識学の『無料セミナ―情報』はこちらから

【EV界のダークホース】リビアンが注目される理由とは?テスラとの違いや株価、今後について解説

世界的な環境意識の高まりに伴い、次世代環境対応車「電気自動車(EV)」が注目を集めています。

電気自動車は、ハイブリット車(HV)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリット車(PHV)と比較しても、走行距離あたりの二酸化炭素排出量が最も低いです。

電気自動車普及の動向はアメリカを中心に活況を呈しており、2030年には新車の50%を電気自動車にする目標をバイデン大統領が2021年8月に発表しています。

そんな電気自動車を牽引する企業といえばテスラが挙げられていましたが、現在、新たに有力視されているのが新興EVメーカー「リビアン」です。

本記事ではEVの超新星リビアンが注目される理由やテスラとの違い、株価の今後について解説します。

  • リビアンをもっと知りたいビジネスマン
  • リビアンがどうして注目されているのか気になる方

上記の方におすすめの記事となっていますので、ぜひ一読ください。

<<あわせて読みたい>>

豊田佐吉とは?トヨタ自動車の礎を築いた男の生涯と人物像を紹介

リビアンオートモーティブとは

リビアンオートモーティブとは、アメリカミシガン州に本拠を置く新興EVベンチャーです。リビアンの軸となる車種は、北米市場で人気のピックアップトラック型の「R1 TRUCK」と7人乗りSUV「R1S SUV」の2種類です。

いずれも、完全な電気自動車で2018年のロサンゼルス・モーターショーで発表したことにより一躍注目を浴びました。

リビアン(リビアンオートモーティブ)が注目される理由

リビアンは現在投資家から注目を集めている銘柄のひとつです。

電気自動車が今後の環境問題を解決するのに役立つと知ってはいても、なぜここまで注目されているのか疑問に思う方も多いでしょう。

そこで、ここでは以下5つの理由に注目して解説します。

  • アマゾンが出資し、10万台を予約
  • フォードも株式を保有
  • 株価の大幅続伸
  • 次のテスラ最有力電気自動車
  • 史上6番目のIPO

それぞれの理由を以下にわかりやすく解説します。

アマゾンが出資し、10万台を予約

世界的な多国籍テクノロジー企業であるアマゾンが、リビアンに出資したことも注目される理由のひとつです。

2021年9月時点では、優先株を含むリビアン株式の20%を保有しており、さらに電動配送バン10万台を予約しています。

また、アマゾンが掲げているカーボンニュートラルの実現と物流網の拡大を果たすためには、電気自動車での配送が欠かせません。

その電気自動車としてリビアンが抜擢されたこともあり、注目が集まりました。

参考:アマゾン、EVメーカーのリビアンの株式20%保有-届け出 | Bloomberg

フォードも株式を保有

アメリカの大手自動車メーカーのフォードもいち早くリビアンに出資していました。

フォードはリビアンの株式を12%保有しており、2019年には5億円を投じてプラグイン型モデルを共同開発する計画を発表しました。しかし、2021年にEVの共同開発計画を中止しています。

参考:フォードとリビアンがEVの共同開発計画を中止 | Tech-Church

株価の大幅続伸

リビアンが2021年11月にアメリカのナスダック市場に上場した初日の株価は、新規株式公開(IPO)価格より約29%高の100.73ドルで取引を終えました。

その後5営業日続伸し、時価総額ではフォルクスワーゲンやゼネラルモーターズ、フォードを上回りました。

EV分野に関心を持つ投資家にとって、業界の先駆者であるテスラ以外に選択肢ができたとして注目を集めています。

参考:EVメーカーのリビアン、上場初日に株価急伸-時価総額は約10兆円に | Bloomberg 

次のテスラ最有力電気自動車

化石燃料エンジン脱却の糸口となるEVは、イーロン・マスク率いるテスラが今までトップを走っていました。

そして、次期トップランナーとして候補に挙がっているのがリビアンです。一見、テスラVSリビアンといったEV分野を席巻するライバル企業同士の戦いに見えますが、実際は違います。

EV分野が戦うべき相手は、化石燃料を動力とする自動車メーカーで、テスラVSリビアンといった見方は近視眼的に過ぎません。

したがって、テスラとリビアンはライバルではなく、持続可能な社会実現に向けた同志と捉えるべきであり、従来のエネルギービジネスに出資する投資家をEV事業側に誘致する活路を見出したに他なりません。

史上6番目のIPO

リビアンはIPOで1億5300万株を発行し、119億ドルもの資金を調達したことも注目されました。この119億ドルは、2021年最大でアメリカ史上6番目の規模になります。

アマゾンやフォードなどの資金力が潤沢な企業から出資を受けたリビアンは、生産体制の整備やEV市場への攻勢をかけることで、規模を拡大していくと予想されます。

参考:EVメーカーのリビアンが今年最大のIPO、119億ドル規模 | Bloomberg

<<あわせて読みたい>>

OLPの意味とは?Amazonの全く新しいリーダーシップ理論を徹底解説! OLPの意味とは?Amazonの全く新しいリーダーシップ理論を徹底解説!

リビアン株価の今後の予想

EVの超新星として期待されるリビアンですが、今後の株価はどのように値動きするのでしょうか。本章では以下のように短期的予想、長期的予想に分けて解説していきます。

  • 短期的予想:半導体不足で値下がり
  • 長期的予想:需要拡大で値上がり

短期的予想:半導体・車載用電池不足で値下がり

自動車メーカーは、コロナパンデミックによる半導体不足の問題に加え、新たに車載用電池の不足問題が浮上しています。

半導体は、電流の強弱やオン・オフを調整できるコンピューター制御にとって必要不可欠な材料です。

またEVなどのモーター駆動の車は、モーターに電流を高速でオン・オフさせることによって、アクセル操作に遅れない加減速を実現させているため、車の電動化には半導体が欠かせません。

新車製造のための部品供給は、生産計画台数に合わせて決められるため、今回の半導体不足によって生産計画台数は下方修正を余儀なくされています。

また、2030年に向かってEVの生産台数増加が予測される中、車載用電池の生産が追いつかない可能性も懸念されています。

イギリスのLMCオートモーティブによると、EVの世界販売台数は2030年には2334万台と予測されています。

一方、2020年時点での電池の生産規模は約400万台になっています。したがって今後、車載用電池不足の影響を受ける可能性があります。

生産体制を整えている新興EVメーカーのリビアンにとって、これらの問題は株価に影響を与えると考えられます。

参考:世界的な半導体不足、なぜ今起きているのか—その原因と解決への道筋は?|YAHOO!JAPANニュース

長期的予想:需要拡大で値上がり

CO2の排出量によって税金が課せられる炭素税の本格導入が検討される中、新たに国際間炭素税、温室効果ガス排出量取引などの制度導入も世界的に進められています。

また、投資家の界隈でもESG投資を意識する動きもあります。

したがって、環境に配慮していない企業や国の商品は淘汰され、環境に配慮している企業や国の商品が世界的に買われる時代が来るかもしれません。

そのような潮流もあり、長期的にみると世界的な需要拡大によって株価が値上がりすると予測されます。

<<あわせて読みたい>>

半導体不足はなぜ起きたのか 半導体不足はなぜ起きた?原因といつまで続くのか解説

リビアン以外のEVメーカーの特徴・動向

リビアンがテスラに次ぐEVメーカーとして注目されていることは説明しましたが、その他のEVメーカーには何があるのでしょうか?

ここでは、以下5つのメーカーの特徴と動向をわかりやすく解説します。

  • テスラ
  • NIO
  • リビアン
  • Faraday Future
  • Lucid Motors

テスラ

EVメーカーの先駆者であるテスラは、2003年に創業されました。

車内中央の大きなタッチスクリーンが、メインコンソールの役割を担うシンプルなデザインや、スマホを通じてエアコン管理ができるなどの先進技術を駆使した車であることが特徴です。

ロードスター、モデルS、モデルX、モデル3などを生産しており、今後は新たにモデルYとEVトラックのセミが販売される予定です。

参考:テスラ・モーターズ公式サイト

NIO

NIOは、2014年上海で設立した中国のEVメーカーで、現在すでに3種のモデルを発表しています。2021年12月には新たなモデルの発表を行っています。

NIOは車メーカーでありながら高級会員制サービスの側面を持っていることが特徴です。

EVの充電サービスや、NIOハウスというラウンジの利用など、顧客にキーを渡してからのサーポート体制が充実しています。

参考:NIO公式サイト

Faraday Future

Faraday Futureは中国資本のEVメーカーでNIOと同じく2014年に設立されました。高級EV車「FF91」の完成披露を行うものの、資金繰りに苦しみ業績は低迷していました。

しかし、2021年に息を吹き返し、「FF91」の新型モデルは自動運転システムを導入すると発表しています。

参考:Faraday Future公式サイト

Lucid Motors

Lucid Motorsは、2007年に設立されたアメリカカリフォルニア州に拠点を置くEVメーカーです。

当初はリチウムイオン電池などの車載用電池の開発に注力していましたが、2014年からEV開発に取り組んでいます。

2016年に社名をAtievaからLucid Motorsに変更し、本格的なEVメーカーとして舵をきりました。

またLucid Motorsにはテスラ出身者が多く、テスラの副社長であるBernard氏がCEOを務めています。

参考:Lucid Motors公式サイト

リビアンの特徴

リビアンの特徴は以下2点です。

  • 利便性の高いピックアップトラック
  • 機能性

それぞれわかりやすく解説します。

利便性の高いピックアップトラック

リビアンの特徴は、ピックアップトラック分野にフォーカスしたEVメーカーであることです。

現状、高級セダン領域を牛耳るテスラとは異なるセグメントで勝負しているため、テスラと直接的な競合にならずに済んでいます。

ピックアップトラックは日本では軽トラにあたる車種であり、アメリカではSUVよりも人気を博しています。

なぜなら保険料が安いうえ、荷物を載せて運ぶ利便性が高いためです。

大型商品を買う機会が多いアメリカでは、荷物を多く運べるメリットは大きく、実は女性にも人気がある車種がピックアップトラックなのです。

機能性

リビアンはアウトドア向けの車として、機能性が高いことも特徴として挙げられます。オフロード性能に加え革新的な収納スペース、さらにはビルドインキッチンまで用意されています。

また、R1Tモデルは韓国・サムスンSDI製の車載電池を活用し、フル充電で約500キロの走行が可能です。

<<あわせて読みたい>>

ペロブスカイト太陽電池とは?実用化はいつ?原理や参入企業を解説! ペロブスカイト太陽電池とは?実用化はいつ?原理や参入企業を解説!

リビアンとテスラとの違い

次に、2021年11月に上場を果たし、次期テスラと称されるリビアンとEV先駆者であるテスラとの大きな違いについて解説します。

  • テスラは高級志向に対しリビアンは大衆車
  • オプションがユニーク

テスラは高級志向に対しリビアンは大衆車

リビアンとテスラの大きな違いは、ターゲットとなる顧客層が異なることです。テスラは高級志向に対し、リビアンはアウトドアを目的とした大衆向けの車を目指しています。

デザイナーでありリビアンの副社長であるジェフ・ハムード氏は「テスラやドイツ車はアルマーニのスーツ。

それでハイキングには行かないでしょう。私たちのブランドは、パタゴニアのアウトドアウェアに似ています。」と例えており、コンセプトとしてもテスラとは一線を画しています。

オプションがユニーク

テスラ、リビアンともにボディーカラーやホイール、内装などのカスタマイズが可能ですが、テスラと異なる点は、キャンプキッチンなどのユニークなオプションを選べる点です。

アウトドア向けのリビアンは、コンロやシンク水タンクなどのキッチンオプションにも対応しており、車体横のハッチから電子調理器も取り出せます。

リビアンの車価格

リビアンは、新型ピックアップトラックの「R1T」と電動SUV「R1S」の価格と仕様を発表しています。以下に、そのR1TとR1Sの価格と仕様について解説します。

R1T

R1Tの価格はおよそ75,000ドル(792万円)からで、大型のバッテリーを搭載したモデルで480キロ以上の航続距離を実現しています。

強化アンダーボディーシールド、フロント牽引フックなどを追加するオフロード仕様パッケージも用意されています。

また、ホイールも20インチあるいは22インチの中から選択可能です。

ヘッドライナーには100%再生素材のマイクロファイバーを使用、コンパスイエローなどのアクセント、パターンステッチなどを採用しています。

また、2022年には上位グレードの「アドベンチャー」と「エクスプローラー」の発売が予定されています。

参考:2021年6月発売決定!新型リビアン「R1T/R1S」価格発表|SLASH GEAR

R1S

R1SのR1Tよりも少し高く、価格はおよそ77,500ドル(818万円)となっています。R1Tと同じく、ホイールは20インチあるいは22インチから選択可能です。

シートは、2列5人乗りまたは3列7人乗りから選択でき、仕様は基本的にR1Tと同じです。

まとめ

サスティナブルモビリティ(持続可能な移動手段)の実現に向け、EVの普及は秒読みの様相を呈していますが、半導体、車載用電池の不足など解決すべき課題は残されています。

しかし、これらの課題は一過性であり、不可逆的に発展するテクノロジーの前では、EV普及の大きな妨げになることはないでしょう。

また、現状日本はアメリカや中国などの巨大国にEVで遅れをとっています。

日本ではトヨタの水素エンジン車が対抗馬として注目を集めていますが、世界的に自動車産業の本流は電動化です。

そのため、今後日本が水素社会実現に向けて舵を切るのか、それともEV開発に本腰を入れ、激化する世界戦へと繰り出すのか、決断の時期を迎えているのかもしれません。

<<あわせて読みたい>>

サスティナブル経営とは?会社を成功に導く7つのヒント 【事例あり】サスティナブル経営とは?会社を成功に導く7つのヒント
書籍『数値化の鬼』の要約解説図をプレゼント!
書籍『数値化の鬼』図解要約資料

株式会社識学 代表取締役社長 安藤広大の執筆した書籍『数値化の鬼』が、なんと発売後 約1か月で12万部を突破しました!

この感謝を皆様にも還元すべく、株式会社識学では、『数値化の鬼』の図解解説資料を作成いたしました!

一度書籍をお読みになった方も、まだお手元にない方もどなたでも満足いただける完成度となっています!

眺めるもヨシ、印刷して目の付くところに飾るもヨシ、使い方は自由自在!

是非、こちらからDLしてくださいね!

関連コラム