思えば簡単に確認できるでしょう。
しかし、在宅勤務下において、それは簡単ではありません。プロセスを評価・管理することができないわけです。
では、マネジメントする側は、以上の二点についてどう対処したらよいでしょうか。
解決策①:在宅勤務時のルールの明確化と遵守徹底
在宅勤務では会社への所属意識が希薄化しやすいのですが、そもそも、所属意識とどのように醸成されるものかというと、同じルールを守っているなかで自然と醸成されていきます。
例えば、幼い頃の仲良しグループでは、グループのメンバーで何か同じものを身に着けるなど、暗黙のルールはなかったでしょうか。プロスポーツチームでも、髪の毛を染めることや髭を伸ばすことを禁止にすることがあります。
これらは同じルールを守っているからこそ、同じコミュニティの一員であるという所属意識の醸成につながっているのです。
在宅勤務においても同様です。
所属意識が希薄化しやすいからこそ、在宅勤務時のルールを設定し、遵守させる必要があります。
具体的には、勤務開始と休憩、勤務終了時にチャットで報告するルールやオンライン会議時に画面をONにするルール、チャットへのレスポンス期限やレスポンス方法のルール、などが挙げられます。
数は少なくてもよいので、何かしらルールを設定して遵守させることで、物理的に会社にいないなかでも会社というコミュニティにいることを認識させるのです。
解決策②:プロセスを見ず結果で評価する
プロセスを評価・管理することが困難であるという点に関しては、あくまで結果でしか評価しようがないという認識を評価者と被評価者が共有しなければなりません。
そもそも在宅勤務かどうかにかかわらず、プロセス評価には注意が必要です。
「時間をかけた」「頑張っている」「よい取り組みだった」などのプロセスは個人的見解であり、評価指標としては測定が困難です。
そのため、評価者、被評価者間で認識がずれやすく、被評価者が不満を感じたり、その不満解消のために評価者の説明時間が多分にかかったりしてしまいます。
また、プロセスを管理することは部下のやり方に介入していくことであり、アドバイスを与えることになりますが、必要以上にプロセスを管理することによって、「言われた通りやりましたが目標達成できませんでした」といった、結果に対する部下の言い訳の要因になってしまうのです。
通常勤務時にプロセス評価をしていた場合、在宅勤務ではそれが困難であるため、在宅勤務が制度として進まず、PCログを上司がチェックする会社もあるようです。
在宅勤務においてもプロセスを評価・管理しようとするあまり、余計なコストをかけてしまうことがあります。
通常勤務のときからいかに結果で評価するかを考えて制度設計していくことが、在宅勤務をスムーズに活用することにもつながるはずです。
まとめ:識学式は在宅勤務でもうまくいく
在宅勤務になり、マネジメントが難しくなったといわれています。
しかし、もちろんマネジメントはうまくいくことがあります。それがプロセスを考えず、結果で評価する「識学式」の評価方法です。
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