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サウナに入る人たちの会話で交わされる「ととのう 」という言葉。一度は耳にしたことのある言葉かもしれません。
2019年のドラマ「サ道」で流行ったサウナは2021年2月に再度スペシャル版として放映され、再度サウナブームは熱を灯しています。
そんなサウナブームですが、実は「できるビジネスパーソン」にも人気なのです。
本記事では密かにビジネスエリートの間で流行っている「ととのう」の意味、効用をわかりやすく解説します。
「日々の疲れをリセットして切り替えたい」というビジネスパーソンにもおすすめの記事になっておりますので、ぜひご一読ください。
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「ととのう」とは?
サウナに入り特定の条件を満たすと「ととのう 」瞬間がやってきます。
ここからは以下2点の切り口から「ととのう 」の解説をします。
- 「ととのう」の意味、語源
- 「ととのう」とどんな感覚になるのか
それぞれわかりやすく解説します。
「ととのう」の意味、語源
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「ととのう」の意味は恍惚、トランス状態のことです。サウナに入った後、一度水風呂に浸かった後に椅子などに腰掛けると「ととのう」瞬間が訪れます。
「ととのう」という言葉自体がいつからあったのかは定かではありませんが、サウナー(サウナ愛好家)たちによって生み出された言葉だとわかっています。
そして、「ととのう」というバズワードは、クリエイターのタナカカツキ氏によって世の中に広められました。2011年に書籍『サ道』がPARCO社から発行された後、2016年に講談社からマンガ『サ道~マンガで読むサウナ道~(1)』で「ととのう」が登場、その後2019年にはドラマ化されました。
その後は「ととのう」は新規サウナーたちにも多用されており、サウナーにとって「ととのう 」はサウナと切り離せない言葉になりました。
「ととのう」とどんな感覚になるのか
人によって表現の仕方は変わりますが、ととのうと「収縮した血管から血液が体を駆け巡る極上の感覚」になります。
他にも以下のように「ととのう」を表現している人もいます。
- 座った瞬間に心臓の鼓動がどくどく聞こえ、手足が痺れた後に快感が押し寄せる感覚
- 頭がほんわかする感覚
- ランナーズハイのような感覚
- 水を飲んだだけで「美味しい」と思わず叫んでしまう感覚
- 異次元に飛ばされるような無我の境地
したがって「ととのう 」は人によって表現は変わるものの、疲れすらも吹き飛ばしてまう心地よい感覚を意味します。
「ととのう」はなぜ流行ったのか
「ととのう」が流行る要因は何なのでしょうか。
以下3つが理由として挙げられます。
- 仕事疲れに効くから
- ドラマが流行ったから
- 温泉側も「ととのう」をウリにするようになったから
仕事疲れに効くから
「ととのう 」は仕事疲れに効くと言われています。
例えば、忙しいビジネスパーソンは常に仕事に追われており、頭の中を空にしようとしても仕事のことを考えてしまう傾向があります。
そうした際、サウナに入り「ととのう」ことで仕事に関する考えを完全に遮断し、心と体をリセットできます。
サウナは温度80℃〜100℃の室温が一般的で、そうした状況下に身をおくことは体にとって究極の危険状態を示しています。したがって、頭で複雑なタスク処理ができなくなるため、自動的に仕事から意識が遮断されます。
上記の理由から、サウナで「ととのう」状態を求める人が増えました。
ドラマが流行ったから
2019年に続き、2021年2月にも「サ道 ~2021 年冬 東京の空の下、少し離れてととのう~」が再度スペシャル番組で放映されました。
そして2021年7月からは「サ道2021」がスタート。中国放送によると、広島県の視聴率データでは、世帯視聴率は2.6%、F1占拠率49.2%、M1占拠率53.3%と比較的高い水準での好スタートとなりました。
同新聞は広島県でサウナブームが訪れていることを説明しています。
また、Google trendsでの「サウナ」の検索結果も、ドラマ化した2019年に一度ピークを迎えた後、再度2021年からは検索数は上昇しています。
したがって、サウナを舞台にしたドラマが流行ったことも、「ととのう 」が流行した理由のひとつです。
参考:RCCTIMESvol137_サウナ2番組 | RCCTV
温泉側も「ととのう」をウリにするようになったから
温泉、サウナスパも「ととのう 」をウリにしはじめたことも理由のひとつです。例えば、大東洋レディスサウナでは「異次元空間での究極のととのう」をウリ文句にしています。
他にも、URBANSPA ーアーバンスパーでも「ととのう」が宣伝文句になっており、今後もますます「ととのうことができるサウナ」という名の下のマーケティング活動は広まりそうです。
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「ととのう」には根拠があるのか
「サウナに入ると体調がよくなる」という言葉は耳にしますが、果たしてそうなのでしょうか。『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』によれば、サウナに入ることで以下4つの効用があると説明しています。
- 脳疲労が取れる
- 睡眠が深くなる
- 体温調節機能が改善される
『医者が教えるサウナの教科書 ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか?』の著者の加藤泰崇氏はサウナー兼医者でもあり、通称サウナドクターとも言われています。
脳疲労が取れる
サウナに入ると脳疲労が取れ仕事に集中できるようになります。実は私たちは休んでいるつもりでも、頭が休めていないことは多々あります。
例えば、仕事が溜まっている日曜日に翌日が憂鬱になるのは、休んでいるつもりでも脳が80〜90%稼働している状態だからです。
したがって、ぼーっとしている状態であっても無駄なエネルギーを消費しているため、脳は全く休めていないのです。この状態はDMN状態と呼ばれています。
逆に集中力が高まっている状態の脳回路をCEN状態と呼びます。
気づくとすぐに集中力が落ちてしまうのは、CEN状態からDMN状態に、脳がモードを切り替えてしまうことが要因です。
こうした脳の切り替えを避けるためには、DMN状態を強制的に解除する必要がありますが、サウナはこの切り替えに寄与します。
サウナに入り体を危機的状況におくことで、DMN状態すら成り立たないような場所へ身を置くことができます。したがって、サウナに入ることでDMN状態を強制的に解除できるのです。
一度解除に成功すると、その後DMN状態になりづらくなるので、CEN状態を維持することが可能です。
睡眠が深くなる
医学的に証明されていませんが、サウナに入ると75%の人の睡眠が改善したという結果があります。加藤氏によればこの結果は「脳が勘違い」したからではないかと説明しています。
まだ医学的根拠は伴わないものの、実際に睡眠が改善した報告は上がっているため、個人差はあるものの睡眠が改善することもありそうです。
参考:最新研究で判明!サウナに入ると75%が睡眠の改善を実感 | DiamondOnline
リラックスできる
サウナに入ることで、体温調整機能が改善されるという結果も出ています。サウナの高温状態により、深部体温が緩やかに上昇し、副交感神経が活性化します。
副交感神経は体を休めるときに働く自律神経なので、副交感神経が活性化することで、結果的に体のリラックス効果が高まります。
参考:サウナが健康にいい根拠 | Mediacal Efficiency of Sauna
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「ととのう」ための条件は以下2つです。
- 疲労が残っている時
- 空腹時
まず「ととのう」ためには疲労が残っている必要があります。サウナにより自律神経が回復することは先に触れましたが、回復前後の自律神経の回復度の差が激しいほど、体は疲れているのに脳が活性化する状態になりやすく、ととのいやすいです。
また、空腹時であることもととのうためには重要です。仮に満腹時にサウナに入り、そのあと水風呂に入った場合、腹痛に悩まされる可能性があります。
したがって、ととのいたい際は空腹にしてサウナに臨むのがよいでしょう。
参考:現役医師が教える、サウナで「ととのう」条件と正しい入浴方法 | Yahoo!ニュース
「ととのう」ためのサウナの入り方
「ととのう」ためには適切にサウナに入る必要があります。間違ったサウナの入り方をしてしまうと、脱水症状や体調不良を引き起こし、サウナに入った意味がなくなります。
- 水分補給をする
- サウナに入る
- シャワーを浴びる
- 水風呂につかる
- 外気浴
上記5つが正しいサウナの入り方になるため、しっかりと理解しておきましょう。
①水分補給をする
まずは水分補給を忘れないようにしましょう。サウナに入ると400mlほどの水分が汗として体外に排出されます。
水分補給を怠ると脱水症状に陥るので注意が必要です。
②サウナに入る
次にサウナに入ります。サウナに入る前には、体を洗って綺麗な状態にするのが最低限のルールです。
サウナに入る際は時間を目安にするのではなく、心拍数を元に入る時間を設定するのが大切です。およそ平常時の2倍くらいの心拍数になるまでサウナに入ることが適切とされています。自身の心拍数がわからない場合は心拍数120ほどを目安にするとよいでしょう。
時間を目安にしてしまうと、体を追い込んでしまい体調が悪化する可能性があります。したがって、サウナに入る前に心拍数を把握しておくのがよいでしょう。
③シャワーを浴びる
サウナから出たらシャワーを浴びて汗を流します。水風呂は他の人も利用するため、こちらも最低限のルールです。
④水風呂につかる
シャワーを浴びて汗を流したら、水風呂に浸かります。水風呂に浸かる時間は30秒〜1分程度です。ただし、必ずしもその時間浸かっていなければならないわけではありません。
体調を確認しながら、耐えられないと思ったらすぐに出ることが大切です。
⑤外気浴
水風呂に浸かったことで、血流がよくなっています。この状態が「ととのい」の時間です。脳内ではβ-エンドルフィンが分泌されており、まさに心地の良い状態が持続しています。なお、β-エンドルフィンが分泌される時間は2分程度といわれており、この時間を超えると「ととのう 」は終了します。
このサイクルを2〜3回繰り返すことで体調が改善し、仕事に集中できる状態となります。
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「ととのう」際の留意点は以下3つです。
- 毎日は入らない
- 体の調子が悪いときには入らない
- 運動前には入らない
それぞれわかりやすく解説します。
毎日は入らない
「ととのう」感覚を知ってしまうと、毎日でもサウナに行きたくなります。ただし、サウナに毎日行くのは逆効果になる場合があります。
サウナの中では、思いもよらないことが体の中では起こっています。サウナは体にとって危険な状態のため、体に負担がかかっているのです。
また、サウナに入り続けることでサウナ依存症に陥る可能性もあります。したがって、サウナに入るのは多くても週に2〜3回程にしておきましょう。
体の調子が悪いときには入らない
サウナ好きの方の中には「体の調子が悪いときに入り体調を改善させたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、逆効果になることが多いです。
例えば、風邪を引いているときにサウナに入ることで、脱水が進み、症状が悪化するケースがあります。また、風邪を引いている際は体温を認識するセンサーが働きづらくなるため、気づかないうちに危険な脱水状態に陥る可能性もあります。
したがって、体調が悪いときにはサウナに入らないのが基本です。
参考:サウナブーム到来で“勘違い”が続出、「サウナの御法度」と「正しいととのいかた」| Yahoo!ニュース
運動前には入らない
運動と合わせてサウナに入る方もいらっしゃるかもしれませんが、運動前にサウナに入ることで体温が下がりづらくなり、体に負担をかけてしまいます。
したがって、運動前にサウナに入らない方が良いでしょう。
なお、運動後にサウナに入るのは推奨されているため、軽い運動後にはサウナに入っても問題ありません。ただし、運動後すぐにサウナに入るのではなく、1時間ほどの小休憩をしてから入るのがおすすめです。
注意:絶対に「ととのう」ことが正しいとは限らない
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「ととのう」のがよいと聞くと、ついつい「ととのう」ことが全てだと思ってしまうかもしれません。
しかし、絶対に「ととのう」ことが正しいとは限りません。
その理由を以下2点解説します。
- 「ととのう」には個人差がある
- 寒暖差でヒートショックになることも
「ととのう」には個人差があります。したがって「ととのいたい」と思っても、うまくいかない人もいることでしょう。
この際に無理にととのうために長時間サウナにいたり、水風呂に限界まで浸かっていたりすると思わぬ体調の悪化を招いてしまいます。
さらに、温泉の醍醐味は決してサウナでととのうことが全てではありません。暖かい温泉を楽しみ、サウナには浸からずに温泉で過ごしてリラックスするのも正しい温泉の使い方です。
したがって、必ずしも「ととのう」ことが全てではないことを認識しておきましょう。
寒暖差でヒートショックになることも
ヒートショックとは、寒暖差から発生する体調不良のことです。寒暖差が激しい状況下に身をおくことで、交感神経が強く働き血圧が上昇、そして脳内の血管が破れ、脳卒中を引き起こす可能性もある恐ろしい状態です。
特に心臓が弱い人はヒートショックには注意しなければなりません。
「ととのう」ためにサウナと水風呂を行き来する行為は、このヒートショックを誘発する可能性があります。
特にサウナの温度が高く、水風呂の温度が異常に低い状況下ではヒートショックが起こる可能性があります。したがって、既に心臓に持病を抱えている場合、かかりつけ医に相談した上でサウナに入るようにしましょう。
まとめ 「ととのう」について
本記事では、「ととのう」の意味と効用、注意点を解説しました。
ビジネスエリートがサウナを好むのは、仕事に集中できるようになるからです。ただし、サウナは適切に利用しないと、思わぬ体調の悪化を招く可能性があります。
サウナに入り「ととのう」際には、必ず体調と相談した上で、適切に利用することが大切ということを覚えておきましょう。
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