IPO(Initial Public Offering)とは、企業が初めて一般に向けて株式を発行することです。これは、株式未公開の企業が株式を公開することを意味しており、今まで購入できなかったその会社の株を、誰でも購入できるようになるということです。
IPO前、企業の株主は非常に少ないのが一般的で、創業者、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルなどがそれにあたります。しかし、IPOの際には会社はその株式を一般に販売することになるので、投資家は会社から直接株を購入し、株主になることができるようになります。
この記事では、IPOについてわかりやすく解説していきます。
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IPOとは
IPO(Initial Public Offering)とは、株式の新規公開のことを言います。より具体的に言えば、未上場の企業が自社の株式を証券取引所に上場し、一般の人々が購入できるようにすることです。
通常、IPO前の会社株式は、創業者、創業のために資金を貸した家族が所有しています。創業から数十年経っていない企業など、場合によっては長年勤務している従業員が株式を保有していることもあります。
IPOによって、この会社の株式は株式市場に参加している誰でも購入・保有・売却できるようになるのです。
IPOは経営者にとっても投資家にとっても「大儲けのチャンス」ととらえられており、知名度の高い企業が上場すると、株価が大きく上昇して話題になります。その反面、IPOは非常にリスクの高い投資であり、長期的には安定したリターンが得られない可能性が高いことを、理解しておかなければなりません。
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IPOまでの道のり
IPO前の企業は、認定投資家(エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、富裕層など)や初期投資家(創業者、家族、友人など)といった限定された株主のみの非公開企業です。IPO後、発行会社は公認の証券取引所に上場するため、IPOは「株式公開」とも呼ばれています。
株式公開は困難で時間のかかるプロセスであり、多くの企業にとって単独で行うことは難しいでしょう。
IPOを計画している未公開企業は、世間の注目度が飛躍的に高まることに備えなければならないだけでなく、例えば米国であれば、公開企業を監督する米国証券取引委員会(SEC)の要求を満たすために、大量の書類や財務情報を提出しなければなりません。
日本であれば、公開企業を監督する金融庁の要求を満たすために、同様の書類や財務情報の提出を求められます。
そのため、株式公開を計画している未公開企業は、IPOに関するコンサルティングと初値設定の支援を受けるために、投資銀行からコンサルタントを雇うことが一般的です。引受会社のコンサルタントは、投資家向けの重要な書類を作成したり、ロードショーと呼ばれる潜在的な投資家とのミーティングの日程を調整するなど、IPOに向けて経営陣をサポートします。
企業とコンサルタントがIPOの初値を設定すると、引受会社は投資家に株式を発行し、その企業の株式は、米国においてはニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック、日本では東京証券取引所などの公的証券取引所で取引が開始されます。
通常、企業がIPOを行う際は、以下のようなプロセスで進められます。
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IPOを計画している企業は、まず、IPOの引受人となる投資銀行を選びます。引受会社は、未公開会社と一般大衆との間のブローカーのような役割を果たし、初期発行株式の販売を支援します。
引受会社は、株式発行後の市場を安定させる役割も担っており、取引開始日に注文が集中した場合には、公募価格以下の価格で株式を購入し、株価が急落する可能性を抑えます。
2. 証券取引所の選択
次に、公開する証券取引所を選びます。これは通常、企業が事業を展開している国や業界と一致します。たとえば、米国では技術系企業の多くがナスダック市場を利用しており、ニューヨーク証券取引所には老舗の優良株が多く集まっています。
3. 公募価格の設定
日本では金融庁が、米国ではSECが、IPOを承認後、投資銀行は公募価格と発効日を決定します。公募価格は、企業の業績などのファンダメンタルズや企業の本質的な価値に基づいて設定されます。
投資家の注目を集めるためには、合理的な価格でなければなりません。
会社が公開されると、個人株主の株式は公開株と同じ価格で評価されます。これは通常、IPO前よりも高い価値であるため、以下で説明するロックアップ期間終了時に売却することで、相対的なリターンから利益を得られる可能性があります。
4. IPOロックアップ期間
会社が株式市場に上場した後、一般的に90日から180日の間、投資家は株式を売却することができません。これを「ロックアップ期間」と呼びます。これは通常、会社の創設者や従業員などのインサイダーに適用されますが、初期の投資家も含まれます。
ロックアップ期間の目的は、インサイダーが大量の株式を売却して市場が圧迫された場合に、株価の下落を防ぐことにあります。
5. IPO後の売出し
企業には、将来的にさらに多くの資金を調達する能力があり、IPO後のセカンダリー・オファリングでは、より多くの運営資金を調達するために、新たな株式を一般に販売します。これにより、元々の投資家の個人所有率が希薄になり、投資家からの印象が悪化する可能性があります。
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なぜ企業はIPOをするのか?
IPOは、一般の人々が企業の株式を購入できる最初の機会となるかもしれませんが、IPOの重要な目的の一つは、初期の投資家(上場前から株式を持っていた投資家)が、投資した株式を現金化することです。
IPOは、企業のライフサイクルのある段階が終わり、別の段階が始まることを意味しています。また、既存の非上場企業に投資している方も、保有する株式の一部または全部を売却したいと考えているかもしれません。
企業がIPOを目指す理由としては、資金調達や企業の知名度向上などが大きいでしょう。企業は、一般に株式を売却することで追加の資金を調達することができますし、その資金は、事業の拡大、研究開発、債務の返済などに充てられます。ベンチャーキャピタル、個人投資家、銀行融資などといった資金調達方法ではコストがかかりすぎます。
さらに、IPOで株式を公開すると、企業は大きな宣伝効果を得ることができます。
公開企業としての地位を確立させるほか、金融機関からより良い条件を得られる可能性もあります。
しかし、上場すると資金調達が容易になったりする一方で、さまざまな問題が発生します。例えば、四半期や年次の財務報告書の提出などの情報開示義務があります。また、株主への回答も必要ですし、上級管理職による株取引や、資産売却や買収の検討などの動きについても報告が必要です。
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IPOを行うと、投資銀行を通じて会社は普通株式を発行し、それが一般市場で取引されるようになります。
株は会社の所有権の一部を表し、購入者は会社の利益(配当の形で分配される)に対する請求権を持つとともに、取締役会の選挙における投票権や、会社によってはその他の事項に対する投票権を持つことになります。
成長のための資金調達
世界的に有名な会計事務所であるPricewaterhouseCoopersは株式公開をする理由を数多く挙げています。その最たるものが、成長のための資金調達です。
事業を拡大するためには、有形固定資産の取得や新規雇用者への給与支払いなど、より多くの資金が必要となります。しかし、拡大に必要な資金を得るには、既存の事業規模では難しいというジレンマに陥ります。
ビジネスローンは一つの選択肢ですが、その資金は返済しなければなりません。
多くの場合、比較的短い期間で返済しなければならず、利息がつきます。しかし、企業が株式販売で調達した資金は、必ずしも返済する必要はないのです。
現金の代わりを獲得する
会社が株式を持っていれば、それを通貨のように使うことができます。
他社を買収し、その対価の一部または全部を現金ではなく株式で賄うことができます。
リクルート活動やインセンティブ、人間関係の構築のために、従業員やその他の人々にストックグラントやストックオプションを提供することができます。米国では、401(k)などの退職金制度の一環として、従業員に自社株を提供することも可能です。
キャッシュアウト・オプションの設定
上場株式を発行することは、企業は創業者、リーダー、初期の従業員、個人投資家に、彼らの投資をお金に換える方法を提供することにもなります。
たとえば、未公開企業において、創業からの投資者が株式の5%を所有している場合、その人の持分を会社が買い取らない限り、「キャッシュアウト」する方法はありませんが、それをしたくても会社にはそのための資金がないかもしれません。
しかし、会社の株式が取引されるようになれば、その人は取引可能な株式を所有することになり、それを売却することができます。
IPOする条件とは?
企業はIPOをすることができますが、どんな企業でもできるわけではありません。IPOを行うためには条件があり、その条件を定めたものが上場審査基準です。
上場に至るまでの審査には、主幹事証券会社による審査および取引所による審査があります。
主幹事証券会社による審査は、日本証券業協会が定める「有価証券の引き受け等に関する規則」に基づき行われる審査のことを言います。一方、取引所による審査は「有価証券上場規程」に定める実質審査基準に基づき、上場適格性を満たしているかどうかを判断する審査です。
どちらの審査も、取引所の「有価証券上場規程」に定める形式審査基準を充足することを前提に審査が行われます。形式審査基準とは、資産、利益、株主数などについて各市場において最低限満たしていなければならない数値基準です。
これに対して、実質審査基準とは、企業の継続性、収益性、健全性、開示の適正性などについて定めた基準となります。
IPO申請にあたって、主幹事証券会社は、上場申請会社が上場会社として問題のない会社であることを記載した推薦書を取引所に提出しなければなりません。
このため、すでに説明したように、推薦人となる主幹事証券会社は、申請会社が上場会社にふさわしい会社であるかどうかを調査するために、取引所への上場申請に先立って審査を実施することとなります。
主幹事証券会社の審査も、上場申請会社に対する書面による質問、その回答に基づく上場準備担当者などへのインタビュー、工場・店舗など事業所の実査、監査法人との面談、経営者・監査役・独立役員との面談などを通じて実施されます。審査期間は、会社の規模、事業の複雑性などにより異なりますが、一般的に半年程度かかります。
取引所による審査もおおむね主幹事証券会社による審査と同様に実施されます。審査に要する期間は市場ごとに異なりますが、通常、上場申請から承認まで2~3カ月となっています。
IPOのメリット
企業にとってのIPOのメリットは、社会的認知度の向上により、新たなチャンスや顧客の獲得につながることです。
IPOの過程では、全国の新聞に会社の情報が掲載されますし、IPOの話題で盛り上がると、経済紙の注目度が高まることもあります。しかし、IPOプロセスにおける情報公開にはいくつかの法律がありますので、中小企業の経営者は宣伝に踊らされないように注意しなければなりません。
また、株式を公開することで、取引先や顧客、金融機関からの信用度が高まり、信用取引の条件が改善されることもあります。
株式公開のもう一つのメリットは、経営陣や従業員への独創的なインセンティブ・パッケージに株式を利用できることです。報酬の一部として株式やストックオプションを提供することで、より優秀な経営者を獲得し、業績を上げるためのインセンティブを与えることができます。
また、株式プランによってオーナーとなった従業員は、会社の成功を共有することでモチベーションを高めることができます。
IPOのデメリット
そもそも、IPOを行うにはかなりのコストがかかります。主な費用としては、主幹事会社の手数料、法律事務所、会計事務所、印刷費、経営者による個人的なマーケティング活動のための自己負担分、監督省庁への申請費用、会社のイメージアップのためのPR費用、さらに継続的な法律、会計、申請、郵送の費用などが挙げられます。
このような費用がかかるにもかかわらず、株式売却前に予期せぬ問題が発生してIPOが頓挫する可能性は常にあります。
非公開企業とは異なり、公開企業は毎年、監督省庁に財務諸表を提出する必要があります。これらの財務諸表は、米国で一般に認められた会計原則に基づいて作成され、公認会計事務所の監査を受けなければなりません。
このような規制は、負担もコストも大きいものです。
企業の財務状況を公表するためには、より厳格な財務管理体制を構築し、財務報告チームと監査委員会を設置し、四半期および年次の決算プロセスを実施することに加え、監査法人を雇い、その他何百もの作業を行う必要があります。
そのため、公開企業は毎年何百万ドルものコストと何千時間もの労働力を必要とします。
また、IPOによって、機密性、柔軟性、管理能力の低下というデメリットも発生します。監督省庁による規制により、公開企業は、市場、利益率、将来計画などの機密情報を含むすべての経営情報を公開することが求められるからです。
競合他社から従業員まで、会社の内部事情をすべて知ってしまうと、数え切れないほどの問題や紛争が発生する可能性があります。
また、株式を公開すると、元々の所有者の持ち株が希薄になるため、経営陣の日常業務に対するコントロールが弱くなります。
大株主は、取締役会への参加を求めたり、会社の運営方法について発言権を求めることもあり、会社の株式価値や将来計画に不満を持つ株主が多ければ、買収を仕掛けて経営陣を追い出すことも可能です。
株式を公開するということは、一般株主から多額の資金を受け取るということです。株主は、会社に多額の資金を提供しているので、たとえ創業者が嫌がる方向に進んだとしても、会社が自分たちの利益のために行動することを期待しています。
もし株主が、会社が自分たちの利益になるように運営されていないと感じれば、株主投票などを通じて、会社に新しいリーダーを任命するように迫るかもしれません。
また、所有権の希薄化は、経営陣の柔軟性を低下させます。取締役会がすべての決定を承認しなければならないとなると、迅速かつ効率的な意思決定ができなくなります。さらに、SECの規制により、公開企業の経営陣が株式を売買したり、会社の業務について外部の人間と話し合ったりすることが制限されます。
さらに、上場企業は短期的な業績の向上を求められることもあります。収益は四半期ごとに報告され、株主や金融市場は常に良い結果を求めています。そのため残念ながら、長期的な戦略的投資の決定は、現在の数字を良く見せることよりも優先順位が低くなりがちです。
市場からの圧力は、会社にとって最善と思われることを行うことに慣れている会社のリーダーにとって、非常に難しいものです。創業者は長期的な視点を持つ傾向があり、自分の会社が数年後にどうなっているか、世界にどのような影響を与えるかといったビジョンを持っています。
一方、株式市場では、利益を重視した非常に短期的な視点を持っています。企業が上場すると、世界中の投資家やアナリストがその一挙手一投足をチェックします。彼らの関心は、「この会社が四半期ごとの収益目標を達成できるか 」という一点に集約されるのです。
目標を達成すれば株価は上がり、達成しなければ株価は下がるのが普通です。たとえリーダーが「長期的には会社にとって最善である」ことをしていたとしても、世間の短期的な目標を達成できなければ、会社の価値が下がり、結果としてリーダー交代を求められるかもしれません。
世間の短期的な目標に縛られることを嫌う創業者は、株式公開について慎重に考えるべきでしょう。
また、公開企業では株主対応に関連したコストも増加するほか、特に中小企業の場合は会計システムの改善やスタッフの増員が必要となるため、追加の報告義務が課せられます。
IPOで行うべき資本政策
資本政策とは
資本政策とは、一般的に、会社が事業を遂行していく上で必要な資金調達を実現するための施策をいいます。株式上場を目指す会社の資本政策は、上場後の株式の流動性を念頭に置きながら、「資金調達」と「株主構成」のバランスを取らなければなりません。
資本政策の取り組み方
資本政策を立案するに当たっては、中長期利益計画から具体的な株式の上場時期や市場を定めた上で、上場審査の形式基準を充足させ、事業計画に基づく必要資金と上場時の望ましい株主構成にするための募集株式(発行株式または自己株式)の割当や株式移動の方法並びにその実施時期等を検討していきます。
IPOのための資本政策の手法
株式移動
株式の移動とは、既存の株主が所有する株式を他者に譲渡することをいいます。会社法上の手続としては、取締役会設置会社は、取締役会の承認決議が必要です。株式移動を行う資本政策上の目的は、株主構成の是正や特定の者との関係を強化することにあります。
株主割当増資
株主割当増資は、株主平等の原則に基づき、既存株主に対して、所有株式数に応じた新株引受権を与えます。
原則として増資後の株主構成は増資前に比べて変化しないので、経営者が既存の株主構成を望ましい姿であると評価し、かつ資金調達を実施したい場合の資本政策となります。
第三者割当増資
第三者割当増資とは、特定の第三者に株式を有償で引き受けてもらうことで資金を調達する手法のことを言います。上場企業の場合、経営再建や割当先との関係強化などを目的に行われ、通常、取締役会の議決によって実施することができます。
新株予約権
新株予約権とは、その新株予約権を発行した株式会社に対して権利を行使することで、その株式会社の株式の交付を受けられる権利のことを言います。
新株予約権の保有者が新株予約権を行使する場合、一定の行使価格を株式会社に払い込むことで、会社に新株を発行させる、もしくは、会社自身が保有する株式を受け取ることができます。
新株予約権付社債
新株予約権付社債とは、株式を一定の条件で取得するための権利である「新株予約権」を付与された社債を言います。新株予約権の行使があると、社債部分の金額が株式取得のために払い込まれたとみなされます。新株予約権の行使によって発行される株式数や、新株予約権を行使できる期間などは、あらかじめ決められています。
株式分割
株式分割とは、1株をいくつかに分割し、発行済みの株式数を増やすことを言います。
たとえば、1株を2株に分割すると、各株主の持ち株数は自動的に2倍になりますが、理論上、1株の価値は半分になるので、資産価値に変化はありません。原則として、株式分割を行うためには、取締役会の決議が必要です。
株式併合
株式併合とは、既存の数個の株式を1株に統合することにより、発行済み株式数を減らす方法のことを言います。理論上、株数が減っても会社の価値は変わらないので、基本的には、併合比率により1株当たりの価格も決定されます。
ただし、株式併合は、場合によっては、端株主や売買単位未満株の株主を増やすことになるなど、株主の権利を侵す可能性があるため、株主総会の特別決議が必要であるなど、実行するためには一定の条件があります。
財産保全会社の活用
財産保全会社の活用する場合、経営者が直接、会社の株式を保有するのではなく、経営者が保有する別の会社を介して、公開予定会社株式を保有します。
なぜ経営者ではなく、財産保全会社に株式を保有させるのかといえば、上場会社株式を個人が保有している場合、相続税の評価上は、市場価格で評価することになるからです。
経営者が所有しているのが財産保全会社の株式であれば、当然評価すべきは財産保全会社ということになります。この財産保全会社の株式を評価する際には、税法上、その保有する含み益に42%の控除が認められていて、保全会社が保有する公開株式を市場価格で評価しても、含み益がある場合には節税が可能となります。
種類株式の活用
種類株式とは、株主の権利内容について、会社の定款で特別な条件をつけた株式のことをです。会社が株式を発行する際には、通常、株式平等の原則に則って、株主の権利内容などを限定しません。
しかし、種類株式として条件を設定すれば、一定の事項について、普通株式よりも優先的な取り扱いにしたり、あるいは、劣後した取り扱いをすることができます。一定の事項については、会社法において9つが定められており、何でも条件が付けられるわけではない点に注意が必要です
ストックオプション制度
ストックオプション(取締役・従業員割当型新株予約権)とは、自社株をあらかじめ定めた価格で購入できる権利のことで、発行会社が役員や従業員等に対して付与するものです。
株価が上がれば、ストックオプションの購入価格との差額分だけ利益を得ることができるので、ストックオプションの付与者にインセンティブを与えることができます。
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IPOを行えば、企業は事業活動のための資金を用意しやすくなる一方で、会社経営について様々な制約を受けることになります。したがって、IPOを行う場合には、そのメリット・デメリットをきちんと理解しておく必要があるでしょう。
IPOで調達した資金は、事業拡大、研究開発、マーケティングなど、さまざまな目的に使用することができます。
一方で、IPOを行って公開企業となった企業は、定期的な開示書類の発行、財務結果の公表、四半期ごとの決算説明会の実施など、一般的に高い透明性を持って業務を行わなければなりません。
公開企業は株主に対して受託者責任を負っており、株主の要求によって企業の経営陣はコントロール・時間・資金を失う可能性があることを忘れてはなりません。
投資家にとっては、IPOが株式市場のビッグイベントであることは間違いありません。適切な企業に投資することで、長期的には良いリターンを得られる可能性があるからです。
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