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これからのデジタル時代にどんな「管理職」が求められるのか

これからのデジタル時代にどんな「管理職」が求められるのか

1990年代にパーソナル・コンピュータとインターネットが登場して以来、大きく社会が変わりつつあります。ソーシャルメディアが登場し、デジタル企業が世界を制するようになり、誰もがスマートフォンを持つ時代です。
今後は、自動運転、人工知能が進み、いっそう社会の姿を変えていくことが予想されます。

また人工知能が人間の仕事をどんどん置き換えていき、「人の仕事はなくなっていく」「遊びが仕事になる」という人の意見を聞くことは、珍しくなくなりました。古くは駅の改札から切符を切る人が減り、電話交換手が消え、昨今では、銀行の窓口もどんどん減っています。無人の店舗やチャットボットなどが登場し、人の仕事がどんどん置き換わっていると言って良いでしょう。
「これからは会社がなくなり、個人の時代になる」という人や、「創造的な仕事しか、人間には残らないだろう」という意見も、一定の説得力を持つに至っています。

ところがその一方で、会社も管理職もなくならないという意見もあります。
それどころか「管理職は増えていく」という人もいるのですから、驚きます。
一体どういうことでしょうか。

 

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なぜ未来で会社がなくならないのか

 

さて、未来も会社がなくならないと主張しているのは、作家の橘玲さんです。
彼は「働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる」で、こう書いています。

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「未来社会」ではさまざまな仕事が分権化され、プロジェクトとして切り分けられるようになっていくことはまちがいありません。その一方で、ギグエコノミーの世界では会社はフラット化し、管理職はいなくなるとするテクノロジー理想主義者の期待に反して、会社も管理職も(とうぶんのあいだ)存続しつづけるでしょう。このことは、もっとも早く(1950年代から)プロジェクト型に移行した映画産業でも、映画会社が大きな影響力を持っていることからも明らかです。[1] ーーーー

さて、ギグエコノミーとはなんでしょうか。

フリーランスや臨時社員、ミニ企業家(マイクロ法人)やフリーエージェントとして在宅勤務で働く人たちをさすようです。さらに、この「フリーエージェント」やインディペンデントワーカーに、「自由に好きなことをする」価値観を加えたいがため「ギグエコノミー」という言葉を使ったようです。このギグエコノミーの人たちが増えていくのが、今後の社会の大きな特徴です。

そして、今後の仕事は、このギグエコノミーの人たちと、会社が両立する世界となるというわけです。

 

管理職が米国で増えている理由

 

面白いことに、インターネットが登場して以来、管理職は米国でも増えているというデータがあります。

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管理職は1998年にはアメリカの労働人口の12.3%を占めていましたが、2015年には15.4%に増えています。これは一見奇妙なようですが、働き方が「二極化」していると考えれば理解できます。デジタル・エコノミーでは、フリーエージェントと管理職がともに増えるのです。[2] ーーーー

また、未来社会では、クリエイティブな仕事が増えるため、フリーエージェントの多くがクリエイターになるともしています。つまり、クリエイターと管理職が増えていくというのです。

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「未来世界」でも(とうぶんのあいだ)フリーエージェント(クリエイター)と管理職(スペシャリスト)は増えていくでしょう。「AIがホワイトカラーの仕事を奪う」との不安が広がっていますが、幸いなことにそうした事態はすぐには起こりそうもありません。[3] ーーーー

面白い指摘です。クリエイターをまとめる管理職が増える。

逆に言えば、クリエイターに最高のアウトプットをさせることができる人材は、未来社会でもどんどん需要が高まっていると。
それでは、未来社会で必要となる「管理職」はどんなタイプなのでしょうか。

 

管理職に求められているものは「ソーシャルスキル」である

 

なぜ管理職がそもそも増えるかというと、調整や交渉、説得、社会的認識能力などの「ソーシャルスキル」の需要が高まっていることなのです。

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全職種を通じてソーシャルスキルを必要とする仕事は24%増えたのに対し、統計や分析など数学的スキルのほうは11 %増にとどまっているのです。[4] ーーーー

ソーシャルスキルとは、社会の中で、他人と関わって一緒にやっていくための能力のことをいうようです。

つまり、人間がグループで働く以上、数字やアルゴリズムだけでは動かない。そこで、組織を動かし、調整したり根回ししたりする橋渡し役が必要になっているというわけです。それに人は一緒に働きたいという欲望を持っていることが多いようですから、職場を居心地よく、働きやすいものにする必要があるわけです。

 

新しい管理職には、どんな能力が必要になるのか

 

では具体的に新しい時代の管理職には、どんな能力が必要になるでしょうか。

本書では、「小さな問題を解決し、大きな問題を上司にあげ、上の指示を噛み砕いて下へ伝え、交渉し、討論し、そのほか諸々のソーシャルスキルをあちこちで発揮する」ことだと説明しています。[5]

そして、社員に対しても、高度な説得術を持つこと。さらに、「一緒に働きたい」と願う人間のために、しきり役を買って出る人が必要だとしています。

要するに、他人とのコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、が重要になる。さらに、未来社会はフリーエージェントで、自由に好きな人と働きたい人が増えるので、人から好かれる、一緒に働きたいと思われる人間力も、同時に見られる時代になるでしょう。

なぜなら、クリエイターが力を発揮するためには、自由にものを考えられる環境が必須だからです。

実際に、筆者も編集者・ライターとして仕事をしていますが、現場でミドルマンとして働く方には、このスキルが優れている人が多いなと実感します。

クライアントが求めていることをわかりやすく言語化し、フリーエージェントである働き手を選びつつ、それを正確に伝え、最高のパフォーマンスを出してもらう、という能力に卓越しているのです。さらに、「ギグエコノミー」では短期間のプロジェクト方式での仕事が増えるため、「この人と仕事をしたい」と思わせる人間的な魅力も必要かもしれませんね。

今後は、こうした優秀なミドルマンは、引く手数多になるかもしれません。
ぜひ、先の見えない時代のビジネスパーソンの在り方として、参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

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[1]橘玲「働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる」
[2]橘玲「働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる」
[3]橘玲「働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる」
[4]橘玲「働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる」
[5]橘玲「働き方2.0VS4.0 不条理な会社人生から自由になれる」

のもときょうこ プロフィル

早稲田大学法学部卒業。損保会社を経て95年アスキー入社。その後フリー。著書に「日本人には「やめる練習」が足りていない」(集英社)「いいね!フェイスブック」(朝日新聞出版)ほか。編集に松井博氏「僕がアップルで学んだこと」ほか。マレーシアマガジン編集長。

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