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KSFとは?設定の目的やメリット、注意点、具体例、見つけ方をわかりやすく解説

経営者

KSFを設定していないと問題なの?
成功している企業は、設定しているケースが多いですね。

専門家

事業を成功に導くために必要な戦略は多数ありますが、そのうちのひとつに「KSF」が挙げられます。

KSFは「事業を成功させるにあたって必要な要因」を意味します。現状の分析や具体的な戦略設定・実現のために欠かせませんが、なかなかイメージしにくい用語です。

本記事ではKSFについて、意味や目的、事例など幅広く解説します。

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KSFとは?

KSFとは?

経営者

KSFってわかりやすくいうとなんのこと?

はじめにKSFの意味や設定する意味と目的を紹介します。

KSFの意味:経営戦略の成功に必要な要因

KSFとは「Key Success Factor」の略で、日本語で「重要成功要因」を意味するビジネス用語です。

事業や経営戦略の成功には、その要因を押さえておく必要があります。

たとえば喫茶店が「客層の幅を広げたい」と考える場合、「これまでと違うジャンルの新メニュー展開」「雰囲気の一新」などが必要となるでしょう。

このように、目標を実現する上で押さえるべき成功の鍵をKSFといいます。

その他、「大きな目標の達成にあたって具体的に必要な要素」とも表現できます。

専門家

KSFの目的:マーケティング戦略の具体化

KSFを設定する目的は、マーケティング戦略の明確化・具体化です。

現代はどのような製品・サービスにも多くの競合他社が存在します。

顧客に選ばれるためには差別化が必要不可欠であり、綿密なマーケティング戦略が求められます。したがってマーケティング戦略でも、より細かな部分まで設定が必要となりました。

繰り返しますが、KSFは事業を成功させるために必要とされる要因です。すなわちKSFを設定すれば、より具体的で細かいマーケティング戦略を練ることができます。

それゆえ、KSFはマーケティング戦略の成功確率を高める上で重要な概念とされているのです。

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KGI、KPI、KBFとの違いと関係性

KGI、KPI、KBFとの違いと関係性

経営者

KSF?KPI?KBF?よくわからないな…

KSFと似た用語として、KGI・KPI・KBFが挙げられます。

いずれも経営戦略において重要な概念ですが、効率良く成果を出すには、それぞれの用語をしっかり区別する必要があります。

また各用語間に見られる関係性の理解が戦略の立案にも大きく関わります。

そこでKGI・KPI・KBFそれぞれの意味や、KSFとの違い・関係性について詳しく解説します。

KSFとKGIとの違い・関係性

KGIは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と表現されます。

企業や事業など大きな範囲で設定される目標で、売上高や利益、市場のシェア率などが例です。

KGIは最終的な目標を意味するため、例にも挙げたように、全体的な方向性を定める要因となります。

一方でKSFは目標達成に必要とされる具体的な要因です。

どちらも目標を意味しますが、KGIは最終的な目標、KSFはプロセス的な目標という違いがあります。

専門家

KSFとKPIとの違い・関係性

KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と表現される用語です。最終的な目標であるKGI達成に向けて設定する、中間的な目標数値です。

KPIは目標達成に必要なプロセスとして、明確な数値で設定されます。

KSFもプロセス面との関係が深い概念ですが、こちらは目標達成に必要なより具体的な要因を指します。

単純な例ですが「売上20%アップ」をKGIとしたら、「新規顧客獲得数を50%向上させる」がKSF、具体的な目標として「1日に30件のテレアポ」がKPIとなります。

KSFとKBFとの違い・関係性

KBFは「Key Buying Factor」の略で、「購買決定要因」を意味します。

KBFは顧客が商品を購入する上で、重要な判断材料となる要因です。価格やブランドイメージ、近年は口コミなどの要素がKBFに該当します。

KBFは顧客視点の要因であり、企業が自由に設定できるものではありません。

企業は市場に存在するKBFを抽出し、マーケティング戦略の参考要因として活用するのです。

経営者

KSFを設定する上での材料ともいえそうだね。

KSFを設定するメリット

KSFを設定するメリット

経営者

KSFを設定するメリットはなんなの?

KSFの設定には以下のようなメリットがあります。

  • ゴールが明確化し無駄が省ける
  • PDCAサイクルを回しやすくなる
  • 企業・事業全体の統一感が増す

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

ゴールが明確化され無駄が省ける

KSFの設定によりゴールが明確になるため、無駄を省いて必要な行動だけ取れるようになります。

KSFは目標達成に必要な要因であり、言い換えればプロセスの過程にある小さな目標・通過点です。そのため、ゴールに向けて達成が必要な要素の明確化につながります。

最終目標であるKGIのみの設定では、達成に必要な要因の具体化まではできないため、必要のない行動や無駄な工数を経てしまう恐れがあります。

PDCAサイクルを回しやすくなる

KSFの設定により必要なプロセスが明確化すると、事業全体のスピード感が上がります。

そしてプロジェクトも小さなブロックに分割できるため、PDCAサイクルを回しやすくなります。

PDCAサイクルとは、Plan・Do・Check・Actionの略で、継続的な業務改善プロセスの一種です。

事業やプロジェクトの計画から改善をひとつのサイクルとし、常に改善をしながら目標達成へ近づけます。

KSFの設定により目標の細分化ができれば、PDCAサイクルも進めやすくなります。

専門家

企業・事業全体の統一感が増す

企業・事業全体の統一感が増す点も、KSF設定によって得られる大きなメリットです。

KSFの設定により、目標達成に必要な要因が明確化します。

すると、やるべきタスクや細かな通過点などを、より具体的に把握できるようになるのです。

KGIのように大きな目標は方向性決定のために必要不可欠ですが、進むべき方向のみだと、そこまでのプロセスが不明瞭で、人によってはどうすればいいのかわからなくなってしまいます。

KSFを設定すれば曖昧な部分が減り、共通認識ができて従業員に一体感が生まれます。

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KSF設定に有用なフレームワーク

KSF設定に有用なフレームワーク

KSF設定の際には、フレームワークの活用が便利です。

KSF設定に有用なフレームワークとして、以下5つのフレームワークを紹介します。

  • 3C分析
  • 5Forces分析
  • SWOT分析
  • PEST分析
  • VRIO分析

より効果的に活用するには、各フレームワークの特徴や使い方などの理解が必要です。それぞれ具体的に紹介します。

全て覚えるのは大変なので、こんな時にはこれを使うと頭に留めておくとよいでしょう。

専門家

3C分析

3C分析とは以下3つの要素を使い、要素の分析や抽出を行うフレームワークです。

  • Customer(顧客):顧客のターゲット層や市場が抱えるニーズなど
  • Competitor(競合他社):競合他社の現状や市場における立ち位置など
  • Company(自社):自社の特徴や強み・弱み、現状受けている評価など

KSF設定のためには、細かな要素を抽出する必要があります。

3C分析によって3つの視点から分析すれば、KSFになり得る要素を幅広く、かつ確実に獲得できます。

5Forces分析

5Force分析とは自社の競争要因となり得る5つの脅威を分析するフレームワークです。

分析の対象となる脅威は以下の5種類です。

  • 既存の競合他社:すでに存在する競合他社や、競争が激化する要因
  • 代替品の存在:顧客が流れてしまう代替品の存在
  • 新規参入の脅威:業界に新たに参入する存在
  • 売り手の交渉力:サプライヤーとの力関係
  • 買い手の交渉力:顧客との力関係

KSF設定時には、考えられる脅威や対策についても分析する必要があります。

SWOT分析

SWOT分析とは自社の持つ要素を、以下4つの視点から分析・抽出するフレームワークです。

  • Strength:強み
  • Weakness:弱み
  • Opportunity:機会やチャンス
  • Threat:脅威

自社の強みや弱みといった内部要因も重要です。自社の現状を分析し、KSFとなる要素を抽出しましょう。

機会や脅威は主に市場の変化、すなわち外部要因です。外部要因についても自社の競争に大きく影響を与えると予想できるため、フレームワークを活用して抽出する必要があります。

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PEST分析

PEST分析は外部要因を分析するフレームワークです。以下4つの視点を使って分析、各要素の抽出を行います。

  • Politics:法改正や政権など、政治的な要因
  • Economy:株価や金利の変化など、経済的な要因
  • Society:消費行動の変化など、社会的な要因
  • Technology:新技術の登場など、技術的な要因

ひとくちに外部要因といっても、性質や与える影響は異なります。さまざまな外部要因に対するKSFを設定するため、4つの視点を使った幅広い分析が必要です。

VRIO分析

VRIO分析とは企業の持つ経営資源を分析・抽出するためのフレームワークです。以下4種類に分類します。

  • Value:経済的な価値 ヒトやモノなどの資産
  • Rareness:希少性 企業独自の強み
  • mitability:模倣可能性 他社に模倣される可能性
  • Organization:組織 経営資源を最大限活かせるような組織の仕組みなど

経営資源とは、単純な資産だけでなく、経営に活かせる強みなども含まれます。

保有している経営資源や強みの把握は、KSFの設定において有用なので、それぞれの分類で自社はどういったものを保有しているのかを把握・分析しましょう。

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KSFの設定事例

KSFの設定事例

経営者

他社の事例を知りたいな!!

KSFについて解説してきましたが、具体例がないとイメージしにくい用語です。そこでKSFの設定事例をいくつか紹介します。今回取り上げた事例は以下の3種類です。

  • 資生堂
  • コメダ珈琲
  • コストコ

それぞれの事業内容や、事業成功のために必要であったKSFについて解説します。

資生堂:紙おむつ事業

資生堂は紙おむつ事業において、KSFの設定と事業への活用によってマーケットシェアの拡大を実現しました。

紙おむつは、以下のような特質を持っています。

  • 明確な消耗品で短時間で使い捨て
  • メインの購買層である若い主婦は価格に敏感で安さを重視しがち

このような要因から、紙おむつ事業の成功要因=KSFは、低価格と判断可能です。

資生堂が販売していたピンポンパンツは、当初マーケットシェアが7.6%でした。しかし価格を15%ほど下げると、1ヶ月ほどでシェアが15.3%まで拡大したのです。

KSFを設定して実際に価格を落とした結果、見事成功を果たした事例です。

参考:第3回 市場と自社の位置づけ・実力を知るには(2)~事業特性とKFSを知る(1)~|株式会社 日本能率協会コンサルティング

コメダ珈琲

コメダ珈琲はコーヒーチェーンの中でもトップレベルの出店数を誇っており、自社の強みを活かした適切なKSF設定により、確固たる人気を保有しています。

コメダ珈琲の強みと、実際に打ち出しているKSFと考えられる要素は以下の通りです。

【強み】

  • ログハウス風の落ち着いた雰囲
  • 丁寧で細やかな接客サービス
  • ボリュームがあり満足度の高いフードメニュー

【 KSF】

  • 長居できる店内
  • フルサービスの提供でゆっくりできる
  • ボリュームと美味しさを兼ね備えたメニュー

カフェの中には価格の安さや手軽さを打ち出すケースもあります。しかしコメダ珈琲は強みを活かせる、自社に合った適切なKSFを設定しました。

コストコ

コストコはアメリカのワシントン州に本社を置く会員制の倉庫型卸売・小売チェーンです。ネット通販の普及により苦戦を強いられる小売事業者が多い中、コストコは人気を維持し続けています。

コストコのKSFとして、以下の要因が考えられます。

  • 倉庫型店舗で商品を探す行為自体を楽しめる仕様
  • バイヤーの高い能力による魅力的な商品の仕入れ
  • 原価に近い低価格での販売、それを可能にする会員制度

多くの小売事業者が苦しむ中で自社独自の強みを活かし、適切なKSF設定で高い競争力を維持し続けている例です。

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KSF設定における注意点

KSF設定における注意点

最後に注意点です。

専門家

KSFの設定は経営戦略を成功させるために欠かせません。しかし曖昧な知識のままで展開すると、誤った方向に進んでしまい、成果が出ない恐れがあります。

KSF設定の際には、以下の点に注意が必要です。

  • 内部環境・外部環境の両方を考慮する
  • KGI→KSF→KPIの関係性をしっかり押さえる
  • 重要度に着目する
  • KSFの設定自体を最終目標としない

それぞれの内容について解説します。

内部要因・外部要因の両方を考慮する

KSF設定の際は、内部要因・外部要因の両方を考慮する必要があります。

フレームワークの部分でも触れていますが、企業の競争力や成功を決定づける要因はさまざまです。

自社内部の特徴に所以する要因と市場環境など外部の状況に関係する要因では、性質や取るべき対策は全く異なります。

どちらかに偏ってしまうと、対策が不足している環境要因から一気に影響を受けてしまいます。

KSF設定の際は、内部要因と外部要因、どちらもバランス良く考慮が必要です。

KGI→KSF→KPIの関係性をしっかり押さえる

KSFと似た用語としてKGI・KPIも紹介しました。KSFを含む3つの概念は密接に関係し合っているため、それぞれの関係性を押さえた上で設定する必要があります。

最初に設定するべきは最終目標であるKGIです。

KSFはKGIの達成に必要な要因のため、KGIを意識しながら適切な要因を抽出する必要があります。

そしてKPIは数値で設定する具体的な目標値であり、KSFを考慮した上での検討が必要です。

それぞれの関係性をしっかり押さえないと、バラバラで意味のない設定になってしまう恐れがあります。

重要度に着目する

KSFとして抽出される要因は複数存在します。しかし異なるさまざまな要因を、すべて同程度に考慮するのは非効率的です。

KSFとなる要因がある程度明確になったら、重要度にも着目して設定する必要があります。

最終目標であるKGIを効率良く達成させるために、優先して進めるべきKSFを決めるのです。

やるべき事項が多すぎる状態では、何から手をつけるべきか不明瞭で、結果としてどれも中途半端になってしまう恐れがあります。

KSFの設定自体を最終目標としない

KSFの設定には時間と労力がかかるため、それだけで一仕事終えたような満足度を感じてしまいます。

しかしKSFの設定自体を最終目標としてはいけません。KSFの設定は最終目標達成のために必要なタスクのひとつであり、やっとスタート準備が整っただけに過ぎません。

KSFの設定は手段であり目的ではないのです。手段と目的の混同を起こしてしまうと、最終的な目標への道が遠ざかってしまいます。

まとめ KSFの適切な設定が目標達成を導く!

まとめ KSFの適切な設定が目標達成を導く!

KSFの適切な設定は、経営戦略や事業成功などの目標達成を導く上で欠かせません。

最終目標に向けて必要な要因を明確にすることで、進むべき方向ややるべきタスクがはっきりするでしょう。

KSFとなり得る要因にはさまざまな種類があるため、複数のフレームワークの活用が、幅広い視野でのKSF設定には有用です。

また他社の事例についても確認すれば、具体的なイメージがつきやすくなります。

KSFの設定について知っていただく上での助けになれば幸いです。

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