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タイムマネジメントを仕事で活かすポイントとは?優先順位のつけ方など

  組織のマネジメント業務を行う者(管理者)は、自部門の目標設定、進捗管理、トラブル対応、トップや関連部門との連携等、多岐に渡る業務を抱えています。そのため、緊急度の高い仕事を順に処理するスタイルで仕事を行うと、本当に取り組まないといけない仕事ができなくなってしまいます。よって、単なるTo Do Listやスケジュールの見える化ではなく、仕事の分類と選択が必要です。一言でいうと「仕事の優先順位を決めて、重要な仕事にまとまった時間を確保する。重要でない仕事に時間を使わない」ことを継続して実行することが大切です。

 本記事では、P.F. ドラッカー氏とスティーブン・R・コヴィー氏の著書からタイムマネジメントの考え方を説明し、実践例を紹介します。また、東レ経営研究所元社長の佐々木恒夫氏のタイムマネメントとリーダーシップについての考察にも触れます。

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ドラッカー氏とコヴィー氏のタイムマネジメント論

 

ドラッカー氏とコヴィー氏の著書から、タイムマネジメントについての記載を比較してみます。よく吟味すると似た考えを提唱しています。

   ドラッカー氏は著書「プロフェッショナルの条件」の中で、「自らをマネジメントする」考えを述べており、その中に時間の管理(タイムマネジメント)の記載があります。要約すると次の通りです。[1] ・なんの成果ももたらさない仕事が時間を奪っていくことを意識して避ける必要がある。地位があがるほど時間を奪われる機会が増える。
・知識労働者との人間関係構築には多くの時間を必要とする。小さな時間を繰り返すのではなく、おおきなまとまりにする必要がある。重要な仕事に取り組む際にも、まとまった時間が必要である。
・他の人でも出来ることは何かを考えなければならない。
・いかなる成果も生まない仕事を見つけ、捨てなければならない。そのためには時間の使い方について自己診断が必要である。
・仕事の重要度、つまり優先順位を決めるとともに、需要な案件に取り組む勇気が大切である。
  コヴィー氏は著書「完訳7つの習慣 人格主義の回復」の中で、「最優先事項を優先する」考えを述べています。具体的方法として、緊急度と重要度のマトリックスで仕事を分類し、時間をかけてやるべき仕事の明確化を提案しています。緊急度と重要度のマトリックスを「時間管理マトリックス」と呼んでいます。[2]

《時間管理マトリックス》

  PC:成果を生み出す能力
「完訳7つの習慣 人格主義の回復」 スティーブン・R・コヴィー著より引用

 緊急(横軸)は、直ぐに取りかかる必要の有無を示します。急な仕事は目に見えて分かりやすく、受動的に行動する傾向があります。重要(縦軸)は、ミッション、価値観、優先度の高い目標の実現の程度で分類され、意識して動く必要があります。
 実際には第Ⅰ領域(緊急かつ重要)の仕事が最優先になりがちです。また、第Ⅲ領域を重要な仕事と思いこむ人もいます。
 第Ⅱ領域は、人間関係を育てる、長期的な計画を立てる、予防メンテナンスを準備するなど、「やらないといけないと分かっていても後回し」にしてしまう仕事と言えます。効果的な仕事を遂行できる人は、この領域の活動に時間をかけています。ドラッガー氏の言葉を借りれば「問題ではなく機会に着目する」ということです。直近の迫った問題の対応も大切ですが、目標に到達するための機会を逃さない努力を大切にするということです。これを実践できている人は、「第Ⅰ領域」「第Ⅲ領域」に振り回される時間が少ない傾向があります。
 第Ⅱ領域に使える時間を作るには、第Ⅲ領域と第Ⅳ領域の時間を削るしかありません。第Ⅲ領域の仕事を削るためには、「ノー」と言うことを学ばなければなりません。また、人に任せる仕事をリストアップして、実行することも大切です。
 第Ⅳ領域の仕事については、削る努力が必要であることは言うまでもありません。

 改めてドラッカー氏とコヴィー氏の考えを対比してみます。同様な考えであることが分かります。

ドラッカー氏)
なんの成果ももたらさない仕事が時間を奪っていくことを意識して避ける必要がある。
コヴィー氏)
第Ⅲ領域(緊急だが重要でない)の仕事は「ノー」と言うことを学ぶべき

ドラッカー氏)
知識労働者との人間関係構築には多くの時間を必要とする。
コヴィー氏)
第Ⅱ領域(緊急でないが重要)の中に人間関係つくりがあり、時間をかけるべき仕事。

ドラッカー氏)
他の人でも出来ることは何かを考えなければならない。
コヴィー氏)
第Ⅱ領域に使える時間を作るには、人に任せる仕事をリストアップして、実行することが大切。

ドラッカー氏)
いかなる成果も生まない仕事を見つけ、捨てなければならない。
コヴィー氏)
第Ⅲ領域と第Ⅳ領域の時間を削る。

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タイムマネジメント作業におけるポイント

 

  タイムマネジメントを行う際、すべき優先順位を決定し、時間を確保し、スケジュール化を行うことが重要であることが分かりました。そこで、実際にタイムマネジメントを行う際に、心掛けておくと良いポイントをいくつか紹介します。

    新規性のある仕事は、早めに取り組む
新規プロジェクトの準備など不明点が多い仕事ほど、早めにまとまった時間を確保して開始します。少なくとも、分担の必要有無、完了までの所要時間を予想できるまで集中して取り組みます。分担を行う場合、説明や意義を説明する段取り、説明内容や時間確保も行います。また、新規性のある仕事ほど検討事項が多いため、移動中や隙間時間にも考えるようにしておきたいものです。その為にも、早めの初動が大切です。

    仕事を他の人に依頼する際は予想以上の時間が必要
仕事を他の人に依頼する場合、目的、意義、完成イメージを共有する必要があります。モチベーションを上げるための時間も必要です。さらに依頼した仕事のやり直しはスケジュールの遅延につながり、最も避けるべき状況です。やり直しは依頼する側、される側の両者にとって不幸なことですから、事前の共有化に十分な時間を確保しておきましょう。

    完成度を普段より高めたい場合は、時間をおいて再考する時間を確保する
顧客や上層部への説明資料作成など、重要な資料を作成する場合は、時間をおいて再考するスケジュールを立てましょう。時間を置くことにおいて、目線や注意点が変わるので完成度を上げることができます。つまり、仕事の成果を高めるために有効と言えます。

④当日が締切の仕事を早起きして初めて着手するスケジュールを組まない
よく「朝早起きして仕事をしよう」と言われます。当日の会議資料確認、自己啓発、メール確認など様々な活用が出来ます。しかし、当日が締切の仕事を早起きして初めて着手することは避けるべきです。緊急の場合は仕方ありませんが、通常は少なくとも前日までに完成形まで仕上げておきましょう。もし時間が不足した場合、不十分な処置(仕上り)になってしまうリスクがあります。上記③の観点(完成度を高める)からも避けるべきです。

    時間のかからない仕事は、出来るだけ時間をおかずに片付ける
過去事例があるなど時間のかからない仕事は、出来るだけ時間を置かずに完了させましょう。未完了の仕事を減らすことで、重要な仕事に対してまとまった時間を確保しやすくなります。また、反応が早いと、貴方に対する信頼が高まることになります。(例:あの人は私の仕事を真摯に受け止めてくれている)

    スケジュール化する際は1週間単位で作成して日々修正を行う
仕事の分担や、時間を置いて再考することを考えると、1週間単位のスケジュール化が有効です。会社の定例会議なども週単位が多いので、実行しやすいスケジュールとなります。多くの場合、スケジュールは遅れることが多いものです。故に日々修正を実施する観点でも1週間単位のスケジュール化が便利です。

上記以外にも、経験、立場などによって様々なポイントがあると思います。これらのポイントを蓄積することによって、タイムマネジメント技術を高めることができます。

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タイムマネジメントとリーダーシップの関係

 

東レ経営研究所元社長の佐々木恒夫氏は、ワークバランスを実現するためにタイムマネジメントが重要と説いています。佐々木氏の考えは以下の通りです。[3] ・タイムマネジメントは時間の管理ではなく、仕事の管理であり、管理者の強いリーダーシップが必要
・良いタイムマネジメントの実現には、「自分がどんな働き方をしたいかという決意と覚悟」、「仕事の効率化の両輪はコミュニケーションと信頼関係」が重要
 この考えを基に、具体的に部下の仕事の仕方を分析し、業務計画を作成させ、最短距離で成果を上げるための計画を立てさせたと言います。つまり、タイムマネジメントを単なる時間管理と考えるのではなく、組織を運営するためのリーダーシップ手法と位置付けています。

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まとめ タイムマネジメントを仕事に活かそう

 

 ドラッカー氏とコヴィー氏の著書より、タイムマネジメントについて似た主張をしていることが分かりました。タイムマネジメントは忙しいビジネスパーソンのセルフコントロール手法であり、有限な時間を無駄なく使うために重要であることは疑いの余地がありません。

 一言でいうと「仕事の優先順位を決めて、重要な仕事にまとまった時間を確保する。重要でない仕事に時間を使わない」ことが大切であり、優先順位を決めるには、コヴィー氏が提唱する「時間管理マトリックス(緊急度と重要度による分類分け)」が有効です。また、重要でない仕事に時間を使わないためには、切り捨てる勇気(ノーという勇気)が必要です。

 なお、タイムマネジメントは効率的に仕事を進めるための手法であり、自分自身のみならず、部下の管理、つまり効率的な組織運営にも有効です。ぜひ、タイムマネジメント技術の向上に努めて下さい。 

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参照
[1]
「プロフェッショナルの条件いかに成果をあげ、成長するか」 P.F.ドラッカー著
Part3 より
3 時間を管理する
4 もっとも重要なことに集中せよ
[2]「完訳7つの習慣 人格主義の回復」 スティーブン・R・コヴィー著
3の習慣 最優先事項を優先する より
パーソナル・マネジメントの原則
[3]「タイムマネジメントとリーダーシップ」
佐々木常夫マネージメント・リサーチ 代表取締役(東レ経営研究所元社長) 佐々木恒夫氏
https://li.persol-group.co.jp/wp-content/uploads/2016/12/xchange133_P14-15.pdf

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