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ISO9001(品質マネジメントの国際規格)を徹底解説!

ISO9001を解説

品質マネジメントに携わっている方なら、ISO9001はご存知のはずです。

ISO9001は品質マネジメントにおける国際規格のことで、PDCAサイクルが活用されていることでも有名です。

ISO9001は取得する効果が大きいことから、これからISO9001の認証取得を目指す企業も少なくないでしょう。

そこで本記事では、ISO9001の担当者向けに、ISO9001について徹底解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。

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ISO9001とは?

ISO9001を解説する前に、まずISOについて解説していこうと思います。

「ISO」は国際標準化機構のこと

ISOは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関「International Organization for Standardization」の略称で、意味は「国際標準化機構」です。

ISOは、国際的な取引をスムーズにするために存在しています。

本記事で紹介するISO9001のようなマネジメントシステム規格だけでなく、非常口のマーク(ISO7010)やネジ(ISO68)のようなモノ規格もあります。

たしかに、非常口のマークやネジのサイズが国ごとに違ってしまうと非常に不便です。

ヒトとモノの行き来が活発になったグローバル社会で、どんな場所でも利用できるよう企画を統一するISOは、必要不可欠な存在だと言えます。

ISO9001は品質マネジメントの国際規格のこと

そしてISO9001は、品質マネジメントの国際規格です。

1987年に発行され、現在は189カ国の約107万の組織がISO9001の認証を取得しています。

ISO9001がスタートした背景として、第二次世界大戦後の大量生産社会の幕開けが挙げられます。

大量生産社会における最大の課題は「いかに効率的に生産できるか」にありました。

この状況の中、製造業の中で「品質保証」や「品質管理」という概念が生まれ、イギリスが国家規格として品質保証のモデルを作成した後、それを基にISOが国際規格「ISO9001」を制定したのです。

ISO9001の規格構成【10要素】

ISO9001は以下の10つの規格構成によって成り立っています。

  • 適用範囲
  • 引用規格
  • 用語及び定義
  • 組織の状況
  • リーダーシップ
  • 計画
  • 支援
  • 運用
  • パフォーマンス評価
  • 改善

それぞれ詳しく解説していきます。

①:適用範囲

まずはISO9001の適用範囲です。

自社で構築した品質マネジメントシステムを、どこからどこまで適用させるのかを決定します。

このように、あらかじめ適用範囲を決定しておくことで、どの部署のどの業務を改善する必要があるのかが明確になります。

また、適用範囲を決定する過程で、ISO9001の認証を取得する目的が明確になるのもメリットです。

②:引用規格

ISO9001に認証を取得する際は、ISO9001を利用・または引用する規格を記載する必要があります。

2023年11月現在、ISO9001は引用規格として「ISO9000」を指定しています。

ISO9000は、一般的には「品質マネジメントにおける用語集及び定義」のようなものです。

簡単に言うと、ISO9001とISO9000はセットなのです。

③:用語及び定義

まず前提として、ISOは定期的に更新されているため、バージョンがあります。

ISO9001の最新バージョンは「ISO9001:2015」という2015年に更新されたものです。

同じくISO9000の最新バージョンも「ISO9000:2015」となっています。

バージョンによって、用語及び定義が異なるので、ISO9001の認証を取得する際は、どのバージョンのISO9000を引用するのか、あらかじめ決定しなければなりません。

2023年11月現在では、基本的に「ISO9000:2015」を「用語及び定義」として指定します。

④:組織の状況

ISO9001では、組織の状況について記載する必要があります。

具体的な項目は以下の4つです。

  • 組織及びその状況の理解
  • 利害関係者のニーズ及び期待の理解
  • 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
  • 品質マネジメントシステム及びそのプロセス

このようにして組織の現状を文章化しておくことで、品質マネジメントをどのように適用するかを決定できます。

⑤:リーダーシップ

この項目では、品質マネジメントシステムを担当するリーダーがどのような働きかけをするのかを明確にします。

具体的な項目は以下の3つです。

  • リーダーシップ及びコミットメント
  • 方針
  • 組織の役割、責任及び権限

従来のISO9001では管理責任者(マネージャー)の記載もありましたが、最新のISO9001:2015では削除されました。

そのぶん、リーダーが担う責任がより重くなったと言えます。

⑥:計画

ISO9001では、適切な計画策定を要求します。具体的な項目は以下の3つです。

  • リスク及び機会への取組み
  • 品質目標及びそれを達成するための計画策定
  • 変更の計画

この項目はISO9001におけるPDCAサイクルの「P」を担っています。

確実に品質マネジメントを実行するために「変更の計画」も設定されているのがポイントです。

⑦:支援

ISO9001における「支援」は、品質管理マネジメントシステムにおいて、どのようなリソースをどれくらい投下するかを示したものです。

具体的には以下の5つの項目です。

  • 資源
  • 力量
  • 認識
  • コミュニケーション
  • 文書化した情報

品質マネジメントシステムを実行する際は、経営資源をどれくらい投下し、どのようなコミュニケーション手段を採用するかを決定する必要があるということです。

⑧:運用

ISO9001では、品質管理マネジメントをどのように運用するかについても詳細に規定されています。

項目は以下の7つです。

  • 運用の計画及び管理
  • 製品及びサービスに関する要求事項
  • 製品及びサービスの設計・開発
  • 外部から提供されるプロセス、製品及びサービスの管理
  • 製造及びサービス提供
  • 製造及びサービスのリリース
  • 不適合なアウトプットの管理

なお、この「運用」で決定された事項はそのまま社内マニュアルとしても活用できます。

⑨:パフォーマンス評価

この「パフォーマンス評価」はPDCAサイクルにおける「C」に該当します。

具体的な項目は以下の3つです。

  • 監視、測定、分析及び評価
  • 内部監査
  • マネジメントレビュー

パフォーマンスを評価する際は「経営者」「リーダー」「現場」の3つの立場から実施することが求められます。

⑩:改善

PDCAサイクルの「A」に該当する「改善」では、以下の3つの項目があります。

  • 一般
  • 不適合及び是正処置
  • 継続的改善

ISO9001では、品質マネジメントを本当に改善できるかがチェックされます。

品質マネジメントシステムを改善する方法を具体的に決定する必要があるでしょう。

ISO9001の認証取得による7つの効果

ISO9001の認証取得によって得られる効果は以下の7つです。

  • 業務効率の改善
  • 取引要件の達成
  • 認証取得による企業価値向上
  • リスクマネジメント強化
  • 業務継承の円滑化
  • 社会的信頼と顧客満足度の強化
  • コンプライアンスの推進

それぞれ詳しく解説していきます。

効果①:業務効率の改善

ISO9001の認証を進める過程で、品質マネジメントの質が向上し、業務効率が改善する可能性があります。

実際にISO9001の認証を進めていくと「運用」について詳細に記載する必要がありますが、それはそのまま社内マニュアルに転換可能です。

ISO9001の厳しい条件を満たしていく過程で、間違いなく品質管理の質が上昇するでしょう。

効果②:取引要件の達成

ISO9001の認証を取得することで、取引要件を達成でき、より多くのクライアントと取引できる可能性があります。

実際、ISO9001は国際取引の基準となっているため「ISO9001を取得していない企業とは取引しない」というケースも珍しくありません。

国際取引を増やしたいのであれば、ISO9001の認証取得は必要不可欠だと言えるでしょう。

効果③:認証取得による企業価値向上

ISO9001の認証を取得することで、企業価値が向上する可能性があります。

ISO9001は品質マネジメントに対して厳しい条件を求めています。

そのため、ISO9001を取得していることは、一種のステータスとして機能するのです。

ISO9001を取得している企業は「ISOが認めた企業」ということでイメージアップに繋がります。

効果④:リスクマネジメント強化

ISO9001の認証取得を進める過程で、リスクマネジメントが強化されます。

「計画」「運用」「改善」では、トラブルや不具合が起こった際の対応をしっかり記載することが求められます。

つまり、ISO9001の認証取得を進める過程で、リスクを軽減するための施策を決定できるのです。

品質管理においてリスクマネジメントは必要不可欠な要素です。

ISO9001の認証を取得する過程で、リスクに対する準備を進めましょう。

効果⑤:業務継承の円滑化

ISO9001の認証取得を進めることで、業務継承を円滑にできる可能性があります。

ISO9001は品質マネジメントの国際規格なので、外部から雇用した品質管理の担当者でもすぐに品質管理に対応できるからです。

また、ISO9001では運用方法の明確な記載が求められるため、属人化も防げます。

効果⑥:社会的信頼と顧客満足度の強化

ISO9001の認証を取得することで、社会的信頼と顧客満足度の強化に繋げることができます。

先ほどから述べている通り、ISO9001は国際規格なので、社会的信頼が抜群のステータスです。

また、第三者からの認証を得ていることは、顧客の安心にも繋がります。

ISO9001では利害関係者や顧客への対応も記載するので、顧客重視の品質マネジメントシステムを構築できるはずです。

効果⑦:コンプライアンスの推進

ISO9001の認証を取得することで、コンプライアンスを推進することができます。

ISO9001の認証取得を進める過程で、ルールやマニュアルが整備されるためです。

特に品質管理においては「ルールを遵守すること」が非常に重要なポイントとなります。

ISO9001の認証取得を進めて、品質管理におけるコンプライアンスを強化しましょう。

ISO9001の認証取得・維持までの3ステップ

ISO9001の認証取得・維持までは以下のステップで進められます。

  1. システム構築・運用
  2. 認証取得
  3. システム運用・認証維持

それぞれ詳しく解説していきます。

ステップ①:システム構築・運用

まずはISO9001に対応できる品質管理マネジメントシステムを社内で構築・運用します。

そのあと、ISOに見積書の作成を依頼し、それから「審査登録申込書」と「審査登録契約書」を提出することで、担当審査員が紹介されます。

ISO9001はあくまでも国際規格なので、自社の品質管理マネジメントシステムをコンサルティングしてくれるわけではありません。

まずは自社でシステムを構築する必要があります。

ステップ②:認証取得

審査を申し込んだ後は、認証取得のための登録審査が実施されます。

ISO9001の登録審査はファーストステージとセカンドステージに分かれています。

前者は文書審査と情報収集がメインで、後者は実施状況と規格の適合性がチェックされます。

なお、ファーストステージとセカンドステージの間隔が「最低1ヶ月・最長6ヶ月」になっている点には注意が必要です。

ステップ③:システム運用・認証維持

登録審査が終わり、無事に「登録可」の評価が下った場合は、3年間を有効期限とした登録証が発行されます。

それからは1年ごとに定期審査が実施され、3年目で更新審査が実施されます。

ここで「更新可」と判定された際は、また3年間の有効期限が与えられ、同じように1年ごとに定期審査が実施されることとなります。

まとめ

それでは本記事をまとめていきます。

  • ISO9001は品質マネジメントシステムの国際規格
  • ISO9001の認証を取得することで得られる効果は大きい
  • ISO9001を申請する前に、まずは自社で品質マネジメントシステムをしっかり構築する必要がある

ISO9001の認証取得は「ISOに品質管理が認められた」という一種のステータスになります。

特に、海外企業と取引する際は、ISO9001が1つの基準になっているので、認証取得は必要不可欠だと言えるでしょう。

また、製造業に限らず、研究開発・小売・医療・金融など、ありとあらゆる業態でISO9001の認証を取得できます。

ISO9001は、認証を取得する過程で業務内容を改革できるポテンシャルがある規格です。

業務効率向上を目的に、ISO9001の認証取得を検討するのも良いでしょう。

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