メラビアンの法則とは?ビジネスに応用できるコミュニケーションの法則を解説

突然ですが、以下のようなことを感じたことはありませんか?

  • 「職場の人間関係がうまくいかない…」
  • 「自分の伝えたいことがうまく伝えられない」
  • 「仕事でもっと上手に相手を説得したい」

もしこのように感じるのであれば、コミュニケーションに関する法則である「メラビアンの法則」を活用してみましょう。

この記事を読むことで、メラビアンの法則について

  • 法則の内容がわかる
  • 伝えたいことを伝える際のポイントが分かる
  • ビジネスで応用する方法がわかる

ようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

メラビアンの法則を正しく理解し、ビジネスや日常生活に役立てましょう。

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メラビアンの法則とは?

メラビアンの法則とは、アルバート・メラビアン氏(米国カリフォルニア大学名誉教授)が発見したコミュニケーションにまつわる法則です。メラビアン氏は「人と人との関わりにおいて、何が相手に影響を与えるのか」という研究を通し、「言葉以外の情報のほうが人に影響を与える割合が大きい」という発見をしました。

コミュニケーションにおいての情報というのは言語情報と聴覚情報、そして視覚情報という3つであり、これらの英単語の頭文字をとって「3Vの法則」と呼ぶこともあります。また、これらが与える影響の割合をもとに「7ー38ー55ルール」という名前でも呼ばれます。

  • 言語情報(Verbal):7%
  • 聴覚情報(Vocal):38%
  • 視覚情報(Visual):55%

これら3つのVはこの法則において欠かせない要素ですので、詳しく解説していきます。

言語情報:7%

相手が「どのような話をしているのか」という話の内容そのものや、言葉の意味が言語情報に該当します。対面での会話や文字だけを用いたメールやチャット、または電話なども言語情報です。

私たちは人と接するときは基本的に言葉を用いているため、無意識に言葉の力を過大評価しています。しかし、メラビアンの法則によって、私たちは言葉から受ける影響はたったの7%しかないということが明らかになったのです。

つまり、私たちは人から受ける影響のほとんどを、非言語情報から受けているのです。

聴覚情報:38%

聴覚情報は音の情報であり、相手が喋っている声色や声の大きさ、喋るスピードや喋り方などが該当します。相手が話している内容そのものよりも、喋り方や声のトーンから「怒っているのか?」や「疲れているのか?」といった相手の感情を読み取れます。

このような聴覚情報から受ける影響は38%であるとされており、言語情報よりも圧倒的に影響力があるのです。

視覚情報:55%

視覚情報は見てわかる情報であり、相手の表情や身振り手振り、目線などが挙げられます。こういったボディ・ランゲージは先程の聴覚情報とあわせて「非言語コミュニケーション」と呼ばれます。

視覚情報は他2つの要素よりもさらに影響力が大きく55%もあり、聴覚情報と合わせると93%にもなります。つまり、人に与える影響力の割合は、90%以上が非言語情報なのです。

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メラビアンの法則の具体的な例

言語情報や聴覚情報など、要素同士でそのメッセージ・イメージが矛盾している場合はどのようになるのでしょうか?メラビアンの法則の具体的な例が下記の2つです

  • 笑顔で怒る
  • 不満げな表情で褒める

それでは1つずつ解説していきます。

笑顔で怒る

まず「笑顔で怒る」ですが、これは実際に実験でも検証されたものです。笑いながら怒られた場合、相手はどのように受け取るのでしょうか?

  • 視覚情報:笑顔、元気そう → プラスのイメージ
  • 言語情報:怒っている言葉 → マイナスのイメージ
  • 聴覚情報:怒っている声色 → マイナスのイメージ

まず、55%と最も影響力が強い視覚情報で判断すると相手は笑顔であるため、プラスのイメージを感じます。しかし、言葉と声色で判断すると相手は怒っているため、マイナスのイメージを感じ、この2つの影響力を合わせると45%になります。

この結果、全体的には相手が怒っていることは理解するが真剣に怒っているわけではない、というように判断する可能性が高いでしょう。

不満げな表情で褒める

次に、「不満げな表情で褒める」場合はどうでしょうか。この場合、3つのVは下記のようになります。

  • 言語情報:褒めている言葉 → プラスのイメージ
  • 聴覚情報:元気で明るい声色 → プラスのイメージ
  • 視覚情報:不満げな表情 → マイナスのイメージ

さきほどの「笑顔で怒る」とは逆のパターンになりました。言語情報と聴覚情報ではポジティブな影響を受けますが、視覚情報ではマイナスのイメージになるため全体的にはネガティブな印象を受けることになります。

この結果、相手が不満げなことに注意が向いてしまい、自分が褒められているとは感じなくなってしまうのです。

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メラビアンの法則でわかる「非言語情報」の重要性

メラビアンの法則は、非言語情報がいかに相手に影響を与えるかを明らかにしました。

私たちは普段、人と接する時に意識的に使っているのは、ほとんどが言語情報です。「何を」言おうか、「何を」言うべきか、というように、「話す内容」ばかり気にかけています。

しかし実際は、「何を」言うかよりも、「どのように」言うかのほうが圧倒的に重要なのです。繰り返しになりますが、具体的な話の内容や言葉選びなどの、「何を言うか」という言語情報が人に与える影響は7%しかありません。一方で、声色やボディ・ランゲージなどの「どのように伝えるか」という非言語情報が人に与える影響は93%もあるのです。

したがって、大切なのは言葉巧みに話すことではなく、「相手に伝えたい」という気持ちということです。

伝えたい気持ちが強ければ、自然と声のトーンや喋り方、姿勢、身振り手振りがそれにふさわしいものになります。「伝わるかどうかわからない」や「どうせ言っても無駄だ」と考えているのであれば、それが非言語情報にあらわれてしまい、結果的に伝わらなくなってしまうのです。

メラビアンの法則でありがちな誤解

この法則のおかげで、非言語情報の重要性が明らかになりました。

しかし、ここで誤解しないでほしいのは「非言語情報さえ良くしておけばいい、というわけではない」ということです。実際、この法則は「相手にどのようにして良い印象を与えるか」といったセミナーなどで活用されていますが、発見した本人は本来の趣旨からはずれて伝わってしまっている、と危惧しています。

視覚情報が与える影響が最も大きいため、「第一印象さえ良ければどのような話をするかは関係ない」や「やっぱり人は見た目が9割」といった解釈をする人が少なくありません。

ですが、メラビアンの法則はあくまでも言葉や声色、表情などに矛盾があるときに、どれを優先して解釈するのかを調査したものです。したがって、その場合に人は視覚情報を優先的に判断材料として使うというだけで、「第一印象さえ良ければいい」というわけではありません。

また、コミュニケーションでは、何が伝わるかは自分次第ではなく、相手次第によるところが大きいことも覚えておきましょう。こちらからメッセージを送るだけではなく、そのメッセージが相手に正しく理解されて初めてコミュニケーションが成立します。

相手に正しく伝わっているかどうかを自分自身が理解するためにも、相手が発する非言語情報を読み取ることが大切になります。

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メラビアンの法則から学ぶ上手なコミュニケーション

メラビアンの法則から学べる、上手に人と接するポイントが下記の3つです。

  • 3つのVを統一する
  • 非言語情報を意識する
  • 相手が理解できる言葉選びをする

それでは1つずつ解説していきます。

3つのVを統一する

まず、最も基本的なことはコミュニケーションの3要素を統一させることです。

コミュニケーションにとって重要なポイントは、自分が伝えたいことをスムーズに伝えられること、つまり円滑な意思疎通ができることにあります。

しかし、先程見た具体例のように「笑いながら怒る」や「不満げな表情で褒める」といった、3つのVに矛盾が生じている状態だとストレートに相手に伝えたいことが伝えられません。

例えば、謝る時に怒った声で「申し訳ございませんでした」と言うのと、申し訳無さそうな表情で頭を下げて「申し訳ございませんでした」と言うのとでは、相手に与える印象がまるで変わりますよね。前者では反省していないと思われ、後者では反省の色が見えて「許してあげよう」という気にもなります。

このように、3つのVを統一させることで、相手に伝えたいことがスムーズに伝えられるようになるのです。

非言語情報を意識する

先程も非言語情報の重要性を解説しましたが、やはり非言語情報を意識することは欠かせません。なぜなら私たちは普段、言葉は意識しても表情や視線、ジェスチャーといった非言語情報は意識していないからです。

例えば、相手の話を聞く際に「へー、そうなんだ」と返事をしても、それが無表情なら相手は「本当に話を聞いてるのかな?」と疑問に感じてしまいます。しかし、それが話の内容に合わせた表情と声のトーンで「へー、そうなんだ」とうなずきながら返事をすればどうでしょうか?

こうすることで相手はちゃんと話を聞いてくれていると理解でき、信頼を寄せるようになるのです。

また、せっかく話している内容が素晴らしかったとしても、声の抑揚がなくボソボソとしていたり、声のボリュームが小さい場合、相手は聞き取れていたとしても真剣に聞いてはくれないでしょう。

相手が理解できる言葉選びをする

メラビアンの法則ではたった7%の影響力しかない言語情報ですが、言葉を軽んじてはコミュニケーションが成り立ちません。

間違った言葉遣いや曖昧な物言いは避けるべきです。やはり伝えるべきことは正しい言葉でハッキリと伝えなければ、誤解やトラブルの原因となります。

また、相手が理解できないような言葉を多用するのも避けるべきでしょう。何かを説明する際は、相手の立場に立って、相手が理解しやすい言葉を用いることで、自分が伝えたいことを正確に伝えられるようになります。

例えば、相手が好きな分野や詳しい世界のものごとに例えて説明すると、相手はより理解しやすくなります。このように、何かを伝えるには最適な言葉選びが欠かせません。

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ビジネスにも応用できるメラビアンの法則

ビジネスの世界で欠かせない能力がコミュニケーション能力です。職場や仕事上の人との関わり合いで、悩みを持つ人も多くいます。そんなときに役立つ、メラビアンの法則を応用する方法を解説します。

効果的な電話対応をするには?

「仕事の電話対応が苦手…」と感じる方もいるのではないでしょうか。確かに、急な電話対応は焦って何を言えばいいのかわからなくなってしまうこともありますよね。

しかし、メラビアンの法則でわかっている通り、「何を言うか」よりも「どのように伝えるか」のほうが重要です。つまり、何を言えばいいのかと悩むよりも、声のトーンや抑揚を意識することがポイントになります。

さらに電話では最も影響力の大きい視覚情報がないため、さらに聴覚情報が影響力を増します。だからこそ、相手が聞き取りやすい声で話し、話の内容が伝わりやすいように大げさに抑揚をつけるとよいでしょう。

そのうえで言語情報を意識し、相手にとって理解しやすい言葉を用いると、気持ちの良い電話対応が可能になります。

上司と部下の関係を良好に保つには?

上司と部下という立場の異なる関係においては、お互いが言葉遣いや態度に敏感で、どのようにコミュニケーションを取るべきか悩む人が多くいます。

日常的な会話でちょっとした言葉遣いで勘違いされる可能性もあるため、言葉や表情、話し方といった3つのVを統一させておくことが重要です。

例えば、上司が部下を褒める時に「すごいな、よくやった」と言ったとしても、無表情でボソボソとした声で言った場合、部下は本当に褒める気があるのか疑ってしまいます。むしろ、「何か他に言いたいことがあるのだろうか」と不安になるかもしれません。

一方で、笑顔で「すごいな!よくやった!」と元気よく伝えた場合はどうでしょうか? 褒め言葉が本心であることが伝わり、部下も嬉しくなるはずです。その結果、部下のモチベーションも上がるでしょう。

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メラビアンの法則で重要なことは3つのVを統一させること

メラビアンの法則を知ると、見た目や喋り方といった非言語情報の重要性がアピールされており、そこに注目が行きがちです。その結果、話す内容よりも第一印象だけを良くしようという誤った方法も見受けられます。

しかし、メラビアンの法則でわかることは非言語情報の重要性だけではなく、言語情報と聴覚情報、視覚情報の3つの要素を統一させることです。ここに矛盾があるまま何かを伝えようとしても、相手には伝わらないか誤解されてしまうでしょう。

したがって、特にコミュニケーションが重要な意味を持つビジネスにおいては、3つのVを統一させることが重要です。

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