「中途採用は教育コストがかからず即戦力になる」ことを理解していても、周りから聞こえてくるさまざまなデメリットが気になるはずです。
しかし、なかなか募集や採用に踏み切れない方は多いのではないでしょうか。
今回は、中途採用のデメリットと最適な人材を確保する方法をお伝えします。
中途採用を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。
▼識学マネジメントTips「良い採用、悪い採用のたった3つの違いとは?」
目次
中途採用におけるデメリット
中途採用におけるデメリットは、主に以下の4つです。
- 期待以下の活躍だった場合のダメージが大きくなる
- 採用後の離職率が高くなる
- 柔軟性に欠ける可能性がある
- 新卒採用に比べて採用コストが高くなる
期待以下の活躍だった場合のダメージが大きくなる
人材の採用にはさまざまなコストがかかるため、中途採用者が期待以下の活躍だとダメージが大きくなります。
中でも中途の場合は社会人経験もあって実務もこなせる即戦力として採用しているため、「社会人とは」「担当業務のイロハ」の教育は新卒採用者よりは少ない時間でよいと考えられています。
しかし、中途採用者の中には即戦力として採用したにもかかわらず、いざ実務が始まったら面接や書類で確認したスキルを持ち合わせていない人もいるでしょう。
また、スキルは持ち合わせていても社内のやり方に賛同してくれず、チームワークを無視し個人プレーに走る人が少なからず存在しているのも事実です。
期待した活躍ができない人材には教育を施す時間や金銭的コストが余計にかかり、採用側として大きなダメージになりかねません。
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採用後の離職率が高くなる
中途採用者の離職率はビズリーチの独自調査によると、35〜49歳で転職を経験した人のうち、前職3年未満の退職者は39%と高い傾向にあります。
退職の理由もさまざまで仕方なく退職した人も一定数います。
とはいえ、中には終身雇用を目標としていない人であり、常にやりたいことに正直で、好条件の求人情報に対してアンテナを張り続けている人も少なくありません。
会社への愛着や社風などではなく、条件面を最優先に仕事を探している人であれば、なおさら自分が希望する条件と合致するとすぐに別の会社に転職する可能性があります。
関連記事:社員の離職を防ぐには
柔軟性に欠ける可能性がある
人の意見に耳を傾ける柔軟性は、社会人にとって非常に重要です。
しかし、中途採用者はすでに自分なりのやり方を持っていることが多いため、違うやり方を受け入れられない人もいます。
前職で成功体験をしている場合があるので、他のやり方に抵抗があり「自分が正しい」とプライドをもって仕事に取り組んでいるためでしょう。
そのため、仕事の進め方や会社の方針と衝突したりズレが発生したりすると、トラブルに発展するかもしれません。
中途採用者の成功体験を否定するのではなく自社に取り入れることで、自社だけでは思いつかないアイディアや新規事業の開拓などが期待できるでしょう。
新卒採用に比べて採用コストが高くなる
採用にかかるコストが新卒採用に比べて高額になるでしょう。
株式会社リクルートが発行している「就職白書2020」によると、採用コストの一人当たりの平均は新卒採用で93.6万円、中途採用が103.3万円であることがわかります。
採用担当者の人件費や人材紹介会社をはじめとするエージェントなどの求人媒体への費用、内定者の入社準備(引っ越しや制服、名刺、パソコンなど)にかかる費用が採用コストです。
引用:株式会社リクルート「就職白書2020」
中途採用の採用コストが高い理由は、新卒採用に比べて中途採用は企業側が求めるスキルや経験が幅広く、求職者とのマッチングが難しいことによるものと考えられます。
このように高額なコストを支払ってでも採用するので、なんとしてでも活躍してほしいのが採用側の正直な願いでしょう。
中途採用で最適な人材を確保するには?
中途採用で最適な人材を確保するには、3つの方法があります。
- 素早い対応で採用者を待たせない
- 勤務条件と求めることを明確にする
- 能力だけでなく企業との相性を確認する
素早い対応で採用者を待たせない
中途採用をする際は書類選考や面接後に素早い対応で、採用者を待たせないようにしましょう。
中途採用の求人に応募する人は前職を辞めている、もしくは辞める日程が明確に決まっている可能性があるためです。
そのため、複数の企業に同時並行で応募し、選考が進んでいることもありえます。
つまり、同じ条件なら採用の返答が早い方に入社し、いつまでも返答を保留されて待てる状況ではない人もいるのです。
また、すでに前職を辞めている人は早く次の仕事を決めないと無職になり、収入がゼロになる期間ができるため、返答を急いでほしい人もいるでしょう。
優秀な人材を逃さないためにも、こまめな連絡と迅速な採用の可否を決めることがおすすめです。
勤務条件と求めることを明確にする
中途採用の場合は新卒採用より一層、勤務条件を明確にしておきましょう。
なぜなら、採用側から見て「いざ実務が始まったら期待していた働きをしてくれない」などのミスマッチが発生する可能性があるためです。
このようなミスマッチがあれば、採用側と中途採用者の双方にストレスがたまって、お互いにモチベーションがどんどん低下してしまいます。
ミスマッチを事前に避けるため、会社で「こういうスキルを生かして、こういう働きをしてほしい」といった人物像を明確にする必要があります。
募集要項の条件を明記しておくと、応募の段階からふるいにかけられるため、書類選考の時点でミスマッチを減らせるのです。
採用前に面接する場合でも明確にした条件を伝え、求める人材なのかをヒアリングして見極めるのが重要です。
能力だけでなく企業との相性を確認する
人材の採用は、能力だけでなく企業との相性が重要かも確認しましょう。
対面で話すことで書面の内容が正しいのかの確認と、「人柄が社風や風土にあっているか」を見極めるためです。
例えば、入社後に配属予定の部署やチームのメンバーと一緒に仕事することを想定し、会社にも馴染んでいけるのかを考慮して判断することです。
いくら喉から手が出るほどほしいスキルや能力、輝かしい実績を持っている人でも、会社やチームに合わない人が入ると仕事が回らなくなります。
会社全体を混乱、または崩壊させる大きな問題の火種にもなりかねません。
採用する前に人柄が社風や風土にあっているかをしっかりと見極めるためにも、能力や実績にとらわれずに判断しましょう。
また、人柄や話し方、モノの価値観など、人そのもののコアな部分を深掘りしつつ、会社の風土や雰囲気、考え方も共有しながらお互いの希望をすり合わせるのがおすすめです。
関連記事:すごい経歴の中途採用者に活躍してもらえる人材採用とは
まとめ
中途採用には、4つのデメリットがあります。
新卒採用に比べて採用コストが高いにもかかわらず新しいことを受け入れる柔軟性に欠けており、活躍が期待以下の場合や採用後すぐに離職する可能性が挙げられます。
しかし、デメリットも企業側の準備や対応によって回避できるのです。
デメリットになり得る原因を回避できれば、教育コストを抑えて即戦力として売上に貢献してもらえる強い味方となるでしょう。
デメリットを把握し、最適な人材を確保するための中途採用をぜひご検討ください。