部下のタスク管理は、マネージャーにとって大事な仕事の一つです。
タスク管理がうまく周れば生産性も向上し、業績も伸びるでしょう。
本記事ではタスクマネジメントの概要や重要性から手法について解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
タスクマネジメントの意味
タスクマネジメントとは、タスクを適切に管理することを指します。
業務を進めていく内に、数多くのタスクに埋もれてしまった経験が一度はあるでしょう。
そういった問題を解決すべく、タスクを整理して優先順位を付けることでスケジュール通りに業務を進められるようにするのがタスクマネジメントです。
タスクに追われる日々を送っているビジネスマンに必須の手法だといえるでしょう。
タスクマネジメントが必要な理由
タスクマネジメントが必要な理由は以下の通りです。
- タスクの対応漏れを防ぐため
- タスクの優先順位・緊急度を分けて管理するため
- 他者とのタスクの重なりを把握するため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
タスクの対応漏れを防ぐため
タスクの対応漏れは、絶対にやってはいけないミスの一つであり、タスクマネジメントを活用すべき最も大きな目的です。
タスクを失念して上司やクライアントに失望されないように、大きな損害につながらないように、タスクマネジメントを徹底するべきでしょう。
タスクの優先順位・緊急度を分けて管理するため
タスクを整理する際は優先順位をつけることがポイントです。
優先順位が明確になれば、何から手をつけたら良いのかがハッキリします。
また、タスクマネジメントで緊急度の高いタスクを洗い出せれば、余裕を持ったスケジュール管理が可能となります。
期限に確実に間に合わせるためにも、タスクマネジメントは必要です。
関連記事:タイムマネジメントを仕事で活かすポイントとは?優先順位のつけ方など
他社とのタスクの重なりを把握するため
タスクは自社だけで管理するわけではありません。
場合によっては他社の従業員とチームを組んでプロジェクトを進めるケースも見受けられます。
そうなった場合に他社とタスクをしっかり共有しなければ、タスクが重なってしまい、無駄な仕事が発生する可能性があるのです。
一人だけで活動する時だけでなく、チームを組む時にもタスクマネジメントは有効な手法だといえます。
タスクマネジメントの進め方
タスクマネジメントの進め方は以下の通りです。
- タスクを全て洗い出す
- 緊急度と重要度で優先順位を作る
- スケジュールを設定する
- 進捗状況を管理する
それぞれ詳しく解説していきます。
タスクを洗い出す
まずは、自分が抱えているタスクを全て洗い出しましょう。
ここで全てのタスクを完全にピックアップしきれず、あとからタスクが出現してしまった場合には面倒なことになります。
基本的には、最終目的から流れを作るイメージで洗い出すのがおすすめです。
例えばWebサービスを開発する場合は「ローンチ→ベータ版開発→コーディング→設計」という逆算のイメージでタスクを洗い出していきます。
そして可能な限り、タスクは細分化すべきです。
例えばWebサービスにおける「コーディング」といっても、サービスのデザインなのか、それともシステム開発なのかで業務内容が変わってきます。
タスクの内容をしっかり把握するためにも、タスクの細分化は必要です。
緊急度と重要度で優先順位を作る
タスクを全て洗い出した後は、緊急度と重要度のマトリクスで優先順位を作ります。
そうすると、それぞれのタスクが以下の4つに分類されるはずです。
- 緊急度と重要度が高い仕事
- 緊急度が高くて重要度が低い仕事
- 緊急度が低くて重要度が高い仕事
- 緊急度と重要度が低い仕事
まず、緊急度と重要度が高い仕事は真っ先に取り組まなければならない仕事なので、一刻も早く手を付けなければいけません。
タスクの例としては、明日のプレゼンの資料作成や、クレーム対応などが挙げられるでしょう。
次に、緊急度が高くて重要度が低い仕事は、その仕事が本当に必要かどうかを吟味する必要があります。
場合によっては切り捨ててもいいでしょう。
例えば、生産性のない会議や報告書の作成などが挙げられます。
また、緊急度が低くて重要度が高い仕事は、将来的に大きな可能性を秘めた仕事なので、可能な限り取り組むべき仕事です。
緊急度が高い仕事をこなしている合間に、取り組むといいでしょう。
そして緊急度と重要度が低い仕事は、後回しにしても構いません。
ただし、期限が設けられている場合は、定期的に時間を作って処理する必要があります。
関連記事:絶対知っておくべき「戦略とマネジメント」の違いとは
スケジュールを設定する
優先順位を設けた後は、それに合わせてスケジュールを設定していきます。
先ほども述べた通り、緊急度と重要度が高い仕事は真っ先に取り組まなければならないので、優先して時間を確保します。
その際に、タスクをしっかり細分化して、それぞれのタスクに期限を設けるべきです。
そうすることでスケジュール進行がより安定します。
進捗状況を管理する
スケジュールを設定したら、あとはタスクを処理していくだけです。
しかしその間も進捗状況を管理する必要があるでしょう。
もし、予定よりも進行が遅れているならスケジュールの変更が必要です。
緊急度の低い仕事を後回しにして、緊急度の高い仕事のための時間を確保するようにしましょう。
また、この際にタスクの対応漏れがないかもしっかり確認して、ミスを未然に防いでおきます。
タスク管理が上手い人の特徴
タスク管理が上手い人の特徴は以下の通りです。
- タスク管理の目的が明確
- 情報共有がスピーディー
- 専用のツールを活用している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
タスク管理の目的が明確
タスク管理が上手い人は、タスク管理の目的が明確です。
目的の例としては以下が挙げられるでしょう。
- タスクを全体に共有できるようにするため
- 生産性を向上させるため
- 緊急度が低くて重要度の高い仕事をする時間を確保するため
このようにタスク管理の目的がしっかり定まっていれば、タスク管理に対するモチベーションも上がりますし、例えば進捗が芳しくないときや、タスクのスケジュールが変更になったとき、新たなタスクが差し込まれた時なども、その時々で適切な判断ができます。
情報共有がスピーディー
タスク管理が上手い人は情報共有がスピーディーであることが多いです。
基本的に、タスクがスムーズに進行されない理由として最も多く挙げられるのは、タスクを自分で抱えたままにすることでしょう。
タスクや連絡事項が自分のところに回ってきたら、速やかに情報共有することをおすすめします。
そうすることで、チームとしての業務がスピーディーに進行します。
関連記事:目標を達成する組織に必要なチームビルディングやマネジメントとは?
専用のツールを活用している
タスク管理が上手な人は、タスク管理のための専用のツールを活用しています。
「このツールはタスク管理のために使っている」という明確性が、情報を整理しやすくしてくれるのです。
タスクと情報をごちゃごちゃにしてしまうと、頭の中がこんがらがってしまいます。
タスク管理には専用のツールを利用するようにしましょう。
タスクマネジメントに必要なツール
タスクマネジメントに必要なツールは以下の通りです。
- メモ帳
- 電子メール
- タスク管理アプリ
それぞれのツールの使い方を詳しく解説していきます。
メモ帳
アナログな方法ですが、メモ帳は優れたタスク管理ツールだといえます。
タスクをメモ帳に書き出して、それをデスクの上に置いておき、タスクを消化したら一つずつ塗りつぶしていくという作業なので、誰でも導入できるのがメリットです。
ただし、デジタルのように手軽に修正できなかったり、チームメンバーに共有しづらかったりするデメリットもあります。
電子メール
電子メールは他人とやり取りするためのツールですが、タスク管理にも活用できます。
例えば、対応済みのメールを別のフォルダにしまい、対応する必要のあるメールだけ受信ボックスに残しておくようにするのです。
そうすることで、自分がやらなければいけない仕事だけが可視化されます。
誰でも利用できるメリットがある反面、連絡手段としてのメールとごちゃごちゃになってしまうデメリットがあります。
また、メール以外のタスクは扱えないので、限定的な利用になってしまうのもデメリットでしょう。
タスク管理アプリ
最も手軽に、かつ質の高いタスクマネジメントを可能にするのがタスク管理アプリです。
タスク管理に特化した機能が充実しているため、効率的にタスク管理できるでしょう。
ただし、デジタルの取り扱いに慣れている人でないと利用できないデメリットがあります。
タスク管理アプリの選び方
現代のデジタル社会では、アプリでタスク管理する人が増えてきました。
ここではタスク管理アプリの選び方を解説していきます。
選び方は以下の通りです。
- タスクの検索が簡単にできるか
- 直感的な使いやすさ
- パソコンとスマホで同期できる
それぞれ詳しく解説していきます。
タスクの検索が簡単にできるか
タスクの検索が簡単にできるアプリを選ぶようにしましょう。
数多くのタスクを処理していると、「あのタスクはいつまでだったか」というように期限を忘れることが多々あります。
そういった時にタスクの検索がスムーズだと非常に便利です。
また、自分が見たいタスクだけを閲覧できるようにすれば、タスクの対応漏れが減ります。
直感的な使いやすさ
直感的な使いやすさも大切です。
例えばタスクが終了した時に、1クリックでタスクを削除できるかそうでないかで、ストレスの度合いが大きく変わってきます。
また、デジタルが得意でない人でも手軽に利用できるシンプルな操作性も欲しいところです。
社内研修やマニュアル作成の手間を削減することができます。
パソコンとスマホで同期できる
パソコンとスマホで同期できることも重要です。
例えば営業職などの外回りの職種の場合、パソコンを持ち歩くよりもスマホでタスク管理できた方が便利です。
また、スマホでタスク管理できれば「出勤中に今日のタスクを調整しておく」という使い方もできます。
現代はスマホで仕事を進めることが増えてきているので、パソコンとスマホで内容を同期できることは必要不可欠な機能だといえます。
タスク管理ツールがなくても大丈夫!エクセル・スプレッドシートでタスクを管理する方法
タスク管理ツールがなくても問題ありません。
皆さんが利用しているエクセルやGoogleスプレッドシートでも、タスクは管理できます。
やり方はいくつかありますが、代表的な例としてタスク管理表の作成が挙げられます。
作成の際は、以下の項目を設けましょう。
- タスク名
- 開始日
- 終了日
- 重要度
- ステータス(進捗状況)
- 担当者名
エクセルでタスク管理できれば、デジタルに疎い人がいる組織でも円滑にタスクを進めることができます。
ただし、エクセルやスプレッドシートはデザインの問題でスマホでは非常に使いづらいのがデメリットです。
社内のインフラによって、適切なタスク管理方法を選ぶようにしましょう。
よくある質問
ここからはタスクマネジメントに関するよくある質問に解答していきます。
タイムマネジメントとは違う?
タスクマネジメントとタイムマネジメントは違うものだといえるでしょう。
タスクマネジメントはタスクを管理する手法ですが、タイムマネジメントは時間を管理する手法だからです。
ただし、タスクを管理する際に時間で管理した方がいいのは間違いありません。
例えば、「このタスクは1時間ぐらいかかる」と見積もることで、スケジュールの流れの中でタスクを管理できます。
このように管理すると「これは思ったよりも時間がかかるかもしれない」という判断ができるようになるため、タスクの進捗管理が安定するのです。
そういう意味では、タスクマネジメントはタイムマネジメントの一部なのかもしれません。
関連記事:タイムマネジメントをすれば24時間が30時間になる?!タイムマネジメントの重要性を徹底解説!
シングルタスクとマルチタスクはどちらがいい?
基本的にシングルタスクの方が集中できると言われています。
実際に数多くの研究で、マルチタスクよりもシングルタスクの方が、生産性が高くなるという結果が出ています。
もちろん、長期的にはマルチタスクで仕事を進める必要があるでしょう。
ただしある程度の時間の中ではシングルタスクで仕事を進めていくことをおすすめします。
例えば「この1時間は仕事Aに集中する」というようなイメージです。
タスク管理のコツは?
タスク管理を成功させる最大のコツは、タスクを受け取った時点で処理を始めることです。
例えば社内メンバーから連絡が届いた時は即レスするようにします。
その場で答えが出せない時も「明日までに返答します」というようにすぐ返信して、タスクとして捉え、スケジュールを設定するのです。
そうすることで相手は「明日までに返事が返ってくる」と把握できるので、社内の業務進行がスムーズになります。
タスクが発生した時点でサクッと処理を進めることが、タスク管理において最も重要なポイントです。
まとめ
それでは本記事をまとめていきます。
- タスクマネジメントはタスクを適切に管理すること
- タスクは緊急度と重要度で優先順位を付ける
- タスク管理ツールを利用するのがおすすめ
タスクマネジメントが上手くいけば、生産性が大きく向上します。
また、管理職の方は部下のタスクを管理する場面が多くあるので、タスクマネジメントに携わることが増えてくるでしょう。
基本的な考え方や進め方を知るだけでなく、タスク管理ツールの導入も非常におすすめです。
ぜひ試してみてください。