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【VRとは?】その概要や「AR」「MR」との違い、活用事例、今後をわかりやすく解説

経営者

VRが流行っているね。
何となくで理解してはいませんか?

専門家

情報を「あたかもその場にいるような感覚」としてユーザーに提供できるようになったVRは、現実世界と仮想世界の境界を曖昧模糊とした状態にしました。

VRの破壊的革新は、感覚モダリティを刺激する物事を仮想的、あるいは偽物だと理解させつつも、その質の高さ故に現実と相違ない臨場感を私たちに与えることを可能にしました。

そのような高い精度を利用したVRを活用したビジネス展開が、現在世界的に注目を集めています。

そこで今回は現在注目されているVRについて、VRの概要や活用事例、今後予想される展開をわかりやすく解説します。

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VRとは

近年、「VR」に関する情報を目や耳にする機会が増えたことによって、VRを「なんとなく」理解している人が増えました。

しかし、なんとなく理解していても、その仕組みや実際どういった現場で活用されているのかまで理解している人は少ないのではないでしょうか。

そこでまずは、VRの概要を解説します。

専門家

VRの意味

VRは「Virtual Reality」の略で、コンピューターによって創造された人工世界、サイバースペースを現実として知覚させる技術です。時空を超えて人類の認知を拡張でき、遠隔地からでもオンライン上で空間を共有できます。

1990年代に第一次VRブーム、2010年代に第二次VRブームが起きたことで商用化が進み、現在は各企業が高性能のゴーグル型のVRシステムの開発を行っています。

現時点で実用化が進んでいるのが視覚と聴覚であり、操作はコントローラーで行われます。

SF作品のように意識や肉体を完全に人工世界に投影させることは実現できませんが、解像度やセンサーの技術の向上によって、現実世界と非常に近い臨場感を味わえます。

VRでできること

VRゴーグルを装着すると、視界がまるで現実世界のように思えます。

近年提供されているVRコンテンツには、リモコン操作によって自らの動作がVR映像内に反映されるようなコンテンツもあり、より実体験に近い感覚で操作できます。

特にゲームや音楽ライブなどのエンターテイメントの分野では、他分野に先立って多くのコンテンツを提供したことで、VRの普及が加速しました。

遠隔地からでも操作や情報を得ることができ、教育分野や医療現場、住宅販売などにもVRが活用されています。

専門家

VRの構造

現在一般的に発売されているVR機器は、ヘッドセットを装着し仮想空間を体験できる構造になっています。

このヘッドセットのディスプレイ部分に映像が映し出され、顔の動きに連動して仮想空間内の景色が変化します。

ディスプレイの映像は右目と左目を区切って映し出すことで、立体感を演出しています。

また、ヘッドセットはVRの世界に没入するために、レンズの配置や細かいピント調整機能がついており、仮想空間に没入できる工夫が施されています。

「VR」「AR」「MR」の違い

経営者

似たような言葉が多いので困る。

VRと似た技術の中に「AR」と「MR」があります。

ARとは「Augmented Reality」の略で一般的に拡張現実と訳されます

そして、MRとは「Mixed Reality」の略で複合現実と訳され、VRとARを組み合わせた技術です。

ARはスマホやタブレットなどの電子機器から映し出される現実世界の映像を、デジタル映像に投影する技術です。

スマホアプリで一世を風靡した「ポケモンGO」は、スマホカメラを通じてポケモンを現実世界に投影させた、まさにAR技術の代表例です。

MRは現実世界の中に仮想世界の情報や映像を三次元的に存在させる技術です。Microsoft社が開発したHoloLensが、まさに代表的なMR技術を搭載したレンズになります。

このHoloLensは、VRゴーグル同様ヘッドレンズのような機器を装着するのでVRのように見えますが、レンズは半透明になっていますので、厳密にはVRのレンズとは異なります。

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VRの市場規模

VRおよびARの市場は今後ますます成長していきそうです。

イギリスに本社をかまえる国際会計事務所Pricewaterhouse Coopers(PwC)が発表したPower shifts : Altering the dynamics of the E&M industryによると、2020年のVR市場は約18億ドル、前年比37.1%の増加となっています。

さらに、2025年までの予測成長率においてもVR市場がトップを走ると予測されています。

VRやARの市場はエンターテイメント用途だけでなく、教育や技術訓練等の用途も拡大しています。

ゲームや観光地での疑似体験、不動産会社が提供するモデルルームなどにも活用されており今後、様々な用途で普及していくと予想されます。

参考:Power shifts : Altering the dynamics of the E&M industry|Pricewaterhouse Coopers

参考:世界と日本の ICT|総務省

VRを活用した事例

続いて、VRが実生活にどのように活用されているのか解説します。VRの活用範囲は非常に幅広いですが、今回は以下の分野に絞り解説していきます。

  • スポーツ分野
  • 広告分野
  • 医療分野
  • 不動産分野
  • 音楽ライブ

スポーツ分野におけるVR活用

スポーツ分野でのVR活用は、観客と選手に活用されています。

VRを通してスポーツを見ると、通常画面で見るようなカメラワークとは異なり、視界全体が実際の会場にいるかのような映像が映し出されるため、より臨場感を味わえます。

また、選手の場合はトレーニングの際にVRを活用しています。

VRを活用することでスキーやゴルフ、野球などフィールドが変わる競技では、難易度や環境を変えながら実際のフィールドを想像しやすいようにトレーニングを行えます。

広告分野におけるVR活用

近年、視聴者とコミュニケートしながら広告できる「VR広告」が登場しました。従来のデジタル広告と比較し、商品やサービスの疑似体験を通じて購買意欲を高められるのが特徴です。

現時点では、VR広告は広告手法としては少数派(マイノリティー)ですが、広告物として差別化が図れるため、ユーザーの興味関心を引き寄せやすい広告手法になっています。

医療分野におけるVR活用

医療分野におけるVRの活用は、臨床医学やリハビリに大きく貢献する可能性を秘めています。例えば、実際の手術をVRで見学可能にし、共有することで全世界の医師の技術向上が期待できます。

また、脊髄損傷によって歩行が困難になった患者のリハビリにも、VRの活用が期待されています。

実際にアメリカのデューク大学では、脳の活動を使用して脚を制御する研究にVRシステムを利用しています。

患者にロボット脚を装着させ、VRを通じて患者の足が地面に触れたり伸ばされたりする感覚を与えることにより、脳の活性を高める実験を行っています。

専門家

参考:Controlling Robots with the Mind|SA Special Editions 18, 72-79 

不動産分野におけるVR活用

いままでの不動産物件の内覧は、時間を割いて実際の現場へ足を運び見学する手間がありました。

しかし、VRを活用することによって、そういった「時間的制約」と「空間的制約」を改善できます。

例えば、自宅にいる顧客に対しVRゴーグルを貸出、もっている顧客には不動産内覧コンテンツを提供し、自宅にいながらいつでも物件を見ることができるといった感じです。

営業コスト削減や顧客の満足度を向上させることが期待でき、不動産業界に新たなビジネスモデルとして構築されはじめています。

音楽ライブにおけるVR活用

新型コロナウイルス感染症による人流削減により、大きな打撃を受けている音楽業界にもVRによって活路が見出されました。

音楽ライブで最も重要となるアーティストとファンとの接触が奪われ、様々な音楽イベントが中止される中、VRによって生み出されたのはアーティストとファンが同じ仮想空間に集ってコンサートを行うVRプライベートライブです。

VRの活用によって濃厚接触を避けることができ、アーティストとファンとの距離感もより近く、これまでにない新しいライブ体験を創造することが可能になりました。

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VR業界の成長因子

VRがここまで発展し、今後も成長が見込まれる市場になったのはテクノロジーの発展だけでなく様々な要因が作用したためです。今回はVR業界が成長した因子について代表的な2つを取り上げ解説します。

5G の本格化

現在、国内で5Gを利用できる範囲は限定的ですが、今後ますます拡大します。現行の4Gとの大まかな違いは以下の通りです。

  • 4Gの100倍の通信速度
  • 低遅延
  • 複数のデバイスと同時接続が可能

この3つの相違点は、VRの普及を加速させるだけでなく、自動運転技術やIoTなどの最先端テクノロジーにとっても必要不可欠です。

音楽イベントやスポーツ観戦をVRで視聴する場合、オンタイムでの視聴が非常に重要となってきますよね。

4Gでは若干のタイムラグが生じていましたが、5Gでは人間がほとんど感知できないほどのタイムラグに留まるため、ほぼオンタイムでの視聴が可能になります。

また、複数デバイスとの同時接続が可能になることで、多くの観客がVRでの同時視聴ができます。

感染症流行による需要増加

新型コロナウイルス感染症拡大によって、移動、対面自粛によるソーシャルディスタンスの確保が常態化したことで、これまでの生活行動様式が大きく変化しました。

そんな中、VRは移動を不要にし、対面をバーチャル化することによって需要が増加しました。

この流れは、コロナが収束したした後も対面のコミュニケーションを図る手段の一つとして残り続けるものと予想されます。

専門家

VRの課題

VRの開発は近年急速に進んでいますが、私達の日常に馴染むまでにはまだ時間がかかります。そんな中、現在VRの課題の一部として挙げられるのが、人体との親和性とテクノロジーの急速な発展に伴う法整備です。

VR酔い

VRは、その場にいるような感覚を味わえる一方、VR環境における「VR酔い」が問題視されています。VR酔いの原因は様々な論文で研究がされていますが、その本質的な原因は解明ができていません。

現在、VR酔いの仮説として有名なのが、感覚混乱説です。これは乗り物で加減速や回転、揺れといった動揺刺激によって、自律神経の失調をきたす症状と同じものです。

今後、VRシステムを普及させていくには、酔いに対する系統的な予防策も必要不可欠になります。

健康リスク

VR環境が実用化の幅を広げていく中、健康へのリスクも課題となっています。特に課題となっているのが、「職の支援」をデザインコンセプトにもつ労働におけるVR環境です。

エンターテイメントのVR環境と大きく異なるのは、長時間のストレスに晒される点です。

VR環境は、利用用途によって自然環境下では起こり得ない不快感や眼精疲労を与える可能性があり、場合によっては疫病を誘発しかねません。そのため、VR酔いも含め健康への安全確保が未だ不十分であることが問題です。

仮想空間内における権利の侵害

不動産など現実世界では資産となるものを取扱う場合、売買契約による所有権移転の法的措置を行えば正常に所有権の移転を行うことができますが、仮想空間内では不都合が生じます。

民法85条における「物」とは、有体物であり、所有権の対象となる「物」とはこの有体物を指します。

(特許権、意匠権などの無体財産権などとは異なる)仮想空間内に存在する資産的価値がある「物」は、サーバー上で稼働するプログラム、入力結果がデバイスに投影されている「物」に過ぎないため、有体物に該当しないと考えられます。

すなわち、仮想空間内では民法上の所有権が成立しない可能性があります。また、著作権や商標権などの権利もややグレーな部分があり、仮想空間に対応した法整備が急務となっています。

経営者

課題はまだまだ残っているんだね。

参考:民法85条 定義|e-Gov法令検索

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VRの今後の展開

目覚ましい発展を遂げるVRは、今後どのような展開をみせるのでしょうか?以下2つの観点から今後の展望を考えてみます。

  • 歩くVRの可能性
  • 多言語リアルタイム翻訳機能

それぞれ詳しく解説します。

歩くVRの可能性

現在、開発が進んでいるのが仮想空間での自立歩行です。現段階ではまだ発展途上ですが、各スタートアップ企業が開発に取り組んでいます。

視覚だけでなく肉体も仮想空間内で表現できるようになれば、臨場感もさることながら、歩行困難な患者や老人のリハビリにも活用できます。

医療分野におけるVRの活用でも解説したとおり、いくつかの研究グループが仮想空間内での歩行感覚を生起させる研究を行っているので、今後の実用化が期待されています。

多言語リアルタイム翻訳機能

現在のGoogle翻訳をはじめとした翻訳サービスはリアルタイムでの翻訳を行えないため、全世界の人とスムーズにコミュニケーションをとることが実現できていません。

しかし、現在この多言語リアルタイム翻訳システムの開発を行っている企業があります。

東京に本社をかまえるロゼッタはSynamonと業務提携をし、多言語リアルタイム翻訳システム装備のVRオフィスを開発したと発表しました。

またロゼッタは、本社機能を仮想空間に移転しています。

参考:財経新聞|リアルタイムの多言語翻訳を組み込んだVRオフィス、Synamonとロゼッタが開発

まとめ VRについて

VRの市場は、IT分野の中でも特に今後の成長が期待されます。エンターテイメントだけでなく、医療や不動産といった様々な分野への実用化が進む中、解決すべき課題等の解説もしました。

今後、より一層IT化の波が寄せてくる現代社会において、「仮想空間」は一つの大きなテーマになり得ます。

その代表格であるVRをしっかり理解するようにしましょう。

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