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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や定義を簡単に解説!進め方や導入後に実現できることも紹介

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や定義を簡単に解説!進め方や導入後に実現できることも紹介

DX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが日常的に使われ始め、どの業界においてもDXが業務改善のテーマになりつつありました。

さらにCOVID-19の大流行により、DXが新たな緊急課題となり、多くの組織がトランスフォーメーション作業のスピードアップを余儀なくされています。

ITを活用しながら時代の変化に対応し、自社の競争力を高めなければ、これからのビジネスで生き残ることは難しいでしょう。自社が生き残るためには、よりDXを進めていかなければなりません。

この記事では、デジタルトランスフォーメーションについて徹底解説していきます。この記事を読めば、DX実現に向けて何をすれば良いのかがわかります。

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目次

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation: DX)とは、デジタル技術を活用して、ライフスタイルやビジネススタイルをより良いものに変えていくことを言います。

スマートフォンやインターネットが広く普及し、オンライン人口が増加している現在、人々の生活は24時間365日、デジタルの世界と切り離せないものになっています。

各企業のビジネスモデルのなかにDXという考え方を導入することで、マーケティング効果の向上や業務の効率化・コスト削減だけでなく、人の価値観も変わると考えられています。

DXは、単に新しいテクノロジーを採用するだけではなく、組織の考え方を大きく変えることが必要です。そのためには、これまでとは異なる考え方をし、新しいビジネスモデルを採用しなければなりません。

なぜ『DX』と略されるのか?

デジタルトランスフォーメーションはDXと略されます。Digital Transformationなので、”X”はどこにもありません。なぜ『DX』なのでしょうか?

なぜなら、英語圏においては、 “trans-“は交差点を意味する “x-“と置き換えることができるからです。

そのため、Digital X formationと省略することができます。それがさらに省略され『DX』と呼ばれるようになったのです。

デジタルトランスフォーメーションの定義

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。

一言で言えば、DXはデジタル技術で生活やビジネススタイルの価値を変えることを意味しています。既存のビジネスの枠組みをDXによってひっくり返し、より良いものに変えていくことで、人々の生活を豊かにすることを目指しているのです。

DXとは、既存の価値提供プロセスをデジタル技術で代替することを意味しますが、DXに必要なデジタル技術を具体的に特定することはできません。

それぞれのビジネスモデルに合った形で新しい価値をもたらすサービスを生み出すためには、価値提供の仕組みを変えることが必要です。その仕組みを変えるために必要な具体的技術は、どのようなサービスを提供するかによって変わってくるのです。

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なぜDXが注目されているの?DXが注目されている理由

時代とともに、IT技術をはじめとする技術革新が起こり、これまでのビジネスプロセスは環境変化に柔軟に対応してきました。

現代社会では、人件費の上昇に伴うコストの拡大により、企業規模を問わず、業務に関わる人材など様々な分野で急激な格差が生じています。このような時代には、「生産効率の向上」、「加工・提供スピードの向上」、「コスト削減」といった従来の業務改善だけでは企業は生き残れません。

企業各社がのDXに関する取組みを進め、人々の価値観を変えていくことで、新しい社会を創造していかなければなりません。

企業がDXに取り組む理由はいくつかあります。しかし、圧倒的に多いのは「やらなければならない」という理由です。DXの実現は、自分の会社の生き残りをかけた取り組みとなるからです。

たとえばアメリカでは、Uberが交通機関に参入したことで、レンタカー会社からタクシー会社まで、ライドシェアや自転車やスクーターなどのオンデマンドサービスに関する同様の取り組みを余儀なくされました。そのため、経営者たちは絶えず、自社のサービスを再考して提供しなければならないというプレッシャーを感じるようになっています。

COVID-19のパンデミック以降、サプライチェーンの混乱、市場投入までの時間的なプレッシャー、急速に変化する顧客の期待などに迅速に適応する能力が重要になっています。

そして、支出の優先順位もこの現実を反映しています。2020年5月に発行されたInternational Data Corporation(IDC)のWorldwide Digital Transformation Spending Guideによれば、ビジネスプラクティス、製品、組織のデジタルトランスフォーメーション(DX)への支出は「堅調なペース」で続いています。

つまり、COVID-19によって世界がパンデミックの危機の最中にあるにも関わらず、企業のDX実現のための支出は続いているのです。このことは、DX実現の流れが、もはや変えられないところまで進んでいることを意味しています。

[参考:Worldwide Digital Transformation Spending Guide | International Data Corporation(IDC)]

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IT化とDXの違い・関係性って?

DXと似た言葉として、IT化という言葉をよく耳にします。

しかし、これらは同じものではなく、それぞれに異なる意味があります。

IT化とDXについて

IT化とは、一言で言えば、物理的なドキュメントに閉じ込められた情報をアナログからデジタルに変換することです。

IT化とは、デジタル化された情報を使って、よりシンプルで効率的な仕事をすることです。そして、今日のビジネスにおいては、これまで以上にデジタル化の重要性が高まっています。

その一方で、DXはビジネスのやり方を変えるものです。それは、一歩下がって、社内システムから顧客とのやり取りなど、すべての業務を見直すことを意味しています。DXの重要な要素は、自社のテクノロジーの真の可能性を理解することから始まるのです。

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レガシーテクノロジーからの脱却

DXの重要な要素は、言うまでもなくテクノロジーです。しかし多くの場合、DXは、新しいテクノロジーを導入することよりも、それまで使用してきた古いプロセスやレガシーテクノロジー(時代遅れの古いテクノロジー)を取り除くことがまずは重要であり、さらにイノベーションを実現することも大切です。

日本におけるレガシーテクノロジーの代表的なものと言えば、FAXを挙げることができるでしょう。日本の組織では、まだまだFAXがビジネスに活用されていますが、世界的に見ればFAXはレガシーテクノロジーであり、メールやチャットのような新しいテクノロジーでの同様の機能を代替することができるにも関わらず、依然として使われている、というものです。

企業のITにはレガシー技術が多く存在しているため、DX戦略に着手する際の障害となっています。今日のデジタル変革の急速なペースに合わせてビジネスを進化させたいのであれば、可能な限りテクノロジーを活用して効率化を図らなければなりません。

自動化技術は、多くのIT組織のスピードアップと技術的負債の削減にも貢献するでしょう。

DXの進め方・手順

DXは以下の手順で推進します。

  1. ビジネスに導入されている実践を分析する
  2. 綿密な調査を行う
  3. DXに関わる人々に情報を提供する
  4. 社内外の手順とチャネルの調和
  5. チームのトレーニング
  6. 結果を評価する

手順の詳細は以下の通りです。

1.ビジネスに導入されている実践を分析する

何かを変える前に、まず現在のプロセスを理解することが重要です。

また、その効果を測定し、さまざまなプレーヤーが遭遇する課題を定義することも必要です。既存の実践の分析は、その実践方法での限界を理解するための優れた方法です。また、DXによって解決すべき問題を定義するのにも役立ちます。

2.綿密な調査を行う

この調査では、1.で定義した問題を解決するために利用可能なデジタルツールを網羅する必要があります。デジタル化された新しい実践を効率的に導入するためには、その市場に関する知識が必要不可欠です。

3.DXに関わる人々に情報を提供する

DXによって変化する実践に対する意識を高めるために、従業員を巻き込む必要があります。

どんなに優れたテクノロジーを導入しても、従業員によってそれが使われなければ意味がありません。そのテクノロジーを活用することで、どのような変化が起きるのか、きちんと説明することが重要です。

4.社内外の手順とチャネルの調和

DXによって、社内の構造を変革する場合には、この変革を社外の業務(顧客やサプライヤーなど)にも反映させなければなりません。

自社のみでテクノロジーを導入しても、その影響は限定的なものとなってしまいますし、テクノロジーを導入してない取引先がボトルネックとなってしまう可能性があります。

5.チームのトレーニング

社内外の従業員に新しいプロセスを教える必要があります。これにより、ステークホルダーが最新の実践を理解し、その有効性を確保することができます。

6.結果を評価する

実践の変更や、実際にDXの結果を測定する必要があります。これにより、解決した問題とまだ課題が残っている問題を明確にすることができます。

国内企業のDX推進の現状

株式会社電通デジタルが2020年12月に公表した「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)」によれば、日本企業の74%がデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)に着手しており、前年比で+4%の拡大となっています。

本レポートのなかで、Covid-19の影響によるDX推進への影響については、DXに着手している企業の約半数でDX推進が「加速」したという調査結果がエられている一方で、「中断/減速」は企業の1/4にとどまり、コロナ禍での環境がむしろ日本企業のDXを後押ししている現状が伺える結果となっています。とはいえ、経産省のデータではまだまだ取り組めていないというデータも出ています。

[参考:日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度) | 株式会社電通デジタル]

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経済産業省公表のDXレポート

国内企業のDX実現を進めるべく、日本では、経済産業省が『DX推進ガイドライン』を講評しています。このガイドラインは、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にすること、取締役会や株主がDXの取組をチェックする上で活用できるとすることを目的としたものです。

経済産業省の『DX推進ガイドライン』において、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

経済産業省が2020年10月に発表した調査では全体の9割以上の企業がDXにまったく取り組めていないレベルか、散発的な実施に留まっている状況が指摘されており、日本企業がまだまだDXに取り組めていない現状を伺い知ることができます。

[参考:DXレポート | 経済産業省]

DXを通じて実現できる5つのこと

DXを通じて実現できることは以下5つです。

  1. ビジネスプロセスの効率化
  2. ユーザーエクスペリエンスの向上
  3. ビジネス収益の増加
  4. より迅速で優れた意思決定
  5. アジリティとイノベーションの向上

それぞれわかりやすく解説します。

1. ビジネスプロセスの効率化

DXの核心は、プロセスやワークフローをより速く、より簡単に、そしてより効率的にすることです。たとえば、書類管理をデジタル化し、書類データが必要な場所に自動的に移動するようにすれば、従業員は収益につながる他の活動に集中することができます。

2. ユーザーエクスペリエンスの向上

DXによって、企業はカスタマージャーニーにおける障害をより多く排除することができます。

たとえば、オンボーディングプロセスをデジタル化することで、新規顧客がカスタマーサポートの担当者を介さずに自社サービスの利点についてすべて説明を受けることができるようになり、よりスムーズなユーザーエクスペリエンスが実現できるので、より多くの見込み客を獲得することができるようになります。

3. ビジネス収益の増加

上述したビジネスプロセスの効率向上とユーザーエクスペリエンスの改善により、デジタルトランスフォーメーションは必然的に収益の改善につながります。

最近のガートナー社の調査では、調査対象となったCEOの56%が、デジタルの改善がすでに収益の増加につながっていると回答しています。

 [参考:Gartner Survey Shows 42 Percent of CEOs Have Begun Digital Business Transformation | Gartner]

4. より迅速で優れた意思決定

IT化、DXが進んだ今日の企業は、かつてないほど大量のデータにアクセスできるようになりました。

適切な分析ツールを使えば、企業はこれらのデータを貴重なリアルタイムのビジネスインサイトにまで高めることができ、より多くの情報に基づいた、より迅速な戦略の決定に役立てることができます。

5. アジリティとイノベーションの向上

デジタル・イノベーションの急速な進化により、企業は安住することができなくなりました。

先頭を走っている企業であっても、常に適応性を保ち、ビジネスの革新性を高め続けなければなりません。常に新しい業界の競合他社、新しい技術ツール、そして新しいイノベーションのトレンドが地平線上に現れています。つまり、DXはビジネスのスピード感を向上させるのです。

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DX推進時の7つの課題

DXが求める大規模な変化は、「革新的な技術」、「顧客の行動」、「外部要因」という、密接に関連し連携した3つの重要な要素によって引き起こされます。

技術革新は、より良い結果をより速く、より少ない労力で、より低いコストで提供するため、既存のサービスに破壊をもたらすものでもあります。

これによって、消費者が新たな嗜好、要求、ビジネスへの期待を持ち始めるため、これまでとは顧客行動が変化することになります。このような市場の変化は、今度はすぐに新しい規制法や業界の新しい競争相手など、新しい外部要因の変化を引き起こします。

たとえば、Uberの革新的なライドシェア技術は、タクシーの利用をよりスムーズに、より楽しく、より効率的にすることで、交通部門の既存のサービスに創造的な破壊をもたらしました。これにより、タクシーの利用者である人々はオンデマンドサービスを好むようになり、タクシー業界のユーザーエクスペリエンスと消費者の期待が大きく変化しました。そして、こうした革新的な技術の登場や顧客行動が変化することで、市場に対する規制が強化されたり、新しい競争相手が現れたりするようになっていくのです。

DXによって市場が変化しているにもかかわらず、以前として全ての企業でDXが進んでいるわけではありません。それでは、なぜDXが進まないのでしょうか?以下では、DXが進まない要因について考えていきます。

  1. 専用のITスキルの欠如
  2. 変革への理解の欠如
  3. 進化する顧客ニーズ
  4. 明確な戦略を持たない
  5. 予算の問題と制約
  6. 非効率なデータ管理
  7. 非効率なビジネスプロセス

それぞれわかりやすく解説します。

1. 専用のITスキルの欠如

DXを成功させるには、高度なスキルを持った専任のITチームが必要です。

しかし、多くの企業が新しいテクノロジーを追求するにつれ、労働力不足が生じており、こうしたITチームの構築は難しくなっています。54%の企業が、スキル不足がトランスフォーメーションの目標達成を妨げていると報告しています。特に、以下のような専門知識が不足していました。

  • サイバーセキュリティ
  • テクニカルアーキテクチャー
  • エンタープライズ・アーキテクチャ
  • 高度なデータアナリティクス

この問題を回避するためには 社内のチームを補完するために、外部の専門家やソフトウェア・コンサルタントを雇うことを検討する必要があります。

また、顧客への理解を深め、サービスプロバイダーとのパートナーシップを構築し、ノーコード/ローコードプラットフォームによる開発コストの削減にも注力する必要があります。

[参考:THE HARVEY NASH / KPMG CIO SURVEY 2020 | KPMG]

2. 変革への理解の欠如

時代遅れの組織構造、非効率なワークフロー、硬直したリーダーシップスタイルは、いずれもDXの成功を妨げます。このことは、2020年に企業がリモートビジネスモデルへの迅速な移行に苦労したときほど顕著なものでした。

新しいツールを使いこなすだけでも大変なのに、そこに変革への抵抗が加わると、変革は不可能に見えてきます。DXの技術的な側面だけに注目するのではなく、DXが直接影響を与える人々のことを考え、包括的なマネジメントプランを策定する必要があります。

3. 進化する顧客ニーズ

Covid-19によって、人々はノートパソコンやスマートフォンだけでどれだけのことができるかを実感しました。そのため、お客様の目は以前にも増して肥え、要求も厳しくなっています。

今や、タッチレス・チェックアウト・オプションのようなテクノロジーは、顧客から必要不可欠なオプションとして、ますます期待されるようになっています。

テクノロジーも顧客の要求も、常に変化し続ける時代です。お客様が提供してほしいテクノロジーを知っていると思い込むのではなく、時間をかけて市場調査を行うことが重要です。

そうすれば、顧客が実際に何を求めているのか、また、顧客のビジネスを獲得するために競合他社が何をしているのかを知ることができるでしょう。

4. 明確な戦略を持たない

DXは単なる流行語ではなく、それでいて明確な定義を持たずに語られることが多いのです。

そのため、企業は、変革の必要性は確信していても、どこに向かっているのかよくわからないまま、漠然とした状況の中で前進することになります。

戦略がなければDXが軌道に乗らない可能性があります。そこで、自問してみてください。自分の会社の目標と優先事項は何か?それは組織全体で一貫しているでしょうか。ビジネスとITの整合性が取れているかどうかは非常に重要です。

5. 予算の問題と制約

明確な戦略を持たない場合に発生するもう一つの問題は、予算の設定や遵守が難しいことです。どんどん変化していくカスタマイズの要望やお客様のニーズに対応しなければなりません。そんななかで戦略がなければ、予算やスケジュールが増えても、ほとんどメリットのない決断をしてしまうことになります。

私たちは、長期的な目標を見据え、そのマイルストーンに基づいて現実的なプロジェクト計画を立てなければなりません。そのためには、導入するデジタルソリューションと、それらを統合する文化を明確に理解する必要があります。

6. 非効率なデータ管理

顧客データはDXの柱の一つです。顧客データがあれば、購買者の好みや行動、将来の意思決定の可能性について、豊富な洞察を得ることができます。このデータをどのように収集し、整理するかが重要です。

まだサイロ化されたシステムで作業している場合は、これらの情報を統合して一元的にアクセスできるようにするのは難しいでしょう。また、データセンターに保管されている場合も同様のことが言えます。DXで効率的にすべき点でありながら、非効率だからこそなかなか変えられない課題ともなるのです。

7. 非効率なビジネスプロセス

現在のビジネスプロセスは、最適なものとなっているでしょうか?もしそうでなければ、ワークフローを調整し、ビジネスルールを変更し、レガシーシステムの導入時に想定していたのとは異なる方法でデータを活用する必要があるかもしれません。

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DX実現のためのデジタル技術

DXを実現するためには、いくつかの有効的なデジタル技術が存在します。これらの内容を知り、企業のビジネスやワークフローに合った方法で取り入れ、活用することが重要です。

具体的に以下7つを紹介しましょう。

  • IoT
  • AI(artificial intelligence)
  • クラウド・コンピューティング
  • 5G
  • サイバーセキュリティテクノロジー
  • 仮想現実(VR)/拡張現実(AR)
  • HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)

それぞれわかりやすく説明します。

IoT

IoTとは、Internet of Things (モノのインターネット)を意味しており、これまでインターネットに繋がっていなかったモノをインターネットに繋がるようにする技術の総称です。

IoTは主に、離れた場所からモノの状態を把握する役割や、モノ同士が双方向でさまざまなデータをやりとりする役割を果たします。モノから収集したデータはビッグデータとして一つ蓄積できるため、IoTはDXの推進に欠かせない技術です。

AI(artificial intelligence)

人工知能(artificial intelligence: AI)は、データに対する「認識」と「予測」を得意としています。

画像や音声のような既存の技術ではうまく認識できなかった情報を扱うことができ、過去のデータをもとにした将来の高精度な予測が可能です。今後、DXを実現するための中心的な技術として目されています。

クラウド・コンピューティング

クラウド コンピューティングとは、インターネット上にあるリソースを活用する技術のことを言います。

クラウドコンピューティングのサービスを提供する企業(クラウドベンダー)が構築した、 IT インフラや開発環境、アプリケーションなどのコンピュータリソースをインターネットを通じて遠隔で活用することができます。

5G

第5世代移動通信システム(5G)は、携帯電話などの通信に用いられる次世代通信規格のひとつです。Gとは「Generation」の頭文字をとったものであり、5世代目であることを表しています。

ビッグデータとAI、IoTなどを活用してSociety 5.0を実現することによって、自動車や自操する機械などの自動運転技術の実現や少子高齢化の問題解決、経済的格差の是正など多くの社会問題を解決できると期待されています。

5GはまさにこのSociety 5.0を実現する上で必要不可欠なテクノロジーです。なぜなら、インターネット上にある膨大なデータをロボットやAIなどが自動的に処理させるためには、それを高速でつなぐ通信技術、すなわち5Gが有効だからです。

サイバーセキュリティテクノロジー

サイバーセキュリティとは、デジタル化された情報の改ざんや漏えいを防ぐ技術のことを言います。 情報は常に「信頼性」が保たれていなければなりません。

しかし、デジタル化された情報は誰でも簡単に持ち運べますし、インターネットが普及した現代では遠隔地からの情報へのアクセスが可能です。そうした情報に一定の制限をかける技術が、サイバーセキュリティテクノロジーです。

仮想現実(VR)/拡張現実(AR)

VR(Virtual Reality:仮想現実)とは、環境全体をシュミレーションし、ユーザーの世界を仮想的な世界に置き換えるテクノロジーを指します。一方、AR(Augmented Reality : 拡張現実) とは、シミュレーションした環境で現実の環境を拡張しするテクノロジーです。VR(仮想現実)とAR(拡張現実)は、どちらもユーザーにシミュレーションした環境を届ける技術です。

HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)

HMIとは、人間と機械との間にあって、人間からの指示を機械に送り、機械からの結果を人間に送る技術のことをいいます。

パソコンやスマートフォンなどは、キーボードやマウス、タップなどで指示を与えると、それに対応した表示が出るようになっています。すなわち、人間はキーボードやマウスなどで指示を与え、コンピューターはその結果を示しているわけです。こうした技術をHMIと呼びます。

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DX推進の取り組み3つの事例

現在、DXを推進している国内企業の中から、具体的な例を3つ紹介します。

  • 清水建設株式会社
  • 大塚製薬
  • SCSK株式会社

清水建設株式会社

清水建設(株)は、ビル機能を容易にアップデートできるデジタル化プラットフォームの提供を2020年に開始しました。それがDX-Coreです。

DX-Coreは、建物内の建築設備やIoTデバイス、各種アプリケーションの相互連携を容易にする建物運用デジタル化プラットフォーム機能を備えた基本ソフトウェアです。DX-Coreの特徴は、建物運用にかかわる設備機器やアプリケーション間の連携をメーカーの違いを問わずビジュアルツールで自在に図れることとなっています。

大塚製薬

精神科医療に対するデジタルソリューション事業を行うため、大塚製薬と日本アイ・ビー・エムが合併会社である大塚デジタルヘルスを設立しています。

精神科医療では、症状や病歴など重要な医療情報の多くが数値化されておらず、電子カルテ等に自由記述で蓄積されていました。しかし、これらの閲覧や分析には時間を要するため、その膨大なデータが十分には活用されていませんでした。

そこで、これまで数値化しにくかった症状や病歴などの記述を自動的に統合・分析してデータベース化。医療従事者が患者さんの医療データを有効に活用し、より良い医療を提供できるよう支援できるテクノロジーを開発しています。それが「MENTAT®」です。「MENTAT®」は、電子カルテに入力された患者さんの様々な情報を元に分析結果を提示し、患者さんへの最適なアプローチを支援する、データ分析ソリューションです。

SCSK株式会社

SCSKは、中期経営計画に基づき、基本戦略である「事業革新」にてコア事業における業務プロセスと顧客接点の革新で競争優位を確立し、「DX事業化」にて顧客・異業種・グローバル共創により新たな事業の創出に取り組んでいます。

まとめ DXとは?

テクノロジーは、さまざまな業界の企業に、瞬時に世界中の人々と関わることのできる素晴らしい可能性を提供しています。パンデミックが発生する前、多くの企業はこれらの機能がもたらす可能性に気づき始めたばかりでした。

しかし、Covid-19の影響で対面での会議や仕事が制限されたことで、テクノロジーがどれほど強力なものであるかをすぐに理解することができました。

このパンデミックは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、今後もイノベーションと技術導入を促進するような状況を生み出しました。

企業がこのような最新テクノロジーの能力をよりよく理解するようになれば、パンデミックが終わった後も、目の前に広がるチャンスをDXによって広げることができるでしょう。

2020年以降は、昔のようなビジネスのやり方に戻る可能性はほとんどありません。好むと好まざるとにかかわらず、DXの実現は、至るところで現実に目の前で起こっているのです。

そして、それがすべての人にとって、より良く、より幸せで、より公平な世界をもたらすものとなるように、私たちもDXに取組んでいかなければなりません。

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