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人件費が高い!そんな時に確認すべきポイントとは?経営危機を乗り切る方法を解説

jinkenhigatakai

突然ですが、下記のような疑問を感じてはいませんか?

  • 「人件費が高い気がするけど、何が人件費を押し上げているのかわからない」
  • 「固定費削減のために人件費を減らしたいけど、何を減らせばいいかわからない」

人件費をコントロールすることは、企業経営を成功させるためには欠かせません。そのためには、まず「人件費」にどのような費用が含まれているのかを正しく把握することが重要です。

また、人件費が経営にどのような影響を与えるのかを考えることで、自社において現時点の人件費が適正な水準であるかどうかをチェックする必要があるでしょう。

そこで本記事では、人件費に関する基本的な知識から、人件費が増える理由や人件費高騰への対応方法を解説していきます。

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人件費とは?

そもそも「人件費」とはどのようなものか、正しく理解しているでしょうか? 人件費を正しく理解していれば、適切な経営判断ができるようになるため、改めて人件費についてしっかりと確認していきましょう。

人件費の意味

人件費とは人を雇用することにによって生じる「ヒト」全般に関するさまざまな費用を指しており、企業活動を進めていく上では重要な経費となります。ここでいう「ヒト」とは、従業員や役員のことです。

人件費は労働者が働いた対価として企業から支払われます。したがって、会社が従業員を雇って事業を進めていく上では欠かせない経費です。そして、企業が成長し利益をあげるためにも「ヒト」は、企業にとって重要な経営資源の1つといえます。

しかし、雇用した「ヒト」にかかる人件費は管理しつつ適正な水準を保つ必要があり、企業が生き残るためにもコントロールしていくことが求められます。

人件費に関する誤解

人件費が適正な水準でなければ、企業活動においてさまざまな支障をきたすようになるでしょう。

このとき、人件費について考える際によくありがちな誤解があります。それは「従業員にはたくさん給与を払って、人件費を高い水準にしておけば従業員のモチベーションやパフォーマンス向上につながる」というものです。

経営者が人件費を増やす際にありがちなことは、役員や従業員にかかる人件費の量的拡大ばかりをするため、人件費をまとめて引き上げることです。

これにより「結果を出している従業員に少なく支払い、結果を出していない従業員には多く支払う」ことにつながりかねません。

これでは成果をあげている従業員のモチベーションが下がってしまいます。

能力に応じて人件費を変動させる

このような状況に陥るのを防ぐためにも、人件費をまとめて引き上げることは避けるべきでしょう。

その代わり一人ひとりの能力にあわせて人件費を変動させることで、結果を出している能力のある従業員は自身の仕事ぶりが評価されていると感じて、モチベーションを上げることができます。

一方で、成果が振るわない従業員については、「何をどうすれば評価されるのか?」を明確にして打ち出すことで、目指すべき方向性がハッキリするため、仕事に打ち込みやすくなるでしょう。

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人件費を構成する要素

一言で「人件費」と言っても、その内容は従業員の給与だけではありません。

人件費はおおまかに下記の6つの要素で構成されています。

人件費 特徴
給与手当 従業員からの信頼を得る
賞与 人件費削減に用いる
役員報酬 役員の受け取りを調整
法定福利費 社会保険によって従業員を守る
福利厚生費 従業員のモチベーションを上げる
退職金 過去の労働を評価する

従業員のモチベーションやパフォーマンスを向上させるためにも、それぞれの内容や特徴を把握して人件費総額を検討する必要があります。

会社の利益率を上げるには経費を削減すれば実現できるため、大きな経費となっている人件費を減らせば利益を出すことができます。たしかに利益は重要ですが、企業経営において大切なのは利益だけではありません。

利益をあげてくれるのは従業員あってのことだということを理解していなければ、従業員は会社についてきてくれなくなるでしょう。

それでは1つずつ解説していきます。

給与手当

人件費のなかで最も大きなウェイトを占めるのが「給与手当」です。給与手当には下記のものが含まれます。

  • 基本給
  • 休日出勤手当
  • 賞与(ボーナス)
  • 残業手当
  • 歩合給(インセンティブ)
  • 通勤手当
  • 扶養手当
  • 住居手当

給与手当は会社から従業員に対して支払うものです。会社からは正社員やアルバイト、パート、嘱託社員などに対して、最低でも一ヶ月に一度は支払う必要があります。

また、人件費を考える際に気をつけておきたいのが、所定内賃金と所定外賃金です。所定内賃金は毎月支払わなければならない基本給(給料)で、所定外賃金とは残業や休日出勤の際に支払う手当のことです。

支払う必要がない手当

さらに、給与手当には2つの性質があります。簡単に言うと、必ず支払う必要がある手当と、場合によっては支払う必要がない手当ということです。後者に関しては実施するかは企業の任意となっています。

支払う必要のない手当には、住居手当や通勤手当、扶養手当が該当します。従業員の働き方や住んでいる場所によって、それぞれの状況にあわせて支払額を変えられる仕組みです。

手当 内容
住居手当 従業員の住宅に関する補助(手当)を支給するもの
扶養手当 家族がいる従業員に対して補助(手当)を支給するもの
通勤手当 従業員が自宅から会社までの通勤にかかる費用を手当として支給するもの

支払わなければならない手当

上記で見てきたものは支払うかどうかは会社が選べますが、残業手当や深夜残業手当、休日出勤手当は必ず支払わなければなりません。また、いくら支払うかは法令等で決められており、勤務時間によって毎月変動します。

手当 内容
残業手当 法定労働時間の1日8時間、1週40時間を超えて働いた場合に支払われる割増賃金のこと
深夜残業手当 午後10時から午前5時までに働いた場合に支払われる、深夜労働による割増賃金のこと
休日出勤手当 法定休日における休日出勤に支払われる35%の割増賃金のこと

賞与

賞与は支払いの義務がなく、支給額も定められていないため、人件費を見直す方法として用いることができます。支給額は事前に確定されておらず、従業員の働きぶりに応じて支払うことができるため、一人ひとりのモチベーション向上につなげられます。

また、支払う時期も決まっておらず、支払い時点の経営業績や経営状況に応じて変えることができるため、支払い義務もなく、企業が支払いたい時にだけ支払うことが可能です。

従業員の残業代が増加したことによって給与の支払額が拡大した場合は、賞与を減らして人件費の全体コストを制御することもできます。

役員報酬

役員報酬とは、取締役や執行役、監査役、会計参与といった役員に支払う報酬のことです。役員報酬は毎月給与と同じように一定額が支払われるため、役員の給与と言いかえることもできます。

給与は雇用契約を結んでいることが前提であり、雇用契約がない役員に対する給与は「報酬」と呼ばれます。しかし、雇っている従業員に支払う給与と役員報酬は別物であるため注意しましょう。

なぜなら、従業員の給与はすべて損金として算入できますが、役員報酬に関しては節税につながる不正を避けるために、法人税法や会社法において厳しい決まりが定められているからです。

そして、役員は経営者でもあり報酬を自分の好きなように決められるため、利益を操作する材料にされないように、役員報酬は株主総会で決められます。

法定福利費

法定福利費とは会社の福利厚生に関する経費で、法律や法令によって定められた「事業者に負担が義務付けられている福利厚生の費用」のことです。したがって、支払いが義務付けられているため、一部または全額を企業が負担しなければなりません。

法定福利費は社会保険料と労働保険料の2つに分けられます。そして社会保険料には健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料が含まれ、労働保険料には雇用保険料や労災保険料が含まれます。

金額分は経費計上でき、適切に活用できれば節税になるためうまく利用しましょう。

福利厚生費(法定外福利費)

福利厚生費は一見して先述した法定福利費と違いが分かりにくいですが、福利厚生費は「事業者の福利厚生制度に関する費用」で、法令などで定められているわけではないため、企業が任意で提供するものです。

そのため、福利厚生費は法定外福利費とも呼ばれます。こちらも法定福利費と同様に経費として申請可能なので、節税と従業員満足度の向上につなげられます。

福利厚生費に該当するものは下記のようなものがあります。

  • 慰安旅行
  • 慶弔見舞金
  • 新年会や忘年会、親睦会
  • 残業時の食事代
  • 社員食堂
  • 各種レクリエーション費
  • 健康診断

退職金

退職金制度によって、従業員が会社を退職する際に支払われる退職金も人件費に含まれます。

退職金の受け取り方は「退職一時金」か「退職年金」、または「両方を併用」するという3つの中から選ぶことができます。

受け取り方 内容
退職一時金 退職金を一括で受け取る方法。企業の経営状態に関わらず支給金額が確約されるため、従業員にとってはわかりやすい。
退職年金 退職金を、毎年年金として受け取る方法。
両方を併用 退職金の一部を一時金として受け取り、残りを年金として受け取る方法

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高くなり続ける人件費

近年、企業の人件費は増加傾向にあります。

財務省管轄である財務総合政策研究所のデータ「年次別法人企業統計調査」を見てみると、人件費が毎年上がっていることがわかります。

年度 人件費
2014年 1,958,965円
2015年 1,982,228円
2016年 2,018,791円
2017年 2,064,805円
2018年 2,086,088円

(参考:年次別法人企業統計調査(平成30年度)丨財務省

人件費が高くなる背景

人件費が上がり続ける背景には、人手不足が影響していると考えられています。人件費もモノの値段と同じように需要と供給によって決まるため、求人数に対する労働者が減れば、その分だけ労働者の希少性が高まるので給与額が上がるのです。

また、給与額を上げても人が集まらない場合は、福利厚生などに投資して対策を打たなければならず、これにより人件費がさらに上がることもあります。

人手不足が深刻な理由

近年、人手不足が深刻化しており、人材の奪い合いになっています。ここまで人手不足が深刻化する理由には、下記のようなものが挙げられます。

  • 生産年齢人口の減少
  • 人材の奪い合いにより優れた人材の不足
  • 有効求人倍率の高さ

世界でも少子高齢化が進んでいる日本においては、生産年齢人口も減り続けており、人手不足を加速させています。また、優れた人材はすぐに奪い合いになるため、高スキル人材も不足しているのが現状です。

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人件費が高いときの対処方法

人件費は企業において大きな経費ですが、そう簡単に削減できるものでもありません。

もちろん、明らかに無駄な部分があればカットするのも手ですが、下手に人件費を削減してしまうと、従業員に悪い影響がおよび、モチベーションの低下につながります。その結果、パフォーマンスの低下、業績悪化にもつながるかもしれません。

そこで、人件費が増加した際にうまく乗り切るための方法を見ていきましょう。

  • 人件費以外の経費を削減する
  • 業務効率化をする
  • 採用活動の見直し

それでは1つずつ解説していきます。

人件費以外の経費を削減する

人件費を削減できない場合は、人件費以外で削減できる経費がないかチェックしましょう。設備費や交際費、光熱費など支出を一つひとつ確認して、少しでも減らせるところは減らしていきます。

とはいえ、減らすべき支出と減らすべきではない支出があるため、そのあたりもよく考えて削減していかなければなりません。もし、コストカットをする場合はそうしなければならない理由や背景を従業員に説明して、納得してもらうことが重要です。

業務効率化をする

業務効率化を行うことも効果的です。従業員の数が多くない場合は、一人当たりの作業時間を減らして同じ成果が出せないか検討したり、生産性や作業効率を上げることで人手不足をカバーしていきます。

時間を正確に管理したり、従業員にタイムマネジメントに対する意識を高めてもらうことも重要ですが、業務効率化が進められるように職場環境を変えていくことも大切です。

採用活動の見直し

人件費の増加による経営危機を乗り切るには、採用活動を見直すことも検討しましょう。

職場環境や支出の削減は今すでにその体制で働いている従業員を説得しなければならなかったり、費用によっては難しい場合もあるため、そのようなケースにおいては採用活動の方法や方針を改めることで対応します。

給与や福利厚生などを充実させるお金がなくても、会社の良さをアピールする方法を工夫したりすることで、求職者を確保できることもあります。

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まとめ

ここまで、人件費の概要と削減したいときの対処法などを解説しました。人件費はヒトに支払うものであり、そして企業が売上を生み、存続し続ける上で絶対に必要なのはその「ヒト」であるため、そう簡単に削減できるものではありません。

下手に人件費削減を行えばモチベーション低下や人材の流出などにつながり、結果として悪影響に繋がりかねません。人件費の内訳とそれぞれの理由や作用を理解した上で適性にコントロールすることが重要です。

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