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リーダーシップを日本語に言い換えた言葉とは?ビジネスでの意味も解説

リーダーシップを日本語に言い換え

よく耳にする「リーダーシップ」という言葉。

日本語にしてみて?と言われても何て表現すればいいかわからない。そんな方は多いのではないでしょうか。

外来語として既に市民権を得ている「リーダーシップ」ですが、ふんわりとしすぎてわかりづらいのが実情。

そこで今回は、リーダーシップを日本語に言い換えた言葉について解説。

ビジネスにおけるリーダーシップとは何かを具体的にしましょう。

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リーダーシップを日本語に言い換えた言葉とは

リーダーシップ(leadership)を大辞泉や英和辞典で調べると、「指導者としての地位」「指導権」「指導者としての素質・能力」「統率力」などの意味があります。

また、厚生労働省の公式テキスト「リーダーシップを発揮しよう」では、「目標達成しようとするグループで、リーダーが目標達成に役立つ影響を与えること」と定義しています。

要するにリーダーシップは、「指導力や統率力を兼ね備えた指導者として、組織を導く素質がある」ことだと日本語に言い換えるとよいでしょう。

引用:デジタル大辞泉|小学館

引用:厚生労働省|リーダーシップを発揮しよう

リーダーシップとは

ここでは、リーダーシップのビジネスにおける意味や、類似の言葉との違いについて解説します。

それぞれの言葉の意味を正確に理解しておくことで、リーダーシップを発揮するべき場面でメンバーへ良い影響を与えられるため、あらかじめチェックしておきましょう。

  • リーダーシップのビジネスでの意味とは
  • リーダーシップとリーダーの違い
  • リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップのビジネスでの意味とは

オーストリアの経営学者ピーター・ドラッカーによると、「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである」と定義しています。

また、グロービズ経営大学院のMBA用語集では、「自己の理念や価値観に基づいて、魅力ある目標を設定し、またその実現体制を構築し、人々の意欲を高め成長させながら、課題や障害を解決する行動」だと明記しています。

わかりやすくまとめると、ビジネスにおけるリーダーシップとは、「チームの目標設定・管理から、目的達成のためにメンバーを指導・育成しながら組織を発展させること」だといえるでしょう。

引用:P・Fドラッカー『プロフェッショナルの条件』|ダイヤモンド社

引用:グロービズ経営大学院|MBA用語集「リーダーシップ」

リーダーシップとリーダーの違い

リーダーシップとリーダーには、明確に言葉の違いがあります。

リーダーシップは、「指導者としての素質・能力」を意味するのに対し、リーダーは「指導者の立場にいる人」というポジション・役割を指します。

また、厚生労働省の「リーダーシップを発揮しよう」によると、リーダーは必ずしも「リーダーに準ずる役職」に就いている者だけではなく、下記6項目に当てはまる立場の者を指すとしています。

  1. 組織の中で地位を与えられている人(リーダーの役職に就いている人)
  2. メンバーの中心になる人(必ずしもリーダーの役職とは限らない)
  3. メンバーから頼られている人(必ずしもリーダーの役職とは限らない)
  4. メンバーに多くの影響を及ぼす人(必ずしもリーダーの役職とは限らない)
  5. メンバーを指導・統率する人(必ずしもリーダーの役職とは限らない)
  6. リーダーシップを取り、その効果が出る人(必ずしもリーダーの役職とは限らない)

それぞれ別の意味を持つため、つまり、リーダーシップはリーダーの立場にいる人だけが発揮するべきことではありません。

誰もがリーダーシップを養えば、周囲に良い影響を与えられるリーダー的存在になれると理解しましょう。

引用:厚生労働省|リーダーシップを発揮しよう

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとは、「統率力・指導力」など、組織を統率する者に必要な能力や素質のことです。

一方でマネジメントとは、目標を達成するために組織を管理しながら組織の発展を促す手段のことです。

どちらも優れたリーダーに必要な能力ではありますが、意味はまったく異なります。

リーダーシップを言い換えた類語とは

リーダーシップは、類語として下記の言葉に言い換えられます。

  • イニシアチブ
  • チームマネジメント

ここでは、リーダーシップに似た意味を持つ言葉を紹介するので、優れたリーダーを目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

イニシアチブ

イニシアチブ(initiative)は、「率先・主導権」などの意味があります。

リーダーシップは、「統率力・指導力」といった意味です。

「主導権」は組織の中心となって導くことで、「統率力・指導力」は組織のメンバーを指導しながら一つにまとめる力です。

意味は異なりますが、それぞれのニュアンスが似ているため、「リーダーシップ」は「イニシアチブ」に言い換えられる類語といえるでしょう。

引用:デジタル大辞泉|イニシアチブ

参考:識学総研|イニシアチブとは?今「イニシアチブ」取れてますか?

チームマネジメント

チームマネジメントは、「チームメンバーを管理しながら組織を発展させること」といった意味があり、厳密に言えばリーダーシップとは異なります。

しかし、優れたリーダーはリーダーシップを発揮しながら、チームマネジメントが求められるため、類語として言い換えられる場合があります。

関連記事:識学総研|マネジメントとは?意味や求められるスキルを簡単に解説!7つの〇〇マネジメントも紹介!

リーダーシップのPM理論

社会心理学者の三隅二不二が提唱した「PM理論」は、リーダーシップ開発論の一つです。

PM理論では、リーダーシップが「課題達成能力(Preformance)」と「集団維持能力(Maintenance)」の2つの要素で構成され、それぞれの大小によってタイプが決定するとされています。

PM理論では、リーダーシップを下記の4タイプに分類しました。

Pm型

 求心力が弱いリーダーシップ

組織のまとまりはないが課題は達成

PM型

理想的リーダーシップ

組織がまとまり課題達成する

pm型

課題もまとまりも弱い

pM型

課題達成が弱いリーダーシップ

組織はまとまるが課題は未達成

引用:厚生労働省|リーダーシップを発揮しよう

上記4タイプのなかでは「PM型」がもっとも優れたリーダータイプです。

PM型を目指してリーダーシップを養いましょう。

参考:識学総研|【あなたはどれ?】リーダーシップは6種類!マネジメントのタイプなどそれぞれの特徴を徹底解説!

リーダーシップの種類とスタイルとは

リーダーシップ開発論の研究では、PM理論のほかに多くの研究者がさまざまなリーダーシップの種類やスタイルがあることを提唱してきました。

ここでは、代表的な研究事例である、ダニエル・ゴールマンとクルト・レヴィンが提唱しているリーダーシップスタイルを紹介します。

  • ダニエル・ゴールマン「6種類のリーダーシップ」
  • クルト・レヴィン「3つのリーダーシップスタイル」

ダニエル・ゴールマンの「6種類のリーダーシップ」

ハーバード大学の元教授であるダニエル・ゴールマンは、リーダーシップを下記で解説する6種類のスタイルに分類しました。

  • ビジョン型
  • コーチ型
  • 関係重視型
  • 民主型
  • ペースセッター型
  • 強制型

参考:四国地区大学教職員能力開発ネットワーク|リーダーシップのスタイル byダニエル・ゴールマン

関連記事:識学総研|【あなたはどれ?】リーダーシップは6種類!マネジメントのタイプなどそれぞれの特徴を徹底解説!

ビジョン型

ビジョン型は、組織で掲げる共通の目標に向かってメンバーを動かす、もっとも前向きなリーダーシップスタイルです。

自分の夢やビジョンを語り情熱的に行動するため、価値観に賛同したメンバーが集まりやすいのがメリットです。

目標達成の方法はメンバーに委ね、自主性を重んじる傾向にあります。

ただし、リーダーがメンバーから不信感を抱かれる行動をした際には、組織の維持が難しくなるため注意が必要です。

たとえば、リーダーの信念がブレたり威圧的な態度を取ったりすることで、たちまち組織が崩壊するリスクがあります。

コーチ型

コーチ型は、リーダーとメンバー1対1で対話することを重視しており、個々の希望をサポートしながら組織の目標に結びつけていくスタイルです。

メンバーのコーチ的な役割を担い、個々の性格や長所・短所を把握して、一人ひとりに合ったサポートができます。

メンバーは、リーダーが自分の考えや行動を尊重してくれるため、モチベーションが向上し、組織の目標達成のためにも努力してくれるでしょう。

しかし、組織が大きくなるとリーダーの負担が大きくなり、個別対応が困難になる場合があります。

また、モチベーションが低いメンバーにはリーダーの考えが伝わらず、チームを統率できないリスクがある点にも注意が必要です。

関係重視型

関係重視型は、メンバー同士の信頼関係を構築する能力が高いリーダーシップスタイルです。

目標達成や課題解決のためだけに行動するのではなく、メンバーの感情や価値観を重視し、心地よい環境をつくることに注力します。

注意点としては、メンバーの気持ちを重視するあまり、肝心の目標や目的が後回しになってしまうことです。

あくまでリーダーはリーダーシップを発揮し、組織を目標達成に導くことが重要なため、関係重視型の要素だけを備えていても高い効果は期待できません。

民主型

民主型は、メンバーからの提案や意見を広く聞き入れ、目標達成のプロセスへ積極的に反映させていくスタイルのリーダーシップです。

結果を問わずメンバー全員の意見を前向きに受け入れるため、新たなアイデアの発掘やイノベーションの創出などが期待できます。

しかし、多くの意見を取り入れるあまり、結論がまとまらなかったり、緊急時の判断が遅れたりするなどのデメリットがあります。

ペースセッター型

ペースセッター型は、リーダーがメンバーの手本としてハイレベルのパフォーマンスを発揮し、成功イメージを与えながら難易度の高い目標の達成を目指すスタイルです。

目標達成に向けてやりがいを重視しており、メンバーが高いスキルを有している場合に有効なリーダーシップといえます。

ただし、結果を求めすぎてしまうことでメンバーがプレッシャーを感じてしまい、リーダーに不信感を抱く恐れがあります。

また、リーダーが求めていることをメンバーができない場合は、リーダーが一人で業務を遂行しなければなりません。

強制型

強制型は、リーダーが目標達成に向けた業務の裁量権をすべて握り、権力や圧力などを示しながら行動を強制するリーダーシップスタイルです。

リーダーの命令は絶対で、メンバーが疑問を抱いたり説明を求めたりしても、無視して行動させます。

メンバーに対する配慮がまったくないため、モチベーションの低下や帰属意識の欠如など、組織文化に悪影響を及ぼしかねません。

しかし、災害時や不況時など、危機的状況に陥っており、緊急の決断が迫られている場合は強制力が効果を発揮する可能性があります。

長期的な組織運営には向いていないため、必要な場面は限られるスタイルだといえます。

クルト・レヴィンの「3つのリーダーシップスタイル」

ドイツの心理学者であるクルト・レヴィンは、リーダーシップスタイルを3つに分類しました。

  • 専制型リーダーシップ
  • 民主型リーダーシップ
  • 放任型リーダーシップ

参考:厚生労働省|リーダーシップを発揮しよう

関連記事:識学総研|【診断あり】リーダーシップ・スタイルとは?6つのスタイルを使い分け、チームを成功へ導こう

専制型リーダーシップ

専制型リーダーシップは、メンバーの行動に対してリーダーがすべて意思決定・指示を下すスタイルです。

発足したばかりのチームで、受け身なメンバーが多い場合は、リーダーが目標設定から管理まですべての意思決定・行動をコントロールするため、組織が成熟するまでの期間で高い効果が発揮されるでしょう。

しかし、長期的に続けるとメンバーの自主性や思考力を養う機会を奪ってしまうデメリットがあります。

民主型リーダーシップ

民主型リーダーシップは、メンバーの意思を尊重し、リーダーが一人ひとりをサポートしながら目標達成に導くスタイルです。

メンバーの自主性・自律性を養うのに向いているリーダーシップで、組織の目標達成プロセスに個々の意見が反映されるため、帰属意識も高まります。

注意点としては、リーダーとメンバーで議論しながら業務を進めるため、意思決定スピードが遅く、短期間で成果を求められる場合には適していません。

放任型リーダーシップ

放任型リーダーシップは、リーダーがメンバーの意思決定・行動に一切関与せず、一任するスタイルです。

メンバーのスキルが高い場合に向いており、個々で裁量権を持って自由に行動できるため、一人ひとりがやりがいを感じられるでしょう。

ただし、チームへの帰属意識が薄くなりやすく、リーダーが組織を統率できなくなるデメリットがあります。

また、メンバー同士で対立も起きやすく、モチベーションや生産性の低下などのリスクも孕んでいます。

まとめ

リーダーシップは、「指導者としての地位」「指導権」「指導者としての素質・能力」「統率力」などの日本語に言い換えられます。

ビジネスでの意味は、「チームの目標設定・管理から、目的達成のためにメンバーを指導・育成しながら組織を発展させること」で、優れたリーダーに欠かせないスキルです。

また、イニシアチブやチームマネジメントなどの言葉に言い換えられる場合もあります。

優れたリーダーを目指すためにはリーダーシップだけではなく「率先して行動すること」「チームを管理しながら組織を発展させること」も重要です。

ただし、リーダーシップにはさまざまなスタイルがあり、一言では言い表せません。

ぜひこの記事で紹介したリーダーシップスタイルを参考に、理想のリーダーを目指してみてください。

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