採用の場面や社内の人材と対話する際には、堅苦しい空気にならないようにしたいと思うときはありませんか。
そのような際に有効となるのが、面談です。
面談であれば面接とは違い、お互いがフラットに情報共有や相談できます。
この記事では、面接と面談との違いや面談の種類、メリットやポイントを紹介します。
必要な場面で活用して人材の定着率を上げたり、企業にマッチする人材を採用したりする際に役立てましょう。
目次
面談とは
面談とは、相手と直接会って話すことです。
人材育成やマネジメントにおける面談は、人事担当者と社員が情報共有を行い、モチベーションを引き出したり成長を促すものとして活用されています。
従来では「上司が部下に対して指示や指導を行い、部下はそれに従う」といったスタイルが一般的でしたが、現代においてはこのスタイルでは効果があがらなくなってきました。
したがって、面談によってお互いに得意不得意などを共有して、スキルアップやキャリアプランの作成に利用するのです。
採用における面談の目的や面接との違い
面談と混同されがちな言葉として「面接」が挙げられますが、2つはどのように異なるのでしょうか。
ここではその違いや目的を見ていきましょう。
面接と面談の違い
採用における面接とは「採用選考のプロセスの一部」であり、主導権は企業側が握っています。
面接には応募者のスキルや適性を確認する目的があり、面接官は質問を通して相手のコミュニケーション能力や自社に適しているかどうかを判断します。
面談と比べると面接の場合は企業側の方が立場が強く、応募者の発言の自由度も低い傾向にある点が特徴です。
採用における面談とは
採用にける面談は、採用選考に影響しません。
実施する目的は、企業側と応募者の間でお互いに関する情報を共有し、お互いの理解を深めることにあります。
面談は面接と比べてお互いにフラットな関係でコミュニケーションがとれるため、応募者の本音を聞き出すことにも向いています。
また、採用における面談は最終的にお互いの認識をすり合わせる機会でもあるため、勤務条件などが話し合われることも少なくありません。
面談の種類とは
ビジネスにおける面談には大きく分けて4つの種類があり、それぞれを目的や場面によって使い分けなければなりません。
それでは1つずつ解説していきます。
社内面談
社内面談とは、人事担当者や上司が社員・部下と面談することです。
前述したように、従来は上司の指示を部下が忠実に遂行していました。
しかし、近年では社内面談によって、従業員一人ひとりの業務の支援やメンタル面のケアをすることで、離職率の低下を図ることが求められているのです。
また、社内面談によって従業員のモチベーションを引き出したり、パフォーマンスを最大化する目的もあります。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、採用選考の前段階として実施されるもので、名前の通り「カジュアル」に、つまり気軽にくつろいだ雰囲気で情報共有を行う場です。
一般的に行われている、応募者を「待つ」採用方法とは異なり、企業側から接近することになるため相手の関心を引き寄せる工夫が求められます。
また、カジュアル面談の内容は採用選考には一般的に影響しないため、そのことを前もって伝えなければなりません。
リクルーター面談
リクルーター面談は新卒採用で主に用いられるもので、「リクルーター」と呼ばれる従業員が格式張らない気軽な雰囲気で面談することです。
カフェやレストランで食事をとりながら面談をすることもあるため、相手の本音を探りやすい点が特徴です。
この「リクルーター」は主にOBやOGなどにあたる社員が担当し、出身大学の後輩などにアプローチをします。
内定者面談
内定者面談とは、内定通知を出した相手に実施するものですが、企業によっては行わないケースもあります。
主な目的は内定者に入社の意思があるかどうかのチェックや、疑問や不安を解消することなどが挙げられます。
内定者からすると、自分の人生に大きく影響するシーンであるため、慎重に検討したいはずです。
したがって、企業は誠心誠意対応することが求められます。
採用における面談を円滑の行うための4つのポイント
くつろいだ雰囲気での面談といっても、今後の採用につながる可能性があり、企業の人員確保にとって大切な場です。
ここからは、採用の面談を円滑に行うための4つのポイントを紹介します。
1.アイスブレイクで緊張をほぐす
採用における面談は、くつろいだ状態で気軽にお互いのことを知れる場です。
緊張しているままだとお互い本音で話せなかったり、聞きたい点を聞けなかったりしてしまうため、序盤でアイスブレイクを入れましょう。
例えば相手の趣味に触れてみたり、対面の場合は交通手段など答えやすい質問をしたりすると、緊張がほぐれてフラットに話をするための雰囲気を作れます。
2.求職者に4割程度は話してもらう
面談は選考ではなくお互いを理解する機会であるため、相互に話すための場でなければなりません。
求職者の人となりや経験を聞き出したいと思うかもしれませんが、企業側も求職者に理解してもらう立場です。
全体のうち4割程度は企業説明をしたり疑問点に答えたりして、魅力的な企業だと思ってもらえるための材料を求職者に与えましょう。
3.企業のことをあらゆる項目から説明する
面談の際に企業の仕事内容や福利厚生などの調べてわかる点ばかりを説明していては、深く企業のことを理解してもらえず、採用のミスマッチをまねいてしまうかもしれません。
そのような事態を避けるため、例えば働く社員や大切にしている文化、制度が作られた背景などあらゆる項目から企業について説明しましょう。
実際に働いたあとの雰囲気をイメージしてもらいやすくなるため、入社後の定着率が上がると期待できます。
4.ネクストステップを案内する
しっかりと企業の魅力を伝えられた面談では、求職者に自社の志望度を高めてもらえている可能性があります。
特に優秀な人材の場合、他に面談を受けている企業が採用する可能性が高まっているケースがあるため、ネクストステップをしっかりと案内しましょう。
場合によっては書類選考免除や次の選考に進めることを伝えるなど、フレキシブルに対応すると、自社が欲する人材の確保につながります。
社内面談で失敗しない!4つのポイントとは
社内面談はメンタル面のケアや、やる気を引き出すために行われます。
ここからは、社内面談で失敗しないための4つのポイントを紹介します。
1.相手の話をさえぎらない
面談はお互いに心理的安全性を保ち、ストレスなく話せる場でなければなりません。
話がさえぎられてしまうと否定されている気分になったり、自分の話がつまらないのかもしれないと思ったりしてしまうため、相手が話し出したらさえぎらずに最後まで聞くようにしましょう。
いったん言葉を受け入れる姿勢で話をじっくり聞くと、知らなかった相手の一面を知れたり部下に安心感を与えられたりします。
2.オープンクエスチョンを多めにする
「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンだと、すぐに話が終わってしまい、あまり話が広がりません。
面談は相互理解する場であるため、部下に自分の思いや不満を話してもらえるように「どのように思うか」「何が必要か」などのクローズドクエスチョンを多めにしましょう。
その場で十分に答えられない可能性があるため、重点的に検討したい点は事前に共有しておくと、考えを引き出せる可能性が上がります。
3.プライベートを詮索しない
肩の力を抜いて話す機会といえども、職場の人にプライベートの話までしたくないと思う人はいるでしょう。
無理に聞こうとすると警戒して心を閉ざされてしまう可能性があるため、プライベートを詮索することは避けなければなりません。
あくまでも部下育成や業務改善などの、業務上必要な部分のみを話す機会を重ねることで、部下との信頼関係が醸成されます。
4.プロセスへ過度に介入しない
社内面談をする目的は、パフォーマンスを最大化させるための行動をうながすことです。
部下自身がプロセスで頑張った点を面談で話すかもしれませんが、過度にプロセスに関して助言したり褒めたりしたい気持ちは抑えましょう。
あくまでも結果で評価されると認識してもらうと、部下が自分で考える力がつき、徐々に能力が高まります。
面談によって期待できるメリット
採用活動において面談を行うことで、企業にはどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
ここでは、面談のメリットを見ていきましょう。
自社に適した人材か判断できる
募集に多数の応募があった際、すべての応募者を慎重に検討することは困難です。
また、面接では最適な人材だと感じた場合でも、採用後にミスマッチとなるケースは少なくありません。
最悪の場合、面接や採用に時間や人手などのコストをかけたにもかかわらず、すぐに辞められてしまう可能性もあるのです。
このような事態を避けるためにも、企業側と求職者がフラットに話し合う面談の場を設けて、ミスマッチを防ぐことが求められます。
アプローチの敷居が低い
面談の2つ目のメリットは、求職者へのアプローチの敷居が低いことです。
面接の場合は、企業側だけではなく応募者にとっても大きな負担となります。
しかし、面談ではカジュアルなアプローチが可能なため、気軽にアプローチすることができます。
まとめ
面談を実施すると、在籍する社員の離職を防げたり、求めるスキルを持つ人材に自社の魅力が伝わって入社してもらえる可能性が高まったりします。
面談の機会を有意義な場にするために、相手の話をさえぎらないで聞いたりオープンクエスチョンを多めにしたりしましょう。
上司に対して聞く力を高めてもらうには、企業側が面談に対するスキルアップの機会を用意することも大切です。
上司と部下、求職者と企業という関係であるため、あらゆる面談の場において気軽な雰囲気をすぐに作るのは難しいかもしれません。
社員に面談方法を学んでもらい、何度か実践してもらうことで、面談の場が組織にとって有効に機能するようにしましょう。