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看護職の採用と定着方法

看護職の採用と定着方法

少子高齢化による人口減少により、わが国においては数多くの企業が労働者不足に悩まされていますが、医療業界の状況はどうなのでしょうか。

本稿においては、医療業界とりわけ看護職に焦点を当てて、採用と定着のヒントをお話しします。

関連記事:日本の人手不足問題の原因とは?人手不足の背景や企業ができる対策を紹介

人材不足かつ離職者が多い現状

厚生労働省は、2025年における全国単位の看護師需要が188万~202万人となる一方で、同年の看護師供給が175万人~182万人にとどまると見ています。

すなわち、最大で27万人も看護師が不足すると予測しているのです。(出典:厚労省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ」)

地域差、病院かクリニックかなど条件の違いによって事情は多少異なるでしょうが、人材不足であることは明らかです。

厚労省が看護職として就業経験がある方に就業した施設の数を尋ねたところ、1施設が29%、2施設は23%、3~5施設が40%、6施設以上が8%という結果でした。

また、最初に就業した施設の退職時年齢が20代という看護師は全体の74%を占めています。

最初の施設で働いた期間が1年未満の看護師は4%、2年以上5年未満が38%、5年以上10年未満が26%という結果でした。

2~10年未満で転職する看護師は6割を超えることになります。

出典:厚労省「看護職員確保対策に向けた看護職及び医療機関等の実態調査」2018年

地域によって差はあるものの、求人倍率も全国で2倍を超えている状況です。

これらのことから、医療業界において多くの病院やクリニックが、採用、定着に苦心されていることが分かります。

ナースセンターにおける都道府県別求人倍率

出典:厚労省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ」

関連記事:社員の離職が相次ぐ原因は?定着を促す対策も提案

定着におけるポイント

どうすれば看護師の定着率を高められるでしょうか。

少し古いものの、厚労省の「看護職員就業状況等実態調査」(2011年)によれば、看護職員の離職理由は他施設への興味、結婚、自身の健康問題、職場の人間関係です。

2021年にメディア運営を手がけるキュービックが実施した調査「看護師161人の転職理由TOP10」※でも同様の結果が出ています。

これらから推測できるのが、魅力的な職場であること、ワークライフバランスが取れる職場であることが看護師定着のヒントになりそうだということです。

https://www.hop-job.com/nurse/post-530/

(最終閲覧日2023年5月31日)

ポイントはルールが明確か、ルールで動く職場になっているかです。

病院やクリニックにおける皆さんの職場をイメージしてください。

例えば、「ゴミ袋を交換する」というタスクがあったとします。

このタスク一つとっても、ルールで動く職場になっていますでしょうか。

もし、ルールがなく、気付いた人がやらねばならない職場だと、いつもやってばかりの人とほとんどしない人に分かれるでしょう。

すると、「なぜ私ばかりがゴミ袋を交換しないといけないの!」とか「あなたもゴミ袋を交換しなさいよ!」などと不満を持つ社員が出てきても不思議ではありません。

こういった問題の解決策がルールなのです。

ゴミ袋を交換する際、いつ、誰が交換するということが明確になっているか。

交換したという事実を記載するルールやチェック機能はどうなっているか。

これらルールを明確にしておくことで、エラーやトラブルがあった際は、「ルールどうなっている?」と確認するだけでよくなるのです。

ルールがなかったり、あっても曖昧だったりしたら、それは上司側の責任として、すぐにルールを明確にするようにします。

しかし、ルールがあるのに守れていない社員がいたら、「ルールを必ず守りましょう」と指摘するのみです。

ルールで動く職場においては、ミーティングの場などで、「このようなルールにしていただけませんでしょうか」と、自身のパフォーマンスを上げるためのよりよい職場環境を提案する風土が生まれてきます。

定着率を高めるためには、人間関係ではなく、ルールで動く職場にするということがポイントです。

それが、魅力的でワークライフバランスに配慮した職場の構築につながります。

看護職員の就業転職実態

出典:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ」

関連記事:離職率を改善!業績アップにもつながるモチベーション管理方法を解説

採用におけるポイント

上記のようにルールが明確である組織をつくるとともに、どうすれば評価され、給料が決定されるかのルール、すなわち評価制度は重要です。

上司の好き嫌いといった人間関係によって給料が決められてしまう職場ではなく、明確な評価制度を採用候補者に示すことは採用上の武器になります。

医療業界は、他の業界と比べて評価制度の整備が遅れていると私は感じます。

評価制度がなく、上長の属人的な判断で給料を決めているクリニックが多く、看護師をはじめ医療業界で働くスタッフにとって、自身のワークライフバランスや求める働き方に応じたものになっているとは言えません。

評価制度を整えることで、スタッフが目の前の仕事に集中でき、中長期の働くイメージも持つことができるようになるので、採用と定着においてよい効果を生むことになります。

スタッフは、「この職場で働くことが自身にとって有益である」と認識するようになりますし、病院やクリニックを経営する側も、組織が求める方向にスタッフが成長してくれるようになるのです。

医療業界においては、今後さらに人材不足が加速することが予想されます。

病院やクリニックの経営者にとって、看護職をはじめとしたスタッフの採用と定着、またそれらをマネジメントできる中間リーダーの育成は重要です。

識学では、理論にもとづいたルールづくりや評価制度構築、ならびにマネジメントの改善について多くの医療機関に導入いただいてきた実績があります。

ぜひこの機会にお問い合わせいただければ幸いです。

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