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人材育成の目標の立て方を紹介!具体例や管理方法も解説

人材育成の目標の立て方

人材育成において目標を設定しておくことは、適切に、かつ効率よく育成し、結果を出すことにおいて非常に効果的であり、必要不可欠といえます。

しかし、目標を立ててもうまく進められず目標を達成できなかったり、つい目標から目を逸らしたりすることがあるでしょう。

これは、そもそもの「目標の立て方」に問題があるからです。

そこで本記事では、人材育成における正しい目標の立て方を紹介していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

関連記事:人材育成とは?【具体例あり】目的や階層別の考え方、効果を上げるポイントを解説!

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人材育成において目標設定が重要な理由3選

人材育成において目標設定が重要な理由は以下の3つです。

  • 方向性が定まる
  • 長期的な視点に立ちやすくなる
  • 人事評価に連動させやすい

それぞれ詳しく解説していきます。

関連記事:人材育成で大切なこと7選!必要なスキルや活用できるツールをまとめて解説

理由①:方向性が定まる

人材育成において目標設定が重要な理由として、方向性が定まることが挙げられます。

目標を設定しないまま人材育成してしまうと、その時々で、様々なことに手をだしてしまいます。

例えばエンジニアであれば、本来はコーディングやシステム設計に注力した方がいいと言えるでしょう。

しかし目先の技術、例えば「生成AI」に惑わされて、本来の目的からずれたことに手を出してしまいます。

一方で、目標を設定しておけば、選択肢を迫られた時に、より正しい選択を取れるようになるはずです。

目標を設定して、自分がどこに向かっているのか、育成対象者をどこに導くべきなのかを明確にした方がいいでしょう。

理由②:長期的な視点に立ちやすくなる

人材育成で目標を設定できれば、長期的な視点に立ちやすくなります。

そもそも人材育成は、とても時間がかかるものです。

数ヶ月や1年程度ではなく、数年以上、場合によっては10年以上も時間がかかります。

そのため、適切な目標を設定して、常に数年先を見据える必要があると言えるでしょう。

先ほども述べた通り、現代社会ではあらゆる誘惑が目の前に現れます。

一時的なメリットに惑わされず、長期的な利益を重視するためにも、目標設定が必要です。

理由③:人事評価に連動させやすい

人材育成で目標を設定できれば、人事評価に連動させやすくなります。

例えば、新人エンジニアで「プログラミング言語をマスターする」という目標を設定するとしましょう。

これであれば、プログラミングの習得度を数値化することで、人事評価に活用可能です。

また、このように人事評価すると、目標の達成に近づくほど高く評価されるようになるので、従業員の目標達成のモチベーションが強くなります。

人材育成の目標設定のフレームワーク5選

人材育成の目標設定のフレームワークは以下の5つです。

  • ベーシック法
  • SMARTの法則
  • HARDゴール
  • ランクアップ法
  • ベンチマーク法

それぞれ詳しく解説していきます。

ベーシック法

ベーシック法は以下の4つのステップを用いて、目標を設定する手法です。

  1. 目標項目
  2. 達成基準
  3. 期限設定
  4. 達成計画

目標項目で自分が何を達成したいのかを決め、達成基準でより具体化し、期限設定で締め切りを設け、達成計画で具体的な行動計画を策定します。

この中で重要なのは「目標項目」で、これはさらに以下の4つのタイプに分類されると考えられています。

  • 向上・強化
  • 改善・解消
  • 維持・継続
  • 創出・開発

自分の将来を見据えて、どのタイプで目標を設定するかを考えるといいでしょう。

SMARTの法則

SMARTの法則は以下の5つの項目を満たした目標を設定する手法です。

  • S:Specific(具体的)
  • M:Measurable(測定可能)
  • A:Achievable(割り当てられる)
  • R:Realistic(現実的)
  • T:Time-related(期限のある)

SMARTの法則は「A」と「R」と「T」については多数の見解がありますが、発案者であるジョージ・T・ドランが論文で記したのは以上の5つです。

目標を設定する際は、以上の5つの項目を満たせば、確実に具体性のある目標を設定できるようになるでしょう。

HARDゴール

HARDゴールは以下の4つの項目を満たした目標を設定する手法です。

  • H:Heartful(心の底から)
  • A:Animated(活気がある)
  • R:Required(要求される)
  • D:Difficult(難しい)

SMARTの法則とは真逆で、かなり定性的な目標設定手法だと言えます。

全体的なビジョンを策定する際や、長期的な目標設定で非常に有効な手法です。

ランクアップ法

ランクアップ法は、ストレッチ目標(やや難易度が高いが達成を目指すことで成長につながる目標)を設定するための手法で、以下の6つの切り口で目標項目を考えます。

  • 改善:ネガティブな部分を補う
  • 代行:自分より優れた人の仕事を代行できるようになる
  • 研究:あるテーマが有意義かどうかを研究すること自体を目標にする
  • 多能化:異なるジャンルのスキルや知識を取得する
  • ノウハウの普及:自分のスキルを第三者でも習得できるようにノウハウ化する
  • プロ化:スキルをプロレベルにまで引き上げる

以上の6つの切り口で目標を設定することで、人材成長に繋がるストレッチ目標を確実に設定できます。

ベンチマーク法

ベンチマーク法はライバルをベンチマークに設定する手法です。

例えば、同じ新入社員の中でも明らかに能力が秀でている同僚をベンチマークに設定します。

そのあと、自分とライバルの分析を進めて、自分とライバルで何が違うのかを探し出すのです。

あとは、その違いを元に行動計画を立て直して、実践します。

この手法は、負けず嫌いの方や、優秀な人材がそばにいる場合、明確なライバルが存在する場合に有効です。

人材育成で目標設定する際の流れ

人材育成で目標設定する際の流れは以下の通りです。

  1. 理想像をイメージする
  2. SWOT分析で現状を把握する
  3. 長期目標を設定する
  4. 行動計画を悲観的に立てる
  5. スモールゴールを繰り返し設定する

それぞれ詳しく解説していきます。

①:理想像をイメージする

まずは理想像をイメージしましょう。

先ほど紹介したHARDゴールなどを活用して、心の底から自分がなりたいと思える理想像を描きます。

この際、現実的に考える必要はありません。時間をかければ、大抵のものにはなれます。

例えばエンジニアであれば「世界中から引っ張りだこのエンジニアになる」といった理想像でも構いません。

これはあくまでも「理想像」なので、どんどん楽しくイメージしていきましょう。

②:SWOT分析で現状を把握する

理想像をイメージした後は、強み・弱み・機会・脅威の4つの観点を用いたSWOT分析で、現状を把握しましょう。

SWOT分析が他の分析手法と異なるのは、内的要因(強み・弱み)と外的要因(機会・脅威)を一緒の枠で考えることです。

例えばエンジニアであれば、生成AIの登場など、外的要因に大きく左右されると言えます。

SWOT分析であれば、自分の強みをどのように発揮し、どのように弱みをカバーしていった方がいいかを視覚化できます。

③:長期目標を設定する

現状を把握した後は、長期目標を設定しましょう。

そして人材育成においては、可能な限り絶対的な目標を設定した方が良いと言えます。

なぜなら変化の激しい現代では、社会がどのように変化しているかが予測できないためです。

「世界中から引っ張りだこのエンジニア」であれば、GAFAMからスカウトされるエンジニアを目指した方がいいかもしれません。

一方で、10年後にGAFAMが、テック企業の権威をキープできているかも全くわからないのです。

そのため、人材育成の長期目標に関しては、「〇〇万円稼ぐ」や「〇〇に就職する」ではなく、「〇〇できるようにする」や「ビジネス英語を喋れるようにする」など、自分の努力だけで達成できる目標を設定するのが良いでしょう。

④:行動計画を悲観的に立てる

長期目標を設定したあと、目標達成のための行動計画を策定します。

この際、あらゆるリスクを想定するのがいいでしょう。

例えば1年ほど病気で上手く働けなくなる可能性もありますし、家族の都合で2年間家から離れられなくなる可能性もあります。

そのため、例えば10年後を期限にしているのであれば、大体1年から2年をバッファ期間にするのがいいでしょう。

現代は非常に変化が激しくなっているため、何が起こるか本当にわかりません。

あらゆるリスクを想定するためにも、行動計画を策定する際は、悲観的になりましょう。

⑤:スモールゴールを繰り返し設定する

大まかに行動計画を策定した後は、スモールゴールを繰り返し設定し、それをどんどんこなしていきます。

例えば「自力でサービスを3ヶ月以内に作る」というゴールを設定したら、そのゴールを達成するためのタスクを可能な限り小さくするのです。

仮にタスクを100に分割できたら、1日に1つずつタスクを消化できれば、大体3ヶ月でサービスが完成するはずです。

どれだけ膨大な長期目標だったとしても、それをとにかく細かく分割することで、一歩一歩前に進むことができます。

スモールゴールを繰り返し設定して、少しずつ人材を育成していくのです。

人材育成の目標設定の具体例5選【各フェーズ・部署別】

ここでは各フェーズ・職種別に人材育成の目標設定の具体例を紹介していきます。

新入社員の場合:社会人基礎力を重視

新入社員の目標設定の方向性は主に2つ考えられます。1つめは早期戦力化。

もう1つは時間をかけて専門家にする、つまりスペシャリストに育て上げることです。

ただしどちらにしても、まずは社会人基礎力を重視した方がいいのは間違いありません。

社会人基礎力は経済産業省が2006年に提唱したもので、正直に言えば、社会人基礎力さえあれば、総合職の仕事の大半はできると考えられます。

大まかな目標を「社会人基礎力の習得」とし、スモールゴールとして「セミナーの受講」や「先輩社員との同行」を設定するのがいいでしょう。

なお、社会人基礎力は12の能力要素で構成されているため、能力要素1つにつき1つの目標を設定するのもいいかもしれません。

マネージャーの場合:個人よりもチームを重視

マネージャーの場合、個人よりもチームの目標達成を重視した方がいいと言えます。

例えば「チームメンバー全員の目標を達成できるようにする」や「チームメンバー全員の残業時間をゼロにする」といったイメージです。

ここで重要なのは「チーム全体」を対象にするのか、それとも「チームメンバー全員」を対象にするのかです。

例えば、売上や利益に関しては「チーム全体」を対象にした方がいいと考えられます。

一見すると「チームメンバー全員」を対象にした方がいいように思えますが、世の中にはパレートの法則や働きアリの法則など、全員が同じパフォーマンスを発揮するとは限らないのが実情です。

逆に、負担は可能な限り分散させた方がいいので、残業時間などは「チームメンバー全員」を対象にするのがいいでしょう。

どちらにせよ、まずマネージャーはチームの目標達成を重視し、その目標達成のために自分ができることを行動計画に落とし込むのがいいでしょう。

営業の場合:具体的な行動計画を重視

営業は常に数字が付きまとう職種なので、具体性のある目標を設定しやすいです。

その一方で、行動計画の策定が上手くいかず「期限ギリギリでノルマを追いかける」といった事例は決して少なくありません。

結局、営業職自身の行動が数字に繋がっていると考えられるため、まずは行動計画にフォーカスしていくのがいいでしょう。

具体的には、可能な限りタスクを分割し、それを期間全体に散らしていきます。

例えば年間に100の獲得件数が必要で、そのために500のアポ取りが必要なのであれば「1日に2件アポを取る」というようにスモールゴールを設定するのがいいでしょう。

マーケティングの場合:売上との連動を重視

マーケティングは営業職と同様に数字を重視するため、定量性のある目標を設定しやすいと言えます。

ただし営業職とは異なり、マーケティングは必ずしも売上に直結するわけではありません。

これが非常に重要な考え方で、例えばWebサイトのPVを増やすことを最優先事項にするのではなく、売上、ROI(投資収益率)、ROAS(広告の費用対効果)を目標に設定した方がいいと考えられます。

この場合、例えばSNSのフォロワーを増やしたり、コンテンツを充実させるよりも、直接ネット広告を出稿した方がいい可能性も十分にあります。

マーケティングでも「選択と集中」を意識して、ROIを追求するのがいいでしょう。

事務職の場合:業務を定量性のあるものに変換

事務職の場合、可能な限り業務を定量性のあるものに変換して、目標の具体性を高めるアプローチが必要です。

例えば領収書の整理であれば「1日に1ファイルぶん整理する」というように、数字を織り交ぜて目標を設定します。

また、もう少し俯瞰して、事務業務を可能な限り小さいコストでこなせるようにするアプローチを考えられるといいでしょう。

極論を言えば「事務職を1人だけ雇用して、可能な限りアウトソーシングを活用する」という手段も十分に考えられます。

これから事務職に求められていくのは、精度の高い業務進行ではなく、アウトソーシングを活用して、安く仕事を回せることなのかもしれません。

まとめ

それでは本記事をまとめていきます。

  • 目標を設定することで方向性が定まったり長期的な視点に立ちやすくなったりするので、人材育成の効率も向上する
  • 人材育成の目標設定手法はいくつあり、総じて様々な要素を用いて目標を可能な限り具体的にすることが重要だと考えられる
  • 目標を設定した後は、あらゆる事態を考慮して悲観的に行動計画を策定していく

人材育成を成功させるためには、まず目標を設定してから、そこから逆算する形で計画を策定したり、アクションを習慣づけたりする必要があります。

具体性のある目標を設定して、具体的なアクションを実施できるようにしましょう。

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