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ドラッカーに学ぶ「マーケティングの本質」とは?

ドラッカーに学ぶ「マーケティングの本質」とは?

ドラッカーといえば「マネジメント」が有名ですが、実はマーケティングの名言も数多く残しています。

現代のマーケティングでは、 Webマーケティングが主流になったこともあり、SEOやLPO・リマーケティングやセグメントなど、その手法はどんどん細分化され、具体化しています。

しかし、いくら手法が細くなっても、根底にある「本質」になんら変わりはありません。

ドラッカーの名言は、現代でも通じるマーケティングの「本質」を思い出させてくれます。

 

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企業の目的は顧客の創造

 

「企業の目的とは何でしょうか?」経営者にこの質問をしたら、様々な答えが返ってくるでしょう。

  • 株主価値の最大化
  • 利益の最大化
  • 売上の最大化
  • 雇用の創出
  • 社会貢献

どれも間違った答えではなく、とても重要なことです。ですがドラッカーは企業の目的は「顧客の創造である」と断言しています。

企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。企業は社会の機関であり、目的は社会にある。したがって、企業の目的として有効な定義は一つしかない。顧客の創造である。

P.F.ドラッカー. [英和対訳] 決定版 ドラッカー名言集 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.262). Kindle 版.

これは「顧客を満足させる」ということではありません。社会は常に変化していくものであり、それに伴い企業も変化が必要になります。イノベーションを起こし、マーケティングを行い、新たな顧客を創造しなければなりません。この新たな顧客の集合体が新たなマーケット(市場)になります。ドラッカーは次のように言っています。

 

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企業には二つの基本的な機能が存在する。すなわち、マーケティングとイノベーションである。

 

企業の目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。すなわち、マーケティングとイノベーションである。この二つの機能こそ企業家的機能である。

P.F.ドラッカー. [英和対訳] 決定版 ドラッカー名言集 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.271). Kindle 版.

わかりやすい例がAppleです。iPhoneが発売された時、ただなんとなく「もっと便利なデバイスが欲しい」というニーズはあったかもしれません。しかし「スマートフォン」が欲しいというニーズはなかったでしょう。

Appleがイノベーションを行ったおかげで「スマートフォンが欲しい」というニーズが生まれ、マーケティングに成功したことで、現在ではスマートフォンを持つことが当たり前になりました。 つまり新たな顧客を創出したのです。その先に大きなマーケットが生まれました。

ですが、これは世界規模のマーケティングだけに当てはまるものではありません。

筆者が、地方のマッサージサロンのマーケティングを行った時の話です。その地域のマッサージ市場を調べてみると、どこも似たようなサービスばかりで価格帯も低めでした。そんな中、担当したサロンの客層を調べると「高くてもいいから良質なサービスを受けたい」と考えている方が多かったのです。

そこで「高級リゾートで提供されるマッサージ」 というコンセプトを打ち出し、価格も10%上げました。なお、そちらの経営者は実際にリゾートホテルでマッサージをしていた方でしたので、品質が伴うことは前提です。

その結果、新規獲得数も客単価も上がり、 売上が前年比30%増となりました。
つまり「価格重視のマッサージ店」しかなかった地域に「高級マッサージ」を受けたいという顧客を創出し、小さな市場を作り出したのです。

このようにイノベーションとマーケティングで「顧客を創出する」ことは、小さな市場でも十分に可能です。むしろ市場規模に関係なく、競争に勝ち抜くためにはやらなければなりません。

では、マーケティングをする上で何が最も重要なのでしょうか?

 

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顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるものが決定的に重要である

 

企業が自ら生み出していると考えるものが、もっとも重要なのではない。特に企業の将来や成功にとって重要なのではない。顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるものが決定的に重要である。事業が何であり何を生みだすかを規定し、事業が成功するか否かを決めるのは、それらのものである。

P.F.ドラッカー. [英和対訳] 決定版 ドラッカー名言集 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.317). Kindle 版.

筆者がマーケティングを行う時、経営者の話を聞いていると「自社の強み」ばかりに焦点を向け、「顧客にとっての価値」に焦点が当たっていないことが少なくありません。

  • 他店には負けないポイント
  • 今までやってきたこと
  • 仕事にかける理念・想い

など、意識が自分に向いてしまっています。

中には顧客に意識が向いている方もいますが、その多くが「経営者から見た顧客価値」です。

では「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるもの」とはなんでしょうか?
例えば、筆者はmacを使っています。パソコンに求められる主な要素として、CPUの処理速度やハードディスクの容量、バッテリーの持ちなどが挙げられますが、ここだけ見るとmacよりもwindowsPCの方が高スペックなものを安く買えます。

では、なぜ私はmacbookを購入したのでしょうか?

  • シンプルで美しいデザイン
  • 快適な操作性
  • mac使ってるの、なんかかっこいい(笑)

など、スペック面ではなく「macを使うことで得られる体験」に価値を感じています。

人は自分たちの商品を売る際に「他社との違い」や「自分たちから見た強み」に意識をむけがちです。ですが「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるもの」は全く違うことがよくあります。これを把握することがマーケティングにおいて非常に重要です。

では「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるもの」をどうやって把握すればいいのでしょうか?

 

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右脳と左脳の両方を使う。数字を調べるとともに人を見る

 

Webマーケティングが主流になったことにより、アクセス数やコンバージョン率など、マーケティングの重要な数字は詳細かつ正確に把握できるようになりました。もちろん数字の分析も非常に重要ですが、実際に顧客に会うことの重要性は変わりません。ドラッカーは次のように述べています。

イノベーションに成功する者は、右脳と左脳の両方を使う。数字を調べるとともに、人を見る。機会を捉えるにはいかなるイノベーションが必要かを分析を持って知る。しかる後に、外に出て、顧客や利用者を見、彼らの期待、価値、ニーズを知覚を持って知る。

P.F.ドラッカー. [英和対訳] 決定版 ドラッカー名言集 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.397). Kindle 版.

先ほど紹介した「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるもの」を理解するには、対面でのリサーチが最も重要です。もちろん数字やデータからも、顧客のニーズをある程度把握できます。ですが購入プロセスの感情の動きまで把握するのは困難です。

顧客と対面して話すことで、その表情や声のトーンなどから、商品に対する期待や感じている価値、ニーズを感じることができます。こうして顧客のリアルな感情を知ってこそ、顧客に響くメッセージを作れるのです。

左脳でデータを分析しつつ、右脳で顧客の期待、価値、ニーズ等の感情を感じましょう。

 

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まとめ マーケティングは販売を不要にする

 

これまで解説してきたように、イノベーションを起こして顧客を創出し「顧客が買っていると考えるもの、価値と考えるもの」を把握して上手く訴求できれば、販売は不要になります。これがマーケティングです。

実のところ、販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。もちろん何らかの販売は必要である。だが、マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

P.F.ドラッカー. [英和対訳] 決定版 ドラッカー名言集 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.278). Kindle 版.

私がマーケティングを行ったサロンでも、コンセプト「高級リゾートで提供されるマッサージ」に変え、それを証明する「お客様の声」をサイトに乗せました。サイトを見た顧客は、自らサロンのことを調べて「サイトを見て良い店だと思ってきました」と、高い期待を持って来店してくれるようになりました。

小さな市場でも大きな市場でも、イノベーション起こして顧客・マーケットを創出しましょう。そして、実際に顧客に会って顧客が感じている価値を把握しましょう。正しいマーケティング行えば、自ずと商品が売れるようになり販売は不要になります。
ドラッカーの名言はいつの時代も変わらないマーケティングの本質を再確認させてくれます。

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【ドラッカーの名言】マネジメントやイノベーションの本質から学ぶ企業が取るべき指針とは?

参照
[英和対訳] 決定版 ドラッカー名言集 kindle版
P.F.ドラッカー (著) 上田 惇生 (翻訳) ダイヤモンド社; (2010/12/9)

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