「せっかくチームビルディングを実施するのであればちょっと変わった内容をやってみたい!」と考えている担当者の方々は多いのではないでしょうか。
チームビルディングはチームの一体感を高め、コミュニケーションを活性化させ、日々の業務の効率化や生産性の向上も期待できるトピックですが、ある意味で、息抜きのような側面もあるでしょう。
せっかく実施するなら、従業員にとって刺激的な体験を提供したいところです。
そこで本記事では、変わり種のチームビルディングを10こ紹介していきます。
また、手軽にできるチームビルディングも別途で5つ紹介します。
ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
チームビルディングとは?
チームビルディングは直訳すると「チームを構築する」という意味です。
ビジネスの現場においては「パフォーマンスを発揮できるチームを構築する」という意味合いで用いられる言葉となっています。
チームビルディングが実施されるタイミングはさまざまです。
チーム結成時はもちろんのこと、新しいプロジェクトを始めるときや、新メンバーが加入した際に実施されることもあります。
いずれにしても、チームビルディングはチームを効果的に動かすために必要な取り組みです。
関連記事:チームビルディングとは?目的・実施方法などを徹底解説!
チームビルディングの具体例を10こ紹介!
ここでは以下の10社のチームビルディングの具体例を紹介していきます。
- 楽天グループ株式会社
- 富国生命保険相互会社
- 株式会社CHINTAI
- ソフトバンク株式会社
- 株式会社ぐるなび
- 株式会社タニタ
- 株式会社オリエンタルランド
- 株式会社メルカリ
- トヨタ自動車株式会社
- 株式会社日清食品ホールディングス
それぞれ詳しく解説していきます。
関連記事:目標を達成する組織に必要なチームビルディングやマネジメントとは?
具体例①:楽天グループ株式会社
2015年、インターネットサービスを手掛ける楽天グループ株式会社は、外国人社員56人に対して、みんなでちらし寿司を作るチームビルディングを実施しました。
人材教育を手掛けるキャプラン株式会社とABCクッキング・スタジオが開発した「クッキング de チームビルディング研修」の一環だそうです。
通常はピザをみんなで作るそうですが、この研修は外国人を対象にしているため、日本食のちらし寿司となったとのこと。
ピザと同様に、ちらし寿司もさまざまなアイデアを形にすることができる料理です。
実際に研修では、実に多彩なちらし寿司が発表されて、盛り上がりを見せたとのこと。
料理であれば「チームで何かを作る」という工程を再現することができるうえ、自然と会話が進んでいき、最後に食事を共にすることで、友好関係を深めることができます。
具体例②:富国生命保険相互会社
大正時代に創業された生命保険会社である富国生命保険相互会社は、チームビルディングの一環として、被災地ボランティアを採用しています。
先輩社員と新入社員で8~10人のチームを構成し、協力しながら被災地の手伝いや整備作業を実施します。
この被災地ボランティアによって、仕事の場所を強制的に離れることができ、メンバーと寝食を共にすることで友好関係を深めることができるそうです。
また、被災地ボランティアであれば社会貢献活動として実施できるので、人や社会との繋がりをより実感できるメリットがあります。
具体例③:株式会社CHINTAI
賃貸物件情報提供サービスを手掛ける株式会社CHINTAIは、入社式の際にあたり一面を暗闇にする「暗闇入社式」を実施しています。
これは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と呼ばれるプログラムを活用したもので、視覚を遮ることで、コミュニケーションの重要性を学べるようになるとのことです。
実際、暗闇の中では、容姿・年齢・性別・肩書きのほとんどで意味を失います。
求められるのはコミュニケーションと助け合いだけです。
視覚障害者の方々が当たり前のように実践している「助けを求めること」を、体感的に学べるチームビルディングとなっています。
もちろん入社式だけでなく、さまざまなシーンで活用できるので、別途検討してみるといいかもしれません。
具体例④:ソフトバンク株式会社
ソフトバンク株式会社は新入社員を対象に、新規事業提案ワークショップを実施しています。
ソフトバンクは2020年のコロナ禍で約600人の新入社員を迎えることになり、その際、Zoomを活用して、このワークショップを実施したそうです。
丸々1週間で新規事業を考えるワークショップとなっているこの手法は、シリコンバレーのソフトウェア開発でも採用されている「スプリント方式」と同様といえます。
リモートワーク環境下でZoomのさまざまな機能を駆使して新規事業を立案するので、コミュニケーション能力はもちろんのこと、フルリモートワークの作法も学べるプログラムだと言えます。
具体例⑤:株式会社ぐるなび
飲食店情報サービスを手掛ける株式会社ぐるなびは、社長と社員が散歩しながらミーティングする「ウォーキング・ミーティング」を取り入れています。
一般的に社長と社員が会話するのは、社長室か会議の場だけ。
この際、上下関係が非常にはっきりしていることが多く、忖度してしまうことも珍しくありません。
一方でウォーキング・ミーティングは、非常にラフな雰囲気の中、社長と社員が横並びで散歩しながらミーティングを実施するため、活発な意見交換が可能になります。
また、散歩することでアイデアが思いつきやすくなっていることもわかっており、実際にさまざまな偉人が散歩を活用しています。
例えばスティーブ・ジョブズは歩きながら会議していたことがわかっていますし、哲学者のニーチェは毎日8時間以上歩いて思考に耽り、その中で生まれたのがあの『ツァラトゥストラはこう語った』です。
極論を言えば、ただ散歩しながらミーティングするだけなので、手軽に実践できるのも魅力的です。
具体例⑥:株式会社タニタ
ヘルスケア製品を製造・販売している株式会社タニタは、ビジネスゲーム「The 商社」を用いたチームビルディングを実施しています。
従来より、タニタでは良好な人間関係構築や自己理解のためにチームビルディングを実施してきました。
その中で「より強固なチーム作りをしたい」という想いから、よりソリューションに特化したチームビルディングを実施することに。
そこで採用されたのがビジネスゲーム「The 商社」です。
「The 商社」は3~6人のチームを1つの会社とし、ほかのチームと交渉を行いながら自社を大きくさせていくゲームです。
現在はビジネスゲームのラインナップも増えており、「The 商社」以外にも、ユニークなビジネスゲームが多数登場しています。
ゲーム感覚でビジネススキルを養いながらチームの結束力を高めたいのであれば、ビジネスゲームを採用するのがいいかもしれません。
具体例⑦:株式会社オリエンタルランド
東京ディズニーリゾートを運営している株式会社オリエンタルランドは、年に1度、カヌーレースを実施しています。
今となっては数千人以上集まるイベントとなっており、さまざまな会話が生まれているそうです。
東京ディズニーランドには「ビーバーブラザーズのカヌー探検」というアトラクションがあり、そこでキャスト限定のカヌーレースが、開園前の早朝に実施されます。
東京ディズニーリゾートのキャストには実にさまざまな職種があり、その中でカヌーレースは横断的な交流を作り出す機能を果たしています。
部署間を超えた交流は組織の一体感を生み出す効果があると考えられます。
横断的な交流を生み出したいのであれば、チームビルディングが最適かもしれません。
具体例⑧:株式会社メルカリ
株式会社メルカリは、レゴを用いたチームビルディングを実施しています。
内容はシンプルで、参加者それぞれがタワーを作り、最後に「なぜこのようなタワーを作ったのか」をプレゼンするといったもの。
タワーであれば誰でも簡単に作れるうえ、同じタワーでも人によって使用する色やブロックが異なるため、個性も生まれます。
その中で、仕事の中では見えなかった従業員のパーソナルな部分を共有できる仕組みになっています。
具体例⑨:トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社は、婚活支援制度の一環で婚活パーティを定期的に開催しています。
社内で婚活パーティを実施すると、共通の話題も多いために、会話が盛り上がるそうです。
カップル成立率はなんと4割とも言われているそうです。
また、実際問題として、トヨタの生産現場で活躍する男性は女性と出会う機会が少なく、未婚率が高かったとのこと。
そこで出会いの場の創出として婚活パーティが始まったそうです。
トヨタに限らず、男性の割合が大きい研究・開発の領域では、出会いの場が少ないと考えられます。
その中で婚活パーティを実施するのは、意義のあることなのかもしれません。
具体例⑩:株式会社日清食品ホールディングス
株式会社日清食品ホールディングスは、新任管理職を対象に、無人島研修を実施しています。
内容はかなりハードです。私物を全て没収され、最低限の物資だけで2泊3日のサバイバル生活をチームで乗り越えなければいけません。
チキンラーメンや小麦粉は一定量与えられるものの、火をつける道具は火おこし棒しか与えられていないので、まともな食事も難しい状況になっています。
この環境下では、生きるために主体的に行動するしかなく、これまで受動的だった従業員も、無人島研修を通して自然と主体的に行動できるようになるそうです。
「無人島研修なんてできるわけがない」と思うかもしれませんが、1日数十万円からでレンタルできる無人島が国内にいくつかあります。
検討してみてもいいかもしれません。
手軽にできるチームビルディングの具体例5選
手軽にできるチームビルディングの具体例は以下の5つです。
- マシュマロチャレンジ
- 人狼ゲーム
- ビブリオバトル
- 自分史ワーク
- ジェスチャーゲーム
それぞれ詳しく紹介していきます。
関連記事:【10選】チームビルディングにおすすめのワークショップを紹介!
マシュマロチャレンジ
マシュマロチャレンジは、マシュマロ、パスタ、紐、マスキングテープ、はさみなどを使い、マシュマロを頂点に据えたタワーを作るチームビルディングです。
参加者をいくつかのチームに分け、どれだけ高いタワーを作れるかを競い合います。
どのようにすれば高いタワーを作れるかを考え、実践する過程で、自然とコミュニケーションが取れるようになるとのこと。
簡単な道具だけ揃えればいいので、コストもほとんどかからないのが魅力です。
人狼ゲーム
人狼ゲームは、人狼側と市民側に分かれて、自分の陣営を勝利させる頭脳ゲームです。
人狼ゲームで勝利するためには、相手の表情や会話のトーンから嘘を見抜く必要があるため、自然と従業員同士の理解が深まります。
また、対面で実施する際はカードを用意するだけでいいので、コストもほとんど発生しません。
人狼ゲームはオンラインでも開催できるのが魅力ですが、その際は企画側で複数のツールを組み合わせて、ある程度システムを構築する必要があります。
ビブリオバトル
ビブリオバトルは、参加者が「読んで面白いと思った本」をプレゼンし、それぞれの参加者でプレゼンを競う討論会です。
ビブリオバトルでは自分の好きな本を思いのままプレゼンできるので、その過程で自然と、参加者のパーソナリティが見えてきます。
また、各参加者が「他人にすすめたい本」を持ち寄るので、面白い本との出会いの場として用いることができます。
読書習慣を根付かせるきっかけにもなるチームビルディングです。
自分史ワーク
自分史ワークは、自分の過去や歴史を全員に向けて話し、それに対して参加者が質問するという流れのチームビルディングです。
非常にシンプルですが、効果は抜群。
自分の過去や歴史を話したり質問に答えたりする流れで自己理解が深まり、従業員同士の理解も深められます。
当然のことながら、人によって過ごしてきた学生時代に大きな違いがあるはずです。
しかし、そういったものは普段の仕事の中では見えてきません。
チームビルディングという形で時間を設けて、お互いのバックグラウンドに対する理解を深めるのは意義のあることのように思えます。
ジェスチャーゲーム
ジェスチャーゲームは、出されたお題に対して、ジェスチャーだけでメンバーにお題を伝えるゲームです。
シンプルで単純なゲームですが、コミュニケーション力向上に繋がり、仕事の中では見ることのできない、従業員の隠れた一面も見られるでしょう。
もちろん、コストは発生しません。
ただし、非常にシンプルなゲームなので、本格的なチームビルディングを実施する前のアイスブレイクとして採用するのがいいでしょう。
まとめ
本記事ではチームビルディングの具体例を紹介してきました。
非常にユニークな方法から費用ゼロの方法まで、さまざまなチームビルディングがあることがわかります。
いずれもレクリエーション感覚で楽しめるので、定期的に実施してみるのがいいかもしれません。